眼科医が解説!眼底検査とは?

眼科医が解説!眼底検査とは?

眼のことを教えて

先生、「眼底検査」ってよく聞くんですけど、どんな検査なんですか?

眼の研究家

良い質問だね! 眼底検査は、眼球の一番奥にある「眼底」を調べる検査だよ。カメラで目の奥を写真に撮るようなイメージかな。

眼のことを教えて

ふーん。目の奥を見ることで何がわかるんですか?

眼の研究家

眼底には、ものを見るために大切な「網膜」や「視神経乳頭」っていう部分があるんだ。眼底検査では、これらの状態を見ることで、目の病気だけでなく、高血圧や糖尿病などの全身の病気も発見できることがあるんだよ。

眼底検査とは。

「眼底検査」とは、眼に関する言葉の一つで、眼球の奥にある網膜や視神経乳頭の状態を調べる検査のことです。

眼底検査の目的

眼底検査の目的

– 眼底検査目の奥をのぞいて、全身の健康状態をチェック!

眼底検査とは、瞳孔の奥にある網膜や視神経乳頭の状態を観察する検査です。

網膜は、カメラに例えるとフィルムの役割を果たす重要な組織です。光を感知し、その情報を電気信号に変換して脳に送ることで、私たちは何を見ているのかを認識することができます。

視神経乳頭は、網膜で受け取った視覚情報を脳に伝える視神経が集まっている場所です。

眼底検査では、これらの組織の状態を調べることで、様々な目の病気の発見や診断に役立ちます。例えば、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症などの病気は、初期段階では自覚症状が現れにくいですが、眼底検査によって早期発見・早期治療が可能となります。

さらに、眼底検査は目の病気だけでなく、高血圧や糖尿病などの全身疾患の兆候を早期に発見できるという利点もあります。網膜の血管は、全身の血管の状態を反映しているため、動脈硬化や高血圧などによって血管が変化した場合、眼底検査で確認することができます。

眼底検査は、痛みや負担の少ない検査です。目の健康を守るだけでなく、全身の健康状態を把握するためにも、定期的な眼底検査を受けましょう。

項目 説明
眼底検査 瞳孔の奥にある網膜や視神経乳頭の状態を観察する検査
網膜 カメラのフィルムの役割を果たし、光を感知して脳に伝えることで視覚を認識する重要な組織
視神経乳頭 網膜で受け取った視覚情報を脳に伝える視神経が集まっている場所
眼底検査のメリット
  • 緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症などの目の病気の早期発見・早期治療
  • 高血圧や糖尿病などの全身疾患の兆候の早期発見

眼底検査でわかること

眼底検査でわかること

眼の奥を覗き込む眼底検査は、視力検査や眼圧検査だけでは分からない、眼の中の状態を詳しく調べることができる検査です。眼底とは、眼球の一番奥に位置する網膜とその周辺組織を指します。網膜はカメラでいうフィルムの役割を果たし、ここで受け取った光の情報が脳に伝えられることで、私たちは物を見ることができます。
眼底検査では、この重要な役割を担う網膜の状態をくまなく観察することで、様々な病気を発見することができます。緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症といった眼の病気はもちろんのこと、高血圧や動脈硬化といった全身の病気のリスクを評価することも可能です。
例えば、緑内障の場合、視神経という視覚情報を脳に伝える神経が障害されることで視野が徐々に狭くなっていきますが、眼底検査では視神経が集まっている部分である視神経乳頭の形状に特徴的な変化が現れます。また、糖尿病網膜症は、高血糖によって網膜の血管がもろくなり、出血やむくみが生じる病気ですが、眼底検査を行うことで、これらの変化を早期に発見することができます。さらに、眼底には血管が網目のように張り巡らされており、その状態を観察することで、動脈硬化の程度や高血圧の有無を推測することも可能です。
このように、眼底検査は、眼の病気だけでなく、全身の健康状態を把握するためにも非常に役立つ検査といえます。

検査項目 目的 発見できる病気/状態
眼底検査 眼球奥 (網膜、周辺組織) の状態観察 – 緑内障
– 糖尿病網膜症
– 加齢黄斑変性症
– 高血圧
– 動脈硬化

眼底検査の方法

眼底検査の方法

眼底検査は、目の奥にある眼底と呼ばれる部分を調べる検査です。眼底には、視力に重要な役割を果たす網膜や視神経などが存在します。これらの組織の状態を調べることで、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症などの様々な病気を早期に発見することができます。

検査ではまず、瞳孔を開くために点眼薬を使用します。点眼薬の効果が現れるまで15分ほど待ちます。その後、眼底カメラと呼ばれる特殊なカメラを使って眼底を撮影します。検査自体は痛みを伴わず、数分で完了します。

検査後、医師が撮影した画像を元に、眼底の状態を丁寧に説明します。異常が見つかった場合は、病気の種類や進行状況に応じて、適切な治療方針を提案します。

眼底検査は、点眼薬の影響で検査後数時間は、まぶしさや物がぼやけて見えることがあります。そのため、検査当日は車の運転は避け、公共交通機関を利用するなど注意が必要です。また、検査後もしばらくは瞳孔が開いた状態が続くため、外出する際はサングラスをかけることをおすすめします。

項目 内容
検査名 眼底検査
検査対象 眼底(網膜、視神経など)
目的 緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症などの早期発見
検査手順 1. 点眼薬で瞳孔を開く
2. 眼底カメラで眼底を撮影
所要時間 約15分(点眼薬の効果時間含む)
検査後の注意点 – 車の運転は避ける
– 公共交通機関を利用する
– サングラスをかける

眼底検査を受けるタイミング

眼底検査を受けるタイミング

目の奥にある眼底を調べる検査は、自覚症状が現れなくても、目の健康状態を把握するために定期的に受けることが勧められています。眼底検査を受ける適切なタイミングは、年齢や持病の有無などによって異なってきます。

一般的には、自覚症状がなくても、40歳を超えたら年に一度は眼底検査を受けることが望ましいと言われています。40歳を過ぎると、加齢に伴って緑内障や加齢黄斑変性などの目の病気を発症するリスクが高まります。これらの病気は、初期段階では自覚症状が現れにくいことが多く、気づかないうちに病気が進行してしまうことがあります。定期的に眼底検査を受けることで、このような目の病気を早期に発見し、適切な治療を受けることが重要です。

糖尿病、高血圧、脂質異常症などの病気がある人は、そうでない人と比べて、目の病気のリスクが高くなります。特に、糖尿病網膜症は、糖尿病の三大合併症の一つであり、放置すると失明するリスクもある病気です。これらの持病がある人は、定期的に眼底検査を受けることが非常に重要です。

また、ご家族に緑内障や網膜剥離など、目の病気を患ったことのある人がいる場合も、注意が必要です。これらの病気は、遺伝的な要因が関与している場合があり、家族に患者がいる人は、そうでない人よりも発症リスクが高くなる可能性があります。家族に目の病気を患ったことのある人は、定期的に眼科を受診し、眼底検査を受けるようにしましょう。

飛蚊症や視野が欠けるなどの症状がある場合は、すぐに眼科を受診してください。これらの症状は、網膜剥離や緑内障などの重大な目の病気のサインである可能性があります。早期発見、早期治療が大切なため、少しでも異常を感じたら、眼科医の診察を受けましょう。

対象 眼底検査の推奨頻度 備考
40歳以上の方 年に一度 加齢に伴う緑内障や加齢黄斑変性などのリスク増加のため
糖尿病、高血圧、脂質異常症などの持病がある方 定期的に受診 糖尿病網膜症などの合併症のリスク軽減のため
緑内障や網膜剥離などの家族歴がある方 定期的に受診 遺伝的要因による発症リスク増加のため
飛蚊症や視野が欠けるなどの症状がある方 すぐに受診 網膜剥離や緑内障などの重大な目の病気の可能性があるため

まとめ

まとめ

目の奥を調べる検査を眼底検査と言います。眼底とは、目の奥にあって、カメラでいうとフィルムの役割をする網膜や、栄養を運ぶ血管を観察することができます。眼底検査は、痛みもなく、短時間で終わるため、身体への負担が少ない検査です。
健康診断などを受ける機会があれば、積極的に受けてみましょう。
眼底検査を受けることで、視力に影響する病気だけでなく、自覚症状がない段階で、全身の病気の兆候を発見できる可能性があります。例えば、糖尿病網膜症、高血圧症、動脈硬化などが挙げられます。
眼底検査の結果、異常が見つかった場合でも、すぐに治療が必要となることは少ないです。しかし、放置すると失明などの重大なリスクにつながる可能性もあるため注意が必要です。
検査結果について気になることや、目の症状で心配なことがあれば、自己判断せずに眼科医を受診しましょう。

項目 内容
検査名 眼底検査
目的 網膜、血管の状態観察
特徴 痛みなし、短時間、身体的負担少
発見できる病気 視力に影響する病気
全身の病気の兆候(糖尿病網膜症、高血圧症、動脈硬化など)
異常時の注意点
  • すぐに治療が必要な場合が少ない
  • 放置すると失明などのリスクあり
  • 自己判断せず眼科医を受診