「け」

遠視

分かりやすい遠視:顕性遠視とは?

目は水晶体と呼ばれるレンズの役割をする組織でピントを調節し、網膜というスクリーンに像を映し出すことで物を見ています。遠視は、この水晶体の調節力が弱かったり、眼球の長さが短かったりすることで、網膜よりも後ろにピントが合ってしまう状態を指します。 遠視には、大きく分けて潜在遠視と顕性遠視の二つがあります。潜在遠視は、まだ調節力でカバーできる程度の軽い遠視です。自覚症状がほとんどない場合が多く、眼科の検査で初めて指摘されるケースがほとんどです。基本的には治療の必要はありませんが、放置すると眼精疲労や肩こり、頭痛などを引き起こす可能性があります。 一方、顕性遠視は、調節力でもカバーできない強い遠視です。視界がぼやけたり、物が二重に見えたりするなど、日常生活に支障をきたす症状が現れます。治療法としては、眼鏡やコンタクトレンズの装用が一般的です。 遠視と一口に言っても、その種類によって見え方や治療方針は大きく異なります。少しでも気になる症状があれば、自己判断せずに眼科を受診しましょう。
目の病気

よくある目の症状:結膜浮腫とは?

- 結膜浮腫の概要結膜浮腫とは、眼球の表面を覆っている透明な膜である結膜に、通常よりも多くの水分が溜まってしまうことで、むくんでしまう状態を指します。まるで白目がゼリーのように腫れぼったく見えたり、常に涙ぐんでいるように見えたりするのが特徴です。多くの場合、目がゴロゴロするような異物感や、痛み、痒みなどの不快な症状を伴います。さらに症状が進むと、まぶたが重く感じて、目を開けておくことさえ辛くなることがあります。その結果、視界がぼやけて見えにくくなり、日常生活に大きな支障をきたす可能性も出てきます。結膜浮腫は、アレルギー性結膜炎や感染性結膜炎などの目の炎症、花粉症などのアレルギー反応、ドライアイ、コンタクトレンズの装用など、様々な要因によって引き起こされます。また、睡眠不足や過労、栄養バランスの乱れといった生活習慣の乱れも、結膜浮腫のリスクを高める要因となります。結膜浮腫は、適切な治療を行えば症状の改善が見込める疾患です。気になる症状がある場合は、自己判断せずに、眼科を受診して医師の診断を受けるようにしましょう。
目の構造

意外と知らない?目の構造「結膜嚢」

- 結膜嚢ってどんなところ? 皆さんは「結膜嚢」という言葉を聞いたことがありますか? 目の構造の中でも、普段はあまり意識することがないかもしれません。今回は、この結膜嚢について詳しく見ていきましょう。 結膜嚢は、例えるなら、まぶたの裏側と眼球の表面の間にできた小さな袋のような空間のことです。まぶたの裏側と眼球の表面は、それぞれ瞼結膜、球結膜と呼ばれる薄い膜で覆われています。この二つの膜が、まるで袋状の構造を作り出しているのです。 この袋状の部分こそが、結膜嚢と呼ばれる部分です。 結膜嚢は、涙が均等に眼球の表面に行き渡るのを助ける役割を担っています。涙は、眼球の表面を潤すだけでなく、細菌やゴミを洗い流す役割も持っています。結膜嚢は、涙が滞りなく眼球全体に行き渡るように、重要な役割を担っていると言えるでしょう。 結膜嚢は、普段は意識することが少ない場所ですが、私たちの目を守る上で、とても重要な役割を担っています。 目の健康を守るためにも、結膜嚢の存在を頭の片隅に置いておきましょう。
目の病気

気になる目の白い塊、それって結膜結石?

皆さんは、朝、顔を洗い鏡を見ると、目に何か白いものがくっついていて驚いた経験はありませんか?目の白目の部分に見られるこの小さな白い塊は、もしかしたら結膜結石かもしれません。 結膜結石は、目の表面を覆う薄い膜である結膜に、カルシウムなどの成分が沈着して硬くなったものです。この白い塊は、まるで石のように見えることから、結膜結石と呼ばれています。 結膜結石は、比較的よく見られる目の病気の一つで、多くの場合、痛みやかゆみなどの症状はほとんどありません。そのため、気づかないうちに自然に消えてしまうことも少なくありません。ただし、結膜結石が大きくなったり、角膜を刺激したりすると、異物感やゴロゴロとした違和感、痛み、充血などの症状が現れる場合があります。 結膜結石は、目の炎症やドライアイ、コンタクトレンズの使用などが原因で起こると考えられています。また、加齢によってもできやすくなると言われています。 もし、目に白い塊を見つけた場合は、自己判断で取り除こうとせず、眼科を受診して適切な検査と治療を受けるようにしましょう。
目の病気

白目が真っ赤に! 結膜下出血について

- 結膜下出血とは?眼球の表面は、結膜と呼ばれる透明な膜で覆われています。結膜は、まぶたの裏側も覆っていて、眼球とまぶたをつなぐ役割をしています。この結膜の下にある細い血管が、何らかの原因で破れて出血してしまう病気を、結膜下出血と言います。結膜下出血が起こると、白目の部分が赤く染まります。出血の範囲は、小さな点のようなものから、白目全体に広がるものまで様々です。見た目はとても衝撃的で、不安になる方も多いと思いますが、多くの場合、痛みやかゆみ、視力への影響などは全くありません。結膜下出血の原因は、くしゃみや咳、激しい運動、目をこするといった、些細なことがほとんどです。また、加齢に伴い血管がもろくなることで、出血しやすくなることもあります。高血圧や糖尿病、動脈硬化などの基礎疾患がある場合は、結膜下出血を起こしやすくなる可能性がありますので、注意が必要です。基本的には、特別な治療をしなくても、1~2週間ほどで自然に吸収されて治癒します。ただし、症状が長引く場合や、心配なことがある場合は、自己判断せずに眼科を受診しましょう。医師による適切な診断と治療を受けることが大切です。
目の病気

つらい結膜炎、その原因と対策とは?

- 結膜炎とは目は、私たちが外界の情報を得るために非常に大切な役割を担っています。その目の表面には、結膜と呼ばれる薄い膜があります。結膜は、まぶたの裏側と白目の部分を覆い、常に外界と触れ合っている部分です。この結膜に炎症が起こる病気を、結膜炎と呼びます。結膜は、涙を分泌して目を潤したり、細菌やウイルスなどの異物から目を守る役割を担っています。しかし、この結膜に細菌やウイルスが感染したり、アレルギー物質によって刺激を受けたりすると、炎症を引き起こしてしまいます。結膜炎になると、目が充血したり、目やにが出たり、涙が止まらなくなったりします。また、痛みやかゆみを伴うこともあり、日常生活に支障をきたすこともあります。症状が重い場合は、視力に影響が出ることもありますので注意が必要です。結膜炎は、原因によって大きく感染性結膜炎、アレルギー性結膜炎、刺激性結膜炎の3つに分類されます。それぞれ原因や症状、治療法が異なりますので、自己判断せずに眼科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
目の構造

眼を守る砦:結膜円蓋

私たちの眼は、まるで精巧にできたカメラのようです。光を捉え、その情報を脳に送ることで、私たちは景色を見ることができます。この大切な眼は、いくつかの組織によって外部の刺激から守られています。まぶたはその代表例ですし、眼球自体も重要な役割を担っています。 結膜円蓋は、このような眼の防御システムにおいて、重要な役割を果たす構造の一つです。 眼球の表面は、白目と呼ばれる白い膜で覆われています。そして、まぶたの裏側にも同じような膜があります。この二つの膜は、眼球とまぶたの境目である「穹窿部」と呼ばれるところで袋状につながっています。これが結膜円蓋です。 結膜円蓋は、眼球がスムーズに動くために欠かせない存在です。まぶたや眼球と常に潤滑油のような役割を果たすことで、摩擦を防ぎ、私たちの視線を自由自在に動かせるようにしています。また、結膜円蓋には、涙の分泌を助ける働きもあります。涙は、眼の表面を潤すだけでなく、細菌やウイルスなどの侵入を防ぐ役割も担っています。結膜円蓋は、涙の分泌を促進することで、眼の健康を保つためにも貢献しているのです。
目の病気

違和感や異物感?もしかしたら結膜異物かも

- 結膜異物とは?結膜とは、まぶたの裏側と白目の表面を覆っている薄い膜のことです。この結膜は、涙を分泌したり、目の表面を保護したりと、重要な役割を担っています。 しかし、非常に繊細な部分であるため、異物が入ると強い違和感や異物感を感じてしまうのです。結膜異物とは、まさにその名の通り、この結膜に異物が入ってしまった状態を指します。異物の大きさや材質は実に様々で、日常生活で目に触れる可能性のあるものばかりです。例えば、空気中に舞っている砂や埃、小さな虫などが入り込むことがあります。また、金属片やガラスの破片など、硬くてとがったものが入り込んでしまうケースもあります。さらに、化粧品や洗顔料などが、目に入ってしまった場合も、結膜異物となることがあります。結膜に異物が入ると、目に痛みやゴロゴロとした異物感を感じます。涙が過剰に出たり、目ヤニが出たり、光をまぶしく感じたりすることもあります。 また、異物が大きかったり、尖っていたりする場合は、結膜に傷がついてしまい、出血したり、視力に影響が出たりすることもあります。もし、結膜に異物が入ったと感じたら、自己判断で異物を取り除こうとせずに、すぐに眼科を受診してください。眼科では、特別な器具を使って異物を安全に取り除き、適切な治療を行います。
目の構造

眼を守る透明な膜:結膜

眼球の表面を覆う透明な膜である結膜について詳しく見ていきましょう。結膜は、例えるなら卵の薄皮のように、眼球という球体の表面を隙間なく覆っている薄い粘膜です。 この膜は眼球の前方部分を覆っているだけでなく、まぶたの裏側まで続いており、眼球とまぶたを繋ぐ役割も果たしています。 つまり、私たちが目を開けたときに、眼球の白い部分(鞏膜)と、まぶたの裏側の赤い部分に見えているのは、どちらも結膜なのです。 結膜は大きく分けて三つの部分に分けられます。眼球の表面を覆う部分を球結膜、まぶたの裏側を覆う部分を眼瞼結膜、そして球結膜と眼瞼結膜の間の移行部分を穹窿結膜と呼びます。穹窿結膜は袋状の構造をしており、眼球の動きをスムーズにする役割を担っています。 結膜は常に外界と接しており、空気中の細菌やウイルス、ほこりなどの異物にさらされています。しかし、涙によって常に潤されているため、これらの異物から目を守る役割も担っています。涙は、結膜にある涙腺という器官から分泌され、眼球表面を潤すとともに、異物を洗い流す働きがあります。また、涙に含まれる免疫物質が、細菌やウイルスから目を守る役割も果たしています。
近視

軽度近視:視力への影響は?

- 軽度近視とは軽度近視とは、近視の中でも比較的初期の段階を指します。私たちがものを見るとき、目はレンズの役割を果たし、網膜に像を結びます。このレンズの働きによって、遠くのものを見たり、近くに焦点を合わせたりすることができます。 しかし、近視の場合、このレンズの調節機能がうまく働かず、遠くのものがぼやけて見えます。 これは、眼球の奥行きが長すぎる、または角膜や水晶体の屈折力が強すぎるために、網膜よりも手前でピントが合ってしまうことが原因です。軽度近視は、このピントがずれる度合いが小さく、-3.0ディオプター以下の近視と定義されています。ディオプターとは、レンズの屈折力を表す単位で、数字が大きくなるほど近視の度合いが強くなります。 軽度近視では、裸眼でも視力0.1以上を保てることが多く、日常生活で大きな不便を感じることは少ないかもしれません。しかし、軽度だからといって油断は禁物です。 近視は進行性の疾患であり、適切なケアを行わないと度合いが進んでしまう可能性があります。 特に、スマートフォンやパソコンの長時間使用は、目の疲労を招き、近視の進行を早める要因の一つと考えられています。軽度近視と診断された場合でも、定期的な眼科検診を受け、医師の指示に従って適切なケアを続けることが大切です。
角膜

円錐角膜治療の新常識!ケラリングとは?

- 円錐角膜の治療法円錐角膜は、眼球の前面にある透明な膜である角膜が、徐々に薄くなって突出してしまう病気です。この突出は、角膜が円錐形に変形してしまうために起こります。そして、この変形のために、ものが歪んで見えたり、視力が低下したりするなど、視覚に影響を及ぼします。初期の円錐角膜の場合、メガネやコンタクトレンズを用いることで、視力矯正が可能です。しかし、病気が進行すると、これらの矯正器具では視力を十分に矯正することが難しくなります。進行した円錐角膜に対しては、従来は角膜移植が一般的な治療法でした。これは、病気になった角膜を健康なドナーからの角膜と交換する手術です。しかし、近年では、角膜移植に代わる新しい治療法が開発され、注目されています。角膜クロスリンキングは、その代表的な治療法の一つです。この治療法は、リボフラビンという薬剤を角膜に点眼し、紫外線を照射することで、角膜のコラーゲン線維を強化し、角膜の形状を安定させることを目的としています。角膜クロスリンキングは、角膜移植と比較して、体への負担が少ないという利点があります。また、角膜内リングの挿入も、円錐角膜の治療に用いられることがあります。これは、角膜内にリング状の器具を埋め込むことで、角膜の形状を矯正する方法です。角膜内リングは、角膜の突出を軽減し、視力を改善する効果があります。円錐角膜は、進行性の病気であるため、早期発見、早期治療が重要です。もし、視界の歪みを感じたり、視力低下が気になる場合は、早めに眼科を受診しましょう。そして、医師の指示に従って適切な治療を受けるようにしてください。
角膜

眼の健康を守る!ケラトメーター検査のススメ

- ケラトメーターとはケラトメーターは、眼球の表面にある透明な膜である角膜の曲がり具合を測定する医療機器です。角膜は、ちょうどカメラのレンズのように、外からの光を集めて眼球の中に入ってくる光の量を調整し、網膜に鮮明な像を結ぶために重要な役割を担っています。この角膜の曲がり具合が、視力に大きく影響します。 ケラトメーターを使用することで、角膜の曲率半径を正確に測定することができます。 具体的には、角膜に光を当て、その反射像の大きさから曲率半径を計算します。この測定値は、近視、遠視、乱視などの屈折異常の診断や、コンタクトレンズや眼鏡の処方、さらには角膜移植などの手術においても非常に重要な情報となります。 従来のケラトメーターは、測定者が手動で操作する必要がありましたが、近年では自動で測定を行うことができる自動ケラトメーターも普及してきています。自動ケラトメーターは、測定が容易で、時間も短縮できるため、患者さんの負担軽減にも繋がっています。
角膜

円錐角膜治療の新常識?ケラリングについて

- 円錐角膜に有効な治療法とは円錐角膜は、眼球の表面を覆う透明な膜である角膜が、徐々に薄くなっていく病気です。 正常な状態では丸いドーム状をしている角膜が、この病気によって円錐形に突出してしまうため、視界に歪みが生じたり、視力が低下したりします。 進行すると、日常生活に支障が出るほどの視力低下を引き起こすこともあります。そのため、早期の発見と適切な治療が非常に大切です。円錐角膜の治療法は、病気の進行度合いや症状によって異なります。初期段階で症状が軽い場合は、眼鏡やコンタクトレンズを用いた視力矯正で視界を改善することができます。しかし、円錐角膜は進行性の病気であるため、眼鏡やコンタクトレンズでは十分な視力矯正が難しくなる場合もあります。角膜が著しく薄くなったり、視力低下が進行したりした場合は、角膜移植という手術が必要になることがあります。 角膜移植とは、病気によって損傷した角膜を、健康なドナーからの角膜と置き換える手術です。 角膜移植によって、視力回復が見込めるだけでなく、円錐角膜の進行を食い止める効果も期待できます。円錐角膜は、自覚症状が出にくい病気であるため、定期的な眼科検診を受けることが大切です。 少しでも目の異変を感じたら、早めに眼科を受診しましょう。
角膜

眼の健康を守る!ケラトメーターとは?

- ケラトメーターの概要ケラトメーターは、眼科で広く使われている検査機器の一つで、目の表面にある透明な膜である角膜の曲率半径を測定するために用いられます。角膜は、カメラのレンズのように、外界からの光を屈折させて、網膜と呼ばれる眼の奥にあるスクリーンに像を結ぶ役割を担っています。この角膜のカーブの程度が、光を正しく屈折させるために非常に重要であり、その曲がり具合を数値化するのがケラトメーターの役割です。ケラトメーターは、角膜に光を照射し、その反射光を解析することで測定を行います。測定値はミリメートル(mm)で表され、数値が大きいほど角膜の曲率が小さく、平坦であることを示し、反対に数値が小さいほど、角膜の曲率が大きく、より急峻であることを示します。ケラトメーターで得られた測定値は、近視や遠視、乱視などの屈折異常の診断や、コンタクトレンズのフィッティング、角膜手術の術前術後の経過観察など、様々な場面で活用されます。近年では、従来のケラトメーターよりもさらに精密な測定が可能な自動ケラトメーターも普及しており、より正確な診断や治療に役立っています。
目の病気

白目の赤みは大丈夫?:結膜下出血について

朝、顔を洗って鏡を見てみると、目の白目の部分が真っ赤になっていて驚いた経験はありませんか? 目は充血することもあるので、疲れ目かな?と軽く考えるかもしれません。しかし、痛みなど自覚症状がないのに、白目が赤くなっている場合は、「結膜下出血」の可能性があります。 結膜下出血とは、目の表面を覆っている薄い膜である結膜の下で、小さな血管が破れて出血してしまうことで起こります。その結果、白目部分が赤く見えるようになります。多くの場合、痛みやかゆみなどの自覚症状はほとんどなく、視力にも影響はありません。 原因としては、くしゃみやせき、重い荷物を持つなど、一時的に血圧が上昇することが考えられます。また、目をこすったり、コンタクトレンズの不適切な使用などが原因となることもあります。さらに、加齢に伴い血管がもろくなることも、結膜下出血のリスクを高める要因の一つです。 基本的には、特別な治療は必要なく、1~2週間ほどで自然に吸収され、白目の赤みも消えていきます。ただし、症状が長引く場合や、視界に異常を感じる場合は、自己判断せずに眼科医を受診するようにしましょう。
目の病気

つらい結膜炎、その原因と対策とは?

- 結膜炎とは目の表面は、白目部分も含めて薄い透明な膜で覆われています。この膜を結膜と呼びますが、結膜に炎症が起こる病気のことを結膜炎と呼びます。結膜炎になると、目が充血して赤く見えたり、目やにが出たり、涙が止まらなくなったりします。また、痛みやかゆみ、異物感、まぶしさといった症状が出ることもあります。結膜炎の原因は様々ですが、大きく分けてアレルギー性、ウイルス性、細菌性の3つに分類されます。アレルギー性の結膜炎は、花粉やダニ、ハウスダストなどのアレルゲンによって引き起こされます。春や秋の花粉の季節に症状が出やすいという特徴があります。ウイルス性の結膜炎は、ウイルスへの感染によって引き起こされます。代表的なウイルスとして、アデノウイルスやエンテロウイルスなどが挙げられます。感染力が強く、集団生活をしている人に流行しやすいという特徴があります。細菌性の結膜炎は、細菌への感染によって引き起こされます。黄色ブドウ球菌や肺炎球菌、インフルエンザ菌などの細菌が原因となることがあります。不衛生な手で目を触ることなどによって感染することがあります。結膜炎は、原因や症状によって治療法が異なります。自己判断で市販の目薬を使用するのではなく、眼科を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。
目の構造

眼を守る透明な膜:結膜

私たちの目は、まるで潤いのあるベールで包まれているように、常に快適な状態を保っています。この重要な役割を担っているのが結膜と呼ばれる薄い膜です。結膜は、まぶたの裏側と、眼球の前方部分である白目部分を覆っています。 例えるなら、裏返した洋服のように、結膜はまぶたの裏側と白目の両方にぴったりと張り付いています。この構造のおかげで、私たちはまばたきをスムーズに行うことができるのです。もし結膜がなければ、まぶたと眼球がこすれてしまい、痛みを感じたり、傷ついてしまったりするでしょう。 さらに結膜は、涙の分泌や循環にも深く関わっています。涙は、眼球の表面を常に潤し、乾燥を防ぐだけでなく、小さなゴミやほこりを洗い流す役割も担っています。結膜は、涙が均一に行き渡るように、まるで水路のような役割を果たしているのです。 このように、結膜は一見目立たない存在ですが、私たちの目を守るためには欠かせない、重要な役割を担っているのです。
近視

軽度近視:よく見えるのに近視?

- 軽度近視とは軽度近視は、視力が低下している状態である近視の中でも、比較的症状が軽い状態を指します。視力検査では、視力を数値で表すために「ジオプター」という単位が用いられますが、一般的に-3.0ジオプター以下の場合を軽度近視と呼ぶことが多いです。軽度近視の場合、視力検査の結果は0.1以上の視力を保っていることが多く、日常生活で大きな支障が出ることは少ないでしょう。遠くの景色がややぼ blurry に見えることがありますが、眼鏡やコンタクトレンズの力を借りなくても、日常生活を送ることは十分可能です。ただし、軽度近視だからといって油断は禁物です。軽度近視の状態であっても、眼の疲れを感じやすかったり、場合によっては頭痛や肩こりを引き起こす可能性もあります。また、進行性の症状であるため、適切なケアを行わなければ、徐々に度数が進行し、中等度近視や強度近視に進行する可能性も秘めています。軽度近視であっても、定期的な眼科検診を受けるように心がけましょう。眼科では、視力検査だけでなく、眼の健康状態を総合的にチェックしてもらい、適切なアドバイスを受けることができます。また、日常生活では、長時間スマホやパソコンの画面を見続けることは避け、適度な休憩を取り入れるなど、眼への負担を軽減するための工夫も大切です。
角膜

円錐角膜治療の新戦略:ケラリングとは

- 円錐角膜という病気円錐角膜は、眼の表面にある透明な膜である角膜が、徐々に薄くなっていく病気です。 通常、角膜は滑らかで丸みを帯びたドーム状の形をしていますが、円錐角膜では中央部分が薄くなり、円錐のように前方へと突出していきます。この病気は、視力に影響を及ぼす進行性の病気です。 角膜の形状が変化することで、光が正しく網膜に届かなくなり、視界がゆがみ、物が二重に見えたり、かすんで見えたりするようになります。 また、症状が進むと、夜間や暗い場所での視力低下や、光がまぶしく感じられるなどの症状が現れることもあります。円錐角膜の原因は、まだ完全には解明されていません。しかし、遺伝的な要因やアレルギー体質、アトピー性皮膚炎などの関連が指摘されています。 また、長期間にわたるコンタクトレンズの誤った使い方も、発症のリスクを高めると考えられています。円錐角膜は、早期発見と適切な治療が非常に重要です。 治療法としては、初期にはメガネやコンタクトレンズを使用し、視力の矯正を行います。症状が進行した場合には、角膜移植などの手術が必要となることもあります。日頃から目の健康に気を配り、少しでも異常を感じたら、早めに眼科を受診することが大切です。
角膜

角膜のカーブを測る検査機器、ケラトメーターとは?

- ケラトメーターとはどんな機器? ケラトメーターは、眼科を受診した際にほとんどの人が経験する、目の検査に欠かせない医療機器です。 この機器は、眼球の前面を覆う透明な膜である角膜の曲率半径を測定するために用いられます。 角膜は、カメラのレンズのような役割を果たし、外界からの光を屈折させて網膜に正しく焦点を合わせるために重要な役割を担っています。 ケラトメーターは、この角膜のカーブの度合いを正確に数値化することで、眼科医が視力や目の状態を評価するのに役立つ情報を提供します。 検査方法は、あご台に顎を乗せて額を固定し、正面の目標物を見つめます。 すると、機器から光が目に投影され、角膜に反射した光のパターンを解析することで、角膜の曲率半径が測定されます。 この測定値は、近視や遠視、乱視などの屈折異常の診断や、コンタクトレンズの処方、白内障手術など、様々な眼科治療において重要な指標となります。 ケラトメーターは、痛みや不快感を伴わない、短時間で測定できる検査です。 眼科医の指示に従って検査を受けてください。
目の病気

白目が真っ赤に!知っておきたい結膜下出血

- 結膜下出血とは? 結膜下出血は、目の表面を覆っている薄い膜である結膜の下で、細い血管が破れて出血してしまう病気です。白目の部分が真っ赤になるため、驚かれる方が多いでしょう。出血した部分は、まるで赤い斑点のように見えます。 多くの場合、痛みやかゆみ、視力の低下といった症状はありません。そのため、鏡を見た時に初めて異変に気づくという方がほとんどです。 原因はさまざまで、くしゃみや咳、重い物を持ち上げた時など、一時的に血圧が上がった際に起こることがあります。また、目をこすったり、強い衝撃を受けた際に発症することもあります。加齢に伴い、血管がもろくなるため、高齢の方に多く見られるのも特徴です。 基本的には、特別な治療は必要なく、1~2週間程度で自然に吸収され、白目の赤みも引いていきます。ただし、症状が長引く場合や、何度も繰り返す場合は、他の病気が隠れている可能性もあるため、眼科を受診することをおすすめします。
目の病気

つらい目の充血やかゆみ、もしかして結膜炎?

- 結膜炎とは結膜炎は、目の表面を覆っている薄い膜である結膜に炎症が起きる病気です。目の白目の部分や、まぶたの裏側が赤く見えるのが特徴です。通常、私たちの目は涙で守られていますが、ウイルスや細菌などが原因で結膜に炎症が起こると、目が充血したり、目ヤニが増えたりします。また、涙が止まらなかったり、異物感や痛み、かゆみなどの症状が現れることもあります。結膜炎は大きく分けて、ウイルス性のものと細菌性のもの、アレルギー性のものがあります。ウイルス性結膜炎は、風邪の原因となるウイルスと同じように感染力が強く、周りの人にうつってしまう可能性があります。一方、細菌性結膜炎は、細菌が原因で起こり、適切な治療を行うことで比較的早く治癒することが期待できます。また、アレルギー性結膜炎は、花粉やダニなどのアレルギー物質が原因で起こり、かゆみや異物感を伴うことが多いです。多くの場合、結膜炎は自然に治癒しますが、症状が長引いたり、視力に影響が出たりする可能性もあります。そのため、目の充血や目ヤニ、痛みやかゆみなどの症状が現れた場合は、自己判断せずに、早めに眼科を受診することが大切です。医師の診断に基づいて適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、早く治すことができます。
目の構造

眼を守る透明な膜:結膜

結膜は、眼球の表面を覆う薄い透明な膜です。ちょうど、裏返した洋服の裏地のように、まぶたの裏側と眼球の白い部分(強膜)を覆うように広がり、眼球とまぶたを繋ぐ役割を担っています。この構造のおかげで、眼球はまぶたの中でスムーズに動くことができます。 結膜は大きく分けて三つの部分に分けることができます。まぶたの裏側を覆っている部分を眼瞼結膜、眼球の白い部分を覆っている部分を球結膜と呼びます。そして、眼瞼結膜と球結膜の境目にあたる部分を円蓋結膜または穹窿結膜と呼びます。 結膜には、血管が豊富に走っています。そのため、酸素や栄養を眼球に供給する役割も担っています。また、結膜には粘液を分泌する細胞があり、この粘液が涙と混ざることで、眼球の表面を滑らかに保ち、乾燥や異物から目を守る役割も果たしています。 結膜は、外界と接する場所にあるため、細菌やウイルスなどに感染しやすいという特徴もあります。結膜炎になると、目が充血したり、目やにが出たり、異物感や痛みを感じたりすることがあります。
近視

軽度近視:視力への影響は?

- 軽度近視とは軽度近視とは、視力が低下している状態ではありますが、日常生活に大きな支障がない程度の軽い近視を指します。目は、カメラのレンズのように水晶体で光を集め、網膜というスクリーンに像を結んで物を見ます。遠くの物を見るときには、水晶体が薄くなって焦点距離を調節しています。しかし、近視の場合、眼球の長さが長すぎたり、水晶体の屈折力が強すぎるために、遠くから来た光が網膜の手前で焦点を結んでしまい、ぼやけて見えてしまいます。軽度近視は、この焦点のずれが小さく、裸眼視力である程度保たれている状態です。そのため、普段は眼鏡やコンタクトレンズを使用しなくても、日常生活に大きな不便を感じることはありません。たとえば、黒板の字が見えにくい、テレビの字幕が読みづらいといった場合でも、少し近づけばはっきりと確認できます。ただし、軽度近視であっても、暗い場所や夜間の運転など、見えづらさを感じる場面もあるかもしれません。また、軽度近視を放置すると、徐々に進行して中等度近視や強度近視に移行する可能性もあるため注意が必要です。定期的な眼科検診を受けるようにしましょう。