角膜

レーシック

レーシックだけじゃない!視力回復手術:LASEK

視力を回復させる手術として、広く知られているのは「レーシック」ですが、視力回復手術には、実は様々な方法があります。その一つに「LASEK(ラセック)」と呼ばれる手術があります。レーシックと名前が似ていますが、角膜に薄い蓋を作る部分に違いがあります。 レーシックはマイクロケラトームという専用の器具やレーザーを用いて、角膜の実質部分にフラップと呼ばれる蓋を作ります。一方、ラセックはエキシマレーザーよりも弱いレーザーやアルコールを使用して、角膜の一番外側にある上皮のみを薄くめくり、フラップを作ります。 ラセックはレーシックに比べて、角膜を深く削る必要がないため、角膜が薄い方や強度近視の方に向いていると言われています。また、フラップを作る深さが浅いため、レーシックに比べて術後の痛みが強い場合がありますが、合併症のリスクが低いというメリットもあります。 視力回復手術は、それぞれに特徴やメリット、デメリットがあります。自分にとって最適な手術方法を選択するためには、医師とよく相談することが大切です。
目の病気

円錐角膜とは?

- 円錐角膜の概要円錐角膜は、眼球の前面にある透明な層である角膜が、徐々に薄くなり、円錐のように突出してしまう病気です。 角膜は、カメラのレンズのように、外界からの光を集めて網膜に焦点を合わせ、鮮明な視界を得るために重要な役割を担っています。健康な角膜は、滑らかで丸みを帯びたドーム状の形をしています。しかし、円錐角膜を発症すると、この角膜が徐々に薄く、弱くなっていきます。そして、眼球内部からの圧力に耐えきれなくなり、徐々に円錐形に突出してしまうのです。この角膜の形の変化によって、光が正しく網膜に届かなくなり、視力が低下したり、ものが歪んで見えたり、 かすみ目、光がまぶしく見える、などの症状が現れます。 進行すると、視力が著しく低下し、日常生活に支障をきたすこともあります。円錐角膜は、比較的まれな病気で、10代から20代の若い世代に発症することが多いとされています。また、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー疾患を持っている方は、発症リスクが高まると言われています。円錐角膜は、早期発見・早期治療が重要です。そのため、少しでも気になる症状があれば、早めに眼科を受診しましょう。
目の構造

涙の役割:眼を守る大切な液体

私たちの目から流れ出る涙。普段は意識していなくても、目にゴミが入った時や、悲しい時、嬉しい時などに自然と溢れ出てきますね。一見、ただの水分のように思えますが、涙は私たちの目を守るために、重要な役割を担っています。 涙の成分は、ほとんどが水分ですが、その他に塩分やたんぱく質などが含まれています。これらの成分が絶妙なバランスで配合されていることで、涙は目の表面を潤し、細菌やウイルスなどの異物から守ったり、傷を修復したりする働きをしています。 例えば、涙に含まれるたんぱく質の一種であるリゾチームは、殺菌作用を持つため、細菌の繁殖を抑え、目の感染症を防ぐ役割を担っています。また、ムチンという成分は、涙を目の表面に均一に広げ、乾燥を防ぐとともに、滑らかな状態を保つことで、より鮮明な視界を得る手助けをしています。 このように、涙は単なる水分ではなく、様々な成分が複雑に絡み合い、私たちの目を健やかに保つために重要な役割を果たしているのです。
目の構造

目の健康のカギ?「輪部」の役割

私たちの目は、まるで精巧に作られたカメラのようです。カメラがレンズを通して光を取り込み、映像を写し出すように、私たちの目も光を感知し、視覚として認識しています。 この目の構造の中で、角膜はカメラのレンズに相当する重要な部分です。角膜は黒目の部分を覆う透明な膜で、外から入ってきた光を最初に屈折させ、眼球内部へと導く役割を担っています。 そして、角膜の周辺部、ちょうど白目と黒目の境目にある細い帯状の部分を「輪部」と呼びます。この輪部は、わずか1~2ミリほどの幅しかありませんが、目の健康を保つ上で非常に重要な役割を担っています。 輪部は、角膜と強膜(白目)、そして結膜(白目を覆う薄い膜)の3つの組織が接する場所であり、角膜に栄養を供給したり、眼球内部を保護する免疫機能に関与したりしています。また、眼圧を調節する役割も担っており、緑内障などの病気とも深く関わっています。 このように、輪部は一見目立たない部分ではありますが、私たちの視覚を維持するために非常に重要な役割を担っているのです。
目の構造

角膜実質層:目のレンズの秘密

私たちの目は、まるで精巧なカメラのように、光を捉え、映像を映し出して物を見ることが出来ます。そして、カメラのレンズに相当する役割を担う重要な器官の一つに、角膜があります。角膜は、眼球の一番外側に位置する透明な膜であり、外界から入ってくる光を最初に通過させる部分です。この角膜は、ただ一枚の膜で出来ているのではなく、いくつかの層が重なり合って構成されており、その精緻な構造によってはじめて、私たちははっきりと物を見ることが出来るのです。 角膜を構成する層の中で、最も厚みがあり、重要な役割を担っているのが実質と呼ばれる層です。実質は、角膜全体の約9割を占めており、その大部分は、コラーゲンという線維状のタンパク質が規則正しく並んだ構造をしています。このコラーゲン線維の配列が、光を透過させる透明性と、眼球の形を保つための強度という、角膜の重要な機能を担っているのです。 さらに、実質には、角膜細胞と呼ばれる細胞が存在しています。これらの細胞は、コラーゲンなどのタンパク質を作り出し、角膜の構造を維持する役割を担っています。また、角膜に傷がついた場合は、これらの細胞が活発に活動することで、傷を修復する働きも持ち合わせています。 このように、角膜は、一見、単なる透明な膜のように思えますが、実際には、光を正確に眼球内に導くための精巧な構造と、それを維持するための機能が備わった、驚くべき器官と言えるでしょう。
目の構造

眼の健康を守る!房水の役割と重要性

- 房水眼の中の大切な水私たちの眼は、カメラのレンズのように、光を屈折させて網膜に像を結ぶことで物を見ることができます。 そのレンズの役割を果たすのが、角膜と水晶体ですが、これらの組織の間の空間は、房水と呼ばれる透明な液体で満たされています。 房水は、前房(角膜と虹彩の間)と後房(虹彩と水晶体の間)という二つの部屋に分かれて存在しています。では、この房水はどこで作られるのでしょうか? 房水は、主に毛様体と呼ばれる組織で作られます。毛様体は、虹彩の後方に位置する組織で、カメラでいうところの絞りのような役割も担っています。 毛様体で作られた房水は、まず後房に分泌され、その後、瞳孔という虹彩の中央にある小さな穴を通って前房へと流れ込みます。そして、最終的には、シュレム管と呼ばれる排水路を通って眼の外へと排出されます。房水は、眼にとって非常に重要な役割を果たしています。 第一に、角膜や水晶体といった組織に栄養を供給しています。 これらの組織には血管が通っていないため、房水から酸素や栄養分を受け取っているのです。 第二に、眼球内を一定の圧力に保つことで、眼球の形を維持する役割を担っています。 この圧力を眼圧と呼びますが、眼圧が適切に保たれていることで、私たちはクリアな視界を得ることができます。このように、房水は私たちの視覚を維持するために、とても重要な役割を果たしているのです。
レーシック

視力回復手術の鍵となる「フラップ」

- フラップとは?私たちの眼の表面にある透明な層である角膜は、カメラのレンズのように光を集めて網膜に像を結ぶ役割を担っています。 しかし、近視や乱視などの屈折異常があると、この角膜の形が歪んでしまい、網膜に鮮明な像を結ぶことができません。フラップとは、レーシック手術などの屈折矯正手術において、角膜に作られる薄い蓋状の組織のことを指します。 例えるなら、お煎餅の表面を薄くパリッと剥がす様子を想像してみてください。この剥がされた部分がフラップに当たります。手術では、まずこのフラップを顕微鏡手術用のメスやレーザーを使って作ります。 そして、フラップを丁寧にめくり上げることで、その下にある角膜の実質と呼ばれる部分にアクセスできるようになります。 この角膜実質に、エキシマレーザーと呼ばれる特殊なレーザーを照射することで、角膜の曲率を調整し、屈折異常を矯正します。レーザー照射が完了したら、フラップをもとの位置に戻します。 フラップは自身の再生能力によって自然に接着するため、通常は縫合する必要はありません。 このように、フラップはレーシック手術において重要な役割を担っており、術後の視力回復や角膜の安定性に大きく貢献しています。
視力改善方法

レーシック:視力回復の選択肢

レーシックとは レーシックは、近年、視力の悩みを抱える多くの人々から注目されている視力回復手術の一つです。正式には「レーザー角膜屈折矯正術」と呼ばれるこの手術は、その名の通り、レーザーを用いて角膜の形状を調整することで、視力を矯正します。 レーシック手術では、まず角膜にフラップと呼ばれる薄い蓋を作ります。そして、その蓋を開け、露出した角膜の実質と呼ばれる部分に、エキシマレーザーと呼ばれる特殊なレーザーを照射し、角膜の曲率を変化させることで、近視や遠視、乱視などを矯正します。最後に、フラップを元の位置に戻し、手術は完了です。 レーシック手術は、従来の視力矯正手術と比べて、術後の回復が早く、痛みも少ないという特徴があります。そのため、日常生活に早く復帰したい方や、痛みに弱い方にも適した手術と言えます。
目の病気

目の白い部分にできる白い影、翼状片とは

- 翼状片とはどんな病気?翼状片は、眼の表面を覆う透明な膜である結膜の一部が、変化して角膜に侵入してくる病気です。結膜は、眼球の白い部分を覆っている膜で、角膜は、眼球の前面にある透明な膜です。この二つの膜の境目あたりから、組織が三角形状に伸びてくることから「翼状片」と呼ばれています。翼状片は、通常、鼻側にできますが、まれに耳側にできることもあります。初期の段階では、自覚症状がほとんどありません。しかし、次第に大きくなるにつれて、様々な症状が現れてきます。例えば、視界がかすんだり、目が充血したり、異物感を感じたりすることがあります。また、翼状片が大きくなると、角膜を圧迫し、形を歪ませてしまうことがあります。その結果、ものが二重に見えたり、ぼやけて見えたりする乱視と呼ばれる状態になることがあります。翼状片の詳しい原因はまだ解明されていませんが、紫外線やほこり、風の影響など、長期間にわたって眼に刺激が加わることで発症すると考えられています。そのため、屋外での活動が多い方や、乾燥した地域に住んでいる方は、注意が必要です。
視力改善方法

視力回復の鍵?レーザー治療とは

レーシック手術は、近視や遠視、乱視といった視力の問題を矯正し、眼鏡やコンタクトレンズなしでクリアな視界を実現する手術です。多くの人にとって、裸眼で快適に過ごせることは長年の夢であり、レーシック手術はその夢を叶えるための有効な手段として注目されています。 そして、このレーシック手術において欠かせないのがレーザー技術です。レーザーは、手術の要となる角膜の形状を変えるために用いられます。角膜とは、眼球の最も外側にある透明な膜のことで、光を屈折させて網膜に像を結ぶ役割を担っています。レーシック手術では、まず角膜に薄いフラップと呼ばれる蓋を作り、それを開きます。そして、露出した角膜の実質部分にレーザーを照射し、正確に削ることで、光の屈折を調整し、視力を矯正します。 レーシック手術で使われるレーザーには、エキシマレーザーとフェムトセカンドレーザーの2種類があります。エキシマレーザーは、角膜を精密に削るために用いられ、フェムトセカンドレーザーは、角膜にフラップを作る際に使用されます。これらのレーザー技術の進歩により、レーシック手術はより安全かつ正確なものとなり、多くの人々にクリアな視界を提供しています。
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レーシック後の視力回復にご用心!リグレッションとは?

レーシック手術は、近視などの視力のずれを矯正し、眼鏡やコンタクトレンズを使わずにクリアな視界を取り戻せる有効な方法として知られています。手術後、多くの方が視力回復を実感し、快適な生活を送ることができるようになります。 しかし、中には手術後しばらく経ってから、再び視力が低下してしまう場合があります。これが、リグレッションと呼ばれる現象です。 リグレッションは、近視の度合いが強かった人や、角膜を削る量が多かった人ほど起こりやすいと言われています。また、術後の生活習慣や体質も関係していると考えられています。 具体的には、長時間スマホやパソコンを使う、睡眠不足が続く、栄養バランスの偏った食事を続けるといった生活習慣は、目を酷使し、リグレッションのリスクを高める可能性があります。 リグレッションの症状としては、視力が低下するだけでなく、ぼやけて見える、物が二重に見える、光がまぶしく感じるといったものがあります。これらの症状が現れた場合は、早めに眼科を受診することが大切です。 リグレッションは、再手術で視力回復が見込める場合もあります。再手術が可能かどうかは、リグレッションの程度や角膜の状態によって判断されます。眼科医の指示に従い、適切な治療を受けるようにしましょう。
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視力回復の切り札?ラディアルケラトトミーとは

- レーザー手術の先駆け視力矯正手術といえば、近年ではレーザーを使ったものが主流となっています。しかし、レーザーが医療現場に登場する以前から、視力矯正手術は存在していました。その代表的なものが、1970年代に開発され、世界中で広く行われてきた「ラディアルケラトトミー」です。ラディアルケラトトミーは、角膜に放射状の切開を入れることで視力を矯正する方法です。その名前は、まさにこの手術方法に由来しています。「ラディアル」は「放射状の」、「ケラト」は「角膜」、「トミー」は「切開」を意味します。手術では、まず眼球に麻酔をかけます。その後、非常に薄い刃物を使って、角膜の中心から周辺に向かって放射状に切開を入れていきます。この切開によって角膜の形状を変化させることで、光の屈折率を調整し、視力を矯正するのです。ラディアルケラトトミーは、レーザー手術が登場するまでの間、多くの患者さんに視力矯正の機会を提供してきました。しかし、現在では、より安全性が高く、正確性に優れたレーザー手術が主流となっています。それでも、ラディアルケラトトミーは、視力矯正手術の歴史において重要な役割を果たした先駆的な技術として、その名を残していると言えるでしょう。
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レーシックだけじゃない!視力回復手術ラセックとは?

視力を回復させる手術として、レーシックは広く知られています。レーシックと同じように、ラセックも視力回復を目的とした手術で、エキシマレーザーを用いて角膜を削り、光の屈折異常を矯正します。どちらも視力の回復という目的は共通していますが、手術の方法には違いがあります。 レーシックは、角膜の表面にフラップと呼ばれる薄い蓋を作り、その蓋を開けてエキシマレーザーを照射します。レーザー照射後、フラップを元の位置に戻すことで手術は完了します。一方、ラセックは角膜の表面にある薄い膜(上皮)のみを剥がして、エキシマレーザーを照射します。レーザー照射後、剥がした上皮は元の位置に戻しますが、フラップを作成するレーシックとは異なり、ラセックは上皮が再生するまで数日間、眼帯レンズの装用が必要です。 このように、レーシックとラセックは手術の方法が異なります。どちらの手術が適しているかは、患者様の角膜の状態やライフスタイルなどを考慮して医師が判断します。手術を受ける際には、メリットだけでなく、リスクや術後の経過についても医師から十分な説明を受けることが大切です。
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レーシックだけじゃない!PRK手術とは?

視力が悪くなると、眼鏡やコンタクトレンズに頼る方が多いのではないでしょうか。これらの方法は、手軽に視力を矯正できるというメリットがありますが、一方で、装用時の煩わしさや、スポーツやレジャーの際に不便を感じることもあるかもしれません。 近年では、このようなお悩みを解消するために、視力矯正手術を選択肢に入れる方が増えています。視力矯正手術と聞いて、多くの方が「レーシック」を思い浮かべるのではないでしょうか。レーシックは、角膜に薄いフラップと呼ばれる蓋を作り、レーザーを照射して視力を矯正する方法です。 しかし、近視治療にはレーシック以外にも様々な方法があります。今回は、レーシックと並んで知られるPRK手術について詳しく解説していきます。PRK手術は、レーシックのようにフラップを作らずに、角膜の表面にある上皮のみを除去し、レーザーを照射して視力を矯正する方法です。フラップを作らないため、レーシックに比べて合併症のリスクが低いとされています。 どちらの手術も、メリットとデメリットがありますので、眼科医としっかり相談し、自分に合った治療法を選択することが大切です。
目の構造

眼の健康を支える房水:その役割と重要性

- 房水とは眼球は、外界からの光を感知し、それを脳に伝えることで視覚を司る重要な器官です。その眼球の内部には、水晶体と呼ばれるレンズの役割を果たす組織が存在します。この水晶体を包み込むように、角膜と水晶体の間にある前房、そして水晶体と虹彩の間にある後房と呼ばれる二つの空間が存在します。 房水とは、この前房と後房を満たす、透明で粘り気の少ない液体のことを指します。房水は、まるで水晶体を両側から支える、透明なクッションのような役割を担っています。 常に一定の圧力(眼圧)を保つことで、眼球の形を維持し、私たちがものを見るために重要な役割を果たしています。 また、房水は、水晶体や角膜といった血管のない組織に栄養を供給したり、老廃物を除去したりする役割も担っています。 さらに、外部から侵入しようとする細菌やウイルスなどの異物から目を守る免疫機能も備えています。このように、房水は、眼球の構造を維持するだけでなく、その機能を正常に保つためにも非常に重要な役割を担っています。
目の構造

涙の守護者!マイボーム腺を知ろう

目のふちにあるまぶた。普段は特に意識することもないかもしれませんが、実は、健康な目を保つために重要な役割を担っています。そして、まぶたのふちには、さらに小さな器官が隠れています。それが、マイボーム腺と呼ばれるものです。その数は、上下のまぶたを合わせると、なんと数百個にもなります。 一見、地味な存在に見えるマイボーム腺ですが、目の表面を潤す涙の成分を作り出す、重要な役割を担っています。涙は、ただ目を潤すだけでなく、目に栄養を与えたり、細菌やゴミを洗い流したりする働きもあります。 マイボーム腺で作られた油は、涙の表面に薄い膜を作ることで、涙がすぐに蒸発するのを防いでいます。この油の膜が、目の表面を乾燥から守り、常に潤った状態を保っているのです。 しかし、近年では、長時間のパソコンやスマートフォンなどの使用、コンタクトレンズの常用、睡眠不足、ストレスなど、現代人の生活習慣の変化に伴い、マイボーム腺の働きが低下し、目の乾燥に悩む人が増えています。目の乾燥は、単に不快なだけでなく、視力低下や眼精疲労、さらには眼疾患のリスクを高める可能性もあるため、注意が必要です。
レーシック

レーシック手術とマイクロケラトーム

レーシック手術は、眼鏡やコンタクトレンズに頼ることなく、視力を矯正するための有効な手段として広く知られています。この手術では、角膜に薄いフラップと呼ばれる蓋のような部分を作る作業が最初のステップとなります。 角膜は眼球の前面を覆う透明な膜で、カメラのレンズのような役割を果たしています。レーシック手術では、この角膜にレーザーを照射してその形状を変えることで、視力を矯正します。 フラップを作る際には、マイクロケラトームという特殊な刃物やフェムトセカンドレーザーという高精度のレーザーが使われます。フラップは角膜の上皮と呼ばれるごく表面の層を残して、その下の部分を円形に切り取ることによって作られます。 フラップはレーザー照射が終わった後、元の位置に戻されます。フラップは自身の持つ力で自然に固定され、時間をかけて周囲の組織と癒合していきます。 フラップの作成は、レーシック手術全体の成功を左右するだけでなく、術後の視力にも大きな影響を与える非常に重要な工程です。フラップの厚さや形状、滑らかさなどが術後の視力回復の速度や質、合併症のリスクなどに影響を与える可能性があります。
レーシック

レーシック手術後の合併症:ボタンホールフラップ

- レーシック手術におけるフラップとはレーシック手術は、眼鏡やコンタクトレンズに頼ることなく、視力を矯正するための一般的な手術です。 この手術では、まず眼球の表面にある透明な層である角膜に、非常に薄い蓋のようなものを作成します。この蓋の部分をフラップと呼びます。フラップは、ちょうどコンタクトレンズのように角膜の表面にぴったりと覆いかぶさるように作られます。レーシック手術では、このフラップを顕微鏡と極小の刃物、あるいはレーザーを使って丁寧に作成します。 フラップを作成する目的は、その下の層である角膜実質と呼ばれる部分にレーザーを照射するためです。角膜実質は、角膜の厚さのほとんどを占めています。レーザーを照射することで、角膜実質の形状を精密に変化させ、近視、遠視、乱視などの屈折異常を矯正することができます。レーザー照射が完了すると、フラップは元の位置に戻されます。フラップは、特別な縫合糸を使わなくても、角膜の自然な力でしっかりと固定されます。 フラップは、レーシック手術において非常に重要な役割を果たします。フラップを適切に作成することで、レーザー照射を正確に行うことができ、術後の視力回復をスムーズにすることができます。
目の構造

眼の健康を守る「パキメーター」

- パキメーターとはパキメーターは、眼の表面にある透明な膜である角膜の厚さを測る医療機器です。 角膜は、私たちがものを見るときに、カメラのレンズのように光を集めて眼球の内側に届ける役割をしています。 この角膜の厚さは、眼の健康状態を知る上で非常に重要な指標となります。パキメーターを使用すると、角膜の中心部分の厚さをわずか数マイクロメートル単位という非常に高い精度で測定することができます。 これは、角膜の厚さが眼圧に影響を与えるためです。 眼圧とは、眼球内の圧力のことで、高すぎると緑内障などの深刻な病気を引き起こす可能性があります。 パキメーターで角膜の厚さを測定することで、眼圧の測定値をより正確に判断できるようになります。 例えば、角膜が薄い人は、実際よりも眼圧が低く測定される傾向があり、逆に角膜が厚い人は、実際よりも眼圧が高く測定される傾向があります。 パキメーターはこのような誤差を修正し、緑内障などの早期発見・治療に大きく貢献しています。さらに、パキメーターは、レーシックなどの視力矯正手術においても重要な役割を担っています。 手術前に角膜の厚さを正確に測定することで、安全で効果的な手術計画を立てることができます。 また、手術後の経過観察にも用いられ、角膜の状態を把握することができます。このように、パキメーターは、眼の健康を守る上で欠かせない医療機器と言えるでしょう。
レーシック

屈折矯正手術とフラップ

- フラップとは? 目の手術、特にレーシック手術を行う際に、角膜に作られる薄い膜のようなものをフラップと呼びます。 フラップは、例えるなら本の表紙のような役割を果たします。 レーシック手術では、まず角膜にフラップと呼ばれる薄い蓋を作ります。このフラップは、顕微鏡手術用の特殊な刃物やレーザーを使って作られます。フラップを作成する深さや大きさは、手術の内容や目の状態によって異なりますが、非常に薄いものであるため、肉眼で確認することは困難です。 フラップをめくることで、その下の角膜実質と呼ばれる部分にレーザーを照射することができます。レーザー照射によって角膜の形状を矯正し、視力を改善します。レーザー照射が完了したら、フラップを元の位置に戻します。フラップは自然に角膜に接着し、傷口を保護する役割も果たします。 フラップは非常に薄く、透明であるため、手術後も視界に影響を与えることはありません。 フラップは、レーシック手術において重要な役割を担っています。フラップがあることで、レーザー照射を安全かつ正確に行うことができ、術後の回復も早くなります。
目の構造

眼を守る透明な鎧:ボーマン膜

私たちの眼は、まるで精巧にできたカメラのように、光を捉えて鮮明な景色を見せてくれます。カメラのレンズに相当するのが、眼球の最前面を覆う透明な膜である角膜です。角膜は、外界から飛び込んでくる光を最初に屈折させ、網膜に像を結ぶために重要な役割を担っています。 この角膜は、一層だけでなく、いくつかの層が重なり合ってできています。 表面を覆っている最も外側の層は角膜上皮と呼ばれ、外界からの異物の侵入を防いだり、涙を保持して眼の表面を滑らかに保つ役割を担っています。 その角膜上皮のすぐ下に位置するのが、今回のテーマであるボーマン膜です。ボーマン膜は、厚さわずか8~14マイクロメートルと非常に薄い膜ですが、角膜上皮をしっかりと支え、角膜の形状を保つという重要な役割を担っています。 この膜は、コラーゲンと呼ばれる線維状のタンパク質がランダムに配列した構造をしているため、高い強度を持っています。しかし、ボーマン膜は一度傷ついてしまうと再生することが難しく、重症化すると視力に影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。
目の病気

現代人の目の悩み、ドライアイとは?

ドライアイとは、文字通り目が乾きやすい状態を示す病気です。涙は私たちの目を潤すだけでなく、外部からの細菌やゴミを洗い流す自浄作用も担っています。また、角膜に必要な栄養を届ける役割も果たしており、目の健康を守る上で非常に重要です。 ドライアイとは、この涙の量が減ったり、涙の質が変化したりすることで、目の表面に十分な潤いが得られなくなる状態を指します。原因としては、加齢、エアコンの使用、パソコンやスマートフォンの長時間使用、コンタクトレンズの装用、 بعضの薬の副作用、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患などが挙げられます。 涙の分泌量が減ると、目が乾く、ゴロゴロする、疲れやすい、光をまぶしく感じるなどの症状が現れます。また、質が変化すると、目に必要な栄養や酸素が行き届かなくなり、視力低下や目の炎症を引き起こす可能性もあります。これらの症状は、日常生活に支障をきたすだけでなく、放置すると症状が悪化し、深刻な目の病気を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。
PRK

レーシックだけじゃない!近視矯正手術PRK

- 近視矯正手術PRKとは 近視矯正手術PRKは、Photorefractive keratectomyの略称で、レーシックと同様にレーザーを用いて視力を矯正する手術の一つです。 PRKがレーシックと大きく異なる点は、角膜の表面を削る際にフラップと呼ばれる薄い蓋を作らないことです。 レーシックでは、角膜にフラップと呼ばれる薄い蓋を作り、それを開いてレーザーを照射します。一方、PRKではフラップを作らず、角膜の表面にある上皮のみを特殊な器具を用いて除去した後に、レーザーを照射します。 レーザー照射後は、角膜を保護するコンタクトレンズを装着します。 PRKはレーシックと比較して、術後の痛みが強く、視力回復に時間がかかるという特徴があります。 これは、角膜の上皮が再生するまでには数日間かかるためです。 しかし、PRKはフラップを作らないため、レーシックよりも角膜の強度が保たれるというメリットもあります。そのため、角膜が薄い方や、格闘技などのスポーツをする方に向いていると言われています。
目の構造

眼の健康を守る!房水の役割とは?

私たちの目は、まるで精巧なカメラのようです。カメラのレンズに相当するのが水晶体ですが、この水晶体を包み込むように、房水と呼ばれる澄んだ液体が満たされています。房水は、単なる水ではなく、私たちの視界をクリアに保つために非常に重要な役割を担っています。 房水は、目の前面にある角膜と水晶体の間にある前房と、水晶体の後ろにある後房という二つの空間を満たしています。前房は目の入り口に近い部分で、後房は奥にある部分です。この二つの部屋は、瞳という小さな孔でつながっており、房水はこの孔を通じて循環しています。 では、房水は具体的にどのような働きをしているのでしょうか?まず、水晶体や角膜に必要な酸素や栄養を供給しています。また、老廃物を運び出す役割も担っています。さらに、眼球内を一定の圧力に保つことで、眼球の形を維持し、光が正しく屈折するように調整しています。つまり、房水は、私たちがはっきりと物を見るために、影ながら活躍していると言えるでしょう。