精神的な原因

目の病気

見えづらさの裏に潜む心の影:心因性弱視

私たちは日頃から、当然のように世界を「見て」生活しています。しかし、「見る」という行為は、目だけが司っているわけではありません。 目から入った情報は、脳で処理されることで、初めて認識されるのです。つまり、心の状態が不安定になると、脳の情報処理に影響が及び、視力にも影響が出ることがあるのです。 例えば、強いストレスや不安を感じている時、視野が狭まったり、物が歪んで見えたりすることがあります。これは、ストレスによって自律神経が乱れ、毛様体筋の緊張や瞳孔の調節機能に影響を与えるためです。また、うつ病などの精神疾患では、視覚情報に対する感度が低下し、全体的にぼやけて見えたり、色が鮮やかに見えなくなったりすることがあります。 このような症状は一時的なものが多いですが、放置しておくと慢性的な視力障害や眼精疲労に繋がる可能性もあります。そのため、目には異常がないのに見えづらい場合は、心の状態にも目を向けてみることが大切です。ストレスや不安を解消するために、リラックスできる時間を作ったり、趣味に没頭したりするのも良いでしょう。症状が改善しない場合は、早めに医療機関を受診し、専門家のアドバイスを受けるようにしてください。