
視覚の要!外側膝状体
私たちは、まるで優れたカメラのように、目で光をとらえ、それを脳に送ることで周りの世界を見ています。しかし、目で見たものがそのままの形で脳に届いているわけではありません。視神経を通して脳に送られた視覚情報は、脳の奥深くにある「外側膝状体」と呼ばれる場所で、いったん処理されます。外側膝状体は「視床」と呼ばれる場所にあり、たくさんの神経細胞が集まってできています。ここは、駅で例えるならば、様々な場所から来た電車が、それぞれの行き先に合わせて乗り換えをするための大きなターミナルのような役割を担っています。
外側膝状体では、目から届いた視覚情報は、形、色、動きなど、異なる特徴ごとに分析されます。そして、それぞれの情報は、脳の視覚野と呼ばれる場所にある、担当のエリアに送られていきます。視覚野では、外側膝状体で整理された情報をもとに、最終的な画像が作り出されます。つまり、私たちが見ている世界は、外側膝状体という中継地点を経ることで、初めて認識されるのです。