「ま」

目の構造

涙の守護者!マイボーム腺を知ろう

目のふちにあるまぶた。普段は特に意識することもないかもしれませんが、実は、健康な目を保つために重要な役割を担っています。そして、まぶたのふちには、さらに小さな器官が隠れています。それが、マイボーム腺と呼ばれるものです。その数は、上下のまぶたを合わせると、なんと数百個にもなります。 一見、地味な存在に見えるマイボーム腺ですが、目の表面を潤す涙の成分を作り出す、重要な役割を担っています。涙は、ただ目を潤すだけでなく、目に栄養を与えたり、細菌やゴミを洗い流したりする働きもあります。 マイボーム腺で作られた油は、涙の表面に薄い膜を作ることで、涙がすぐに蒸発するのを防いでいます。この油の膜が、目の表面を乾燥から守り、常に潤った状態を保っているのです。 しかし、近年では、長時間のパソコンやスマートフォンなどの使用、コンタクトレンズの常用、睡眠不足、ストレスなど、現代人の生活習慣の変化に伴い、マイボーム腺の働きが低下し、目の乾燥に悩む人が増えています。目の乾燥は、単に不快なだけでなく、視力低下や眼精疲労、さらには眼疾患のリスクを高める可能性もあるため、注意が必要です。
レーシック

レーシック手術とマイクロケラトーム

レーシック手術は、眼鏡やコンタクトレンズに頼ることなく、視力を矯正するための有効な手段として広く知られています。この手術では、角膜に薄いフラップと呼ばれる蓋のような部分を作る作業が最初のステップとなります。 角膜は眼球の前面を覆う透明な膜で、カメラのレンズのような役割を果たしています。レーシック手術では、この角膜にレーザーを照射してその形状を変えることで、視力を矯正します。 フラップを作る際には、マイクロケラトームという特殊な刃物やフェムトセカンドレーザーという高精度のレーザーが使われます。フラップは角膜の上皮と呼ばれるごく表面の層を残して、その下の部分を円形に切り取ることによって作られます。 フラップはレーザー照射が終わった後、元の位置に戻されます。フラップは自身の持つ力で自然に固定され、時間をかけて周囲の組織と癒合していきます。 フラップの作成は、レーシック手術全体の成功を左右するだけでなく、術後の視力にも大きな影響を与える非常に重要な工程です。フラップの厚さや形状、滑らかさなどが術後の視力回復の速度や質、合併症のリスクなどに影響を与える可能性があります。
目の病気

眼筋麻痺:原因と症状について

- 眼筋麻痺とは眼筋麻痺とは、眼球の動きを司る筋肉(眼筋)がうまく機能しなくなる病気です。眼筋は、上下左右、斜めなど、様々な方向に眼球を動かす役割を担っています。この眼筋に麻痺が起こると、眼球の動きが制限され、視線のずれや物が二重に見えるなどの症状が現れます。多くの場合、眼筋麻痺は片方の目に起こります。健康な側の目は正常に動くため、両目の視線が一致せず、物が二重に見えてしまうのです。この状態を複視といいます。複視は、見ている対象が二つにぼやけて見えたり、距離感がつかみにくくなったりするため、日常生活に支障をきたすことがあります。眼筋麻痺の原因は様々ですが、大きく分けて、脳神経の障害、筋肉の病気、外傷などが挙げられます。脳卒中や脳腫瘍などが原因で脳神経が損傷すると、その神経が支配する眼筋が麻痺することがあります。また、重症筋無力症などの筋肉の病気や、眼球を強打するなどの外傷によって眼筋が損傷することもあります。眼筋麻痺の症状は、原因や麻痺の程度によって異なります。軽度の場合は、目が疲れやすい、目が乾く、頭痛がするなどの症状に留まることもありますが、重症化すると、物が二重に見える範囲が広がったり、視界が狭くなったり、眼球が動かしにくくなったりします。眼筋麻痺は、放置すると症状が悪化したり、視力が低下したりする可能性もあるため、早期に適切な治療を受けることが大切です。治療法としては、原因療法、プリズム眼鏡による対症療法、手術療法などがあります。
目の構造

意外と知らない眉毛の役割

顔の額部分に左右対称に生えている眉毛は、顔の中でも特に目立つパーツの一つです。人の印象を大きく左右するパーツであり、目の上にあることで目元を強調する効果もあります。 眉毛の形や濃さ、太さ、長さといったわずかな違いによって、顔全体の見え方は大きく変わります。例えば、角度のついた鋭い眉は相手に意志の強さや凛とした印象を与え、緩やかにカーブを描く眉は優しい雰囲気や女性らしい印象を与えます。 眉毛は、メイクやアートメイクで色や形を調整しやすいという特徴もあります。そのため、自分のなりたい顔やイメージに合わせて、眉毛の形を変える人が多くいます。アイブロウペンシルやアイブロウパウダーといった化粧品を使って、太くしたり細くしたり、角度をつけたり、あるいは色を濃くしたり薄くしたりすることができます。 また、眉毛の流行は、時代や文化によって大きく変化してきました。平安時代には、貴族の女性の間で眉を剃り落として顔に眉を描く「引眉」が流行しました。現代でも、時代の流行や個人の好みに合わせて、様々な形の眉毛が楽しまれています。
目の構造

眼の構造と機能:瞼板

私たちの目は、薄い皮膚に覆われた繊細な器官ですが、まぶたという重要な防御壁によって守られています。まぶたは、ただ薄い皮膚でできているのではなく、瞼板と呼ばれるしっかりとした土台を持っています。 この瞼板は、例えるならば、薄い板状の構造で、まぶたの中に隠れてその形を維持する役割を担っています。薄いながらも弾力性と強度に優れており、これによりまぶたは、まるで鎧のように目を保護することができます。 瞼板の働きのおかげで、私たちは目をぎゅっと閉じることができるのです。そして、この力強い防御壁があるため、外部からの衝撃や、埃やゴミなどの異物が目に侵入するのを防ぐことができるのです。もし、瞼板が存在しなければ、まぶたはたるんでしまい、目をしっかりと閉じることができず、常に危険にさらされることになってしまうでしょう。
目の構造

眼瞼の裏側 – 瞼結膜の役割とは

- 瞼結膜とはまぶたの裏側をそっと触れてみると、つるつるとした感触に気が付くでしょう。これは瞼結膜と呼ばれる薄い膜で覆われているためです。瞼結膜は、一見するとただまぶたの裏側を覆っているだけの膜のように思えるかもしれません。しかし実際には、私たちの目を健康に保つために、非常に重要な役割を担っています。では、瞼結膜は具体的にどのような役割を果たしているのでしょうか。まず、まぶたの動きを滑らかにする役割があります。瞼結膜は、その名の通りまぶたの裏側と眼球の表面を繋ぐように存在しています。そして、まぶたをスムーズに開閉させることで、眼球の表面に傷がつくのを防いでいるのです。さらに、瞼結膜は涙の分泌に関わっていることも重要なポイントです。涙は、単に目を潤すだけでなく、細菌やウイルスなどの異物から目を守る役割も担っています。瞼結膜には、この涙の成分を分泌する腺があり、常に清潔な状態を保つことで、目の健康を守っているのです。このように、瞼結膜は一見目立たない存在でありながら、私たちの目を守るために重要な役割を担っています。毎日の洗顔などで、清潔に保つことを心がけましょう。
目の病気

実は危険!睫毛乱生と目の健康

- 睫毛乱生とは?睫毛乱生とは、本来であれば顔の外側に向かって生えるはずのまつげが、眼球の方向に向かって生えてしまう症状を指します。 通常、まつげは眼球を保護する役割を果たしており、外部からの異物や刺激から目を守っています。 そのため、健康な状態であれば、まつげが眼球に触れることはありません。しかし、睫毛乱生の場合、まつげが逆向きに生えることで、常に眼球に接触し、刺激を与え続けることになります。 その結果、目に違和感や異物感を感じたり、痛みを生じたりすることがあります。 また、まつげが角膜を傷つけ、角膜びらんや角膜炎などの病気を引き起こす可能性もあります。睫毛乱生の症状は、軽度の場合、自覚症状がないこともあります。 しかし、放置すると、視力低下や慢性的な眼精疲労を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。 定期的な眼科検診を受けるように心掛け、気になる症状がある場合は、自己判断せずに眼科医に相談しましょう。
目の病気

赤ちゃんのまつげトラブル:睫毛内反症

- 睫毛内反症とは睫毛内反症は、まぶたの一部または全体が眼球側に向かって反転してしまう病気です。その結果、本来は眼球を守る役割を持つまつげが、逆に眼球に接触してしまい、様々な不快な症状を引き起こします。この病気の原因は、通常、まぶたの縁にある筋肉の働きが弱くなったり、異常を起こしたりすることだと考えられています。特に生まれたばかりの赤ちゃんは、顔の骨や筋肉の発達が未熟なために、この病気を起こしやすい傾向にあります。多くの場合、赤ちゃんの成長とともに自然に治っていきますが、症状が長引く場合には、眼科医による適切な治療が必要となることもあります。睫毛内反症は、放置すると、角膜に傷がつきやすくなり、視力にも影響を及ぼす可能性があります。そのため、少しでも気になる症状がある場合は、早めに眼科を受診し、専門医の診察を受けるようにしましょう。特に、赤ちゃんや小さなお子さんの場合は、自分で症状を訴えることが難しいため、保護者の方が注意深く観察し、異常に気付いたらすぐに医療機関を受診することが大切です。
目の構造

眼を守る guardians: 睫毛

私たちのまぶたの縁から生えている短い毛、それが睫毛です。一見、顔の印象を左右するだけのものと思われがちですが、睫毛は私たちの大切な眼を守る、重要な役割を担っています。 睫毛は、まるで家の玄関口を守る門番のように、眼球の前に立ちふさがり、外部からの異物の侵入を未然に防いでくれます。空気中には、目には見えないほど小さな塵や埃が常に漂っています。また、虫やゴミなど、私たちの眼にとって有害となりうるものもたくさん存在します。睫毛は、その1本1本の繊細な毛先で、これらの異物を感知すると、反射的にまぶたを閉じさせて、眼球に侵入するのを防いでくれるのです。 さらに、睫毛は、まぶたの上で薄いカーテンのような役割も果たしています。強い日差しや照明の光から眼を守り、眩しさを軽減してくれる効果もあるのです。また、額から流れ落ちる汗や雨水などが、直接眼に入らないようにする役割も担っています。 このように、睫毛は私たちの眼の健康を守るために、24時間休むことなく働き続けてくれているのです。