水晶体

目の老化

老眼と上手に付き合うには?

- 老眼とは?目はカメラとよく似た仕組みで物を見ています。カメラのレンズの役割を果たすのが、目の奥にある水晶体です。遠くを見るときには水晶体は薄く、近くを見るときには厚くなることで、ピントを調節しています。この水晶体の厚さ調節の役割を担っているのが、水晶体を取り囲む毛様体筋という筋肉です。若い頃は毛様体筋の働きも良く、水晶体の厚さを柔軟に変化させることができるため、近くのものを見てもすぐにピントを合わせることができます。しかし、歳を重ねるにつれて、この毛様体筋の働きが衰え、水晶体の弾力性も低下していきます。そのため、近くのものを見たときに水晶体を十分に厚くすることができなくなり、ピントが合わなくなってしまいます。これが老眼です。老眼は誰にでも起こる加齢現象の一つで、一般的には40歳頃から症状が現れ始めると言われています。老眼は病気ではありませんが、日常生活で不便を感じることも多いため、早めに眼科を受診し、適切な対策をとることが大切です。
目の老化

老眼ってどんな病気?

- 老眼とは年齢を重ねると、誰もが経験する可能性のある目の老化現象に「老眼」があります。これは、近くのものを見るときに、ぼやけて見えづらくなってしまう状態を指します。遠くの景色は問題なく見えるのに、新聞の文字やスマートフォンの画面などが読みづらくなったら、老眼が始まっているサインかもしれません。老眼の主な原因は、目の奥にある水晶体の変化にあります。水晶体は、カメラのレンズのような役割を果たし、光を集めて網膜に像を結び、ものを見えるようにしています。若い頃は、この水晶体が柔軟で、厚さを変えることで、近くのものを見たり、遠くのものを見たりと、ピントを合わせる調節機能がスムーズに働いています。しかし、40代を過ぎた頃から、水晶体は徐々に硬くなり、厚さを変える力も衰えていきます。そのため、近くの物にピントを合わせることが難しくなり、老眼の症状が現れるようになります。老眼は誰にでも起こる目の老化現象であり、特別な病気ではありません。しかし、自覚症状がないまま放置すると、眼精疲労や頭痛、肩こりなどを引き起こす可能性もあります。そのため、老眼かな?と感じたら、早めに眼科を受診し、適切な対処をすることが大切です。
目の構造

眼のピント調節の秘密:毛様体

私たちの眼球の中には、カメラのレンズのように光を屈折させてピントを合わせる水晶体があります。この水晶体の厚さを調節し、遠くのものを見たり近くのものを見たりする際に、重要な役割を担っているのが毛様体です。 毛様体は、眼球内部の虹彩と脈絡膜の間に位置しています。虹彩は、瞳孔の大きさを変えて眼球に入る光の量を調整する役割を担っており、茶色や青色など、私たち一人ひとりの眼の色を決める部分でもあります。一方、脈絡膜は、光を感知する網膜に栄養を供給する役割を担っています。網膜は、カメラでいうとフィルムの役割を果たす、眼にとって非常に重要な部分です。毛様体は、この虹彩と脈絡膜に挟まれるように存在しています。 毛様体は、輪っか状の筋肉組織でできており、その中には毛様体筋とよばれる筋肉が含まれています。毛様体筋は、水晶体につながる非常に細い繊維であるチン小帯とつながっています。毛様体筋が収縮するとチン小帯が緩み、水晶体は厚くなります。逆に、毛様体筋が弛緩するとチン小帯が引っ張られ、水晶体は薄くなります。このように、毛様体は水晶体の厚さを調節することで、私たちが様々な距離のものにピントを合わせることができるようにしているのです。
目の構造

眼の健康を守る!房水の役割と重要性

- 房水眼の中の大切な水私たちの眼は、カメラのレンズのように、光を屈折させて網膜に像を結ぶことで物を見ることができます。 そのレンズの役割を果たすのが、角膜と水晶体ですが、これらの組織の間の空間は、房水と呼ばれる透明な液体で満たされています。 房水は、前房(角膜と虹彩の間)と後房(虹彩と水晶体の間)という二つの部屋に分かれて存在しています。では、この房水はどこで作られるのでしょうか? 房水は、主に毛様体と呼ばれる組織で作られます。毛様体は、虹彩の後方に位置する組織で、カメラでいうところの絞りのような役割も担っています。 毛様体で作られた房水は、まず後房に分泌され、その後、瞳孔という虹彩の中央にある小さな穴を通って前房へと流れ込みます。そして、最終的には、シュレム管と呼ばれる排水路を通って眼の外へと排出されます。房水は、眼にとって非常に重要な役割を果たしています。 第一に、角膜や水晶体といった組織に栄養を供給しています。 これらの組織には血管が通っていないため、房水から酸素や栄養分を受け取っているのです。 第二に、眼球内を一定の圧力に保つことで、眼球の形を維持する役割を担っています。 この圧力を眼圧と呼びますが、眼圧が適切に保たれていることで、私たちはクリアな視界を得ることができます。このように、房水は私たちの視覚を維持するために、とても重要な役割を果たしているのです。
目の構造

眼のピント調節の立役者:毛様体

- 毛様体の場所と構造眼球は、光を感知し、視覚として脳に情報を送るための重要な器官です。その内部には、それぞれ重要な役割を担う様々な組織が存在しています。今回は、その中でも「毛様体」と呼ばれる組織について詳しく解説していきます。毛様体は、眼球内部の前面部に位置し、虹彩と脈絡膜という二つの組織に挟まれています。ちょうどカメラで例えると、絞りの役割を果たす虹彩と、フィルムに相当する網膜に栄養を供給する脈絡膜の間に位置していることになります。虹彩は、眼球の前面に見られる色のついた部分で、瞳孔の大きさを調整することで、眼球に入る光の量を調節する役割を担っています。一方、脈絡膜は、網膜に栄養を供給する役割を担っています。網膜は、眼球の後方に位置し、光を感知して電気信号に変換する、カメラでいうとフィルムのような役割を果たす重要な組織です。毛様体は、これらの組織に挟まれた、レンズのような形をした組織です。 厚さはわずか数ミリ程度ですが、その内部には、眼球にとって重要な役割を担う筋肉と、房水と呼ばれる液体を作る組織が存在しています。毛様体筋は、水晶体の厚さを調節することで、ピントを合わせる役割を担っています。遠くを見るときは毛様体筋が緩み、水晶体が薄くなります。逆に、近くを見るときは毛様体筋が収縮し、水晶体が厚くなります。この働きによって、私たちは、遠くのものを見たり、近くのものを見たりすることができるのです。また、毛様体には、房水と呼ばれる液体を産生する組織も存在しています。房水は、眼球内の圧力を一定に保ったり、水晶体や角膜など、血管のない組織に栄養を供給したりする役割を担っています。このように、毛様体は、眼球内部の小さな組織ですが、視覚を維持するために非常に重要な役割を担っています。
目の構造

眼の健康を支える房水:その役割と重要性

- 房水とは眼球は、外界からの光を感知し、それを脳に伝えることで視覚を司る重要な器官です。その眼球の内部には、水晶体と呼ばれるレンズの役割を果たす組織が存在します。この水晶体を包み込むように、角膜と水晶体の間にある前房、そして水晶体と虹彩の間にある後房と呼ばれる二つの空間が存在します。 房水とは、この前房と後房を満たす、透明で粘り気の少ない液体のことを指します。房水は、まるで水晶体を両側から支える、透明なクッションのような役割を担っています。 常に一定の圧力(眼圧)を保つことで、眼球の形を維持し、私たちがものを見るために重要な役割を果たしています。 また、房水は、水晶体や角膜といった血管のない組織に栄養を供給したり、老廃物を除去したりする役割も担っています。 さらに、外部から侵入しようとする細菌やウイルスなどの異物から目を守る免疫機能も備えています。このように、房水は、眼球の構造を維持するだけでなく、その機能を正常に保つためにも非常に重要な役割を担っています。
目の病気

白内障:視界の霞みは要注意!

私たちの目は、カメラとよく似た仕組みで物を見ています。カメラのレンズに相当するのが「水晶体」と呼ばれる組織で、光を集めて網膜というスクリーンに像を映し出します。水晶体は透明で弾力があり、遠くを見るときは薄く、近くを見るときは厚くなることで、常に焦点の合ったクリアな視界を保っています。しかし、加齢や紫外線、糖尿病などの影響によって、この水晶体が濁ってしまうことがあります。これが「白内障」と呼ばれる病気です。 白内障になると、水晶体が濁ることで光がうまく通過せず、視界はまるで霧がかかったように霞んでしまいます。初期にはかすかな霞みを感じる程度ですが、症状が進むにつれて視力が低下し、物が二重に見えたり、光がまぶしく感じたりすることもあります。進行すると、最終的には光をほとんど感じられなくなり、日常生活に支障をきたすこともあります。 白内障は、高齢者に多くみられる病気ですが、決して高齢者だけの病気ではありません。 紫外線や目のケガ、アトピー性皮膚炎、糖尿病などの病気、ステロイド剤の長期使用などが原因で、若い世代でも発症することがあります。そのため、年齢に関係なく、目の霞みやまぶしさ、視界の歪みなどの症状を感じたら、早めに眼科を受診することが大切です。
目の構造

ものを見るために働く筋肉-毛様体筋-

- 毛様体筋ってどんな筋肉?私たちの目は、カメラのように外界の光を取り込み、網膜というスクリーンに像を映し出して物を見ています。そして、カメラのレンズのような役割を果たしているのが、水晶体と呼ばれる透明な組織です。水晶体は、遠くのものを見るときと近くのものを見るとときとで、その厚さを微妙に変えることで、常に鮮明な像を網膜に届ける役割を担っています。では、水晶体はどのようにして厚さを変えているのでしょうか?その秘密は、水晶体の周囲を取り囲むように存在する毛様体筋と呼ばれる筋肉にあります。毛様体筋は、眼の中央部にあるドーナツ状の組織である毛様体に付着しており、毛様体筋が収縮したり弛緩したりすることで、水晶体の厚さを調節しています。遠くの物を見るときは、毛様体筋は弛緩し、水晶体は薄くなります。逆に、近くの物を見るときは、毛様体筋が収縮することで水晶体は厚くなります。このように、毛様体筋は、水晶体の厚さを調節することで、異なる距離にある物体をはっきりと見ることを可能にしているのです。毛様体筋は、私たちが普段意識することなく、遠くのものを見たり、近くのものを見たりする際に、常に働いてくれています。この小さな筋肉のおかげで、私たちは世界を鮮明に捉えることができるのです。
目の構造

眼のピント調整役!毛様体とは?

私たちの眼球の内部には、カメラのレンズのように外界の景色を網膜に鮮明に映し出すための水晶体があります。この水晶体の厚さを調節し、遠近を問わずはっきりと物が見えるようにするために重要な役割を担っているのが毛様体です。 毛様体は、眼球内部の虹彩と脈絡膜の間に位置しています。虹彩は、瞳孔の大きさを変えて眼球に入る光の量を調整する役割を担っており、その色は一人ひとり異なります。一方、脈絡膜は、カメラで例えるならばフィルムに相当する網膜に栄養を供給する血管が豊富に走っている層です。毛様体は、これらの組織の間に環状に位置し、水晶体を包むように存在しています。 毛様体の内部には、毛様体筋と呼ばれる筋肉が存在します。毛様体筋が収縮すると、水晶体を吊り下げている毛様体小帯が緩み、水晶体は自身の弾性によって厚くなります。逆に、毛様体筋が弛緩すると毛様体小帯が引っ張られ、水晶体は薄くなります。このように、毛様体は水晶体の厚さを調節することで、網膜に焦点が合うように働きかけています。この働きのおかげで、私たちは近くのものを見たり、遠くのものを見たりする際に、常にクリアな視界を得ることができているのです。
目の構造

無水晶体眼とは?

- 無水晶体眼の概要無水晶体眼とは、読んで字の如く、眼の中に水晶体がない状態を指します。水晶体とは、眼球の中でカメラのレンズのような役割を担っている透明な組織です。外の景色から入ってきた光を屈折させ、網膜に正しく焦点を合わせることで、私たちは世界をはっきりと認識することができます。 無水晶体眼では、この水晶体が先天的に存在しない場合と、後天的な要因によって失ってしまう場合があります。先天的に水晶体が欠損している場合は、遺伝子の異常や、妊娠中の母体の感染症などが原因として考えられます。後天的な要因としては、白内障の手術や、眼の外傷、ぶどう膜炎などの炎症性疾患が挙げられます。 水晶体がない、もしくは機能していない状態では、光を網膜に適切に集めることができず、視力低下や視界のかすみなどの症状が現れます。特に、乳幼児期に無水晶体眼となると、視覚の発達に影響を及ぼし、弱視を引き起こす可能性もあります。 無水晶体眼の治療法としては、眼鏡やコンタクトレンズの装用が一般的です。しかし、これらの方法では矯正が難しい場合もあります。その場合は、眼内レンズと呼ばれる人工のレンズを surgically 挿入する手術が行われます。眼内レンズは、水晶体の代わりとなり、光を屈折させて網膜に焦点を合わせます。 無水晶体眼は、適切な治療を行えば、視力を取り戻せる可能性があります。気になる症状がある場合は、早めに眼科を受診し、医師の診察を受けるようにしましょう。
目の構造

眼の健康を守る!房水の役割とは?

私たちの目は、まるで精巧なカメラのようです。カメラのレンズに相当するのが水晶体ですが、この水晶体を包み込むように、房水と呼ばれる澄んだ液体が満たされています。房水は、単なる水ではなく、私たちの視界をクリアに保つために非常に重要な役割を担っています。 房水は、目の前面にある角膜と水晶体の間にある前房と、水晶体の後ろにある後房という二つの空間を満たしています。前房は目の入り口に近い部分で、後房は奥にある部分です。この二つの部屋は、瞳という小さな孔でつながっており、房水はこの孔を通じて循環しています。 では、房水は具体的にどのような働きをしているのでしょうか?まず、水晶体や角膜に必要な酸素や栄養を供給しています。また、老廃物を運び出す役割も担っています。さらに、眼球内を一定の圧力に保つことで、眼球の形を維持し、光が正しく屈折するように調整しています。つまり、房水は、私たちがはっきりと物を見るために、影ながら活躍していると言えるでしょう。
目の病気

視界の霞みは危険信号?白内障について解説

- 白内障とは人間の目は、カメラとよく似た仕組みで物を見ています。カメラのレンズにあたる部分が水晶体、フィルムにあたる部分が網膜と呼ばれています。水晶体は、光を集めて網膜に像を結ばせる、カメラのレンズと同じ役割を担っています。白内障とは、この水晶体が白く濁ってしまう病気のことです。加齢に伴い、ほとんどの人が経験する病気とも言えます。水晶体が濁ると、光がうまく通過できなくなり、網膜に鮮明な像を結ぶことができなくなります。そのため、視界がかすんで見えたり、光が乱反射して眩しく感じたりします。症状が進むと、物が二重に見えたり、視力が低下したりすることもあります。白内障の主な原因は加齢ですが、紫外線や糖尿病、アトピー性皮膚炎、目の怪我や炎症、遺伝などが原因となることもあります。また、ステロイド剤などの薬の副作用で発症することもあります。白内障の治療法は、基本的には手術によって濁った水晶体を取り除き、人工レンズを挿入するというものです。点眼薬である程度進行を抑えることはできますが、濁ってしまった水晶体を透明に戻すことはできません。手術は現在では安全性の高いものが開発されており、多くの方が日帰りで手術を受けています。
目の老化

目の調節力と老眼の関係

私たちは、まるでカメラのように、目で見た景色を脳で認識しています。カメラのレンズに当たる部分が、私たちの目では水晶体と呼ばれ、この水晶体がレンズの役割を果たし、光を集めて網膜に像を映し出しています。 遠くの景色を見るときと、近くの物を見るときでは、水晶体に入る光の角度が変わります。遠くを見るときは光はほぼ平行に入ってくるのに対し、近くの物を見るときは光がより広がって目に入ってきます。このため、網膜にピントを合わせるためには、水晶体の厚さを変えて光の屈折力を調整する必要があります。この調整の働きをピント調節と呼びます。 では、水晶体はどのようにして厚さを変えているのでしょうか? 水晶体は、毛様体筋という筋肉に囲まれた組織によって支えられています。毛様体筋が収縮すると水晶体を包む組織が緩み、水晶体は自身の弾力によって厚くなります。逆に毛様体筋が弛緩すると水晶体を包む組織が引っ張られ、水晶体は薄くなります。このようにして水晶体の厚さを変化させることで、私たちは遠くのものから近くの物まで、はっきりと見ることができるのです。
目の構造

眼の構造とレンズ挿入:前房を解説

私たちの目は、まるで精巧なカメラのようです。ものを見るためには、カメラのレンズのように光を集め、それを適切な位置に像として結ぶ仕組みが必要です。目の中にある水晶体という組織は、まさにこのレンズの役割を果たしています。 水晶体の前面、そして黒目の部分を覆う透明な膜である角膜の裏側の間には、前房と呼ばれる空間が存在します。ここは、房水と呼ばれる透明な液体で満たされています。カメラに例えるなら、レンズとカバーガラスの間のスペースに相当すると言えるでしょう。 前房に存在する房水は、ただ空間を満たしているだけではありません。 眼球内の圧力を一定に保つことで、眼球の形を維持し、光が通過する際に適切な屈折が得られるように調整する役割を担っています。また、角膜や水晶体といった組織は血管を持っていませんが、房水はこれらの組織に必要な栄養を供給する役割も担っています。さらに、房水は老廃物を運び去る働きも持ち合わせており、眼の健康を保つために重要な役割を担っています。
目の病気

生まれたときから視界がぼやける?先天性白内障

「先天性白内障」という言葉をご存知でしょうか。耳慣れない病名に戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。生まれたばかりの赤ちゃんがかかる病気だと聞いても、実感がわかない方がほとんどでしょう。 これは、眼の中の水晶体と呼ばれる部分が濁ってしまう病気です。 水晶体は、カメラのレンズのように光を集め、網膜に像を結ぶ役割を担っています。 しかし、この水晶体が濁ってしまうと、光が正しく網膜に届かず、視力に影響が出てしまいます。 先天性白内障は、その名の通り、生まれつき、あるいは生後間もなく見つかる白内障です。 赤ちゃんの視力は、生まれてから徐々に発達していくため、早期発見・早期治療が非常に重要になります。 今回は、この病気について、原因や症状、治療法など、詳しく解説していきます。
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眼科検査の最前線:前眼部OCT

- 前眼部OCTとは 前眼部OCTとは、眼球の前面部分を詳しく調べる検査機器のことです。OCTはOptical Coherence Tomographyの略で、日本語では光干渉断層計と呼ばれます。 例えるなら、体の内部をレントゲンで撮影するように、光を用いて眼の断層画像を撮影する検査で、“眼のCTスキャン”のようなものと言えるでしょう。 従来の検査では分かりにくかった、角膜、前房、虹彩といった眼の前面部分を、前眼部OCTは鮮明に映し出すことができます。 特に、角膜の形状や厚みを細かく測定できるため、コンタクトレンズの処方や、レーシックなどの手術前の検査に非常に役立ちます。 また、緑内障の診断や治療経過の観察にも用いられます。 前眼部OCTは、痛みや苦痛を伴わない、体に優しい検査です。検査時間はわずか数分で、すぐに結果が分かります。
目の構造

眼の中の世界:後房を解説

私たちの眼は、カメラとよく似ていて、光を取り込んで外界を見ることができる精巧な器官です。そして、眼の中にはレンズの役割をする水晶体や、光の量を調整する虹彩など、様々な組織があります。後房は、これらの組織の一つである水晶体の後ろ側、そして虹彩の裏側に位置する、毛様体という組織に囲まれた空間のことです。この空間は房水と呼ばれる液体で満たされています。 例えるならば、水晶体と虹彩はちょうどカメラのレンズと絞りのような関係で、その後ろにある後房は、カメラでいうとレンズとフィルムの間の空間のようなイメージです。 後房は、眼の健康を保つ上でとても重要な役割を担っています。毛様体で作られる房水は、後房を通って眼の前方に送られ、水晶体や角膜といった組織に栄養を供給しています。そして、後房は、眼圧を一定に保つ役割も担っています。眼圧とは、眼球内の圧力のことで、房水の産生と排出によって適切に調整されています。この眼圧が一定に保たれることで、眼球の形状が維持され、私たちはクリアな視界を得ることが出来るのです。
目の病気

白内障手術後も油断禁物?後発白内障について

- 後発白内障とは?白内障手術は、濁ってしまった水晶体を取り除き、透明な人工レンズに入れ替えることで視力を取り戻す治療法です。手術後、多くの方はクリアな視界を取り戻しますが、中には再び視界がかすんだり、ぼやけたりする方がいます。これは「後発白内障」と呼ばれる症状が原因である可能性があります。後発白内障は、白内障手術後に、眼の中の「後嚢」と呼ばれる部分が濁ってしまうことで起こります。後嚢は、元々水晶体を包んでいた薄い膜で、手術の際に眼内レンズを支える役割を担っています。この後嚢の一部に、手術後、細胞が増殖したり、物質が沈着したりすることで濁りが生じ、光が通りにくくなってしまうのです。後発白内障は、白内障手術を受けた方の10~30%程度に起こると言われています。決して珍しいものではなく、体質や年齢、手術方法など様々な要因が考えられますが、誰にでも起こりうる可能性があります。後発白内障は、点眼薬では治せませんが、レーザー治療によって比較的簡単に濁りを除去することができます。後発白内障の症状を感じたら、早めに眼科を受診しましょう。
目の構造

眼のレンズ、水晶体について

- 水晶体の役割 私たちの眼球の中に、カメラのレンズと同じように光を集めて焦点を合わせる役割を担う、水晶体という重要な組織があります。 水晶体は透明で柔軟性があり、その形を変えることで、網膜と呼ばれる眼球の奥にあるスクリーンに、はっきりと物体を映し出す役割を担っています。 遠くの景色を見るとき、水晶体は薄く平らな形になります。この状態だと、遠くから届く光は緩やかに屈折し、網膜上にきちんと像を結ぶことができます。一方、近くの物体に視線を移すと、水晶体は周囲の筋肉の働きによって厚みのある丸い形に変化します。 近くから来る光は強く屈折するため、水晶体が厚くなることで焦点の位置を調整し、網膜に鮮明な像を映し出すことができるのです。 このように、水晶体は、まるでオートフォーカスレンズのように、見る対象の距離に応じて自在に形を変えることで、私たちに常にクリアな視界を提供してくれています。 しかし、加齢や紫外線、生活習慣などの影響で、水晶体の柔軟性は徐々に失われ、白く濁ってくることがあります。これが白内障と呼ばれる状態です。 白内障が進行すると視界がぼやけたり、かすんだりするため、日常生活に支障をきたすこともあります。日頃から目の健康を意識し、定期的な眼科検診を受けるように心がけましょう。
目の老化

目のピント調節機能:仕組みと老眼との関係

私たちの目は、まるで精巧なカメラのような仕組みで物を見ています。外の景色から届く光は、まず目の表面にある角膜を通り抜けます。角膜はカメラのレンズカバーのように光を保護し、最初の屈折を起こす役割を担います。その後、光は瞳孔と呼ばれる小さな開口部を通ります。瞳孔は周囲の明るさに応じて大きさを変え、カメラの絞りのように、目に届く光の量を調節する役割を担います。 そして、瞳孔を通過した光は、いよいよ水晶体に到達します。水晶体は、カメラのレンズに相当する、透明で弾力性のある組織です。水晶体は、毛様体筋と呼ばれる筋肉によって厚さを自在に変えることができます。遠くを見るときは水晶体は薄く、近くを見るときは厚くなることで、網膜に常にピントの合ったクリアな像を結ぶことができるのです。 このように、水晶体は私たちの視覚にとって非常に重要な役割を担っています。加齢や紫外線などの影響によって水晶体が白く濁ってしまう白内障という病気があります。白内障になると、視界がかすんだり、ぼやけたりするため、日常生活に支障をきたすこともあります。そのため、目の違和感や視力 저하を感じたら、早めに眼科を受診することが大切です。
目の構造

眼のピント調節の立役者:チン氏帯

- チン氏帯とは目の奥には、カメラのレンズのように外界からの光を集め、網膜に像を映し出す水晶体という透明な組織があります。水晶体は周りの筋肉の働きによって厚さを変えることで、遠くのものを見たり近くに焦点を合わせたりするピント調節の機能を担っています。この水晶体を支え、適切な位置に保つ役割を担っているのが、チン氏帯と呼ばれる組織です。チン氏帯は、水晶体の周囲を取り囲むように存在し、毛様体と呼ばれる筋肉と水晶体を繋ぐ、非常に細い繊維の束のような構造をしています。まるでブランコのロープのように、水晶体を眼球内の正しい位置に吊り下げているのです。このチン氏帯は、単に水晶体を固定しているだけでなく、毛様体筋の収縮と弛緩によって、水晶体の厚さを変化させるピント調節にも深く関わっています。毛様体筋が収縮するとチン氏帯は緩み、水晶体は自身の弾性によって厚くなります。逆に毛様体筋が弛緩するとチン氏帯は緊張し、水晶体は薄くなります。このように、チン氏帯は毛様体筋と連携して水晶体の厚さを調節することで、私たちが物をはっきり見えるようにしてくれるのです。チン氏帯は非常に繊細な組織であり、加齢や外傷、眼の病気などによって損傷することがあります。チン氏帯が損傷すると水晶体が不安定になり、視力低下や物が二重に見えるなどの症状が現れることがあります。そのため、目の健康を守るためには、チン氏帯の役割と重要性を理解することが大切です。
目の構造

眼の構造と眼内レンズ:前房を解説

私たちの眼は、写真機のようにたとえられることがありますが、写真機と同様に、光を感じ取って鮮明な像を結ぶためには、その内部にたくさんの精巧な構造が備わっていなければなりません。その中でも、「前房」と呼ばれる部分は、眼の働きにおいて重要な役割を担っています。 前房は、黒目の表面を覆う透明な膜である角膜の裏側から、眼の色を決める茶目、そしてレンズの役割をする水晶体によって囲まれた空間を指します。この空間は、「房水」と呼ばれる透明な液体で満たされており、眼球内の圧力を一定に保つ役割や、角膜や水晶体といった組織に栄養を供給する役割を担っています。 房水は、眼の奥にある毛様体という組織で作られ、瞳孔という黒目の真ん中の穴を通って前房へと流れ込みます。そして、前房内を循環した房水は、隅角という角膜と茶目の間にある排水口から眼の外へと排出されます。このように、房水は常に一定の速度で作られ、循環し、排出されることで、眼球内の圧力や栄養バランスを保っているのです。 前房は、眼球内の環境を一定に保つことで、私たちの視覚機能を支えている重要な空間と言えるでしょう。
目の病気

生まれたときから視界が曇っていたら?先天性白内障について

- 先天性白内障とは? 目はカメラに例えられることがありますが、カメラのレンズに相当する部分が「水晶体」です。この水晶体は本来、透明で光を通すことで、私たちがものを見ることができるようになっています。 しかし、生まれたときからこの水晶体が濁っている状態を「先天性白内障」と呼びます。 水晶体が濁ると、光が正しく目の中に入ることができなくなり、視力低下や視界の混濁などを引き起こします。 一般的に、白内障というと、歳を重ねることで発症するイメージが強いかもしれません。しかし、先天性白内障は、生まれたとき、あるいは乳幼児期に発見される白内障を指します。 先天性白内障は、早期に発見し、適切な治療を行うことが非常に重要です。発見が遅れてしまうと、視機能の発達に影響を及ぼし、弱視や斜視などの問題が残ってしまう可能性があります。そのため、乳幼児の頃から定期的な目の検査を受けることが大切です。
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眼科検査の最先端:前眼部OCTとは?

- 前眼部OCTの概要前眼部OCTは、眼球の前方の部分を細かく調べることができる最新の検査機器です。OCTはOptical Coherence Tomographyの略で、日本語では光干渉断層計と言います。 この検査では、近赤外線と呼ばれる目に見えない光を使って、眼の断層画像を撮影します。 例えるなら、体の断層画像を撮影するCTスキャンと同じように、眼の内部構造を鮮明に映し出すことができるのです。 従来の検査では、断層画像を撮影することができなかったため、医師は経験と勘を頼りに診断を行っていました。 しかし、前眼部OCTが登場したことで、角膜の厚さや形状、前房の深さ、水晶体の濁りなどを、正確に把握することができるようになりました。 前眼部OCTは、ドライアイ、角膜疾患、緑内障、白内障などの診断に非常に役立ちます。 痛みや副作用もなく、検査時間も短いことが特徴です。 そのため、患者様にとって負担の少ない検査と言えるでしょう。