まぶたを持ち上げる筋肉 – 上眼瞼挙筋
眼のことを教えて
先生、「上眼瞼挙筋」って、まぶたを上げる筋肉ってことはわかるんですけど、具体的にまぶたのどこに付いてるんですか?
眼の研究家
いい質問だね!上眼瞼挙筋は、まぶたを構成する「皮膚」と「瞼板」という部分にくっついているんだ。ちなみに、瞼板って何か分かるかな?
眼のことを教えて
えっと、瞼板って、まぶたの縁にある硬い部分のことですか?
眼の研究家
その通り!まぶたの縁にある硬い部分が瞼板だ。つまり、上眼瞼挙筋は、まぶたの皮膚と、その硬い部分である瞼板にくっついて、まぶたを引き上げる働きをしているんだよ。
上眼瞼挙筋とは。
「上眼瞼挙筋」は、まぶたに関する言葉の一つで、上のまぶたを上に引き上げる役割を持つ筋肉のことです。この筋肉は、上のまぶたの皮膚と、まぶたの中にある板状の組織である瞼板につながっています。
目の構造と上眼瞼挙筋
私たちが普段何気なく見ている景色は、眼という精巧な器官のおかげで見えています。眼は、外界からの光の情報を受け取り、それを脳に伝えることで視覚を生み出しています。
眼は、カメラに例えられるように、様々な部位が組み合わさって機能しています。その中でも、まぶたは、眼球を保護する役割を担っています。まぶたは、上下に動き、眼球を覆うことで、ゴミや乾燥から守っています。
では、まぶたはどのようにして動くのでしょうか?
まぶたの上部には、上眼瞼挙筋と呼ばれる筋肉があります。この筋肉は、眼窩の奥、つまり眼球が入っている骨のくぼみに付着しています。そして、もう一方の端は、まぶたを構成する皮膚や瞼板と呼ばれる薄い組織につながっています。上眼瞼挙筋が収縮すると、まぶたは引き上げられ、私たちは目を開けることができます。反対に、上眼瞼挙筋の力が抜けている時は、まぶたは重力で閉じている状態になります。
このように、上眼瞼挙筋は、私たちが目を開け、光を眼球に取り込むために、重要な役割を果たしているのです。
眼の部位 | 役割 |
---|---|
眼 | 外界の光の情報を受け取り、脳に伝えて視覚を生み出す |
まぶた | 眼球を保護する。上下に動き、ゴミや乾燥から眼球を守る。 |
上眼瞼挙筋 | まぶたの上部にあり、収縮することでまぶたを引き上げ、目を開くことを可能にする。 |
上眼瞼挙筋の働き
私たちは普段、何気なく目を動かしていますが、ものを見たり、周囲の状況を把握したりするために、目はとても重要な役割を担っています。視界を確保する上で欠かせないのが、まぶたを動かす筋肉です。その中でも、上まぶたを持ち上げる役割を担っているのが上眼瞼挙筋です。
朝、目覚めてまぶたを開き、太陽の光を感じることができるのも、上眼瞼挙筋が働いているおかげです。この筋肉が収縮することで、上まぶたが持ち上がり、私たちは視野を広げることができます。逆に、リラックスすることでまぶたは閉じ、目は休息状態に入ります。
上眼瞼挙筋は、ただまぶたを開閉させるだけでなく、微妙な調整を行うことも可能です。読書や仕事、人と話をする際など、私たちは常に視線を微調整し、対象物に焦点を合わせています。これらの細かい動きも、上眼瞼挙筋が担っています。もし、この筋肉が正常に働かないと、視界が狭くなったり、ものが二重に見えたりするなど、日常生活に支障が出てしまう可能性があります。
このように、上眼瞼挙筋は、私たちがものを見る上で、非常に重要な役割を担っています。その働きによって、私たちは日々変化する周囲の状況を的確に捉え、生活を送ることができているのです。
部位 | 役割 | 機能低下時の影響 |
---|---|---|
上眼瞼挙筋 | 上まぶたを持ち上げる。 微妙な調整を行い、対象物に焦点を合わせる。 |
視界が狭くなる。 物が二重に見える。 日常生活に支障が出る。 |
上眼瞼挙筋の異常
まぶたをスムーズに持ち上げる役割を担うのが上眼瞼挙筋です。この筋肉が生まれつき正常に機能しない場合や、加齢、病気などが原因で働きが弱くなると、まぶたが十分に開かなくなることがあります。これが眼瞼下垂と呼ばれる症状です。
眼瞼下垂になると、視界が狭くなる、目が疲れやすくなる、肩こりや頭痛が生じるなど、日常生活に様々な支障をきたす可能性があります。さらに、重症化すると、視線を常に上にしようと顎を上げるようになるため、姿勢が悪くなったり、首や肩に負担がかかったりすることもあります。また、乳幼児期に眼瞼下垂があると、視力の発達を妨げてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
眼瞼下垂の原因は様々ですが、コンタクトレンズの長時間装用や、目をこする癖なども、上眼瞼挙筋の機能低下に繋がることがあります。眼瞼下垂が疑われる場合は、自己判断せずに眼科を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。
症状名 | 原因 | 症状 | 重症化すると | その他 |
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眼瞼下垂 |
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眼瞼下垂の種類と原因
まぶたが下がる症状である眼瞼下垂には、大きく分けて二つの種類があります。一つは、生まれつきまぶたが下がっている「先天性眼瞼下垂」です。先天性眼瞼下垂は、まぶたを持ち上げる役割を担う上眼瞼挙筋という筋肉が、生まれつき十分に形成されていないことが主な原因です。その他、生まれつきの脳神経麻痺などが原因となることもあります。
一方、成長してからまぶたが下がってくる「後天性眼瞼下垂」は、さらに様々な原因が考えられます。最も多いのは、加齢によって上眼瞼挙筋や、まぶたの筋肉を支える組織の力が弱くなることです。その他、長期間にわたるコンタクトレンズの使用や、目の手術、外傷などが原因となることもあります。また、糖尿病などの病気によって眼瞼下垂が引き起こされる場合もあります。さらに、脳腫瘍などの病気が原因で、上眼瞼挙筋をコントロールする神経が圧迫され、まぶたが下がってしまうケースもあります。このように、眼瞼下垂の原因は多岐にわたるため、症状が気になる場合は自己判断せず、眼科を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。
種類 | 原因 |
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先天性眼瞼下垂 |
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後天性眼瞼下垂 |
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眼瞼下垂の治療法
まぶたが下がってしまう眼瞼下垂。この症状への対策は、何が原因でどのくらい重いのかによって変わってきます。症状が軽く、日常生活に問題がない場合は、定期的に診察を受けながら経過を見る場合もあります。しかし、まぶたが重く感じて視界が狭くなったり、肩こりや頭痛などの症状が出ていたりする場合は、治療が必要です。 治療には、主に手術が選択されます。眼瞼下垂の手術は、まぶたを持ち上げる筋肉である眼瞼挙筋の力を強くする方法が一般的です。具体的には、たるんでしまった眼瞼挙筋を短くして持ち上げる力を強化したり、まぶたを額の筋肉を使って持ち上げる方法などがあります。 これらの手術方法によって、下がったまぶたを正常な位置に戻し、視界を確保するとともに、目元の印象を改善することができます。眼瞼下垂は、加齢によるものだけでなく、生まれつきや病気、ケガなどが原因で起こることもあります。そのため、眼瞼下垂が疑われる場合は自己判断せず、眼科専門医を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
眼瞼下垂の重さ | 対策 |
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軽度 (日常生活に問題がない) |
定期的な診察による経過観察 |
中等度~重度 (視界が狭くなる、肩こりや頭痛などの症状がある) |
手術 – 眼瞼挙筋短縮術 – 額筋吊り上げ術 |