眼球運動

目の構造

瞳の不思議:縮瞳の仕組み

- 縮瞳とは?私たちの眼球の中央には、光を取り込むための黒い部分があります。ここを瞳孔と呼びますが、この瞳孔は周囲の明るさに応じて大きさを変え、眼球に入る光の量を調節しています。 カメラの絞りのような役割を担っていると言えます。明るい場所に移動すると、まぶしさを感じることがありますよね。これは、眼球に過剰な光が入ってくるために起こります。このような時、瞳孔は反射的に小さくなります。これが縮瞳と呼ばれる現象です。 縮瞳によって、眼球に入る光の量が減少し、まぶしさを軽減することができます。反対に、暗い場所では、十分な光を確保するために瞳孔は大きくなります。これを散瞳と言います。縮瞳と散瞳は、どちらも無意識下で行われる反射的な反応で、私たちが快適にものを見るために欠かせない機能です。 この機能は、自律神経系によってコントロールされています。縮瞳は、目の病気や怪我、薬の影響などによって引き起こされることもあります。 もし、片方の瞳孔だけが縮瞳している場合や、縮瞳が続く場合には、眼科を受診して原因を調べてもらうことが大切です。
目の病気

知っていますか?気になる「複視」について

視界の中に物が二つ映って見える状態を「複視」と言います。通常、私達の目は左右で少しだけ異なる位置から物を見ています。右目と左目それぞれで捉えた映像は、脳に送られ、そこで一つに統合されることで、単一のクリアな視界として認識されます。 しかし、眼球の動きが悪くなったり、レンズの役割をする水晶体に異常が生じたり、あるいは脳神経の働きに問題が起こると、この巧妙な調整機能がうまく働かなくなり、物が二つに見えてしまうことがあります。これが複視と呼ばれる状態です。 複視には、左右どちらの目で見ても物が二つに見える「両眼複視」と、片方の目だけで物が二つに見える「単眼複視」があります。両眼複視は、主に眼球の位置や動きをコントロールする筋肉や神経に異常がある場合に起こります。例えば、斜視や眼筋麻痺などが原因で、両目の視線が目標と異なる点にずれてしまうと、物が二つに見えてしまいます。 一方、単眼複視は、主に眼球内の構造に異常がある場合に起こります。例えば、白内障や角膜の乱視、網膜の病気などが原因で、光が正しく眼球内に入らなかったり、網膜に正しく像を結ばなかったりすると、物が歪んで見えたり、二重に見えたりします。 複視は、その原因や症状によって治療法が異なります。視覚に異常を感じたら、自己判断せずに、早めに眼科を受診することが大切です。
目の構造

眼球の動きを司る内直筋

私たちは、周囲の世界を鮮明に捉えるために、絶えず目を動かしています。この眼球運動は、まるで糸で操られる操り人形のように、複数の筋肉の緻密な連携によって成り立っています。 眼球運動を司る主な筋肉は、外眼筋と呼ばれ、全部で6本あります。これらは、上下左右の直線的な動きだけでなく、斜め方向の動きや回転運動など、複雑で滑らかな眼球の動きを可能にしています。 外眼筋は、脳からの指令を神経を通して受け取り、瞬時に収縮と弛緩を繰り返すことで、眼球を思い通りに動かします。この精巧なシステムのおかげで、私たちは、動いている物体を追跡したり、遠くの景色を眺めたり、近くの物体に焦点を合わせたりすることができるのです。 もし、これらの筋肉の働きに異常が生じると、物が二重に見えたり、視野が狭まったり、眼球の動きが制限されるなど、様々な視覚障害が現れます。そのため、眼球運動は、私たちの視覚機能にとって非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。
目の構造

眼の動きを支える眼筋

私たちは普段意識することなく、スムーズに視線を動かしたり、興味のある物体に視線を集中させたりすることができます。この複雑な眼球の動きを陰ながら支えているのが眼筋と呼ばれる筋肉です。 眼筋は、眼球の外側に付着し、その収縮と弛緩によって眼球を上下左右、斜めなど、あらゆる方向に動かす役割を担っています。まるで精密機械のように、6つの筋肉がそれぞれ協調して働くことで、私たちは広範囲の視野を確保し、周囲の世界を認識することができるのです。 眼筋の働きは、単に視線を動かすだけにとどまりません。例えば、遠くのものを見るときには、毛様体筋が弛緩することで水晶体の厚さを変え、網膜に鮮明な像を結ぶように調節しています。また、近くのものを注視するときには、眼筋は眼球を内側に回転させ、両方の目が対象物に焦点を合わせるように働きます。 このように、眼筋は私たちの視覚体験において非常に重要な役割を担っており、その精緻な動きによって、私たちは世界を立体的に捉え、日々の生活を送ることができているのです。
目の病気

眼球の揺れ – 眼振について

- 眼振とは眼振とは、自分の意志とは関係なく眼球が規則的に動いてしまう病気です。まるで振り子のように、一定のリズムと方向を持って眼球が揺れ動きます。この動きは、水平方向に揺れる場合もあれば、垂直方向や回転するように動く場合もあり、その動き方は様々です。また、片方の目だけに症状が現れることもあれば、両方の目に現れることもあります。眼振自体は病気の名前ではなく、視神経や脳、平衡感覚をつかさどる器官など、様々な場所の異常が原因で起こる症状の一つです。そのため、眼振が見られる場合は、その原因を探ることが重要になります。原因としては、先天的なものと後天的なものがあり、生まれたときから眼振を持っている場合や、大人になってから病気や怪我などが原因で発症する場合があります。眼振の症状の程度は人によって異なり、軽い場合は自覚症状がないこともありますが、物が二重に見えたり、視界が揺れて見えたり、視力が低下したりすることがあります。これらの症状は、日常生活に支障をきたす可能性もあります。眼振の原因や症状は多岐にわたるため、眼科を受診し、適切な検査と診断を受けることが大切です。
目の病気

眼球の震え「眼振」とは

眼振は、自分の意思とは関係なく眼球が一定のリズムで繰り返し動いてしまう病気です。この眼球の動きは、まるで振り子のように一定方向に動いたり、回転したりと、様々なパターンを示します。 眼振になると、視界に影響が出ることがあります。例えば、見ている景色がぼやけて見えたり、物が二重に見えたりすることがあります。また、空間を正しく認識することが難しくなり、ふらつきを生じることもあります。これらの症状は、常に現れている場合もあれば、一時的な場合もあります。 興味深いことに、頭を特定の角度に傾げたり、特定の方向を見ることで、眼振の症状が軽くなることがあります。これは、眼振の種類や原因によって異なり、症状を軽減するために無意識に特定の姿勢をとる場合もあります。
視力

眼の協調運動:開散

- 開散とは私たちが日々の生活の中で無意識に行っている目の動きの一つに、「開散」というものがあります。これは、近くの物を見た後、遠くの物に視線を移す際に、両目が自然と外側に動いていく現象を指します。例えば、目の前の本を読んでいる状態を想像してみてください。この時、私たちの目は自然と内側に寄って、一点に集中しています。しかし、そこから顔を上げて遠くの景色を眺めようとすると、視線の焦点が遠くに移るのに合わせて、両目は無意識のうちに外側へと動いていきます。この動きこそが開散です。開散は、近くの物を見るための「輻輳(ふくそう)」と呼ばれる目の動きと対になる動きと言えます。輻輳は両目が内側に寄る動きであるのに対し、開散は両目が外側に開く動きであり、この二つの動きが組み合わさることで、私たちは近くのものから遠くのものまで、様々な距離にある物体をはっきりと捉えることができるのです。開散は、私たちの視覚機能にとって非常に重要な役割を担っています。もしも、開散の動きがスムーズに行われなかったり、左右の目の開散の度合いに差があったりすると、遠くのものがぼやけて見えたり、二重に見えたりするなど、様々な視覚的問題が生じる可能性があります。そのため、眼科では、開散の能力を測定する検査なども行われています。