視力障害

視力

視界をクリアにするために:収差を理解する

- 収差とは 写真を撮る際、カメラのレンズの調整を誤ると、被写体がぼやけて写ってしまうことがあります。実は、人間の目にもカメラと同様、光を集めて映像を結ぶレンズが存在し、レンズの働きがうまくいかないと視界が鮮明に映らないことがあります。このような現象を「収差」と呼びます。 カメラのレンズにおいては、レンズを通った光が一点に集束し、センサー上に被写体の正確な像を結ぶことで鮮明な写真が撮れます。しかし、実際にはレンズの素材や形状、光の波長といった様々な要因によって、光は一点に完全に集束せず、像がずれてしまう現象が生じます。これが収差です。 収差には様々な種類がありますが、大きく分けて単色収差と色収差の2つに分類されます。単色収差は、光の波長に関わらず発生する収差で、球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差などがあります。一方、色収差は、光の波長によって屈折率が異なるために生じる収差で、軸上色収差と倍率色収差に分けられます。 収差は視界の歪みやぼやけを引き起こすため、視力低下の原因の一つと考えられています。例えば、球面収差は、レンズの中心部と周辺部で光の屈折率が異なるために生じ、視界全体にぼやけが生じる原因となります。また、乱視も収差の一種であり、角膜やレンズの形状が歪んでいるために、一点に光が集まらず、視界がぼやけたり、二重に見えることがあります。 このように、収差は視覚に大きな影響を与える可能性があります。そのため、日頃から目の健康に気を配り、定期的な眼科検診を受けるように心がけましょう。
視野

視野の暗点:その原因と影響について

私たちは、普段は意識していませんが、広い範囲のものを見渡すことができます。この見渡せる範囲のことを「視野」と呼びます。視野は、ちょうどカメラのレンズを通して見える範囲のようなもので、私たちがものを見たり、周りの状況を把握したりするためにとても重要な役割を担っています。 しかし、様々な原因によって、この視野に異常が生じることがあります。視野異常にはいくつかのパターンがあり、視野全体が狭くなってしまう「視野狭窄」、視野の一部が暗く見えにくくなってしまう「視野沈下」、そして視野の一部が全く見えなくなってしまう「暗点」などがあります。これらの視野異常は、緑内障や網膜剥離、脳卒中など、様々な病気が原因で起こる可能性があります。そのため、視野異常を感じたら、自己判断せずに、早めに眼科を受診することが大切です。 眼科では、視野検査などを行い、視野異常の原因や種類を詳しく調べます。そして、その検査結果に基づいて、適切な治療を行います。視野異常は、日常生活に支障をきたすだけでなく、放置すると失明につながる可能性もあるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。
視力

失明:光を失うということ

失明とは、これまで世界が見えていた人が、光を感じる能力を失い、視力を失ってしまうことを指します。 医学的には、たとえ薄明かりであっても全く感じ取ることができない状態、つまり完全に視覚情報が失われた状態を指します。 これは、目の病気や怪我など、様々な原因によって引き起こされます。 一口に失明といっても、その程度は様々です。 医学的な定義では、全く光を感じない状態を指しますが、一般的には、明暗の区別が全くできない状態や、わずかに明暗がわかる程度の状態も、失明と表現されることが多いでしょう。 失明は、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。 これまで通りの生活を送ることが困難になり、仕事や学業、趣味など、様々な活動を諦めざるを得ない場合もあるでしょう。 また、精神的なショックも大きく、不安や孤独を感じやすくなることもあります。 失明の原因や症状、程度は人それぞれです。 そのため、失明に対する支援や治療法も、それぞれの状況に合わせて適切なものを選択していく必要があります。
目の病気

視神経萎縮:その原因と治療

- 視神経萎縮とは私たちの目は、カメラに例えられるように、光を捉えて映像を脳に送ることで視覚として認識しています。 カメラでいうレンズの役割を担う水晶体、そしてフィルムのように映像を映し出す役割を担うのが網膜です。 視神経は、この網膜に映った映像を、電気信号に変換して脳に伝える、いわばカメラとコンピューターをつなぐケーブルのような役割を果たしています。 視神経萎縮とは、この視神経の細胞が何らかの原因で傷ついたり、死んでしまったりすることで、神経が本来の働きを失ってしまう病気です。 その結果、視神経が脳に視覚情報を正しく送ることができなくなり、視力低下や視野の欠損といった症状が現れます。 視神経は、一度傷ついてしまうと再生することが難しいという特徴があります。そのため、視神経萎縮は基本的には完治が難しい病気と considered されています。 しかし、早期発見と適切な治療によって、病気の進行を遅らせたり、残された視機能を維持したりすることは可能です。 そのためにも、眼の異変を感じたら、早めに眼科を受診することが大切です。
眼鏡

視界の鮮明さを妨げる「収差」とは?

私たちが普段見ている世界は、光が眼のレンズの役割を果たす水晶体を通って網膜に届き、そこで像が結ばれることで認識されます。理想的には、水晶体を通った光は網膜上で一点に集まり、鮮明な像を映し出すはずです。しかし実際には、光はレンズの性質上、一点に完全に集まることはなく、わずかに散らばってしまうため、網膜上に結ばれる像はぼやけたり歪んだりしてしまいます。これが「収差」と呼ばれる現象です。 収差は、カメラのレンズなど、光を取り扱うあらゆる光学系に見られる現象ですが、私たちの視覚にも大きな影響を与えています。 収差には、光の波長によって屈折率が異なり、色ごとに焦点距離がずれてしまうために起こる「色収差」や、レンズの中心部と周辺部で光の屈折角度が異なるために起こる「球面収差」など、様々な種類があります。これらの収差が複合的に作用することで、視界がぼやけたり、物が二重に見えたり、視野の周辺部が歪んで見えたりすることがあります。
目の病気

眼の病気: 病的近視

- 病気の概要 「近視」とは、近くのものにピントが合いやすく、遠くのものがぼやけて見える状態を指します。 これは、眼球の長さが通常よりも長すぎる、あるいは角膜の屈折率が高すぎるために、光が網膜上ではなく、網膜の手前で焦点を結んでしまうことが原因です。 多くの人は、眼鏡やコンタクトレンズを使用することで、網膜上に正しく光を焦点を合わせ、はっきりとした視界を得ることができます。 しかし、中には視力矯正を行っても十分な視力が得られない「強度近視」の方がいます。 強度近視の中でも、近視の進行が著しく、視力低下に加えて眼球の構造に異常をきたしている状態を「病的近視」と呼びます。 病的近視は、単なる視力低下の問題にとどまりません。 眼球の変形によって、網膜が薄くなったり、裂け目が生じやすくなるため、網膜剥離のリスクが高まります。 また、視神経が圧迫されることで緑内障を発症するリスクも高まります。 さらに、脈絡膜に異常な血管(新生血管)が作られることで、黄斑変性症を発症し、視力が著しく低下する可能性もあります。 このように、病的近視は、失明につながる可能性もある深刻な病気であるため、注意が必要です。
眼鏡

視界をクリアに!収差とその影響について

- 収差とは? カメラのレンズで写真を撮る際、ピントが合っていないと写真がぼやけてしまうことがありますよね。実は、私たちの目にもこれと似たような現象が起こることがあります。それが「収差」です。 収差とは、レンズを通った光が一点に綺麗に集まらず、視界にぼやけ、歪み、色づきなどを引き起こす現象のことを指します。 私たちの目は、カメラのレンズのように光を屈折させて網膜に像を結んでいます。この時、光は角膜や水晶体といった部分を通り抜けますが、光の波長や通過する位置によって屈折率が異なるため、すべての光が一点に集まるわけではありません。これが収差の原因です。 収差には、球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差、色収差など、様々な種類があります。これらの収差は、視力や見え方に影響を与える可能性があります。例えば、物がぼやけて見える、物が歪んで見える、物が二重に見える、色のにじみやぼやけが生じるなどの症状が現れることがあります。 収差は誰にでも起こりうる現象ですが、その程度は人によって異なります。また、加齢によっても変化することがあります。もし、視力や見え方に違和感を感じたら、眼科を受診して検査を受けることをお勧めします。
目の病気

静脈閉塞の危機!動脈硬化性網膜症

動脈硬化は、血管の弾力性が失われ硬くなってしまう病気としてよく知られていますが、実は目にも悪影響があることをご存知でしょうか? 動脈硬化は体のあらゆる血管で起こる可能性があり、目の奥にある網膜の血管も例外ではありません。網膜は、カメラに例えるとフィルムのような役割をする、光を感じ取るために大切な器官です。 動脈硬化によって網膜の血管が硬くなると、血液の流れが悪くなり、様々な目の病気を引き起こす可能性があります。 例えば、網膜の血管が詰まってしまうと、網膜に栄養や酸素が行き渡らなくなり、視力が低下したり、ものが歪んで見えたりする事があります。また、網膜に新生血管という細い血管が異常に増殖することがあります。この新生血管は非常に脆く、破れて出血しやすいため、視力に深刻な影響を及ぼす可能性があります。 さらに、動脈硬化は緑内障のリスクを高めることも知られています。緑内障は、視神経が障害されることで視野が狭くなったり、視力が低下したりする病気ですが、動脈硬化によって視神経への血流が悪くなることで発症しやすくなると考えられています。 動脈硬化は自覚症状が出にくい病気ですが、目の症状に異変を感じたら、早めに眼科を受診することが大切です。
目の病気

眼球が勝手に動く!?眼球振とうについて

- 眼球振とうとは?眼球振とうとは、自分の意思とは関係なく、眼球が勝手に動いてしまう状態を指します。まるで振り子のように、眼球が一定方向に動いた後、反対方向へと急速に戻る動きを繰り返します。この動きは、左右に動く水平眼振だけでなく、上下に動く垂直眼振、円を描くように動く回転性眼振など、様々なパターンがあります。眼球振とうは、それ自体が病気なのではなく、様々な原因で引き起こされる症状の一つです。例えば、耳の奥にある三半規管や、脳の平衡感覚を司る部位に異常が生じると、眼球振とうが現れることがあります。また、脳卒中や脳腫瘍といった、脳神経系の病気が原因で発症することもあります。その他、薬の副作用やアルコールの影響で一時的に眼球振とうが起きることもあります。眼球振とうは、物が二重に見えたり、視界が揺れたりするなどの視覚障害を伴うことが多く、日常生活に支障をきたすこともあります。また、めまいやふらつき、吐き気などの症状を伴う場合もあります。眼球振とうが気になる場合は、自己判断せずに、眼科を受診して、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。
角膜

角膜白斑:視界への影響と治療法

- 角膜白斑とは眼球の前面には、外界の光を取り込む透明な膜である角膜が存在します。この角膜は、カメラのレンズのように光を集めて網膜に像を結ぶ、視覚にとって非常に重要な役割を担っています。 角膜白斑とは、この透明な角膜に濁りが生じてしまう病気のことを指します。透明であるべき角膜に濁りが生じると、光が眼球内へスムーズに入らなくなります。その結果、視界がかすんで見えたり、物が二重に見えたりするなど、様々な視覚障害が生じます。症状が軽い場合は、視界がぼやける程度で済むこともありますが、重症化すると視力が著しく低下し、日常生活に支障をきたすこともあります。角膜白斑の原因は様々で、先天的な要因で発症する場合もあれば、感染症や外傷、炎症などが原因で後天的に発症する場合もあります。 また、コンタクトレンズの不適切な使用も、角膜白斑のリスクを高める要因の一つです。角膜白斑の治療法は、原因や症状の程度によって異なります。点眼薬などの薬物療法で症状を抑える方法や、濁りが強い場合には角膜移植などの外科手術が必要となる場合もあります。早期発見、早期治療が重要となるため、少しでも視界に異常を感じたら、早めに眼科を受診しましょう。
目の病気

眼科医が解説!角膜新生血管とは?

- 角膜新生血管とは角膜は、眼球の一番外側にある透明な膜で、カメラのレンズのように光を集めて網膜に像を結ぶ役割を担っています。この透明性を保つために、角膜には本来、血管は存在しません。 しかし、炎症や酸素不足などが原因で、角膜に新しく血管が侵入してしまうことがあります。これが「角膜新生血管」です。角膜に血管が侵入すると、角膜の透明性が失われ、光がうまく通過できなくなります。そのため、視界がかすんだり、物が歪んで見えたりするなど、視力低下の原因となります。また、新生血管は非常に脆いため、出血しやすく、炎症が悪化することもあります。角膜新生血管は、コンタクトレンズの長期装用、感染症、外傷、角膜の病気などが原因で起こることがあります。治療法としては、点眼薬による治療や、手術療法などがあります。角膜新生血管を予防するためには、コンタクトレンズを正しく使用すること、眼に異常を感じたら早めに眼科を受診することが大切です。
目の病気

調節痙攣:知っておきたい目の病気

- 調節痙攣とは目は、カメラのレンズのように水晶体の厚さを変えることで、近くのものを見たり遠くのものを見たりする機能を持っています。この水晶体の厚さを調節しているのが、毛様体筋という筋肉です。毛様体筋は、近くのものを見るときに収縮し、水晶体を厚くすることでピントを合わせます。逆に、遠くのものを見るときは弛緩し、水晶体を薄くすることでピントを合わせます。 このように、毛様体筋は常に緊張と弛緩を繰り返すことで、私たちがはっきりとものを見ることができるように働いているのです。しかし、何らかの原因でこの毛様体筋が過剰に緊張し、うまく弛緩できなくなってしまうことがあります。これが「調節痙攣」と呼ばれる状態です。調節痙攣が起こると、常に毛様体筋が緊張している状態、つまり近くのものを見ようとしている状態が続きます。そのため、遠くのものにピントが合わず、ぼやけて見えてしまいます。これが調節痙攣による遠視の状態です。調節痙攣は、特にスマートフォンやパソコンの長時間使用、細かい作業、ストレス、睡眠不足などが原因で起こりやすいと言われています。
目の病気

見えづらさの原因に?角膜上皮下混濁とは

私たちは、まるでカメラがレンズを通して景色を写し取るように、目を使って周りの世界を見ています。そして、カメラのレンズに相当する役割を担っているのが、目の最も外側にある透明な膜である角膜です。角膜は、眼球の前面を覆う、いわば「目の窓」のような存在であり、外部から眼球を守る大切な役割も担っています。 角膜の最大の特徴は、その高い透明性にあります。この透明性のおかげで、光は角膜をスムーズに通過し、その奥にあるレンズに到達することができます。そして、レンズで屈折した光はさらに網膜に届き、そこで初めて像として認識されるのです。もし、角膜が濁っていたり、傷ついていたりすると、光が正しく通過することができず、視界がぼやけたり、視力が低下したりする可能性があります。 角膜は、いくつかの層が重なり合ってできています。最も外側にある層は、外部からの刺激や細菌から目を守る役割を担っており、涙で常に潤されています。その内側には、角膜の大部分を占める層があり、角膜の形状を維持する役割を担っています。さらに内側には、角膜の透明性を保つために重要な役割を果たす層があります。このように、角膜はそれぞれ異なる役割を持った層が組み合わさることで、私たちがはっきりと物を見るために欠かせない役割を果たしているのです。
目の病気

角膜異物:違和感や視力低下の原因に

- 角膜異物とは?角膜異物とは、文字通り、私たちの眼球の表面を覆う透明な膜である角膜に、ゴミや砂、金属片などの異物が付着したり、刺さったりした状態を指します。角膜は、カメラのレンズのような役割を果たし、外界からの光を取り込んで網膜に像を結ぶ、視覚にとって非常に重要な役割を担っています。 この透明な膜に異物が付着すると、目に違和感や痛みを感じたり、涙が止まらなくなったり、視界がぼやけたりすることがあります。 場合によっては、異物が角膜を傷つけてしまい、そこから細菌感染を起こし、角膜潰瘍などの深刻な眼病を引き起こす可能性もあります。角膜異物が疑われる場合は、決して自分で異物を取り除こうとせず、眼科を受診することが大切です。 眼科では、特殊な顕微鏡を用いて角膜の状態を詳しく観察し、異物の種類や大きさ、角膜への刺さり具合などを確認します。そして、異物の除去や感染症予防などの適切な処置を行います。自己流の処置は、症状を悪化させる可能性があるため、必ず眼科医の指示に従ってください。
目の病気

アベリノ角膜変性症:視界に影響を与える遺伝性疾患

- 病気の定義アベリノ角膜変性症は、遺伝によって引き継がれる病気で、眼の角膜に異常を引き起こします。角膜は眼の一番外側にある透明な膜で、カメラのレンズのように光を集め、網膜に像を結ぶ役割を担っています。このため、角膜が正常に機能しないと、視界がぼやけたり、視力が低下したりする可能性があります。アベリノ角膜変性症では、この角膜に顆粒状の沈着物、つまり濁りが生じます。これは、角膜を構成するタンパク質が変化し、異常に蓄積してしまうことが原因です。沈着物は最初は小さく、視力への影響もほとんどありませんが、年齢を重ねるにつれて徐々に大きく、数も増えていきます。その結果、視界がかすんだり、光が乱反射してまぶしく感じたりするようになります。進行すると、視力が著しく低下し、日常生活に支障をきたすこともあります。アベリノ角膜変性症は、比較的まれな病気ですが、早期発見、早期治療が大切です。定期的な眼科検診を受けることで、早期に発見し、適切な治療を受けることができます。治療法としては、点眼薬や手術などがあります。
目の病気

見えづらさの裏に潜む心の影:心因性弱視

私たちは日頃から、当然のように世界を「見て」生活しています。しかし、「見る」という行為は、目だけが司っているわけではありません。 目から入った情報は、脳で処理されることで、初めて認識されるのです。つまり、心の状態が不安定になると、脳の情報処理に影響が及び、視力にも影響が出ることがあるのです。 例えば、強いストレスや不安を感じている時、視野が狭まったり、物が歪んで見えたりすることがあります。これは、ストレスによって自律神経が乱れ、毛様体筋の緊張や瞳孔の調節機能に影響を与えるためです。また、うつ病などの精神疾患では、視覚情報に対する感度が低下し、全体的にぼやけて見えたり、色が鮮やかに見えなくなったりすることがあります。 このような症状は一時的なものが多いですが、放置しておくと慢性的な視力障害や眼精疲労に繋がる可能性もあります。そのため、目には異常がないのに見えづらい場合は、心の状態にも目を向けてみることが大切です。ストレスや不安を解消するために、リラックスできる時間を作ったり、趣味に没頭したりするのも良いでしょう。症状が改善しない場合は、早めに医療機関を受診し、専門家のアドバイスを受けるようにしてください。
目の病気

アベリノ角膜変性症とは?

私たちの体は、設計図のような役割を持つ「遺伝子」の情報に基づいて、健康状態や身体の特徴が決まります。目も例外ではなく、遺伝子の変化によって視力に影響が出る様々な病気が知られています。 その中でも、今回は「アベリノ角膜変性症」という病気に焦点を当ててお話します。 アベリノ角膜変性症は、角膜に異常が生じることで、視力が徐々に低下していく病気です。角膜は、眼球の最も外側にある透明な膜で、カメラのレンズのように光を集め、鮮明な視界を得るために重要な役割を担っています。 この病気は、特定の遺伝子の変化が原因で発症します。遺伝子の変化によって、角膜に異常なタンパク質が蓄積し、角膜が濁って視界が曇ったり、ゆがんで見えたりするようになります。 症状が現れる時期や進行の程度は人それぞれですが、一般的には10代から20代で発症することが多く、徐々に進行していく場合が多いです。 今回は、アベリノ角膜変性症の基本的な情報についてお伝えしました。次の項目からは、原因や症状、治療法など、さらに詳しく解説していきます。
目の老化

老視:誰もが経験する目の老化現象

- 老視とは?歳を重ねると、誰でも経験する目の変化の一つに老視があります。これは、目の水晶体が硬くなってしまい、近くのものに焦点が合わせづらくなる状態のことです。老眼とも呼ばれ、40歳を過ぎたあたりから症状が現れ始め、年齢とともに徐々に進行していきます。老視は病気ではありません。加齢に伴い、私たちの体は様々な変化が生じます。その一つとして、水晶体の柔軟性が失われていくことが挙げられます。水晶体とは、カメラのレンズのような役割を担う組織で、その厚さを変えることで、近くのものを見たり、遠くのものを見たりと、焦点の調節を行っています。しかし、年を重ねるにつれて水晶体は硬くなり、この調節機能が低下してしまうのです。老視の主な症状としては、近くのものを見るときにぼやけて見えたり、文字を読む際に目を細めたり、疲れたりすることが挙げられます。また、遠くを見たり近くを見たりする際に、視線を合わせるまでに時間がかかったり、頭痛や肩こりなどを引き起こすこともあります。老視は誰にでも起こりうる自然な変化です。しかし、症状が進行すると日常生活に支障をきたす場合もあるため、早期に発見し、適切な対処をすることが大切です。