眼科医が解説するLPとは?

眼科医が解説するLPとは?

眼のことを教えて

先生、『LP』ってなんですか? 目の検査の記録に書いてあったんですけど。

眼の研究家

『LP』は『light perception』の略で、日本語では『光覚』って言うんだ。目の前に光があることを感じる能力を表しているんだよ。

眼のことを教えて

光を感じる能力だけですか? ぼんやりとでも物が見えたりするんじゃないんですか?

眼の研究家

そうだね。『LP』は光を感じる能力だけを指すんだ。物の形や色まではわからない状態を表しているんだよ。検査の記録では、目の状態を詳しく伝えるためにこういう用語を使うんだね。

LPとは。

「LP」という目の用語は、「光覚」の英語表現「light perception」を省略したものです。これは、光を感じとる能力を表しています。

LPとは何か

LPとは何か

LPとは、眼科でよく使われる言葉で、光の感覚があるかどうかを調べる検査のことです。正式には「光覚弁」といい、英語の「Light Perception」を省略したものです。

私たちが普段受ける視力検査では、アルファベットの「C」のような形をした「ランドルト環」や、数字が書かれたパネルを使って、どれくらい細かいものが見えるかを測ります。しかし、ケガや病気などで視力が著しく低下してしまった場合、この検査では視力を測ることができません。このような場合に、LP検査を行い、光を感じることができるかどうかを調べます。

LP検査では、明るい光を当てたり消したりして、光を感じることが出来るかどうかを判定します。光を感じることができれば「LPあり」、全く感じることができなければ「LPなし」と診断されます。LP検査は、視力回復の可能性や治療方針を検討する上で重要な情報となります。

項目 内容
略語 LP
正式名称 光覚弁(Light Perception)
目的 光の感覚の有無を調べる
対象 怪我や病気などで視力が著しく低下した人
方法 明るい光を当てたり消したりする
結果 – 光を感じれば「LPあり」
– 光を感じなければ「LPなし」
意義 視力回復の可能性や治療方針決定の重要な情報

LPの検査方法

LPの検査方法

目の診察で、光をどのくらい感じられるかを調べる検査を、「光覚検査」といいます。この検査では、片目ずつ交互に光を当てて、光を感じるか、光の方向がわかるかを調べます。

検査は、周りの光の影響を受けないように、暗い部屋で行います。部屋を暗くすることで、まぶしさの影響をなくし、わずかな光でも感じられるかどうかを正確に判断することができます。

検査には、ペンライトと呼ばれる懐中電灯のような医療用の光源を用います。検査を受ける人は、目を閉じたり、目線をそらしたりせずに、光源をじっと見つめます。

光を感じることができれば、「光覚あり」と記録します。さらに、光の方向を正しく認識できれば、「光覚弁あり」と記録します。光を感じることはできても、その方向が分からなければ、「光覚のみ」と記録します。

この検査によって、視力に影響を与える可能性のある、網膜や視神経の病気を早期に発見することができます。

項目 詳細
検査名 光覚検査
目的 光の感知能力を調べることで、網膜や視神経の病気を早期発見する
方法 片目ずつ暗い部屋でペンライトなどの光源を用いて、光を感じるか、光の方向がわかるかを調べる
判定 – 光を感じ、方向がわかる場合:光覚弁あり
– 光は感じるが、方向がわからない場合:光覚のみ
– 光を感じない場合:光覚なし

LPの重要性

LPの重要性

眼科の診察において、「光覚」は、病気の深刻さや、その後の経過を見極める上で、とても大切な情報になります。

例えば、「網膜剥離」や「視神経炎」といった病気では、初期には視力が低下している状態ですが、病気が進むにつれて、光を感じるかどうかだけが判断基準となり、さらに悪化すると、全く光を感じなくなってしまうこともあります。

また、光を感じるかどうかにより、手術をするかどうかの判断や、治療方針を決める場合もあります。例えば、網膜剥離の手術をする際、手術前に光を感じることができれば、手術によって視力が回復する可能性があります。しかし、全く光を感じない場合には、手術をしても視力が回復する見込みは低いと判断されます。

このように、光を感じるかどうかは、目の病気を正確に診断し、適切な治療を行う上で、非常に重要な要素となります。診察の際には、光を少しでも感じるかどうか、どの程度感じるのかを、医師によく伝えるようにしましょう

光覚の有無 病気の深刻度 治療方針への影響 予後
光覚あり 初期段階の可能性 手術などの治療方針決定に影響 視力回復の可能性あり
光覚なし 重症化している可能性 治療方針の決定に影響 視力回復の見込みが低い

LPがない場合

LPがない場合

目の診察で「対光反射」の検査があります。これは、瞳孔に光を当てたときに、瞳孔が小さくなるかどうかを確認する検査です。瞳孔が光に反応して小さくなることを「対光反射がある」といい、「LPあり」と表現されます。反対に、瞳孔が光に反応して小さくならないことを「対光反射がない」といい、「LPなし」と表現します。

対光反射がない場合は、目に光が入ってきても、その情報が脳に伝わっていない可能性があります。これは、網膜剥離や視神経萎縮など、視覚に関わる重要な器官に異常があることを示唆している可能性があります。このような状態は、放置すると失明につながる可能性もあるため、早期の発見と治療が非常に重要です。

ただし、必ずしも目の病気だけが原因で対光反射がないとは限りません。例えば、意識障害や脳腫瘍など、脳神経系の異常によって対光反射がない場合もあります。そのため、眼科での検査に加えて、脳神経外科など他の診療科での検査が必要になることもあります。

対光反射がない場合は、様々な原因が考えられます。自己判断せずに、速やかに医療機関を受診し、適切な検査を受けるようにしましょう。

対光反射 説明 原因 結果
あり(LPあり) 瞳孔が光に反応して小さくなる 正常な反応 視神経など視覚伝達経路に問題がない
なし(LPなし) 瞳孔が光に反応して小さくならない 1. 網膜剥離、視神経萎縮など視覚器の異常
2. 意識障害、脳腫瘍など脳神経系の異常
放置すると失明の可能性
眼科だけでなく、他の診療科での検査も必要になる場合あり

まとめ

まとめ

眼科を受診した際に測定する項目の一つに、「LP」があります。LPは「光覚弁」の略称で、目の前に光を感じることができるかどうかを評価する検査です。LPは視機能の状態を把握する上で、視力検査と同じくらい重要な指標となります。
視力検査では、はっきりとした「もの」や「記号」の見え方を測定しますが、LPは視力検査では測定できない、ごくわずかな光を感知できるかどうかを調べます。
LPは、視力低下の原因を探ったり、病気の深刻さや今後の見通しを立てたり、治療方針を決定したりする上で重要な役割を担います。例えば、視神経に障害が起こる緑内障などの病気では、初期段階では視力に影響が出ない場合もありますが、LPは低下することがあります。そのため、LPの変化を早期に発見することで、病気の進行を遅らせたり、失明のリスクを減らしたりすることができます。
LPは、私たちの大切な視覚機能を維持するために欠かせない検査です。日頃から眼の健康に関心を持ち、定期的な眼科検診を受けるようにしましょう。

項目 説明
LP(光覚弁) 目の前に光を感じることができるかどうかを評価する検査。
視力検査では測定できない、ごくわずかな光を感知できるかどうかを調べる。
重要性 視機能の状態を把握する上で、視力検査と同じくらい重要な指標。
視力低下の原因を探ったり、病気の深刻さや今後の見通しを立てたり、治療方針を決定したりする上で重要な役割を担う。
LPと病気 緑内障などの病気では、初期段階では視力に影響が出ない場合もあるが、LPは低下することがある。
LPの変化を早期に発見することで、病気の進行を遅らせたり、失明のリスクを減らしたりすることができる。
まとめ LPは、私たちの大切な視覚機能を維持するために欠かせない検査。
日頃から眼の健康に関心を持ち、定期的な眼科検診を受けるようにしましょう。