
眼科医が解説!兎眼の症状とリスク
- 兎眼とは兎眼とは、まぶたが完全に閉じることができず、眼球が常に露出した状態を指します。その名の通り、まるでウサギのように眼が開いたままの状態であることから、「兎眼」と呼ばれています。医学的には「眼裂開大症」と診断され、その原因は多岐にわたります。生まれつきまぶたの筋肉や神経に異常がある場合や、顔面神経麻痺などの後天的な神経障害によって発症することがあります。また、外傷や腫瘍、甲状腺眼症などの眼球突出を伴う病気によって引き起こされるケースも少なくありません。兎眼になると、眼球表面を保護する涙の分泌が不足し、眼球乾燥症を引き起こしやすくなります。その結果、目の乾き、痛み、異物感、視力低下などの症状が現れることがあります。また、眼球が常に露出しているため、傷や感染症のリスクも高まります。治療法は、原因や症状の程度によって異なります。軽度の場合は、人工涙液や眼軟膏で目の乾燥を防ぐ対処療法を行います。重症の場合は、まぶたの筋肉を矯正する手術や、眼球を保護するためのプレートを挿入する手術などが必要となることもあります。