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目の構造

涙の秘密の道:涙小管

私たちは、うれしい時、悲しい時、あるいは目にゴミが入った時など、様々な場面で涙を流します。この涙は、私たちの感情を表現したり目を守ったりと、大切な役割を担っています。では、この涙はどこから生まれて、どこへ流れていくのでしょうか? 涙の旅の出発点は、「涙点」と呼ばれる場所です。涙点は、ちょうど目頭にある小さな穴のことです。生まれたばかりの涙は、まずこの涙点に集まります。その後、涙は「涙小管」と呼ばれる細い管を通って、さらに先へと進んでいきます。涙小管は、目頭にある涙点と、そこから鼻の横にある「涙嚢」という場所をつないでいます。 涙小管は、ちょうど目から鼻へ続く、秘密のトンネルのようなものです。このトンネルを通って、涙は涙嚢へと流れ込みます。涙嚢は、涙を一時的にためておく、小さな袋のような役割をしています。そして、涙嚢にたまった涙は、最終的に鼻の奥へと流れていくのです。このように、涙は涙点から始まり、涙小管、涙嚢を通って、鼻へと続く、長い旅をしています。
目の構造

涙丘:目の内側の小さな秘密

- 涙丘ってどこ? 涙丘は、目の内側の角、ちょうど目頭と呼ばれる部分にある小さなピンク色のふくらみのことです。毎朝鏡を見ている方も多いと思いますが、その時に、ちらりとこの涙丘が目に入っているのではないでしょうか。 普段はほとんど意識することがないと思いますが、涙丘は、実は私たちの目を守る涙の働きに深く関わっている重要な部分です。 涙は、常に一定量分泌され、目の表面を潤し、細菌やゴミを洗い流す役割を担っています。この涙は、上まぶたの外側にある涙腺という器官で作られ、目の表面を潤しながら、やがて目頭の方へと流れていきます。そして、涙丘には、涙点と呼ばれる小さな穴が開いており、涙はこの穴から吸収され、鼻へと抜けていくのです。 涙丘は、涙の排水路の入り口として、重要な役割を担っています。もし、涙丘がうまく機能しないと、涙が目に溜まりすぎてしまったり、逆に乾燥しやすくなったりするなど、目のトラブルを引き起こす可能性もあるのです。
角膜

角膜を守る!内皮細胞の役割とは?

目は、光を感知し、周囲の景色や色、形などを認識することを可能にする、人間の感覚器官の中でも特に重要な器官の一つです。外界から飛び込んでくる光を最初に捉えるのが、目の前面にある透明な部分、角膜です。 角膜は、まるでカメラのレンズのように、光を屈折させて目の奥にある網膜に届け、クリアな視界を得るために重要な役割を担っています。実はこの角膜、一層ではなく、いくつかの層が重なり合ってできています。その最も奥に位置し、重要な働きを担っているのが「内皮細胞」と呼ばれる細胞層です。 内皮細胞は、角膜の透明性を維持するために、角膜内に水分が過剰に侵入するのを防ぎ、常に適切な状態に保つという重要な役割を担っています。まるで、家の壁に塗られた塗料のように、内皮細胞は角膜の表面を覆い、角膜の構造を維持しています。 加齢や目の病気などによって内皮細胞が減少してしまうと、角膜がむくんでしまい、視力が低下することがあります。そのため、日頃から目の健康に気を配り、定期的な眼科検診を受けることが大切です。
目の病気

眼科医が解説!内斜視の症状と治療法

- 内斜視とは内斜視は、片方の目が内側へと寄ってしまう目の病気です。通常、私たちは両方の目で正面を見ていますが、内斜視の場合、片方の目はまっすぐに向いているのに対し、もう片方の目は鼻の方へ向いてしまいます。そのため、左右の目の視線が対象物上でうまく一点に定まらず、物が二重に見えたり、距離感が掴みにくくなることがあります。この状態は、眼球の動きを司る筋肉に偏りがあるために起こります。私たちの目は、6つの筋肉によって上下左右、斜めへとスムーズに動いています。しかし、生まれつきこれらの筋肉の働きが弱かったり、強すぎたりすると、眼球の動きに偏りが生じ、内斜視を引き起こすのです。内斜視は、乳幼児期に特に多く見られます。これは、視力が発達途上の乳幼児期には、両目の視線を合わせる機能が未熟なためです。多くの場合、成長とともに自然と改善していくこともありますが、放置すると視力発達に悪影響を及ぼす可能性があります。内斜視が疑われる場合は、早期に眼科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
目の構造

眼の構造と役割:中間透光体

私たちの眼は、まるで精巧なカメラのようです。カメラがレンズを通して光を集め、画像を写し出すように、眼もまた、外界の光を集めて、私たちに鮮やかな世界を見せてくれます。 眼は、眼球と呼ばれる球状の部分と、それを支える組織から成り立っています。眼球の内部は、光の通り道である中間透光体と、光を感知する神経組織である網膜に大きく分けられます。 まず、光は眼球の外側にある角膜という透明な膜を通過します。角膜は、カメラのレンズのように光を屈折させ、眼球の中心に集める役割を担っています。次に、光は瞳孔と呼ばれる黒い部分を通ります。瞳孔は、周囲の明るさに応じて大きさを変化させることで、眼球に入る光の量を調節する役割を担っています。瞳孔の奥には水晶体というレンズがあり、水晶体もまた光を屈折させ、網膜に像を結ぶ役割を担っています。 網膜は、眼球の内側を覆う薄い膜で、カメラでいうとフィルムに相当する部分です。網膜には、光を感じる視細胞が数多く存在し、光が当たると電気信号に変換されます。この電気信号は、視神経を通じて脳に伝えられ、脳がその情報を処理することで、私たちはものを見ることができます。 このように、私たちの眼は、光を巧みに操り、外界の情報を脳に伝えています。そして、この精巧なシステムによって、私たちは色鮮やかな世界を認識することができるのです。