眼科

視力

両眼で視るということ:両眼視力の重要性

- 両眼視力とは私たちが普段、ものを見るとき、左右両方の目はそれぞれ別の角度から対象物を捉えています。そして、脳はそれぞれの目から送られてくるわずかに異なる二つの映像を一つに統合し、奥行きや立体感、距離感を認識しています。このように、両方の目を使うことで得られる視覚機能のことを「両眼視力」と呼びます。両眼視力は、単に両目の視力値の合計を指すのではありません。たとえ左右の目がそれぞれ良く見えていたとしても、両方の目でうまく情報処理ができず、立体的にものを見ることができない場合もあります。両眼視力は、スポーツや自動車の運転、精密作業など、日常生活のあらゆる場面で重要な役割を果たしています。例えば、ボールを正確にキャッチするためには、ボールまでの距離や速度、移動する方向を立体的に把握する必要があり、このときに両眼視力が大きく関わってきます。また、車の運転では、車間距離や他の車との位置関係を正しく把握するために両眼視力が欠かせません。このように、両眼視力は私たちが安全かつ快適に日常生活を送る上で非常に重要な機能と言えるでしょう。
目の病気

春季カタル:子供を悩ます目の病気

春の暖かさにつれて、花々が咲き乱れる季節。多くの人が心躍らせる一方で、毎年、目の症状に悩まされる人もいるのではないでしょうか?目のかゆみ、しょぼしょぼする感じ、異物感...。もしかしたら、それは「春季カタル」のサインかもしれません。 春季カタルは、その名の通り、春先に特に症状が現れやすい病気です。花粉症と同様に、アレルギー反応が原因で起こると考えられていますが、花粉症とは少し違います。花粉症は鼻の症状が中心なのに対し、春季カタルは目の症状が強く出ます。主な症状としては、かゆみや異物感、涙が出る、まぶたが腫れるなどがあります。 この病気は、特に免疫システムが発展途上の子供に多く見られます。しかし、大人になってから発症するケースも少なくありません。原因はまだはっきりとは解明されていませんが、ハウスダストやダニなど、花粉以外の allergens も関与している可能性も示唆されています。 つらい症状を和らげるためには、早期の診断と適切な治療が重要です。自己判断せずに、まずは眼科を受診し、医師の診断を仰ぎましょう。
視力改善方法

レーザー白内障手術:その精度とメリット

- 白内障と手術の概要私たちの目は、カメラとよく似た仕組みで物を見ています。カメラのレンズに当たる部分が、眼の中では「水晶体」と呼ばれています。水晶体は、光を眼の奥にある網膜に集めることで、私たちにクリアな視界を与えてくれます。 しかし、加齢などの原因によって、この水晶体が白く濁ってしまうことがあります。これが白内障です。 水晶体が濁ると、光がうまく網膜に届かなくなるため、視力が低下してしまいます。視界がかすんで見えたり、物がぼやけて見えたり、光がまぶしく感じたりすることがあります。白内障が進行すると、日常生活にも支障が出てくるため、治療が必要となります。 白内障を根本的に治療できる方法は、手術しかありません。手術では、濁ってしまった水晶体を超音波などを用いて取り除き、代わりに人工のレンズである眼内レンズを挿入します。眼内レンズは、一度挿入すると基本的には交換の必要がありません。 白内障手術は非常に一般的な手術であり、多くの場合、安全に視力回復が期待できます。
視力

両眼視力のススメ

- 両眼視力とは両眼視力とは、読んで字のごとく両方の目で見た時の視力のことを指します。私たちは普段、ものを見るときに無意識に両方の目を使っています。では、なぜ両目で見る必要があるのでしょうか?それは、両眼を使うことで、左右の目から入ってくるわずかに異なる像が脳内で統合され、奥行きや立体感を感じ取ることができるからです。例えば、右目で見た景色と左目で見た景色では、対象物までの距離がほんのわずかですが異なります。このわずかな違いを脳が認識することで、私たちは対象物が自分からどのくらい離れているのか、どれくらいの大きさなのかを瞬時に判断することができます。つまり、両眼視力は単に視力検査の結果が良いというだけではありません。視力検査で測定される視力は、あくまで片目ずつの視力であり、両目で見た時の視力の質を表すものではありません。両眼視力は、空間を立体的に把握する能力に大きく関わっており、日常生活において非常に重要な役割を担っているのです。例えば、スポーツや車の運転、階段の上り下りなど、奥行きや距離感を正確に把握することが求められる動作は数多くあります。これらの動作をスムーズに行うためには、良い両眼視力が欠かせません。両眼視力が弱いと、これらの動作に支障をきたすだけでなく、日常生活においても不便を感じることが多くなります。
視力

両眼でみる視界の力:両眼視力

- 両眼視力とは私たちは日頃から、ものを見るときに無意識に両方の目を使っています。もちろん、片方の目だけでもものを見ることはできますが、両方の目で見ることで、より広範囲の世界を立体的に、そして奥行きを感じながら認識することができるのです。これが両眼視力です。両眼視力は、右目と左目それぞれで捉えた映像を脳で一つに統合することで生まれます。それぞれの目はわずかに異なる角度からものを見ているため、その差によって距離感や奥行きを知覚することができます。例えるならば、それぞれの目がカメラの役割を果たし、脳がその二つの映像を組み合わせることで、立体感のある一枚の絵を作り出しているようなものです。この両眼視力は、日常生活のあらゆる場面で重要な役割を果たしています。例えば、遠くの景色を見るときには、遠くのものほど左右の目の見え方の差が小さくなり、距離感を掴むことができます。また、近くの物を見るときには、両方の目が内側に寄ることで、対象物に焦点を合わせ、立体的に捉えることができます。さらに、スポーツや自動車の運転など、動いているものを的確に捉える際にも、両眼視力は欠かせません。このように、両眼視力は私たちの生活において非常に重要な役割を担っています。もし、ものが二重に見えたり、距離感が掴みにくいなど、違和感を感じたら、眼科医の診察を受けるようにしましょう。
視力

両眼視の奇跡:立体的な世界を感じるしくみ

- 両眼視とは両眼視とは、読んで字のごとく、両方の目を使って周囲の景色を捉える能力のことです。私たちは普段、両目を使って物を見ていますが、これは単に二つの画像を見ているだけではありません。左右の目はそれぞれわずかに異なる角度から物体を捉え、脳はその二つの映像を一つに統合することで、奥行きや立体感を感じ取っています。もし片目を閉じて周りを見渡すと、世界が平面的に感じられるはずです。これは、両眼視によって得られていた奥行き情報が失われてしまうためです。両眼視は、私たちが普段意識することなく行っている、非常に高度な処理によって成り立っています。この能力は、日常生活のあらゆる場面でその真価を発揮します。例えば、スポーツをするとき、車を運転するとき、あるいは階段を上り下りするときなど、私たちは無意識のうちに両眼視によって周囲の状況を把握し、適切な判断や行動をとっています。両眼視は、私たちの安全を確保するためにも、欠かせない機能と言えるでしょう。
視力改善方法

話題の視力回復センターとは?

視力回復センターとは、視力が低下した方の改善を目的としたトレーニングや施術を行う施設です。近年、テレビやインターネットなどで紹介される機会が増え、関心を持つ方も多くなっています。 視力回復センターは、視力トレーニングに特化した施設という点で、一般的な眼科とは異なる特徴を持っています。 眼科では、病気の治療を目的としており、視力低下に対しては、眼鏡やコンタクトレンズの処方、手術といった方法で対応します。 一方、視力回復センターでは、視力低下の原因を、眼の筋肉の衰えや、毛様体筋の緊張、眼精疲労などと捉え、トレーニングや施術によって、眼の機能そのものを回復させることを目指します。 具体的なトレーニング方法としては、眼筋トレーニング、遠近トレーニングなどが挙げられます。 眼筋トレーニングは、眼球を上下左右に動かすことで、眼の周りの筋肉を鍛え、視力回復効果や眼精疲労の軽減効果が期待できます。 遠近トレーニングは、近くの物を見たり遠くの物を見たりを繰り返すことで、毛様体筋の働きを活発にし、ピント調節機能の回復を促します。 視力回復センターに通うべきかどうかは、その人の症状や生活習慣、そして視力回復センターのプログラム内容によって異なりますので、まずは医師に相談してみることをおすすめします。
視力改善方法

進化する白内障手術:FLACSとは?

- 白内障手術におけるFLACSとは白内障手術は、目の水晶体が濁ってしまうことで視力が低下する白内障を治療する手術です。濁った水晶体を取り除き、代わりに人工のレンズである眼内レンズを挿入します。従来の手術では、医師がメスや器具を用いて、角膜(目の表面の透明な部分)や水晶体に切開を加えていましたが、近年、フェムト秒レーザーと呼ばれる特殊なレーザーを用いた手術が登場しました。 FLACS(Femtosecond Laser-Assisted Cataract Surgery)は、日本語では「レーザー白内障手術」と呼ばれ、このフェムト秒レーザーを用いて、角膜や水晶体に切開を加える手術法です。フェムト秒レーザーは、1フェムト秒(1000兆分の1秒)という非常に短い時間だけ発振するレーザーで、組織へのダメージを最小限に抑えながら、正確で精密な切開を行うことができます。従来の手術では医師の技術に依存していた部分が大きかったのですが、FLACSではレーザーが正確な切開を行うため、手術の安全性や正確性が向上し、術後の視力回復もよりスムーズになるとされています。また、患者さんにとって、レーザー治療は、メスを使わないため、痛みが少なく、術後の回復も早いというメリットもあります。FLACSは、白内障手術における新たな選択肢として注目されています。ただし、すべての人に適応できるわけではなく、費用も従来の手術に比べて高額になる場合があります。白内障手術を検討する際には、医師とよく相談し、ご自身の症状やライフスタイルに合った治療法を選択することが大切です。
目の病気

ぶどう膜炎:眼の中の炎症

- ぶどう膜炎とは眼球は、カメラに例えると、レンズ、絞り、フィルムなどの構造で光を認識し、脳に映像として伝えています。ぶどう膜は、このカメラでいうと、レンズの調整やフィルムへの栄養供給を行う、カメラにとって重要な役割を担う部分です。ぶどう膜炎は、そのぶどう膜に炎症が起きる病気です。ぶどう膜は、虹彩、毛様体、脈絡膜の3つの部分から成り立っています。虹彩は、カメラの絞りのような役割を果たし、瞳孔の大きさを調整することで、眼球に入る光の量を調節しています。毛様体は、レンズの厚さを調節する役割を担っており、ピントを合わせるために必要不可欠です。脈絡膜は、フィルムに栄養を供給する役割を担っており、光を認識するために重要な網膜に栄養を送る役割をしています。ぶどう膜炎は、これらの部位のいずれか、または複数に炎症が起きることで、様々な症状を引き起こします。炎症が起きると、視界がぼやけたり、かすんだりすることがあります。また、眼の痛みや充血、まぶしさを感じることもあります。さらに、光を見ると眩しく感じたり、黒い点が視界に飛んで見えることもあります。症状が重い場合は、視力が著しく低下したり、失明に至る可能性もあるため、早期の発見と治療が非常に重要です。
リスク

レーシック手術を受ける前に知っておくべきリスク

- レーシック手術とは レーシック手術は、視力を矯正する手術のひとつで、レーザーを用いて角膜の形を変えることで、近視や遠視、乱視などの屈折異常を治療します。眼鏡やコンタクトレンズを使用せずに、はっきりとした視界を得られる可能性を秘めた手術です。 手術では、まず点眼麻酔で目を麻痺させます。次に、マイクロケラトームと呼ばれる特殊な器具やフェムトセカンドレーザーを用いて、角膜に薄いフラップと呼ばれる蓋を作ります。 フラップをめくり、エキシマレーザーと呼ばれるレーザーを照射し、患者さんの目の状態に合わせて、角膜の厚みを調整します。最後に、フラップを元の位置に戻し、手術は完了です。 レーシック手術は、比較的安全で効果的な視力矯正手術として知られていますが、他の手術と同様に、リスクや合併症の可能性も少なからず存在します。たとえば、術後にドライアイ、ハローグレア(光が拡散して見える)、視力低下などの症状が現れる可能性があります。また、まれに感染症や角膜の変形などの重篤な合併症が起こることもあります。 レーシック手術を受けるかどうかは、患者さん自身の目の状態や生活習慣、手術に対する理解度などを考慮して、医師とよく相談した上で決定する必要があります。
目の病気

網膜に穴?放置すると失明の危険も!

私たちの目は、カメラにたとえると、レンズを通して入ってきた光をフィルムに焼き付けることで映像として認識します。このフィルムの役割を担っているのが「網膜」です。網膜は眼球の奥に位置する薄い膜で、光を感知して脳に信号を送り、私たちがものを見ることができるようにする重要な役割を担っています。 網膜裂孔とは、この網膜に文字通り穴が開いてしまう病気です。網膜は本来、ゼリー状の硝子体という物質で満たされていますが、加齢などによって硝子体が収縮し、網膜を引っ張ってしまうことがあります。この引っ張る力が強すぎると、網膜が破れてしまい、穴が開いてしまうのです。 網膜に穴が開くと、そこから硝子体が入り込み、網膜を剥がしてしまうことがあります。これが網膜剥離という病気で、放置すると失明する危険性もあります。網膜裂孔自体は自覚症状がない場合も多いですが、飛蚊症(黒い点が見える)や光視症(光が走るように見える)などの症状が現れることがあります。これらの症状が現れた場合は、すぐに眼科を受診することが大切です。
目の病気

見え方に潜む危険信号?網膜変性について

- 網膜変性とは眼の奥には、カメラでいうとフィルムの役割を果たす、光を感じて脳に映像として伝える大切な膜があります。これが網膜です。網膜変性とは、この網膜に異常が生じる病気のことを指します。網膜変性は、生まれつき網膜の一部に弱い部分があることで起こります。 この弱い部分は、網膜の中心ではなく、周辺部にできることが多いです。そのため、視力に影響が出にくく、自覚症状がないまま過ごしてしまうケースがほとんどです。しかし、網膜変性を放置すると、薄い網膜に穴が開いてしまう「網膜裂孔」を起こす可能性があります。さらに、網膜裂孔から網膜が剥がれてしまう「網膜剥離」に進行することもあります。網膜剥離は放置すると失明する可能性もあるため、早期発見と適切な治療が非常に重要です。網膜変性は自覚症状がない場合が多いため、定期的な眼科検診で網膜の状態を検査することが大切です。特に、近視の方や過去に網膜剥離を経験したことがある方は、網膜変性を発症するリスクが高いと言われているため、注意が必要です。
視力改善方法

進化した白内障手術:FLACSとは?

- 白内障と手術私たちの目は、カメラとよく似た仕組みで物を見ています。カメラのレンズに相当するのが「水晶体」と呼ばれる組織です。水晶体は、目に入ってきた光を集めて網膜に像を結ぶ役割を担っています。 白内障とは、この水晶体が加齢などに伴い白く濁ってしまう病気です。水晶体が濁ると、カメラのレンズが曇ったように光がうまく通過せず、視界はかすんでしまいます。初期には視界がぼやける、光がまぶしく感じるといった症状が現れます。さらに進行すると、視力が低下し、日常生活に支障をきたすようになります。白内障の治療法は、基本的には手術です。点眼薬である程度進行を遅らせることはできますが、濁ってしまった水晶体を透明に戻すことはできません。白内障手術は目の手術の中でも一般的なもので、現在では非常に安全性の高い手術となっています。手術ではまず、濁った水晶体を超音波などを用いて砕いて取り除きます。そして、代わりに人工のレンズである眼内レンズを挿入します。眼内レンズは、紫外線カット機能が付いているなど、様々な種類があります。 白内障は放置すると視力低下が進行し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。見え方に違和感を感じたら、早めに眼科を受診しましょう。
目の病気

ぶどう膜炎:眼の中の炎症

- ぶどう膜炎とは眼球は、外界からの光を感知し、視覚として脳に伝える重要な器官です。その構造は、カメラに例えられるように、レンズの役割を持つ水晶体、光を調節する絞りの役割を持つ虹彩、そして映像を写し出すフィルムの役割を持つ網膜など、様々な組織から成り立っています。ぶどう膜炎は、この精巧な眼球構造のうち、水晶体と網膜の間にある「ぶどう膜」に炎症が起こる病気です。ぶどう膜は、カメラで例えると、絞りやピント調節、そしてフィルムに栄養を与える役割を担う重要な部分です。具体的には、虹彩、毛様体、脈絡膜の3つの組織から構成されています。虹彩は、瞳孔の大きさを調整することで、眼球に入る光の量を調節する役割を担っています。毛様体は、水晶体の厚さを変えることで、ピントを合わせる役割を担っています。そして脈絡膜は、網膜に栄養を供給する役割を担っています。ぶどう膜炎は、これらのいずれか、あるいは複数の部位に炎症が生じることで、様々な症状が現れます。代表的な症状としては、視力低下、飛蚊症、目の痛み、充血などがあります。ぶどう膜炎の原因は様々で、細菌やウイルスなどの感染、自己免疫疾患、外傷などが挙げられます。症状や原因に応じて適切な治療を行うことが重要です。
その他

日本の眼科手術を牽引する:日本眼科手術学会

- 日本眼科手術学会とは日本眼科手術学会(JSOS)は、我が国の眼科手術の発展を牽引する重要な学術団体です。 眼科手術は、非常に繊細で高度な技術が求められる医療分野であり、患者さんの視力回復や眼の健康維持に大きく貢献しています。 日本眼科手術学会は、眼科手術に関する基礎的な研究から、最新の技術や機器を用いた臨床応用まで、幅広い分野を網羅し、日々進歩する眼科医療の知識と技術の向上を目指しています。 具体的には、学会発表や講演会、研修会などを通して、会員である眼科医同士が最新の知見や手術手技を共有し、議論を深める場を提供しています。 また、学会誌の発行や国際的な交流活動を通じて、日本の眼科医療水準の向上だけでなく、世界の眼科医療の発展にも貢献しています。 近年、白内障や緑内障、加齢黄斑変性など、眼の病気は増加傾向にあり、高齢化社会を迎えた日本では、眼科医療の重要性はますます高まっています。 日本眼科手術学会は、国民の視力と眼の健康を守るため、今後も、安全で質の高い眼科手術を提供できるよう、たゆまぬ努力を続けていきます。
その他

日本の眼科医療を支える:日本眼科学会

日本眼科学会は、我が国の眼の健康を守る上で中心的な役割を担う、歴史と伝統を持つ学術団体です。その会員は、眼科医はもちろんのこと、視能訓練士や看護師など、眼のケアに関わる多様な専門職種で構成されています。 日本眼科学会は、国民の視力維持と向上を使命としています。そのために、会員一人ひとりが専門知識と技術の研鑽に励むとともに、学会という場を通じて互いに協力し、最新の知見や技術を共有しています。また、学術大会や講演会、研修会などを定期的に開催し、会員が常に最新の医療技術や知識を習得できる機会を提供しています。 さらに、日本眼科学会は、国民に対して眼の健康に関する正しい情報を発信することにも力を入れています。眼の病気の予防や早期発見の重要性を啓発する活動、生活の中で目を守るための情報を分かりやすく伝える活動などを通して、国民の健康的な視生活の実現を目指しています。 このように、日本眼科学会は、会員の専門性向上と国民の眼の健康増進の両面から、我が国の眼科医療を牽引しています。
レーシック

レーシックのパイオニア:四大眼科とは?

一昔前までは、視力が悪いといえば、メガネやコンタクトレンズが欠かせない時代でした。しかし、レーシックという技術が登場したことで、何も身につけずにはっきりと物が見えるようになることが、夢物語ではなくなったのです。 レーシックは、レーザーを用いて目の表面にある角膜の形を調整することで、視力を矯正する、まさに革新的な治療法です。従来の方法とは異なり、角膜にメスを入れることなく治療を行うため、患者さんの体への負担が少ないことも大きな特徴です。 日本では、1990年代後半からこのレーシックが広まり始めました。現在では、多くの眼科でこの治療を受けることができるようになり、視力に悩む人にとって、身近な選択肢の一つとなっています。
その他

眼科で使う散瞳薬:その役割と注意点

- 散瞳薬とは?散瞳薬は、文字通り瞳孔を散大させる、つまり黒目を大きくするための点眼薬です。私たちの目は、カメラのレンズのような役割を持つ瞳孔で光を調整し、その光は奥の網膜に届いて映像として認識されます。瞳孔は周囲の明るさに応じて大きさを変え、明るい場所では小さく、暗い場所では大きくなることで、網膜に届く光の量を調節しています。 眼科で眼の奥、特に眼底と呼ばれる部分を詳しく検査する際には、この瞳孔が大きく開いている方がより鮮明に観察することができます。そこで用いられるのが散瞳薬です。散瞳薬を点眼すると、瞳孔括約筋と呼ばれる筋肉が弛緩し、瞳孔が拡大します。これにより、眼底の状態をより詳しく把握することが可能となり、網膜剥離や緑内障、糖尿病網膜症といった病気の早期発見・診断に役立ちます。 散瞳薬の効果は一時的なもので、点眼後数時間で元に戻りますが、個人差があります。 また、点眼直後は一時的にまぶしさやピントが合いづらいといった症状が現れることがあります。これは薬の効果が切れるまでの間続くため、自動車の運転や細かい作業は控えるようにしましょう。診察後は医師の指示に従ってください。
角膜

眼の検査に欠かせないフルオレセイン

- フルオレセインとはフルオレセインは、眼科検査で頻繁に用いられる、安全性の高い色素です。正式名称はフルオレセインナトリウムといい、オレンジ色の液体として存在します。検査では、この液体を点眼します。すると、角膜や涙の通り道が鮮やかに染まり、医師はそれらの状態を詳しく観察することができるのです。例えば、角膜に傷があれば、染み込んだフルオレセインがその部分を浮かび上がらせますし、涙の通り道に詰まりがあれば、流れが滞る様子を目視で確認することができます。検査後、フルオレセインは尿や便と一緒に自然と体外へ排出されますので、ご安心ください。一時的に尿の色が変化することがありますが、心配ありません。もし、検査後に気になる症状が出た場合は、医師へご相談ください。
角膜

フリーフラップ:眼科手術の合併症

- フリーフラップとは?フリーフラップとは、眼科手術中に、目の表面にある透明な膜である角膜に作った薄いふた状の部分(フラップ)が、完全に剥がれてしまうことを指します。 このフラップは、手術中にレーザーを照射する場所まで到達するため、一時的に作られるものです。通常、フラップは角膜の一辺を少しだけ残して作られます。この残った部分をヒンジと呼び、フラップはヒンジの部分で角膜と繋がった状態を保つことで、手術中の安定性を確保しています。しかし、手術中の予期せぬ出来事や、術後の不注意などによって、このヒンジの部分が切れてしまうことがあります。 その結果、フラップは完全に角膜から分離してしまい、これがフリーフラップと呼ばれる状態です。フリーフラップは、視力に影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。フラップが完全に剥がれてしまうと、視界がぼやけたり、歪んだりすることがあります。また、感染症のリスクも高まります。フリーフラップは、適切な処置を行えば、視力回復の可能性は十分にあります。日頃から目の安全に注意し、違和感を感じたらすぐに眼科医に相談することが大切です。
目の構造

目の精密検査!細隙灯顕微鏡の世界

健康診断などで私たちが普段受ける視力検査は、あくまで視力、つまり「ものが見える力」がどの程度あるのかを測る検査です。しかし、目の病気の有無や目の健康状態を詳しく知るためには、視力検査だけでは不十分です。 眼科で行われる診察では、視力だけでなく、目の表面の状態や、奥にある網膜などの組織に異常がないかを調べます。そのために用いられるのが、細隙灯顕微鏡という特殊な顕微鏡です。 細隙灯顕微鏡は、眼球の表面に細い光を当て、その反射光を拡大して観察することができます。これにより、まぶたの裏側にある結膜や、角膜、水晶体といった、普段は肉眼では見にくい部分まで、鮮明に映し出すことが可能になります。 例えるなら、細隙灯顕微鏡は、私たちの目を「宇宙から地球を観察する」がごとく、詳細に観察できる医療機器と言えるでしょう。そのため、眼科医は細隙灯顕微鏡を用いることで、ごく初期の病気の兆候も見つけることが可能となり、適切な診断と治療につなげることができるのです。
その他

手術も?点眼麻酔でできること

- 点眼麻酔とは?点眼麻酔とは、文字通り目薬を使用して眼球の表面に麻酔をかける方法です。注射器を用いないため、患者さんの痛みや恐怖感を軽減できる点が大きなメリットです。眼科において、点眼麻酔は様々な検査や治療に用いられています。例えば、眼圧を測定する検査では、眼球に器具が直接触れるため、点眼麻酔によって痛みを和らげます。また、目にゴミや異物が入った場合の異物除去時にも、痛みを感じることなく処置を行うことができます。その他、角膜の傷の状態を調べる検査や、コンタクトレンズの処方時などにも、点眼麻酔が活躍します。点眼麻酔の効果が現れるまでの時間は非常に短く、点眼してから数十秒程度で麻酔が効き始めます。効果の持続時間は薬剤の種類や濃度によって異なりますが、通常は30分程度です。点眼麻酔によって一時的に視界がぼやけることがありますが、これは時間の経過とともに回復します。点眼麻酔は、眼科において患者さんの負担を軽減し、安全でスムーズな検査や治療を可能にするために欠かせないものです。
近視

強度近視とは?

目は私たちが外界を見るための重要な器官であり、その機能が損なわれると日常生活に大きな影響が出ます。ものを見るときに、遠くのものも近くの物もはっきりと認識できるのが正常な状態ですが、遠くのものを見るときに焦点が網膜の手前で合ってしまう状態を近視といいます。そして、近視の中でも特に度合いが強く、日常生活に支障が出るレベルのものを強度近視と呼びます。 では、強度近視はどのように定義されているのでしょうか?それは、眼科で視力を測る際に用いられるレンズの度数を表す単位であるジオプターという値を用いて判断されます。ジオプターはレンズの屈折力を表し、数値が大きければ大きいほど、近視の度合いは強いことを示します。一般的には、-10.25ジオプター以上で、矯正視力が0.02未満の場合に強度近視と診断されます。 強度近視は、単に見えにくいだけでなく、網膜剥離や黄斑変性症などの深刻な眼疾患のリスクを高める可能性も孕んでいます。そのため、強度近視と診断された場合は、医師の指示に従い、適切な治療や生活習慣の改善に取り組むことが重要です。
その他

眼の奥を覗く:フォトスリット検査

- 眼の奥まで鮮明に!フォトスリット検査で分かることフォトスリット検査は、眼科でよく行われる検査の一つです。目の表面から奥までを細かく調べるために、顕微鏡と特別な光源を組み合わせた「細隙灯顕微鏡」を使います。この検査では、細い線状の光を目に当てて、その反射を利用して目の内部を観察します。例えるなら、真っ暗な部屋に懐中電灯の光を当てることで、部屋の中の様子や家具の配置などがわかるのと似ています。フォトスリット検査では、角膜(黒目の表面)、結膜(白目の表面)、前房(角膜と水晶体の間にある空間)、虹彩(瞳孔の周りの colored な部分)、水晶体(レンズの役割をする組織)、硝子体(眼球の大部分を占めるゼリー状の組織)、網膜(眼底にある、光を感じる膜)など、眼の様々な部分を立体的にとらえることができます。この検査によって、視力低下や炎症、目の疲れの原因となる様々な病気の兆候を発見することができます。例えば、結膜炎、角膜炎、白内障、緑内障、網膜剥離などの病気の診断に役立ちます。検査自体は痛みを伴わず、時間も数分で終わりますので、安心して受けていただけます。