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目の病気

牛眼:先天緑内障の兆候

- 牛眼とは牛眼とは、生まれつき目のかっぱく(角膜)に高い圧力がかかってしまう病気、先天性緑内障の患者さんにみられる症状の一つです。この病気は、目の中を循環する水がうまく排出されずに、目に水が溜まってしまうことで起こります。その結果、目の中の圧力(眼圧)が異常に高くなってしまい、視神経に悪影響を及ぼします。牛眼は、この高い眼圧によって角膜がむくんでしまい、本来は透明である角膜が白っぽく濁って見える状態を指します。その見た目が牛の目に似ていることから、牛眼と呼ばれています。牛眼は、放置すると視力に悪影響を及ぼし、最悪の場合失明に至る可能性もあります。先天性緑内障は早期発見・早期治療が非常に重要となるため、赤ちゃんや小さいお子さんの目がいつもと違うと感じたら、早めに眼科を受診することが大切です。
目の構造

眼球の動きを司る内直筋

私たちは、周囲の世界を鮮明に捉えるために、絶えず目を動かしています。この眼球運動は、まるで糸で操られる操り人形のように、複数の筋肉の緻密な連携によって成り立っています。 眼球運動を司る主な筋肉は、外眼筋と呼ばれ、全部で6本あります。これらは、上下左右の直線的な動きだけでなく、斜め方向の動きや回転運動など、複雑で滑らかな眼球の動きを可能にしています。 外眼筋は、脳からの指令を神経を通して受け取り、瞬時に収縮と弛緩を繰り返すことで、眼球を思い通りに動かします。この精巧なシステムのおかげで、私たちは、動いている物体を追跡したり、遠くの景色を眺めたり、近くの物体に焦点を合わせたりすることができるのです。 もし、これらの筋肉の働きに異常が生じると、物が二重に見えたり、視野が狭まったり、眼球の動きが制限されるなど、様々な視覚障害が現れます。そのため、眼球運動は、私たちの視覚機能にとって非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。
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眼の中で働く筋肉:内眼筋

私たちは、世界を見るために眼を使っています。眼は、光を捉えて脳に伝えることで、私たちに景色や色、形などを認識させてくれる大切な器官です。そして、この眼を自由に動かし、様々な方向を見ることができるのは、眼球運動のおかげです。この眼球運動を支えているのが、いくつかの種類の筋肉です。 眼球運動を司る筋肉は、大きく分けて二つのグループに分けられます。一つは眼球の外側に位置する筋肉で、外眼筋と呼ばれます。もう一つは、眼球の内側に存在する筋肉で、内眼筋と呼ばれます。 外眼筋は、全部で6本あり、それぞれが上下左右斜めの方向に伸びています。これらの筋肉が協調して働くことで、眼球はスムーズに動くことができます。例えば、遠くのものを見ようとするときには、これらの筋肉が眼球の向きを遠くに向けるように働きます。また、近くのものを見るときには、眼球の向きを内側に寄せるように働きます。 一方、内眼筋は、主にレンズの厚さを調節する役割を担います。レンズは、カメラでいうとレンズの役割を果たしており、ものを見る距離に合わせて厚さを変えることで、常に鮮明な像を網膜に映し出すことができます。また、内眼筋は、瞳孔の大きさを調整する役割も担います。瞳孔は、眼球に入ってくる光の量を調整する役割を果たしており、明るい場所では瞳孔が小さくなり、暗い場所では瞳孔が大きくなります。
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ウェーブフロントレーシックでより鮮明な視界を!

- ウェーブフロントレーシックとは? ウェーブフロントレーシックは、近視や乱視を矯正する手術の方法の一つです。レーザーの一種であるエキシマレーザーを用いて、目の表面にある透明な膜である角膜の形を変えることで、視力を矯正します。 従来のレーシック手術では、近視や乱視の度数だけに合わせた矯正を行っていました。しかし、ウェーブフロントレーシックでは、一人ひとりの目の微妙な歪みや高次収差と呼ばれる状態まで精密に測定し、そのデータに基づいてオーダーメイドの矯正を行うことが可能です。 この高度な技術により、従来のレーシック手術と比較して、より正確で鮮明な視界を得ることが期待できます。具体的には、夜間や暗い場所での見え方の改善、コントラスト感度の向上、ハロー(光のにじみ)やグレア(光の散乱)の軽減といった効果が期待できます。 ただし、ウェーブフロントレーシックは、すべての人に適しているわけではありません。手術を受ける前には、医師による診察と検査が必要です。また、手術にはリスクや合併症の可能性もあるため、医師から十分な説明を受け、理解した上で手術を受けるかどうかを判断する必要があります。
目の構造

意外と知らない? 目の始まり「内眼角」

顔の中央に位置する目は、私たちが外界を認識するために非常に重要な役割を担っています。光を感知し、それを脳に伝えることで、私たちは色や形、奥行きなどを認識することができます。 目は、まぶたやまつげ、眼球など様々な器官から構成されていますが、その中でも重要な部分の一つに「内眼角」があります。これは、医学用語では「ないがんかく」と表記し、一般的には「めがしら」と呼ばれる部分のことです。 内眼角は、上下のまぶたの境目にあたる部分のうち、鼻側にある部分を指します。ここには、涙点と呼ばれる小さな穴が開いており、ここから涙が排出されます。涙は、目を保護する役割を担っており、常に分泌されて涙点から排出されることで、目を清潔に保っています。 内眼角は、目の形や印象を左右する重要な部分でもあります。一重まぶたや二重まぶたなど、まぶたの形状によって内眼角の形も異なり、顔立ちに大きな影響を与えます。また、内眼角の形は人種によっても異なり、東洋人に多い蒙古ひだと呼ばれる皮膚のひだは、内眼角を覆うように存在しています。 このように、内眼角は小さな部分ながらも、目の機能や顔の印象に大きな影響を与える重要な部分と言えるでしょう。
レーシック

ウェーブフロントアナライザーでわかること

- ウェーブフロントアナライザーとは 近年、視力回復手術の中でも注目を集めているレーシック手術。特に、その進化した術式であるウェーブフロントレーシックにおいて、ウェーブフロントアナライザーは欠かせない解析装置です。 私たちの目は、カメラのレンズのような役割を持つ角膜と水晶体で光を集め、網膜に像を結びます。ウェーブフロントアナライザーは、角膜の表面の凹凸状態だけでなく、眼球全体の形状を詳しく測定することができます。 さらに、従来の検査では見つけることが困難であった、細かな乱視の状態も正確にデータとして記録し、分析することが可能です。従来の検査では、視力や乱視の度数のみを測定していました。しかし、ウェーブフロントアナライザーを用いることで、一人ひとりの目の状態に最適な治療を行うための、より詳細な情報を得ることができるのです。
レーシック

ウェーブフロントレーシックで実現する、高精度視力矯正

近年、視力矯正手術は大きく進歩し、多くの人が眼鏡やコンタクトレンズから解放されています。その中でも、レーシック手術は、近視や遠視、乱視といった屈折異常を矯正する手術として広く知られています。しかし、従来のレーシック手術では、目の基本的な形状を矯正することには長けていましたが、一人ひとりの目の微妙な違いまでは考慮しきれていませんでした。 人間の目は、指紋のように全く同じものは二つとありません。そのため、従来のレーシック手術では、視力が改善したとしても、一人ひとりの目に最適な見え方を実現するには至らなかったのです。そこで登場したのが、ウェーブフロントレーシックという新しい視力矯正手術です。 ウェーブフロントレーシックは、従来のレーシック手術では測定できなかった、高次収差と呼ばれる目の細かな歪みを精密に測定することができます。そして、その測定結果に基づいて、一人ひとりの目に最適化されたレーザー照射を行うことで、従来のレーシック手術では達成できなかった、より自然でクリアな視界を実現します。 つまり、一人ひとりの目の個性に合わせたオーダーメイドの視力矯正が可能になったと言えるでしょう。
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眼科医が解説!兎眼の症状とリスク

- 兎眼とは兎眼とは、まぶたが完全に閉じることができず、眼球が常に露出した状態を指します。その名の通り、まるでウサギのように眼が開いたままの状態であることから、「兎眼」と呼ばれています。医学的には「眼裂開大症」と診断され、その原因は多岐にわたります。生まれつきまぶたの筋肉や神経に異常がある場合や、顔面神経麻痺などの後天的な神経障害によって発症することがあります。また、外傷や腫瘍、甲状腺眼症などの眼球突出を伴う病気によって引き起こされるケースも少なくありません。兎眼になると、眼球表面を保護する涙の分泌が不足し、眼球乾燥症を引き起こしやすくなります。その結果、目の乾き、痛み、異物感、視力低下などの症状が現れることがあります。また、眼球が常に露出しているため、傷や感染症のリスクも高まります。治療法は、原因や症状の程度によって異なります。軽度の場合は、人工涙液や眼軟膏で目の乾燥を防ぐ対処療法を行います。重症の場合は、まぶたの筋肉を矯正する手術や、眼球を保護するためのプレートを挿入する手術などが必要となることもあります。
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眼と脳の密接な関係:うっ血乳頭について

- うっ血乳頭とは? 私たちの目は、カメラに例えると、レンズを通して光を取り込み、フィルムに相当する網膜に像を結びます。そして、その情報を脳に伝える役割を担うのが視神経です。視神経は、網膜に映った映像を電気信号に変換し、脳へと送る、いわばカメラと脳をつなぐケーブルのようなものです。 うっ血乳頭とは、この視神経と眼球の接点、つまり「ケーブルの出口」ともいえる視神経乳頭という部分が、様々な原因で腫れてしまう状態を指します。視神経乳頭は、眼底検査と呼ばれる検査で観察することができます。眼底検査では、瞳孔を通して眼の奥を観察します。この検査によって、眼球内の血管や視神経の状態を詳しく調べることができます。 うっ血乳頭自体は病気の名前ではなく、高血圧や脳腫瘍など、他の病気によって引き起こされる症状の一つです。そのため、うっ血乳頭と診断された場合は、その原因を突き止めるための精密検査が必要となります。原因疾患によって治療法は異なりますので、眼科を受診し、適切な検査と治療を受けることが大切です。
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眼球の動きを支える上直筋

私たちは普段意識することなく、周囲を見渡し、ものを見ることができます。視線を自在に動かし、対象物に焦点を合わせることができるのは、眼球の動きを巧みにコントロールする6本の筋肉、「外眼筋」のおかげです。 眼球の外側に付着するこれらの筋肉は、それぞれが異なる方向への動きを担っています。例えば、上直筋は眼球を上に向け、下直筋は下に向けます。また、内側にある内直筋は鼻の方向へ、外側にある外直筋は耳の方向へと眼球を動かします。さらに、上斜筋と下斜筋は、眼球を回転させる動きを担っており、これら6本の筋肉の複雑な協調運動によって、私たちは上下左右だけでなく、斜め方向や回転運動を含む、あらゆる方向への眼球運動をスムーズに行うことができるのです。 これらの筋肉の働きが乱れると、物が二重に見えたり、視野が狭まったりするなど、様々な視覚障害を引き起こす可能性があります。このような状態は、斜視や眼筋麻痺などと呼ばれ、視力低下や眼精疲労、頭痛などを引き起こすこともあります。そのため、外眼筋は私たちの視覚にとって非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。
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意外と知らない?上斜視の基礎知識

- 上下の目のずれ、上斜視とは?人間の目は、通常左右揃って同じ方向を見ています。しかし、上斜視の場合、このバランスが崩れ、片方の目が上に寄ってしまっている状態を指します。多くの方は、目のずれというと左右に目がずれる様子を思い浮かべるかもしれません。しかし実際には、今回のように目が上下にずれるケースも存在します。上斜視は、一見しただけでは分かりにくい斜視の一種です。そのため、軽度の場合は日常生活に支障がなく、気づかないまま過ごしている方も少なくありません。しかし、たとえ軽度であっても、放置すると視機能の発達に悪影響を及ぼす可能性があります。また、無意識に目を合わせようとして、肩や首に負担がかかり、肩こりや頭痛を引き起こすケースも見られます。上斜視は、早期発見・早期治療が非常に重要です。少しでも目の違和感や見え方に異常を感じたら、ためらわずに眼科を受診しましょう。専門医による適切な検査と診断を受けることで、今後の適切な治療方針や対処法を見つけることができます。
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まぶたを持ち上げる筋肉 – 上眼瞼挙筋

私たちが普段何気なく見ている景色は、眼という精巧な器官のおかげで見えています。眼は、外界からの光の情報を受け取り、それを脳に伝えることで視覚を生み出しています。 眼は、カメラに例えられるように、様々な部位が組み合わさって機能しています。その中でも、まぶたは、眼球を保護する役割を担っています。まぶたは、上下に動き、眼球を覆うことで、ゴミや乾燥から守っています。 では、まぶたはどのようにして動くのでしょうか? まぶたの上部には、上眼瞼挙筋と呼ばれる筋肉があります。この筋肉は、眼窩の奥、つまり眼球が入っている骨のくぼみに付着しています。そして、もう一方の端は、まぶたを構成する皮膚や瞼板と呼ばれる薄い組織につながっています。上眼瞼挙筋が収縮すると、まぶたは引き上げられ、私たちは目を開けることができます。反対に、上眼瞼挙筋の力が抜けている時は、まぶたは重力で閉じている状態になります。 このように、上眼瞼挙筋は、私たちが目を開け、光を眼球に取り込むために、重要な役割を果たしているのです。
目の構造

意外と知らない?上まぶたの役割

- 上まぶたとは上まぶたは、眼球の上側に位置する、薄い皮膚と筋肉でできた器官です。まるでカーテンのように、眼球の上にかぶさるように存在し、重要な役割を担っています。上まぶたの最も大きな役割は、眼球を保護することです。 まばたきをすることで、涙が眼球の表面に行き渡り、乾燥を防いだり、ゴミや埃などの異物が目に入るのを防ぎます。 このように、上まぶたは、常に眼球を清潔で潤った状態に保つために、重要な役割を果たしているのです。また、上まぶたの内部には、「眼瞼板」と呼ばれる軟骨が存在します。 眼瞼板は、まぶたの形を保つ役割を果たしており、これによって、まぶたは滑らかに動くことができます。 また、上まぶたの奥には、「涙腺」と呼ばれる組織があり、涙を分泌しています。涙は、眼球を潤すだけでなく、細菌やウイルスなどの感染症から目を守る役割も担っています。このように、上まぶたは、一見シンプルな構造でありながら、眼球の保護や涙の分泌など、様々な重要な機能を担っています。 健康な視力を保つためには、上まぶたを清潔に保ち、まばたきをしっかりと行うことが大切です。