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その他

眼科で使うミドリンってどんな薬?

- ミドリンとは眼科で目の検査を受けるとき、瞳孔を大きく広げるために点眼薬が使われることがありますね。その際に使われる薬の一つに「ミドリン」というものがあります。正式名称を「トロピカミド・フェニレフリン散瞳剤」といい、二つの薬が協力して瞳孔を広げる効果を発揮します。一つ目の成分である「トロピカミド」は、瞳を開く筋肉に直接働きかけて、瞳孔を大きくする役割を担います。もう一方の「フェニレフリン」は、瞳を閉じる筋肉の働きを弱めることで、トロピカミドの効果を助けます。フェニレフリンが瞳を閉じる力を抑制することで、トロピカミドによって開かれた瞳孔の状態がより長く続くようになるのです。このように、ミドリンは二つの成分の働きによって、短時間で瞳孔を大きくし、その状態を一定時間保つことができるのです。この作用を利用して、医師は眼底検査などをスムーズに行うことができます。
目の病気

視界の異常にご用心!:脈絡膜炎

- 眼球の炎症、脈絡膜炎とは? 眼球は、私たちがものを見るために欠かせない器官ですが、その内部には、光を感じる網膜や、網膜に栄養を供給する脈絡膜など、重要な組織が存在します。脈絡膜炎とは、この脈絡膜に炎症が起きる病気のことを指します。 脈絡膜は、カメラで例えると、フィルムに相当する網膜に栄養を送り届ける役割を担っています。この脈絡膜に炎症が起きると、網膜にも炎症が及び、視力に影響を及ぼすことがあります。炎症が網膜にまで及ぶ場合、脈絡膜網膜炎とも呼ばれます。 脈絡膜炎の原因は、細菌やウイルスなどの感染症や、免疫の異常など、様々です。症状としては、視界のかすみや、視界の中央が見えにくくなる、光がまぶしく感じるなどがあります。症状の程度は、炎症の程度や範囲によって異なり、軽い場合は自然に治ることもありますが、放置すると視力低下が進行する可能性もあります。 もし、視界に異常を感じたら、早めに眼科を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。
目の構造

眼の栄養補給係!脈絡膜って?

眼球の壁は、外界からの光を感知し、視覚として脳に伝えるために、精緻な構造と機能を持っています。その眼球の壁を構成する重要な要素の一つに、脈絡膜があります。 脈絡膜は、ブドウ膜と呼ばれる組織の一部です。ブドウ膜は、眼球の前方から虹彩、毛様体、脈絡膜と続き、眼球全体を包み込むように存在しています。このうち、脈絡膜は眼球の後方部分を占め、網膜と強膜の間に位置しています。 肉眼で見ると、脈絡膜は薄くて茶褐色をした膜のように見えます。これは、脈絡膜にメラニン色素を豊富に含む細胞が多く存在しているためです。メラニン色素は、カメラでいうところの暗室のように、眼球内に入った光を吸収し、乱反射を防ぐことで、鮮明な視界を得るために役立っています。 さらに、脈絡膜には、網膜に栄養を供給するための血管が網の目のように張り巡らされています。網膜は、光を感知する重要な役割を担っていますが、自身には血管がありません。そのため、脈絡膜から酸素や栄養を受け取っているのです。 このように、脈絡膜は、その位置と構造によって、眼球の働きに大きく貢献しています。鮮明な視界を保ち、光を感知するために必要な網膜を支える、いわば「縁の下の力持ち」といえるでしょう。
目の病気

未熟児網膜症:小さな瞳に潜むリスク

- 未熟児網膜症とは 未熟児網膜症は、お母さんのお腹の中で十分に成長する前に生まれてきた赤ちゃんに見られる目の病気です。赤ちゃんがお目々で物を見るためには、眼球の奥にある網膜という部分が重要な役割を果たします。網膜は、カメラで例えるとフィルムのようなもので、光を感じて脳に画像として情報を送る働きをしています。 この網膜には、栄養を届けるための細い血管が網の目のように張り巡らされています。これらの血管は、お母さんのお腹の中にいる間に徐々に発達していくのですが、早産で生まれた赤ちゃんの場合、網膜の血管が未熟なまま生まれてくることがあります。 生まれてきてからしばらくの間、赤ちゃんは成長を続け、網膜の血管も発達していきます。しかし、未熟児網膜症の場合、この血管の成長が正常に進行せず、網膜に異常をきたしてしまうことがあります。場合によっては、網膜が引っ張られてしまい、視力に影響が出る可能性もあります。 未熟児網膜症は、早期に発見し適切な治療を行えば、視力への影響を抑えられる可能性があります。そのため、早産で生まれた赤ちゃんは、定期的な眼科検診を受けることが非常に大切です。