治療

目の病気

縮瞳剤:眼圧を下げる薬

- 縮瞳剤とは? 縮瞳剤は、目の黒目の真ん中にある瞳孔を小さくする効果を持つ点眼薬です。瞳孔はカメラのレンズのように、眼球に入る光の量を調整する役割をしています。縮瞳剤を使うことで瞳孔が小さくなるため、眼球内に取り込まれる光の量が減り、まぶしさを感じにくくなります。 縮瞳剤は、眼圧を下げる効果も期待できます。眼圧とは、眼球内の圧力のことです。眼球は、常に一定の圧力がかかっていることで形を保っています。しかし、眼圧が高すぎると、視神経が圧迫されてしまい、視力に影響を及ぼす可能性があります。緑内障は、この視神経が障害されることで視野が狭くなったり、視力が低下したりする病気です。 縮瞳剤は、緑内障の治療にも用いられます。縮瞳剤を使用することで、瞳孔が小さくなり、眼球内の房水と呼ばれる液体の排出が促進されます。すると、眼圧が下がり、緑内障の進行を抑制する効果が期待できます。ただし、縮瞳剤は一時的に視界がぼやけたり、暗くなったりする副作用が現れる場合があります。また、点眼時にしみにくいタイプの縮瞳剤もあります。医師の指示に従って、適切に使用することが大切です。
視力改善方法

弱視治療の鍵!健眼遮眼について

- 健眼遮眼とは?視力の発達が未熟な段階にあるお子様によく用いられる弱視の治療法の一つに、「健眼遮眼」という方法があります。 人間の目は、左右別々に物を見ていますが、脳は両方の目から送られてくる情報を一つにまとめています。ところが、片方の目に視力が弱かったり、左右の視力に差があったりすると、脳は視力の良い方の目(健眼)からの情報ばかりを優先的に使うようになります。その結果、視力の弱い方の目(弱視眼)はますます使われなくなり、視機能の発達が遅れてしまう可能性があります。このような状況を防ぎ、弱視眼の視力回復を促すために用いられるのが「健眼遮眼」という治療法です。具体的には、視力の良い方の目を眼帯などで遮蔽することで、視力の弱い方の目を使うことを強制し、視覚機能のトレーニングを行います。健眼遮眼を行う時間や期間は、お子様の年齢や弱視の程度によって異なりますが、一般的には数時間から半日程度、数ヶ月から数年間にわたって継続して行われます。 眼科医の指示に従って、根気強く治療を続けることが重要です。
角膜

角膜治療の革命!トポガイドCXLとは?

私たちの目は、カメラのレンズと同じように、角膜という透明な膜を通して光を取り込み、ものを見ることができるのです。通常、角膜は滑らかで均一な丸みを帯びていますが、「円錐角膜」という病気になると、この角膜の形が変わってしまうことがあります。 円錐角膜は、角膜の一部が薄くなり、まるで円錐のように前方へと突出してしまう病気です。角膜の形が変わってしまうと、光が正しく眼の奥にある網膜に届かなくなるため、視界に影響が出ます。ものが歪んで見えたり、ぼやけて見えたりするようになり、場合によっては二重に見えてしまうこともあります。 この病気は、初期では自覚症状がほとんどありません。そのため、症状が進むまで気づかない場合も多いのが現状です。しかし、病気が進行すると、視力低下が進んでしまい、眼鏡やコンタクトレンズでは矯正できない状態になることもあります。 円錐角膜は、まだ原因が解明されていない部分も多い病気です。しかし、遺伝やアレルギー、目をこする癖などが関係していると考えられています。早期発見、早期治療が大切ですので、少しでも目の異変を感じたら、早めに眼科を受診するようにしましょう。
その他

眼科領域におけるステロイドの役割

- ステロイドとは?ステロイドは、私たちの体内で作られるコルチゾールというホルモンと同じような働きをする薬です。コルチゾールは、体の様々な機能を調整する重要な役割を担っています。 ステロイドの特徴として、炎症を抑える効果が非常に高いことが挙げられます。炎症は、体にとって本来必要な反応ですが、過剰になると様々な症状を引き起こす原因となります。ステロイドはこの炎症を抑えることで、症状を改善する効果が期待できます。 医療現場では、このステロイドの強力な抗炎症作用を利用して、様々な病気を治療します。具体的には、喘息などの呼吸器疾患、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患、関節リウマチなどの膠原病、そして臓器移植後の拒絶反応を抑えるためなど、幅広い分野で使用されています。 ステロイドは非常に有効な薬ですが、一方で副作用も知られています。そのため、医師の指示に従って適切な量と期間で使用することが大切です。
目の病気

眼瞼内反:まつ毛が目に触れる病気

- 眼瞼内反とは 眼瞼内反とは、本来眼球を保護する役割を担うまぶたが、内側に向かって反転してしまう病気です。 通常、まぶたは眼球の表面を覆い、外部からの刺激や乾燥から目を守っています。しかし、眼瞼内反になると、まぶたの縁にあるまつ毛が常に眼球に触れてしまい、様々な症状が現れます。 主な症状としては、異物感や痛み、涙目、目やに、充血などがあります。 まつ毛が角膜(黒目)を傷つけてしまうと、視力にも影響が出る可能性があります。 眼瞼内反は、加齢に伴うまぶたのたるみや、炎症、外傷、手術などが原因で起こることがあります。 また、生まれつきまぶたの構造に異常がある場合(先天性眼瞼内反)にも、この病気がみられます。 眼瞼内反の治療法は、軽度の場合は点眼薬や軟膏を使用しますが、症状が強い場合は手術が必要となることもあります。 手術では、反転したまぶたの位置を矯正し、まつ毛が眼球に触れないようにします。 眼瞼内反は、放置すると角膜を傷つけ視力低下につながる可能性もあるため、早期に眼科を受診することが大切です。
目の病気

眼瞼下垂:その原因と治療法

- 眼瞼下垂とは眼瞼下垂とは、上まぶたが正常な位置よりも垂れ下がり、目が十分に開かなくなってしまう状態を指します。通常、目を開いた際には、上まぶたは黒目の上部をわずかに覆う程度です。しかし、眼瞼下垂の場合、このバランスが崩れ、上まぶたが黒目の大部分、場合によっては瞳孔全体を覆ってしまうことがあります。その結果、視界が狭くなり、物が見えにくくなることがあります。また、垂れ下がったまぶたが視界に入るため、常に視界の邪魔に感じることがあります。さらに、まぶたを持ち上げて視界を確保しようと、無意識に額や眉の筋肉を使うようになります。その結果、額や眉に力が入ってしまい、肩こりや頭痛、眼精疲労といった症状を引き起こすこともあります。眼瞼下垂の原因は、加齢による筋肉の衰え、コンタクトレンズの長時間使用、生まれつきの筋肉や神経の異常など、さまざまです。治療法としては、症状の程度や原因によって、点眼薬の使用、手術、リハビリテーションなどが考えられます。
角膜

円錐角膜治療の革新:角膜クロスリンキングとは

目は、私たちに外界の景色を見せてくれる大切な感覚器官です。 その中でも、角膜は眼球の最も外側にある透明な膜で、カメラのレンズのような役割を果たし、光を屈折させて網膜に届けます。 しかし、この角膜に異常が生じ、円錐形に突出してしまう病気があります。それが「円錐角膜」です。 円錐角膜になると、ものが歪んで見えたり、視力が低下したりするなど、視覚に深刻な影響を及ぼします。さらに、病気は進行性のため、放置すると視力低下が進んでしまう可能性があります。 従来の治療法としては、眼鏡やコンタクトレンズによる視力矯正が一般的でしたが、これらの方法では病気の進行を止めることはできませんでした。 そこで近年、注目を集めているのが「角膜クロスリンキング」という新しい治療法です。 角膜クロスリンキングは、特殊なビタミンを点眼し、紫外線を照射することで、角膜のコラーゲン線維を強化し、角膜を硬くします。 これにより、角膜の形状を安定させ、円錐角膜の進行を抑制、あるいは停止させる効果が期待できます。 角膜クロスリンキングは、円錐角膜の進行を遅らせ、視力維持の可能性を高める画期的な治療法として、多くの患者さんに希望を与えています。
角膜

円錐角膜治療の革新:角膜クロスリンキングとは

目の黒目の部分を角膜といいますが、この角膜は、眼球の外側を覆う透明な膜で、カメラのレンズのような役割をして光を集め、網膜に像を結びます。 円錐角膜とは、この角膜が薄くなり、徐々に円錐形に突出してしまう病気です。 進行すると視力が低下し、ものが歪んで見えたり、かすんだりするため、日常生活に支障をきたすこともあります。 従来の治療法では、眼鏡やコンタクトレンズによる視力矯正が一般的でしたが、これらの方法では、病気の進行を止めることはできませんでした。 そこで近年注目されているのが、角膜クロスリンキングという新しい治療法です。 角膜クロスリンキングは、特殊なビタミンB2の一種であるリボフラビンという薬剤を角膜に点眼し、紫外線を照射することで、角膜のコラーゲン繊維を強化する治療法です。 この治療法により、角膜の強度が増し、円錐角膜の進行を抑制することが期待できます。 角膜クロスリンキングは、円錐角膜の進行を遅らせる効果が期待できるだけでなく、視力改善の効果も期待できます。 また、手術時間が短く、日帰りで治療が可能なことも大きなメリットです。 円錐角膜は、早期発見、早期治療が重要です。 もし、視力低下や見え方に違和感を感じたら、早めに眼科を受診しましょう。
目の病気

実は危険!睫毛乱生と目の健康

- 睫毛乱生とは?睫毛乱生とは、本来であれば顔の外側に向かって生えるはずのまつげが、眼球の方向に向かって生えてしまう症状を指します。 通常、まつげは眼球を保護する役割を果たしており、外部からの異物や刺激から目を守っています。 そのため、健康な状態であれば、まつげが眼球に触れることはありません。しかし、睫毛乱生の場合、まつげが逆向きに生えることで、常に眼球に接触し、刺激を与え続けることになります。 その結果、目に違和感や異物感を感じたり、痛みを生じたりすることがあります。 また、まつげが角膜を傷つけ、角膜びらんや角膜炎などの病気を引き起こす可能性もあります。睫毛乱生の症状は、軽度の場合、自覚症状がないこともあります。 しかし、放置すると、視力低下や慢性的な眼精疲労を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。 定期的な眼科検診を受けるように心掛け、気になる症状がある場合は、自己判断せずに眼科医に相談しましょう。