明るい環境への適応:明順応
- 明順応とは
暗い部屋から太陽の降り注ぐ屋外に出たとき、最初は眩しくて目を開けていられないかもしれません。しかし、しばらくすると徐々にまぶしさが和らいで、周りの景色が見えるようになります。この、暗い場所から明るい場所に移動した際に、目が光に慣れていく仕組みを「明順応」と呼びます。
私たちの目は、カメラのレンズの役割を果たす「瞳孔」と、カメラのフィルムに相当する「網膜」で構成されています。
暗い場所では、より多くの光を取り込もうと瞳孔は大きく開きます。明るい場所に移動すると、まぶしさを感じると同時に、瞳孔は反射的に小さく絞られます。これにより、網膜に届く光の量が調整されます。
また、網膜には光を感じる視細胞が存在します。視細胞には、暗いところで働く「桿体細胞」と、明るいところで働く「錐体細胞」の2種類があります。暗い場所では、主に桿体細胞が働いていますが、明るい場所に移ると錐体細胞が働き始めます。錐体細胞は、色覚や視力に関係しており、明るい環境では、この錐体細胞の働きによって、私たちは鮮やかな色彩や細かいものを見ることができるようになります。
このように、明順応は、瞳孔の大きさの変化と視細胞の働きによって、私たちが様々な明るさの環境に適応し、快適に過ごすために欠かせない機能と言えるでしょう。