「め」

目の構造

メラニン:目の色を決める色素

- メラニンとは? メラニンは、私たちの体の中で自然に作られる色素のことです。 この色素は、髪、皮膚、目に色がついて見える理由となっています。 メラニンには、大きく分けてユーメラニンとフェオメラニンの二つの種類があります。 ユーメラニンは、黒色から褐色といった暗い色を作り出すメラニンです。 一方、フェオメラニンは黄色や赤色といった明るい色を作り出すメラニンです。 これらのメラニンの量や割合の違いによって、一人ひとりの髪の色、肌の色、目の色がそれぞれ異なる個性として現れるのです。 例えば、髪の色が黒い人はユーメラニンが多く、髪の色が赤い人はフェオメラニンが多いといった具合です。 メラニンは、単に色を付けるだけでなく、紫外線から体を守る役割も担っています。 紫外線を吸収することで、細胞へのダメージを防ぎ、健康を維持するのに役立っているのです。
視力

明るい環境への適応:明順応

- 明順応とは 暗い部屋から太陽の降り注ぐ屋外に出たとき、最初は眩しくて目を開けていられないかもしれません。しかし、しばらくすると徐々にまぶしさが和らいで、周りの景色が見えるようになります。この、暗い場所から明るい場所に移動した際に、目が光に慣れていく仕組みを「明順応」と呼びます。 私たちの目は、カメラのレンズの役割を果たす「瞳孔」と、カメラのフィルムに相当する「網膜」で構成されています。 暗い場所では、より多くの光を取り込もうと瞳孔は大きく開きます。明るい場所に移動すると、まぶしさを感じると同時に、瞳孔は反射的に小さく絞られます。これにより、網膜に届く光の量が調整されます。 また、網膜には光を感じる視細胞が存在します。視細胞には、暗いところで働く「桿体細胞」と、明るいところで働く「錐体細胞」の2種類があります。暗い場所では、主に桿体細胞が働いていますが、明るい場所に移ると錐体細胞が働き始めます。錐体細胞は、色覚や視力に関係しており、明るい環境では、この錐体細胞の働きによって、私たちは鮮やかな色彩や細かいものを見ることができるようになります。 このように、明順応は、瞳孔の大きさの変化と視細胞の働きによって、私たちが様々な明るさの環境に適応し、快適に過ごすために欠かせない機能と言えるでしょう。
目の構造

目の開閉を担う縁の下の力持ち:眼輪筋

目の周りには、目を開閉したり、ピントを調節したりするのに欠かせない筋肉が存在します。その中でも、まぶたの開閉に大きく貢献しているのが眼輪筋です。 眼輪筋は、文字通り目を輪のようにドーナツ状に取り囲む筋肉で、まぶたのすぐ下に位置しています。薄いながらも幅広い形状をしているのが特徴です。 この筋肉は、私たちが意識することなく、目を閉じたり開いたりするたびに働いています。まばたきをする際にも、眼輪筋が素早く収縮することで、瞬時にまぶたを閉じ、外部からの刺激や乾燥から目を守っています。また、眼輪筋は涙の循環にも関与しており、涙を涙嚢へと送り出すポンプのような役割も担っています。 このように、眼輪筋は眼球を保護し、視覚機能を正常に保つ上で非常に重要な役割を担っているのです。
目の病気

眼脂:気になる目やにの正体

- 眼脂とは眼脂とは、普段私たちが「目やに」と呼んでいるもので、医学的には眼分泌物と呼ばれるものです。これは、涙の中に含まれる成分や、まぶたの裏にあるマイボーム腺という器官から分泌される脂、その他、涙の成分が、睡眠中に乾燥して目頭に溜まったものです。朝起きた時に目頭に溜まっていることが多く、その色や粘り気は様々です。健康な状態であれば、透明かやや白っぽく、少量でサラサラとしています。これは、睡眠中に涙の分泌量が減ることで、涙に含まれる成分が濃縮されやすくなるためです。一方で、量が多くネバネバしていたり、黄色や緑色などを帯びていたりする場合は、細菌やウイルスによる感染症、アレルギー性結膜炎などの可能性も考えられます。このような場合には、眼科を受診して適切な検査や治療を受けることが大切です。一般的には「目糞」「目垢」などとも呼ばれ、多少であれば特に心配する必要はありません。しかし、眼脂の量や色、粘り気などに変化が見られた場合は、目の健康状態を知るためのサインかもしれませんので、注意深く観察するようにしましょう。
眼鏡

眼鏡処方せん:分かりやすく解説

- 眼鏡処方せんとは 眼鏡処方せんは、眼鏡を作る際に欠かせない、いわば眼鏡の設計図となる大切な書類です。 眼科で視力検査を受けた結果に基づいて、眼科医が作成します。眼鏡を作る際には、この処方せんを眼鏡店に提出します。 眼鏡処方せんには、視力矯正に必要なレンズの度数や種類、レンズの中心間距離(瞳孔間距離)、乱視の方向や程度などが細かく記載されています。眼鏡店では、これらの情報をもとに、一人ひとりの目に最適なレンズを加工・調整します。 眼鏡処方せんは、通常、発行日から3ヶ月程度有効とされています。これは、時間の経過とともに視力が変化する可能性があるためです。期限切れの処方せんでは、目に合わない眼鏡を作ってしまう可能性がありますので、眼鏡を作る際は、必ず有効期限内の処方せんを使用しましょう。 なお、眼鏡処方せんは、医師法第20条に基づき、医師以外の者が作成することは法律で禁じられています。インターネットや通信販売などで、視力検査を受けずに眼鏡を購入することは大変危険ですので、必ず眼科を受診し、医師の診察と検査を受けてください。
目の構造

眼位:視線の先を知る

- 眼位とは眼位とは、両目の視線がどこを向いているのか、簡単に言えばどちらを向いて見ているのかを表す言葉です。私たちは普段、意識することなく周囲のものを見ていますが、実は「見る」という行為は、眼球の複雑な動きと密接に関係しています。遠くの景色を楽しむ時、近くの文字を読む時、右や左に視線を移す時など、視線の先が変わるたびに、私たちの眼球はまるで息の合ったパートナーのように、互いに協調しながら滑らかに動いています。この、まるでダンスをしているかのような眼球の動きによって、私たちは世界を立体的に感じ取ることができるのです。もし、眼球の動きがずれてしまうと、ものが二重に見えたり、距離感が掴みにくくなったり、奥行きを感じにくくなるなど、視覚にさまざまな影響が出てしまいます。眼位は、このような眼球の動きを評価する上で非常に重要な指標となります。眼科では、この眼位を調べることで、視線のずれや目の動きの異常を早期に発見し、適切な治療につなげています。
目の病気

ものもらい~原因と対策~

- ものもらいとはものもらいは、まぶたの縁にある皮脂腺や汗腺に細菌が入り込んで炎症を起こす、よくある目の病気です。特に、まつげの生え際にできやすいのが特徴です。まぶたが赤く腫れ上がり、痛みを伴うことがあります。ものもらいには、大きく分けて二つの種類があります。一つは、まつげの生え際にある皮脂腺に起こる「外麦粒腫(がいばくりゅうしゅ)」と呼ばれるものです。これは、一般的に「ものもらい」と呼ばれるものと同じです。もう一つは、まぶたの裏側にあるマイボーム腺に起こる「内麦粒腫(ないばくりゅうしゅ)」で、こちらは「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」とも呼ばれます。ものもらいの原因となる細菌は、黄色ブドウ球菌というものが一般的です。この細菌は、私たちの皮膚や鼻の中に常在しているものですが、免疫力が低下したり、目を触る習慣があったりすると、目に感染しやすくなります。一般的に、ものもらいは命に関わるような深刻な病気ではありません。しかし、適切なケアや治療を行わないと、症状が悪化したり、再発を繰り返したりすることがあります。また、まれに、ものもらいが原因で、まぶた全体が腫れてしまうこともあります。そのため、ものもらいかなと思ったら、自己判断せずに眼科を受診し、医師の指示に従うようにしましょう。