
ドライアイやドライマウス?もしかしてシェーグレン症候群
- シェーグレン症候群とはシェーグレン症候群は、本来体を守るはずの免疫システムが、誤って自分の体の組織を攻撃してしまう自己免疫疾患の一種です。特に、涙や唾液を作り出す涙腺や唾液腺といった外分泌腺が攻撃を受けることで、様々な症状が現れます。代表的な症状として、涙の分泌量が減ることで目が乾く、いわゆるドライアイや、唾液の分泌量が減ることで口が乾くドライマウスなどが挙げられます。 これらの症状は、最初は軽度で、日常生活に支障がない場合も多いです。しかし、症状が進むと、目がゴロゴロしたり、物がかすんで見えたり、口の中が乾燥して食べ物が飲み込みにくくなるなど、生活に支障が出てくることがあります。また、シェーグレン症候群は、涙腺や唾液腺だけでなく、関節、筋肉、皮膚、神経、肺、腎臓など、全身の様々な臓器にも影響を及ぼす可能性があります。 そのため、関節の痛みや腫れ、筋肉痛、発疹、しびれ、呼吸困難、腎機能障害など、多岐にわたる症状が現れることがあります。さらに、シェーグレン症候群の人は、リンパ腫などの血液のがんを発症するリスクが、そうでない人と比べて高くなるという報告もあります。シェーグレン症候群は、比較的まれな病気ですが、中年の女性に多くみられます。原因は完全には解明されていませんが、遺伝的な要因やウイルス感染などが関係していると考えられています。シェーグレン症候群は、根本的な治療法はまだ確立されていませんが、症状を和らげ、生活の質を維持するための対症療法が行われます。 例えば、ドライアイに対しては人工涙液の点眼、ドライマウスに対しては口腔保湿剤の使用や水分補給などが有効です。また、関節の痛みなどには、消炎鎮痛剤が処方されることもあります。