「ぶ」

眼鏡

プリズム眼鏡:その役割と効果

- プリズム眼鏡とはプリズム眼鏡は、レンズの一部にプリズムと呼ばれる特殊な加工を施した眼鏡のことです。プリズムは、光を特定の方向に屈折させる性質を持っています。この性質を利用して、プリズム眼鏡は眼に入る光の向きを調整し、視覚の問題を改善します。プリズム自体は透明なので、眼鏡の外観からは通常の眼鏡との見分けはつきません。そのため、見た目を気にすることなく装用することができます。通常の眼鏡レンズが度数によって光の屈折を調整するのに対し、プリズム眼鏡は眼の筋肉の働きを補助する役割を果たします。眼の筋肉に不均衡があると、物が二重に見えたり、視線が定まらなかったりすることがあります。プリズム眼鏡は、これらの症状を改善するために用いられます。プリズム眼鏡は、斜視や視覚機能に問題がある場合などに処方されます。眼科医は、患者さんの症状やニーズに合わせて、プリズムの角度や強さを調整します。プリズム眼鏡は、視覚機能の改善に効果的な手段となる場合がありますが、すべての人に適しているわけではありません。眼科医の指示に従って使用することが大切です。
眼鏡

視界を操る魔法?プリズムの秘密

- プリズムってなに?プリズムと聞いて、何を思い浮かべるでしょうか? 小中学校の理科の授業で、太陽の光を七色の光に分ける実験を思い出した人もいるかもしれません。あの時に使った、透明な三角柱の形をしたものがプリズムです。プリズムは、光を屈折させる性質を持っています。屈折とは、光が空気中から水の中に入るときのように、異なる物質を通る際に進む方向が変わる現象のことです。プリズムはこの屈折を利用して、光を虹色に分けて見せてくれるのです。プリズムは、ガラスやプラスチックなどの透明な物質で作られています。光がプリズムに入ると、その物質の密度によって速度が変わります。この速度変化が光の屈折を引き起こし、異なる色の光はそれぞれ異なる角度で曲げられます。プリズムに入射した光は、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の順に屈折率が異なり、その結果、プリズムから出る光は虹のような色の帯、つまりスペクトルとして観察されるのです。プリズムは、理科の実験だけでなく、カメラや双眼鏡、分光器など、様々な分野で応用されています。
レーシック

レーシック後の視力に影響?「フラップのしわ」とは

レーシック手術では、視力を矯正するために角膜にレーザーを照射します。しかし、角膜は体の表面を覆う組織の一部であり、レーザーを直接照射すると傷になってしまいます。そこで、手術の前に角膜の表面を薄くめくって、レーザーから角膜内部を保護するための「ふた」を作ります。このふたのことを「フラップ」と呼びます。 フラップは、マイクロケラトームと呼ばれる専用の器具や、フェムトセカンドレーザーと呼ばれる特殊なレーザーを用いて作られます。フラップの厚さや大きさは、患者様の角膜の状態や矯正する度数によって異なりますが、おおよそ0.1ミリ程度の薄さです。 レーザー照射が完了したら、フラップをもとの位置に戻します。フラップは角膜の自然な治癒力によって、数日でしっかりと固定されます。フラップは非常に薄いため、手術後もほとんど目立つことはありません。 フラップを作ることで、レーザー照射中の痛みや不快感を軽減できるだけでなく、術後の感染症のリスクを減らすこともできます。レーシック手術において、フラップは非常に重要な役割を担っています。
レーシック

視力回復手術の鍵となる「フラップ」

- フラップとは?私たちの眼の表面にある透明な層である角膜は、カメラのレンズのように光を集めて網膜に像を結ぶ役割を担っています。 しかし、近視や乱視などの屈折異常があると、この角膜の形が歪んでしまい、網膜に鮮明な像を結ぶことができません。フラップとは、レーシック手術などの屈折矯正手術において、角膜に作られる薄い蓋状の組織のことを指します。 例えるなら、お煎餅の表面を薄くパリッと剥がす様子を想像してみてください。この剥がされた部分がフラップに当たります。手術では、まずこのフラップを顕微鏡手術用のメスやレーザーを使って作ります。 そして、フラップを丁寧にめくり上げることで、その下にある角膜の実質と呼ばれる部分にアクセスできるようになります。 この角膜実質に、エキシマレーザーと呼ばれる特殊なレーザーを照射することで、角膜の曲率を調整し、屈折異常を矯正します。レーザー照射が完了したら、フラップをもとの位置に戻します。 フラップは自身の再生能力によって自然に接着するため、通常は縫合する必要はありません。 このように、フラップはレーシック手術において重要な役割を担っており、術後の視力回復や角膜の安定性に大きく貢献しています。
目の病気

ぶどう膜炎:眼の中の炎症

- ぶどう膜炎とは眼球は、カメラに例えると、レンズ、絞り、フィルムなどの構造で光を認識し、脳に映像として伝えています。ぶどう膜は、このカメラでいうと、レンズの調整やフィルムへの栄養供給を行う、カメラにとって重要な役割を担う部分です。ぶどう膜炎は、そのぶどう膜に炎症が起きる病気です。ぶどう膜は、虹彩、毛様体、脈絡膜の3つの部分から成り立っています。虹彩は、カメラの絞りのような役割を果たし、瞳孔の大きさを調整することで、眼球に入る光の量を調節しています。毛様体は、レンズの厚さを調節する役割を担っており、ピントを合わせるために必要不可欠です。脈絡膜は、フィルムに栄養を供給する役割を担っており、光を認識するために重要な網膜に栄養を送る役割をしています。ぶどう膜炎は、これらの部位のいずれか、または複数に炎症が起きることで、様々な症状を引き起こします。炎症が起きると、視界がぼやけたり、かすんだりすることがあります。また、眼の痛みや充血、まぶしさを感じることもあります。さらに、光を見ると眩しく感じたり、黒い点が視界に飛んで見えることもあります。症状が重い場合は、視力が著しく低下したり、失明に至る可能性もあるため、早期の発見と治療が非常に重要です。
視力

気になる視界のズレ、不同視って?

- 不同視とは左右の目で視力が大きく異なる状態を、不同視と呼びます。私たちの目は、カメラのレンズのように外界の光を集め、網膜と呼ばれるスクリーンに像を映し出すことで物を見ています。このレンズの役割を果たす部分を眼球と呼びますが、不同視は、左右の眼球の屈折力が異なり、網膜に像を結ぶ力が左右で違ってしまうことで起こります。左右の眼球の屈折力の差が大きいと、ものが二重に見えたり、視界に違和感を感じることがあります。これが不同視の主な症状です。不同視は、近視や遠視、乱視といった屈折異常が原因で起こることが多く、生まれつき差がある場合もあれば、成長に伴って差が生じる場合もあります。軽度の不同視であれば、日常生活に支障がない場合もありますが、症状が強い場合は、頭痛や眼精疲労、肩こりなどを引き起こす可能性があります。また、放置すると弱視や斜視に繋がる可能性もあるため注意が必要です。不同視の治療法としては、眼鏡やコンタクトレンズを用いて視力矯正を行う方法が一般的です。
乱視

矯正が難しい?不正乱視について解説

- 不正乱視とは私たちの目は、カメラのレンズのように、眼球の表面で光を屈折させて、網膜と呼ばれるスクリーンに像を結んでいます。このレンズの役割を果たすのが、角膜や水晶体です。これらの形が均一であれば、光は一点に集まり、クリアな視界が得られます。しかし、角膜や水晶体の表面に凹凸があったり、形が歪んでいたりすると、光は正しく屈折せず、網膜に一点で像を結ぶことができなくなります。その結果、物が歪んで見えたり、ぼやけて見えたり、二重に見えたりする症状が現れます。これが乱視です。乱視には、大きく分けて正乱視と不正乱視の二つがあります。角膜の形がラグビーボールのように楕円形になっている状態が正乱視で、眼鏡やソフトコンタクトレンズで矯正が可能です。一方、不正乱視は、角膜表面の傷や病気、手術後遺症などによって、角膜の形が複雑に乱れている状態を指します。原因は様々で、円円錐角膜や角膜移植後の乱視などが挙げられます。不正乱視は、正乱視のように単純なレンズでは矯正が難しく、ハードコンタクトレンズや特殊な眼鏡を用いるなど、それぞれの状態に合わせた治療が必要となります。
その他

目の健康を守る!フォトスリット検査とは?

- フォトスリット検査とは フォトスリット検査は、眼科で日常的に行われている基本的な検査の一つです。 この検査では、「細隙灯顕微鏡」と呼ばれる特殊な顕微鏡を使用します。この顕微鏡は、目に細い線状の光を当て、その光を少しずつずらしていくことで、角膜、結膜、前房、虹彩、水晶体、硝子体、網膜といった、眼の様々な部分を立体的に観察することができます。 例えるなら、建物を調べる際に、部屋の電気を消して、懐中電灯で少しずつ照らしながら確認していくようなイメージです。このように、眼の表面だけでなく、内部の構造や状態まで詳しく調べることができることが、この検査の特徴です。 フォトスリット検査では、眼の炎症や傷、濁り、出血などの異常を発見することができます。また、緑内障、白内障、網膜剥離などの病気の診断にも役立ちます。 検査自体は痛みを伴いません。検査時間は、観察する部位や範囲によって異なりますが、通常は5分程度で終了します。
視力改善方法

進化する眼科医療:フェムトセカンドレーザーとは?

近年の医療技術の進歩は目覚ましいものがあり、特にレーザーを用いた治療は多岐に渡り発展を遂げています。その中でも、フェムトセカンドレーザーは、従来のレーザーとは一線を画す革新的な技術として注目されています。 フェムトセカンドレーザー最大の特徴は、その名の通りフェムト秒という非常に短い時間間隔でレーザー光を照射できる点にあります。1フェムト秒は1秒の1000兆分の1という、私たちが日常で認識することすら難しい極めて短い時間です。この超短パルス照射によって、周辺組織への熱影響を最小限に抑えながら、狙った部分のみを精密に切開することが可能となりました。 従来のレーザー治療では、熱による周辺組織へのダメージが問題となるケースがありましたが、フェムトセカンドレーザーを用いることで、術後の痛みや回復期間を大幅に短縮できるようになりました。また、その精密な切開能力は、眼科領域において特に威力を発揮します。繊細な眼球組織に対しても、極めて精密な治療が可能となり、視力回復の可能性を広げています。
視力改善方法

フェイキックIOL:視力矯正の新しい選択肢

- フェイキックIOLとはフェイキックIOLとは、近視や遠視、乱視を矯正する手術に用いられる、有水晶体眼内レンズと呼ばれる特殊なレンズのことです。 従来の白内障手術では、白く濁ってしまった水晶体を取り除き、その代わりに人工の眼内レンズを挿入します。しかし、フェイキックIOLを用いた手術では、患者さん自身の水晶体はそのまま残し、その前にレンズを追加することで視力矯正を行うのです。わかりやすく例えると、フェイキックIOLは、カメラのレンズに例えることができます。 カメラのレンズの前に、別のレンズを取り付けることで、より鮮明な写真が撮れるようになります。フェイキックIOLも同様に、元々の水晶体の機能を活かしながら、その前方にレンズを配置することで、視力を矯正します。フェイキックIOLの大きなメリットは、水晶体を取り除くことなく視力矯正ができる点です。そのため、白内障手術に伴うリスクや合併症を回避できます。また、水晶体の調節機能を維持できるため、手術後も自然な見え方が期待できます。フェイキックIOLは、近視や乱視に悩む多くの方にとって、新しい選択肢となる可能性を秘めた治療法と言えるでしょう。
視力改善方法

ファインビジョントーリック:乱視矯正と老眼対策を両立

- ファインビジョントーリックとはファインビジョントーリックは、ベルギーのフィジオール社によって開発された眼内レンズです。このレンズは、私たちがものを見るときに光を集めてピントを合わせる役割を担う、水晶体の代わりとなるものです。ファインビジョントーリックの最大の特徴は、複数の焦点を持つことです。遠くを見るための焦点、中間距離を見るための焦点、そして近くを見るための焦点が、この小さなレンズの中にすべて備わっています。そのため、老眼によって低下した水晶体の調節機能を補い、眼鏡に頼らずに様々な距離のものを見ることが可能になります。さらに、ファインビジョントーリックは乱視にも対応しています。乱視とは、角膜や水晶体の形状に歪みがあるために、ものが見えづらくなる状態のことです。このレンズは、乱視の原因となる光の歪みを補正する機能も併せ持つため、老眼治療と同時に乱視の矯正を行うことが可能です。従来の単焦点眼内レンズによる老眼治療では、遠くか近くのどちらかにピントを合わせた場合、もう一方の距離を見るためには眼鏡が必要でした。しかし、ファインビジョントーリックは眼鏡への依存度を大幅に減らし、快適な生活を提供してくれる画期的な眼内レンズと言えるでしょう。
視力改善方法

ファインビジョン:多焦点眼内レンズの特徴と利点

- ファインビジョンとはファインビジョンは、ベルギーのフィジオール社が開発した眼内レンズの一つで、多焦点眼内レンズと呼ばれる種類に分類されます。眼内レンズは、白内障などの病気によって濁ってしまった水晶体の代わりに、眼の中に埋め込む人工のレンズのことです。水晶体は、カメラのレンズのように、光を屈折させて網膜に像を結ぶ役割を担っており、白内障によって水晶体が濁ると、光がうまく通過することができなくなり、ものがかすんで見えたりします。このような場合に、濁った水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズを挿入する手術が行われます。ファインビジョンは、多焦点眼内レンズの中でも、遠く、中間、近くの3つの距離にピントを合わせることができることから、三重焦点眼内レンズと呼ばれています。従来の単焦点眼内レンズでは、遠くか近くのどちらか一方にしかピントを合わせることができず、もう一方の距離を見るためには眼鏡が必要でした。しかし、ファインビジョンは、遠近両用眼鏡のように、眼鏡に頼らずに様々な距離のものを見ることができるという点で画期的な眼内レンズと言えるでしょう。
眼鏡

視界を改善!プリズム眼鏡とは?

プリズム眼鏡の役割 プリズム眼鏡は、レンズにプリズムという特殊な加工を施した眼鏡です。プリズムは、光を曲げる性質があります。プリズム眼鏡をかけることで、眼に入る光の向きを意図的に変えることができます。 プリズム眼鏡は、主に物が二重に見える複視や、眼のずれによって起こる眼精疲労を和らげるために用いられます。複視は、両方の眼の視線が一点に集まらず、物が二つに見えてしまう状態です。プリズム眼鏡を用いることで、左右の眼に入る光の向きを調整し、視線を一つに合わせることができます。 眼精疲労は、眼の筋肉の疲れや、眼のピント調節機能の低下などが原因で起こります。眼のずれがあると、眼は常に視線を合わせようと無意識に筋肉を酷使するため、眼精疲労を起こしやすくなります。プリズム眼鏡をかけることで眼の筋肉にかかる負担を軽減し、眼精疲労の改善が期待できます。 ただし、プリズム眼鏡は、視力矯正を目的とした眼鏡ではありません。あくまでも、複視や眼精疲労などの症状を軽減するための補助的な役割を果たします。そのため、プリズム眼鏡の使用にあたっては、必ず眼科医の診察を受け、適切なレンズ度数を処方してもらうことが重要です。
その他

視界を操る魔法?プリズムの秘密

プリズムと聞いて、何を思い浮かべますか? 理科の実験で太陽の光を虹色に分けた、あの透明な三角柱を思い出す方も多いのではないでしょうか。 プリズムは、光を屈折、分散させる性質を持つ、まるで光に魔法をかける魔法の道具のようなものです。 光が空気中からガラスなどの異なる物質に入るとき、その境界面で進行方向が曲がります。これを光の屈折と言います。そして、光は色によって屈折する角度が異なります。プリズムに入射した光は、このようにして異なる色に分かれていくのです。 この現象は、太陽光が空気中の水滴を通過する際に起こる虹と同じ原理です。水滴がプリズムの役割を果たし、太陽光を七色に分解することで、あの美しい虹が見えるのです。 プリズムは、理科の実験だけでなく、カメラや望遠鏡、分光器など、様々な分野で利用されています。普段何気なく目にしている光ですが、プリズムを通して見ると、その不思議な性質に改めて気付かされます。
レーシック

レーシック後の注意!フラップのしわ

- レーシックとは?レーシックは、視力を矯正する手術のひとつです。レーザーを用いて角膜(黒目)の形状を調整することで、近視、遠視、乱視を矯正します。手術ではまず、角膜に蓋のような役割を果たす薄いフラップを作ります。フラップはマイクロケラトームという器具を用いる方法と、フェムトセカンドレーザーという特殊なレーザーを用いる方法があります。フラップを作成したら、それをめくり、エキシマレーザーというレーザーを照射します。このレーザーは、組織を蒸散させる性質があり、角膜を削り、その形状を変えることで屈折異常を矯正します。レーザー照射後、フラップをもとの位置に戻し、手術は完了です。レーシックは、眼鏡やコンタクトレンズに頼らず生活できるようになるという大きなメリットがあります。手術時間は両目で10~20分程度と短く、日帰りで行うことができます。また、個人差はありますが、手術後数日で視力が安定し、日常生活に支障がなくなります。レーシックは、近年注目を集めている視力矯正手術ですが、すべての人に適しているわけではありません。適応検査を行い、医師とよく相談した上で手術を受けるかどうか決めることが大切です。
レーシック

屈折矯正手術とフラップ

- フラップとは? 目の手術、特にレーシック手術を行う際に、角膜に作られる薄い膜のようなものをフラップと呼びます。 フラップは、例えるなら本の表紙のような役割を果たします。 レーシック手術では、まず角膜にフラップと呼ばれる薄い蓋を作ります。このフラップは、顕微鏡手術用の特殊な刃物やレーザーを使って作られます。フラップを作成する深さや大きさは、手術の内容や目の状態によって異なりますが、非常に薄いものであるため、肉眼で確認することは困難です。 フラップをめくることで、その下の角膜実質と呼ばれる部分にレーザーを照射することができます。レーザー照射によって角膜の形状を矯正し、視力を改善します。レーザー照射が完了したら、フラップを元の位置に戻します。フラップは自然に角膜に接着し、傷口を保護する役割も果たします。 フラップは非常に薄く、透明であるため、手術後も視界に影響を与えることはありません。 フラップは、レーシック手術において重要な役割を担っています。フラップがあることで、レーザー照射を安全かつ正確に行うことができ、術後の回復も早くなります。
目の病気

ぶどう膜炎:眼の中の炎症

- ぶどう膜炎とは眼球は、外界からの光を感知し、視覚として脳に伝える重要な器官です。その構造は、カメラに例えられるように、レンズの役割を持つ水晶体、光を調節する絞りの役割を持つ虹彩、そして映像を写し出すフィルムの役割を持つ網膜など、様々な組織から成り立っています。ぶどう膜炎は、この精巧な眼球構造のうち、水晶体と網膜の間にある「ぶどう膜」に炎症が起こる病気です。ぶどう膜は、カメラで例えると、絞りやピント調節、そしてフィルムに栄養を与える役割を担う重要な部分です。具体的には、虹彩、毛様体、脈絡膜の3つの組織から構成されています。虹彩は、瞳孔の大きさを調整することで、眼球に入る光の量を調節する役割を担っています。毛様体は、水晶体の厚さを変えることで、ピントを合わせる役割を担っています。そして脈絡膜は、網膜に栄養を供給する役割を担っています。ぶどう膜炎は、これらのいずれか、あるいは複数の部位に炎症が生じることで、様々な症状が現れます。代表的な症状としては、視力低下、飛蚊症、目の痛み、充血などがあります。ぶどう膜炎の原因は様々で、細菌やウイルスなどの感染、自己免疫疾患、外傷などが挙げられます。症状や原因に応じて適切な治療を行うことが重要です。
眼鏡

不同視:左右の目の度数差と視力矯正

- 不同視とは不同視とは、左右の目で視力が大きく異なる状態を指します。普段の生活で、右目ははっきり見えるのに、左目はぼやけて見えたり、逆に左目ははっきり見えるのに、右目はぼやけて見えるという経験はありませんか? 多くの人は左右の目に多少の視力差がありますが、その差が大きい場合に、不同視と診断されます。一般的に、左右の目の視力差が2.0ジオプター以上になると、不同視と診断されます。ジオプターとは、レンズの屈折力を表す単位で、数字が大きいほど、レンズの屈折力が強く、視力が悪いことを示します。つまり、2.0ジオプター以上の差があるということは、左右の目の屈折力が大きく異なり、片方の目ははっきりと物を見ることができるにも関わらず、もう片方の目はぼやけて見えてしまう状態であると言えます。不同視は、生まれつき視力に差がある場合と、後天的に視力に差が出てくる場合があります。生まれたときから左右の目の大きさが極端に違ったり、目の形が異なる場合に、不同視として診断されることがあります。また、子供の頃に片方の目だけに強い近視や遠視、乱視があった場合、片方の目ばかりを使おうとするため、視力の発達に差が生じ、不同視を引き起こすことがあります。さらに、加齢に伴い、白内障などの目の病気が原因で、後天的に不同視になるケースも少なくありません。不同視は、視力に差があるだけでなく、物が二重に見えたり、頭痛や肩こり、眼精疲労を引き起こす可能性もあります。そのため、早期に発見し、適切な治療や矯正を行うことが大切です。
乱視

乱視の種類と特徴:不正乱視

- 乱視とは私たちの目は、カメラのようにレンズを通して光を集め、その光を網膜というスクリーンに像として映し出しています。 レンズの役割を担うのは、水晶体と角膜という透明な組織です。 健康な目では、このレンズは左右対称で滑らかな球面をしています。 そのため、あらゆる方向から入ってきた光はレンズで適切に屈折し、網膜上の一点にきちんと焦点を結ぶことができます。 しかし、乱視の場合、角膜や水晶体の形が歪んでしまっているため、入ってきた光は一点に集まらず、網膜上にぼやけた像を結びます。 例えるなら、サッカーボールのようにどこから見ても丸い形をしているのが正常な目で、ラグビーボールのように縦と横で丸みが違うのが乱視の目と言えるでしょう。 乱視があると、遠くも近くもはっきり見えず、視界がぼやけたり、二重に見えたりすることがあります。 また、眼精疲労や頭痛、肩こりの原因になることもあります。
その他

眼科の検査機器:フォトスリット

- フォトスリットとはフォトスリットは、眼科で目の検査に広く使われている機械です。正式には「細隙灯顕微鏡」と言い、名前の通り、細い線状の光を目に当て、その反射光を使って目の表面から奥の方までを調べることができます。顕微鏡という名前の通り、目を大きくして見ることができるので、普段の診察では見つけるのが難しい小さな異常も見つけることが得意です。フォトスリット検査では、まずあご台に顎を乗せて頭を固定し、医師が目の前にある顕微鏡をのぞきながら、スリット状の光を目に当てます。この光は、幅や角度、色などを変えることができるため、医師は検査したい部分に合わせて光を調整します。例えば、まぶたの裏側や、角膜、水晶体、網膜など、目の様々な部分を詳しく観察することができます。さらに、眼圧を測る検査や、目の奥に薬を入れる治療にも使われます。フォトスリット検査は、痛みや不快感がほとんどない検査です。検査時間は、片目あたり5分程度です。ただし、散瞳薬を使った検査の場合には、検査後しばらくの間、まぶしさが残ったり、ピントが合いづらくなったりすることがあります。
視力改善方法

進化する眼科医療:フェムトセカンドレーザー

近年、目覚ましい進化を遂げているレーザー技術の中でも、ひ際立った存在感を放つのが「フェムトセカンドレーザー」です。 このレーザーは、1フェムト秒という、一瞬と呼ぶのも憚られるほどの極めて短い時間だけ光を照射します。1フェムト秒を秒に換算すると、なんと1秒の1000兆分の1という驚異的な速さです。 この想像を絶する超高速のパルス光こそが、従来のレーザーでは成し得なかった精密な治療を可能にする鍵となっています。従来のレーザーは、照射時間が長いため、組織に熱が伝わりやすく、周囲の組織を傷つけてしまうリスクがありました。 しかし、フェムトセカンドレーザーは、超短パルスであるがゆえに、熱の影響を最小限に抑えながら、標的とする組織だけをピンポイントに切開したり、蒸散させたりすることが可能です。 このように、フェムトセカンドレーザーは、その驚異的な速さによって、眼科医療に新たな可能性を切り開いています。従来の方法では困難であった繊細な眼の組織に対しても、安全かつ精密な治療を実現できる革新的な技術として、今後の更なる発展が期待されています。
眼鏡

プリズム眼鏡:視覚のズレを矯正

- プリズム眼鏡とはプリズム眼鏡とは、レンズの一部にプリズムと呼ばれる特殊な加工を施した眼鏡です。プリズムというと、理科の実験で使った、光を虹色に分ける三角柱の形を思い浮かべる方もいるかもしれません。眼鏡に使われるプリズムは、光を屈折させることで眼に入る光の向きを調整することを目的としています。そのため、その目的や度数に合わせて、三角柱だけでなく、様々な形に加工されます。 私たちの目は、通常、左右の目で見たものをそれぞれ脳に伝え、脳でひとつの立体的な像として認識しています。しかし、斜視など、目の筋肉や神経に異常があると、眼球の向きや動きがずれてしまい、ものが二重に見えたり、視界が不安定になったり、脳で正しく像を認識することが難しくなります。プリズム眼鏡は、レンズを通る光の向きを調整することで、左右の目の網膜に適切な位置に像を結ばせることで、これらの症状を改善する効果が期待できます。 プリズム眼鏡は、度数の強さやプリズムの形状など、一人ひとりの目の状態に合わせてオーダーメイドで作成されるため、眼科医の指示のもと、適切な検査と調整を行うことが重要です。
視力改善方法

フェイキックIOL:視力矯正の新しい選択肢

- フェイキックIOLとは? フェイキックIOLは、眼の中に埋め込むレンズの一種で、近年注目されている視力矯正方法です。「有水晶体眼内レンズ」とも呼ばれ、従来の眼内レンズ手術とは大きく異なる点がいくつかあります。 従来の手術では、白内障などで濁ってしまった水晶体を取り除き、代わりに人工のレンズを挿入していました。しかし、フェイキックIOLは、元々ある水晶体を残したまま、その上にレンズを固定するという点が画期的です。 つまり、フェイキックIOLは、水晶体の機能を補助するのではなく、あくまでも近視や遠視、乱視を矯正することを目的としています。そのため、白内障の治療には適していません。 また、フェイキックIOLは、将来的に白内障を発症した場合でも、レンズを取り外すことが可能です。白内障手術が必要になった際には、フェイキックIOLを取り除いた上で、改めて眼内レンズを挿入します。このように、将来的な目の変化にも柔軟に対応できる点が、フェイキックIOLの大きなメリットと言えるでしょう。
視力改善方法

ファインビジョントーリック:乱視も解決する多焦点眼内レンズ

- ファインビジョントーリックとはファインビジョントーリックは、ベルギーのフィジオール社が開発した多焦点眼内レンズです。眼内レンズとは、白内障の手術の際に、白く濁ってしまった水晶体を取り除き、その代わりに挿入する人工のレンズのことです。ファインビジョントーリックは、この眼内レンズの中でも、遠くを見る時、中間距離を見る時、近くを見る時、という3つの距離に焦点が合うように設計されています。このようなレンズは「3重焦点眼内レンズ」と呼ばれています。さらにファインビジョントーリックは、乱視を矯正する機能も備えています。乱視とは、ものが二重に見えたり、ぼやけて見えたりする症状です。ファインビジョントーリックは、乱視がある方でも、このレンズを挿入することで、乱視の矯正と同時に、遠く、中間、近くの3つの距離に焦点が合うように矯正することが期待できます。そのため、ファインビジョントーリックは、眼鏡への依存度を減らし、日常生活をより快適に過ごしたいと希望される方にとって、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。