自己免疫疾患

目の病気

ベーチェット病と眼

ベーチェット病は、原因がはっきりとは分かっていない病気で、体のあちこちにある血管に炎症が起こります。この炎症は体の様々な場所に症状を引き起こしますが、特に目、口、皮膚に症状が出やすいのが特徴です。 ベーチェット病では、口の中に何度も口内炎ができたり、皮膚に赤い発疹やニキビのようなものが現れたりします。また、目に炎症が起こると、視力が低下したり、ものがかすんで見えたりすることがあります。これらの症状は、一度現れては治まることを繰り返し、場合によっては長期間にわたって治療が必要になることもあります。 ベーチェット病は、国内では約2万人が罹患していると推定されており、厚生労働省によって指定難病に認定されています。これは、治療が難しく、患者さんの数が少ない病気であることを示しています。ベーチェット病の治療には、炎症を抑える薬や体の免疫の働きを抑える薬などが用いられます。症状や重症度に応じて適切な治療を選択していくことが重要です。
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もう片方の目にも炎症?: 交感性眼炎について

私たちの目は、外界のものを見るために非常に重要な役割を担っています。しかし、時には、その目を守るはずの体の仕組みが、誤って目を攻撃してしまうことがあります。これが、自己免疫疾患と呼ばれる病気です。 眼科領域には、このような自己免疫疾患が数多く存在し、その中でも、「交感性眼炎」は、片方の目に起きた炎症が、もう片方の健康な目にも影響を及ぼしてしまう、非常にやっかいな病気として知られています。 例えば、事故や怪我、あるいは手術などによって、片方の目に強い炎症が起きたとします。すると、本来であれば、炎症は損傷を受けた方の目に限定されるべきなのですが、交感性眼炎の場合、何らかの原因で、もう片方の健康な目にも炎症が飛び火してしまうのです。 なぜ、このようなことが起こってしまうのか、その詳しいメカニズムはまだ完全には解明されていません。しかし、眼球内にある特定の成分が、免疫細胞によって誤って「異物」と認識されてしまい、それが引き金となって、もう片方の目にも免疫反応が起きてしまうのではないかと考えられています。 今回は、この「交感性眼炎」について、その原因や症状、治療法などを詳しく解説していくことで、この病気に対する理解を深めていきたいと思います。
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ドライアイやドライマウス?もしかしてシェーグレン症候群

- シェーグレン症候群とはシェーグレン症候群は、本来体を守るはずの免疫システムが、誤って自分の体の組織を攻撃してしまう自己免疫疾患の一種です。特に、涙や唾液を作り出す涙腺や唾液腺といった外分泌腺が攻撃を受けることで、様々な症状が現れます。代表的な症状として、涙の分泌量が減ることで目が乾く、いわゆるドライアイや、唾液の分泌量が減ることで口が乾くドライマウスなどが挙げられます。 これらの症状は、最初は軽度で、日常生活に支障がない場合も多いです。しかし、症状が進むと、目がゴロゴロしたり、物がかすんで見えたり、口の中が乾燥して食べ物が飲み込みにくくなるなど、生活に支障が出てくることがあります。また、シェーグレン症候群は、涙腺や唾液腺だけでなく、関節、筋肉、皮膚、神経、肺、腎臓など、全身の様々な臓器にも影響を及ぼす可能性があります。 そのため、関節の痛みや腫れ、筋肉痛、発疹、しびれ、呼吸困難、腎機能障害など、多岐にわたる症状が現れることがあります。さらに、シェーグレン症候群の人は、リンパ腫などの血液のがんを発症するリスクが、そうでない人と比べて高くなるという報告もあります。シェーグレン症候群は、比較的まれな病気ですが、中年の女性に多くみられます。原因は完全には解明されていませんが、遺伝的な要因やウイルス感染などが関係していると考えられています。シェーグレン症候群は、根本的な治療法はまだ確立されていませんが、症状を和らげ、生活の質を維持するための対症療法が行われます。 例えば、ドライアイに対しては人工涙液の点眼、ドライマウスに対しては口腔保湿剤の使用や水分補給などが有効です。また、関節の痛みなどには、消炎鎮痛剤が処方されることもあります。
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膠原病と目の病気

- 膠原病とは膠原病は、私たちの体を守るはずの免疫システムが、誤って自分の体の一部を攻撃してしまう病気です。本来、免疫は細菌やウイルスなどの外敵から体を守るために働きます。しかし、膠原病になると、この免疫システムが正常に機能しなくなり、自分自身の細胞や組織を攻撃してしまうのです。この病気は、体内の様々な場所に存在する「膠原繊維」という組織に炎症を起こすことが特徴です。膠原繊維は、骨や皮膚、血管、内臓など、体のあらゆる場所に存在し、組織の強度や弾力を保つ役割を担っています。そのため、膠原病では、これらの組織が損傷を受け、様々な症状が現れます。代表的な膠原病としては、関節に炎症が起こる関節リウマチ、皮膚が硬くなる強皮症、全身の血管に炎症が起こる全身性エリテマトーデスなどがあります。これらの病気は、発熱や倦怠感、関節痛、皮膚の症状など、共通する症状がみられることもありますが、影響を受ける臓器や症状は患者さん一人ひとりで異なります。膠原病は、現代の医学でもまだ解明されていない部分が多く、根本的な治療法は見つかっていません。しかし、適切な治療を行うことで、症状をコントロールし、日常生活を送ることができる場合がほとんどです。もし、膠原病が疑われる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、専門医の診察を受けるようにしましょう。