
白内障:視界の霞みは要注意!
私たちの目は、カメラとよく似た仕組みで物を見ています。カメラのレンズに相当するのが「水晶体」と呼ばれる組織で、光を集めて網膜というスクリーンに像を映し出します。水晶体は透明で弾力があり、遠くを見るときは薄く、近くを見るときは厚くなることで、常に焦点の合ったクリアな視界を保っています。しかし、加齢や紫外線、糖尿病などの影響によって、この水晶体が濁ってしまうことがあります。これが「白内障」と呼ばれる病気です。
白内障になると、水晶体が濁ることで光がうまく通過せず、視界はまるで霧がかかったように霞んでしまいます。初期にはかすかな霞みを感じる程度ですが、症状が進むにつれて視力が低下し、物が二重に見えたり、光がまぶしく感じたりすることもあります。進行すると、最終的には光をほとんど感じられなくなり、日常生活に支障をきたすこともあります。
白内障は、高齢者に多くみられる病気ですが、決して高齢者だけの病気ではありません。 紫外線や目のケガ、アトピー性皮膚炎、糖尿病などの病気、ステロイド剤の長期使用などが原因で、若い世代でも発症することがあります。そのため、年齢に関係なく、目の霞みやまぶしさ、視界の歪みなどの症状を感じたら、早めに眼科を受診することが大切です。