
眼科における症例数の考え方
眼科で診察を受けると、診断書などに「症例数」という言葉が使われているのを目にすることがあるかもしれません。これは、眼科医療ならではの考え方で、治療を受けた患者さんの人数ではなく、治療を行った眼の数を表しているのです。
なぜこのような表現を使うのでしょうか?それは、眼の治療は、多くの場合、左右の眼に対してそれぞれ独立して行われるためです。例えば、ある患者さんが右目は白内障、左目は緑内障と診断されたとします。この場合、患者さんは1人ですが、それぞれの目に異なる治療が必要になります。このような場合、患者さんの数をそのまま治療数としてしまうと、実際の治療の状況を正しく反映できません。
そこで、眼科では「症例数」を用いることで、より正確に治療の状況を把握しているのです。先ほどの例で言えば、患者さんは1人ですが、症例数としては白内障と緑内障で2例とカウントされます。このように、症例数は、眼科医療において、患者さん一人ひとりの状態をより詳しく把握し、適切な治療を提供するために欠かせない指標と言えるでしょう。