斜視

目の病気

隠れ斜視?眼精疲労と斜位の深~い関係

日頃から、私たちは二つの目で物を見ていますが、片方の目を手で遮ると、隠れていた方の目の位置が本来あるべき場所からずれてしまうことがあります。このような状態を「斜位」と呼びます。隠していた手を離すと、ずれていた目は再び正常な位置に戻り、まっすぐ正面を見ることができるのが特徴です。 斜位と似たような状態に「斜視」がありますが、これは常に片方の目がずれている状態を指し、斜位とは異なります。ただし、斜位は斜視になりかけの状態、あるいは軽い斜視と捉えることもできます。 軽度の斜位は、多くの人が経験するありふれた状態であり、特に症状が出ない場合も多いです。しかし、程度が強くなると、目が疲れやすくなったり、物が二重に見えたり、肩こりや頭痛などの症状を引き起こすことがあります。このような場合は、眼科医の診察を受けることが推奨されます。
眼鏡

プリズム眼鏡:その役割と効果

- プリズム眼鏡とはプリズム眼鏡は、レンズの一部にプリズムと呼ばれる特殊な加工を施した眼鏡のことです。プリズムは、光を特定の方向に屈折させる性質を持っています。この性質を利用して、プリズム眼鏡は眼に入る光の向きを調整し、視覚の問題を改善します。プリズム自体は透明なので、眼鏡の外観からは通常の眼鏡との見分けはつきません。そのため、見た目を気にすることなく装用することができます。通常の眼鏡レンズが度数によって光の屈折を調整するのに対し、プリズム眼鏡は眼の筋肉の働きを補助する役割を果たします。眼の筋肉に不均衡があると、物が二重に見えたり、視線が定まらなかったりすることがあります。プリズム眼鏡は、これらの症状を改善するために用いられます。プリズム眼鏡は、斜視や視覚機能に問題がある場合などに処方されます。眼科医は、患者さんの症状やニーズに合わせて、プリズムの角度や強さを調整します。プリズム眼鏡は、視覚機能の改善に効果的な手段となる場合がありますが、すべての人に適しているわけではありません。眼科医の指示に従って使用することが大切です。
視力改善方法

眼の健康を守る視能訓練士の仕事

- 視能訓練士とは視能訓練士は、眼科医の指示のもと、患者さんの視力や眼の機能を評価し、訓練や指導を行う専門家です。眼鏡やコンタクトレンズの処方などを行う視力検査をはじめ、眼球運動や立体視、色覚など、様々な検査を通して、患者さん一人ひとりの目の状態を詳しく調べます。特に、視能訓練士は、子どもの視力発達に深く関わっています。子どもの視力は、乳幼児期から小学校低学年にかけて発達していくため、この時期に適切な検査や治療を行うことが非常に重要です。視能訓練士は、弱視や斜視などの早期発見・治療にも重要な役割を担っています。弱視は、早期に発見し適切な治療を行えば視力回復が見込める一方、発見や治療が遅れてしまうと、視力障害が残ってしまう可能性があります。そのため、視能訓練士による、子どもの目の状態に合わせた適切な訓練や指導は、健やかな視力発達のために欠かせません。また、近年増加している大人の目の病気、例えば、緑内障や糖尿病網膜症などの検査や、ロービジョンの方への生活指導なども視能訓練士の大切な仕事です。このように、視能訓練士は、乳幼児から高齢者まで、幅広い年齢層の患者さんの視力に関わる専門家として、眼科医療において重要な役割を担っています。
目の病気

網膜異常対応:視覚への影響とは?

- 網膜異常対応とは?私たちは、左右の目で見た景色を脳で一つにまとめて立体的に認識しています。通常、左右の目の中心にある網膜の中心窩と呼ばれる部分は、脳で同じ場所として認識され、対応しています。これを正常網膜対応と言います。 しかし、斜視などにより両眼で異なる像を長期間見ていると、脳は混乱を避けるため、左右の網膜の対応関係を変化させることがあります。これを網膜異常対応と言います。網膜異常対応では、左右の中心窩が脳内で異なる場所に投影される状態になります。 例えば、右目の網膜の中心窩と、左目の網膜の中心窩からずれた部分が脳内で対応してしまうことがあります。こうなると、右目の中心で見ているものと、左目の別の場所で見ているものが、脳内で一つのものとして認識されてしまいます。 網膜異常対応は、斜視の治療などによって改善する場合もありますが、一度変化してしまうと、完全に正常な状態に戻すことは難しいとされています。そのため、斜視などの早期発見・早期治療が非常に重要となります。
眼鏡

視界を改善!プリズム眼鏡とは?

プリズム眼鏡の役割 プリズム眼鏡は、レンズにプリズムという特殊な加工を施した眼鏡です。プリズムは、光を曲げる性質があります。プリズム眼鏡をかけることで、眼に入る光の向きを意図的に変えることができます。 プリズム眼鏡は、主に物が二重に見える複視や、眼のずれによって起こる眼精疲労を和らげるために用いられます。複視は、両方の眼の視線が一点に集まらず、物が二つに見えてしまう状態です。プリズム眼鏡を用いることで、左右の眼に入る光の向きを調整し、視線を一つに合わせることができます。 眼精疲労は、眼の筋肉の疲れや、眼のピント調節機能の低下などが原因で起こります。眼のずれがあると、眼は常に視線を合わせようと無意識に筋肉を酷使するため、眼精疲労を起こしやすくなります。プリズム眼鏡をかけることで眼の筋肉にかかる負担を軽減し、眼精疲労の改善が期待できます。 ただし、プリズム眼鏡は、視力矯正を目的とした眼鏡ではありません。あくまでも、複視や眼精疲労などの症状を軽減するための補助的な役割を果たします。そのため、プリズム眼鏡の使用にあたっては、必ず眼科医の診察を受け、適切なレンズ度数を処方してもらうことが重要です。
眼鏡

プリズム眼鏡:視覚のズレを矯正

- プリズム眼鏡とはプリズム眼鏡とは、レンズの一部にプリズムと呼ばれる特殊な加工を施した眼鏡です。プリズムというと、理科の実験で使った、光を虹色に分ける三角柱の形を思い浮かべる方もいるかもしれません。眼鏡に使われるプリズムは、光を屈折させることで眼に入る光の向きを調整することを目的としています。そのため、その目的や度数に合わせて、三角柱だけでなく、様々な形に加工されます。 私たちの目は、通常、左右の目で見たものをそれぞれ脳に伝え、脳でひとつの立体的な像として認識しています。しかし、斜視など、目の筋肉や神経に異常があると、眼球の向きや動きがずれてしまい、ものが二重に見えたり、視界が不安定になったり、脳で正しく像を認識することが難しくなります。プリズム眼鏡は、レンズを通る光の向きを調整することで、左右の目の網膜に適切な位置に像を結ばせることで、これらの症状を改善する効果が期待できます。 プリズム眼鏡は、度数の強さやプリズムの形状など、一人ひとりの目の状態に合わせてオーダーメイドで作成されるため、眼科医の指示のもと、適切な検査と調整を行うことが重要です。
目の病気

眼筋麻痺:原因と症状について

- 眼筋麻痺とは眼筋麻痺とは、眼球の動きを司る筋肉(眼筋)がうまく機能しなくなる病気です。眼筋は、上下左右、斜めなど、様々な方向に眼球を動かす役割を担っています。この眼筋に麻痺が起こると、眼球の動きが制限され、視線のずれや物が二重に見えるなどの症状が現れます。多くの場合、眼筋麻痺は片方の目に起こります。健康な側の目は正常に動くため、両目の視線が一致せず、物が二重に見えてしまうのです。この状態を複視といいます。複視は、見ている対象が二つにぼやけて見えたり、距離感がつかみにくくなったりするため、日常生活に支障をきたすことがあります。眼筋麻痺の原因は様々ですが、大きく分けて、脳神経の障害、筋肉の病気、外傷などが挙げられます。脳卒中や脳腫瘍などが原因で脳神経が損傷すると、その神経が支配する眼筋が麻痺することがあります。また、重症筋無力症などの筋肉の病気や、眼球を強打するなどの外傷によって眼筋が損傷することもあります。眼筋麻痺の症状は、原因や麻痺の程度によって異なります。軽度の場合は、目が疲れやすい、目が乾く、頭痛がするなどの症状に留まることもありますが、重症化すると、物が二重に見える範囲が広がったり、視界が狭くなったり、眼球が動かしにくくなったりします。眼筋麻痺は、放置すると症状が悪化したり、視力が低下したりする可能性もあるため、早期に適切な治療を受けることが大切です。治療法としては、原因療法、プリズム眼鏡による対症療法、手術療法などがあります。
目の病気

斜視弱視と偏心固視の関係

- 斜視弱視とは斜視弱視は、視線が正しく一点に定まらない「斜視」によって、片方の目がうまく機能せず、視力の発達が十分に得られない状態を指します。通常、私達の目は対象物をまっすぐに見つめることができます。これは両目が協調して働くことで、脳に一つのクリアな映像として情報が送られるためです。しかし、斜視があるとこの協調がうまくいかず、視線がずれてしまいます。その結果、物が二重に見えたり、脳が混乱して片方の目の視覚情報を受け取らなくなったりします。そして、視覚情報を受け取らなくなった方の目は、次第に使われなくなっていくため視力の発達が遅れ、弱視の状態に陥ってしまいます。つまり、斜視が原因で弱視が引き起こされる場合があるのです。斜視弱視は早期発見・早期治療が非常に重要です。幼少期の視覚の発達期に適切な治療を行うことで、視力の回復や両目の協調機能の改善が期待できます。そのため、お子様の目の様子が気になる場合は、早めに眼科を受診し、専門医の診察を受けるようにしましょう。
目の病気

眼科医が解説!恒常性斜視とは?

斜視は、両方の目が同じ方向を見ることができず、視線が定まらない状態を指します。通常、片方の目は対象物に正しく焦点を合わせていますが、もう片方の目は内側、外側、上、または下にずれてしまいます。この目のずれは、常に起こる場合もあれば、特定の状況下でのみ起こる場合もあります。 斜視は、大きく分けて二つの種類に分類されます。一つは恒常性斜視と呼ばれるもので、これは名前の通り、常に目のずれが見られる状態です。生まれたときから目のずれがある場合や、乳幼児期に発症することが多く、常に斜視の状態であるため、周囲からはっきりとわかります。もう一つは、間歇性斜視と呼ばれるもので、これは常にではなく、疲れている時や、ボーっとしている時など、特定の状況下でのみ目のずれが現れる状態です。乳幼児期に発症するケースもありますが、学童期以降に発症するケースも多く見られます。これらのことから、間歇性斜視は見過ごされやすく、注意深く観察する必要があります。
視力改善方法

眼の健康を守る視能訓練士の仕事

視能訓練士とは、眼科医療において重要な役割を担う、視力と視機能の専門家です。国家資格を保有し、眼科医の指示のもと、患者さんの目の健康をサポートします。 視能訓練士の仕事内容は多岐に渡り、視力検査や眼圧検査、眼球運動検査、視野検査など、様々な検査を実施します。これらの検査を通して、近視や遠視、乱視などの屈折異常や、緑内障や白内障、加齢黄斑変性など、様々な眼疾患の早期発見に貢献しています。 また、視能訓練士は検査だけでなく、訓練や指導も行います。弱視や斜視などの視覚機能に問題を抱える子供たちに対しては、視力や両眼視機能の改善を目的とした訓練プログラムを作成し、日常生活における指導を行います。さらに、眼鏡やコンタクトレンズの処方や調整、使い方の指導なども行い、患者さんの生活の質向上をサポートします。 眼科医療において、視能訓練士は医師と患者さんとの架け橋となる重要な存在です。眼科を訪れる際には、視能訓練士の専門知識と技術によって、安心して検査や治療を受けていただけます。
視力改善方法

眼の健康を守る視能訓練士の仕事

視能訓練士とは、眼科医療において重要な役割を担う専門家で、患者さんの視力や眼の機能に関する検査、訓練、指導を行います。医師の指示のもと、患者さん一人ひとりの状態に合わせたサポートを提供し、視機能の維持・改善を目指します。 視能訓練士は、眼鏡やコンタクトレンズの処方を行うことはできませんが、視力矯正以外の方法で視機能をサポートすることに専門性を発揮します。具体的には、視力測定をはじめ、眼球の動きや物の見え方などを調べる様々な検査を行います。これらの検査を通して、患者さんの視覚機能について詳しく把握します。 視能訓練士は、弱視や斜視など、視覚に問題を抱える子供たちのサポートにも積極的に関わっています。視能訓練士は、専門知識と経験に基づいて、子供たちの視機能改善のための訓練プログラムを作成し、実施します。遊びを取り入れたり、日常生活でできる訓練を指導したりするなど、子供たちが無理なく楽しく訓練に取り組めるよう工夫しながら、視機能の発達を促します。 また、近年増加している高齢者の目の病気に対しても、視能訓練士は重要な役割を担っています。加齢に伴う視機能の変化や病気による視力低下に対応するため、生活環境の調整や、見え方を補助する用具の提案など、患者さんの生活の質を維持するためのサポートを行います。
乱視

片目でわかる目の異常?カバーテストのススメ

- カバーテストとは?カバーテストは、両方の目の動きが揃っているか、視線が正しく対象物に向かっているかを調べる検査です。この検査で、斜視と呼ばれる、左右の目の視線がずれている状態がないかを調べることができます。眼科を受診すると、ほとんどの場合にこの検査を受けます。小さなお子さんでも簡単に受けられる、とても簡単な検査です。検査方法は、まず片方の目を隠してもらいます。そして、隠していない方の目で正面にある一点を見つめます。その後、隠していた目を開放し、その時の目の動きを観察します。隠していた目がすぐに一点を見つめることができれば問題ありませんが、もし一点を見つめるまでに視線が動いてしまう場合は、斜視が疑われます。カバーテストは、とてもシンプルな検査ですが、斜視の早期発見に大きく貢献しています。斜視は、視力の発達に影響を与える可能性もあるため、早期発見・早期治療が大切です。そのため、乳幼児健診などでも、このカバーテストが取り入れられています。
目の病気

実は斜視じゃない!?偽内斜視について

- 偽内斜視ってなに?偽内斜視とは、実際には目は正面を向いているにもかかわらず、一見すると目が内側に寄っているように見えてしまう状態のことを指します。片方の目はまっすぐ前を見ているのに、もう片方の目が鼻側に向いている内斜視とは異なり、偽内斜視は目の位置や動きに異常はありません。では、なぜ内斜視のように見えてしまうのでしょうか?それは、主に乳幼児に見られる顔の骨格や目の周りの特徴が関係しています。例えば、生まれたばかりの赤ちゃんは、鼻の付け根がまだ高く発達していないため、目頭の部分に皮膚が覆いかぶさりやすく、目が内側に寄って見られることがあります。また、成長とともに目の周りの脂肪が減ってくることで、目の横幅が狭く見え、内斜視と誤解されることもあります。偽内斜視は、成長とともに顔つきが整ってくると自然と目立たなくなることがほとんどです。視力や目の機能に影響を与えることはなく、治療の必要もありません。ただし、内斜視と区別するためにも、気になる場合は眼科を受診し、医師に相談することをおすすめします。
目の病気

眼科医が解説!内斜視の症状と治療法

- 内斜視とは内斜視は、片方の目が内側へと寄ってしまう目の病気です。通常、私たちは両方の目で正面を見ていますが、内斜視の場合、片方の目はまっすぐに向いているのに対し、もう片方の目は鼻の方へ向いてしまいます。そのため、左右の目の視線が対象物上でうまく一点に定まらず、物が二重に見えたり、距離感が掴みにくくなることがあります。この状態は、眼球の動きを司る筋肉に偏りがあるために起こります。私たちの目は、6つの筋肉によって上下左右、斜めへとスムーズに動いています。しかし、生まれつきこれらの筋肉の働きが弱かったり、強すぎたりすると、眼球の動きに偏りが生じ、内斜視を引き起こすのです。内斜視は、乳幼児期に特に多く見られます。これは、視力が発達途上の乳幼児期には、両目の視線を合わせる機能が未熟なためです。多くの場合、成長とともに自然と改善していくこともありますが、放置すると視力発達に悪影響を及ぼす可能性があります。内斜視が疑われる場合は、早期に眼科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
目の病気

時折現れる目のずれ – 間歇性斜視

- 間歇性斜視とは?間歇性斜視とは、普段は両目がまっすぐに保たれているものの、特定の状況下において、片方の目が内側や外側、あるいは上下にずれてしまう状態を指します。この目のずれは、医学的には「斜視」と呼ばれ、常に症状が現れる恒常性斜視とは異なり、間歇的に現れる点が特徴です。では、どのような時に目のずれが生じるのでしょうか。例えば、体が疲れている時や精神的にリラックスしている時、ボーッとしている時、眠い時などに症状が現れやすい傾向があります。また、片方の目を手で覆い隠すと、隠した側の目が内側や外側に動いてしまうこともあります。間歇性斜視は、多くが乳幼児期に発症します。幼い時期は視機能や両眼視機能が発展途上にあるため、放置してしまうと、視力の発達に悪影響を及ぼしたり、立体視や遠近感がうまく掴めないなどの両眼視機能障害を引き起こす可能性があります。そのため、お子様の目がいつもと違うと感じたり、少しでも気になる点があれば、早めに眼科を受診し、専門医の診断を受けるようにしましょう。早期発見・早期治療により、視機能への影響を最小限に抑えることが期待できます。
目の病気

外斜視:目の位置と視力への影響について

- 外斜視とは外斜視は、両目の視線がそれぞれ違う方向を向いてしまい、黒目の位置が外側にずれてしまう状態を指します。通常、私たちは両方の目で物を見ることで、奥行きや立体感を感じ取ることができます。これは、左右の目から入ってきたわずかに異なる映像を脳が統合することで成り立っています。しかし、外斜視の場合、この視線の協調運動がうまくいかず、両目で一つの像を結ぶことが難しくなります。そのため、物が二重に見えたり、ぼやけて見えたりすることがあります。また、立体的に物を見る能力(立体視)が損なわれることもあります。外斜視は、生まれつき起こる場合と、後天的に起こる場合があります。生まれたときから外斜視がある場合は、乳幼児期から治療を開始することが重要です。後天的な外斜視は、事故や病気などが原因で起こることがあります。外斜視の治療法としては、メガネやコンタクトレンズによる視力矯正、プリズムレンズによる視線の調整、目の筋肉を鍛える訓練、手術などがあります。治療法は、斜視の種類や程度、年齢などによって異なりますので、眼科医の診断のもと、適切な治療を受けるようにしましょう。
目の病気

意外と知らない?上斜視の基礎知識

- 上下の目のずれ、上斜視とは?人間の目は、通常左右揃って同じ方向を見ています。しかし、上斜視の場合、このバランスが崩れ、片方の目が上に寄ってしまっている状態を指します。多くの方は、目のずれというと左右に目がずれる様子を思い浮かべるかもしれません。しかし実際には、今回のように目が上下にずれるケースも存在します。上斜視は、一見しただけでは分かりにくい斜視の一種です。そのため、軽度の場合は日常生活に支障がなく、気づかないまま過ごしている方も少なくありません。しかし、たとえ軽度であっても、放置すると視機能の発達に悪影響を及ぼす可能性があります。また、無意識に目を合わせようとして、肩や首に負担がかかり、肩こりや頭痛を引き起こすケースも見られます。上斜視は、早期発見・早期治療が非常に重要です。少しでも目の違和感や見え方に異常を感じたら、ためらわずに眼科を受診しましょう。専門医による適切な検査と診断を受けることで、今後の適切な治療方針や対処法を見つけることができます。
目の病気

眼科医が解説|意外と知らない「斜視」の種類と特徴

- 上下の目のずれ下斜視とは?私たちの目は、通常は左右揃って同じ方向を見ていますが、時にはその視線がずれてしまうことがあります。 このような状態を斜視と呼びますが、多くの人は左右方向のずれをイメージするのではないでしょうか。 実は、斜視には上下方向のずれも存在し、「下斜視」と呼ばれます。 これは、片方の目が下方に向いているように見える状態です。下斜視は、左右の目の視線が上下にずれているため、ものを立体的に捉えることが難しくなることがあります。 また、顔を上下に向けるなど、無意識に視線を調整しようとするため、肩こりや首こり、頭痛などの症状を引き起こす可能性もあります。 ただし、「下斜視」という言葉は、医療現場であまり使われていません。 その理由は、上下の目のずれは、他の目の病気や症状と関連している場合が多く、単独で「下斜視」と診断されることが少ないためです。 例えば、斜視や視神経麻痺、甲状腺眼症などが原因で、上下の目のずれが生じることがあります。もし、上下の目のずれが気になる場合は、自己判断せずに、眼科を受診して、専門医の診察を受けるようにしましょう。 早期発見、早期治療によって、症状の改善や進行の抑制が期待できます。