ものを見るために働く筋肉-毛様体筋-

ものを見るために働く筋肉-毛様体筋-

眼のことを教えて

先生、「毛様体筋」って、網様体を作る筋肉って書いてあるんですけど、網様体って目の中でどういう役割をしてるんですか?

眼の研究家

いい質問だね!実は網様体を作る筋肉ではなく、レンズの形を変える筋肉なんだ。網様体は目で受けた光を感じる大切な膜だよ。

眼のことを教えて

レンズの形を変えるんですか? どうしてレンズの形を変える必要があるんですか?

眼の研究家

レンズの形を変えることで、近くのものを見たり遠くのものを見たりするときに、ピントを合わせる役割をしているんだ。毛様体筋がその調節を助けているんだよ。

毛様体筋とは。

目の「毛様体筋」という言葉について説明します。「毛様体筋」は、ものを見るための重要な部分である「網膜」ではなく、水晶体というレンズの形を変える筋肉のことです。この筋肉が伸び縮みすることで、レンズの厚さを調節し、近くのものを見たり遠くのものを見たりする時に、ピントを合わせています。そして、この「毛様体筋」の働きが弱くなってしまうことを「老視」や「老眼」と言います。

毛様体筋ってどんな筋肉?

毛様体筋ってどんな筋肉?

– 毛様体筋ってどんな筋肉?私たちの目は、カメラのように外界の光を取り込み、網膜というスクリーンに像を映し出して物を見ています。そして、カメラのレンズのような役割を果たしているのが、水晶体と呼ばれる透明な組織です。水晶体は、遠くのものを見るときと近くのものを見るとときとで、その厚さを微妙に変えることで、常に鮮明な像を網膜に届ける役割を担っています。では、水晶体はどのようにして厚さを変えているのでしょうか?その秘密は、水晶体の周囲を取り囲むように存在する毛様体筋と呼ばれる筋肉にあります。毛様体筋は、眼の中央部にあるドーナツ状の組織である毛様体に付着しており、毛様体筋が収縮したり弛緩したりすることで、水晶体の厚さを調節しています。遠くの物を見るときは、毛様体筋は弛緩し、水晶体は薄くなります。逆に、近くの物を見るときは、毛様体筋が収縮することで水晶体は厚くなります。このように、毛様体筋は、水晶体の厚さを調節することで、異なる距離にある物体をはっきりと見ることを可能にしているのです。毛様体筋は、私たちが普段意識することなく、遠くのものを見たり、近くのものを見たりする際に、常に働いてくれています。この小さな筋肉のおかげで、私たちは世界を鮮明に捉えることができるのです。

毛様体筋の状態 水晶体の厚さ 見え方
弛緩時 薄い 遠くのものが見える
収縮時 厚い 近くのものがはっきり見える

毛様体筋の働き

毛様体筋の働き

私たちの眼は、カメラのように外界から入ってくる光を水晶体で屈折させて網膜に像を結び、ものを見ています。そして、この水晶体の厚さを調節しているのが毛様体筋と呼ばれる筋肉です。

遠くの景色を見るとき、私たちの眼は遠くから届く平行に近い光を取り込みます。このとき、毛様体筋は弛緩し、その結果、水晶体は薄くなります。薄くなった水晶体は光の屈折力が弱まり、遠くからの光を適切に屈折させて網膜に焦点を合わせることができます。

一方、本を読んだり、スマートフォンを見たりする時など、近くの物を見るときはどうでしょうか。この場合、眼には近くから発せられる発散光が入ります。毛様体筋は収縮し、水晶体を厚くすることで、発散光の屈折力を強めます。これにより、近くの物から出た光も網膜上にきちんと焦点を結ぶことができ、鮮明な像として認識することができます。

このように、毛様体筋は水晶体の厚さを絶えず調整することで、私たちが近くのものを見ても遠くのものを見ても、常にクリアな視界を保つために重要な役割を果たしているのです。

状態 毛様体筋 水晶体の厚さ 光の屈折力 焦点
遠くを見るとき 弛緩 薄い 弱い 網膜に焦点(遠くの物が見える)
近くを見るとき 収縮 厚い 強い 網膜に焦点(近くの物が見える)

毛様体筋と老眼の関係

毛様体筋と老眼の関係

目は、カメラのレンズのように水晶体の厚さを調節することで、近くのものを見たり遠くのものを見たりできます。この水晶体の厚さを調節する役割を担っているのが、毛様体筋と呼ばれる筋肉です。

若い頃は、毛様体筋は弾力性に富み、活発に動きます。そのため、近くのものを見るときには水晶体を厚く、遠くのものを見るときには水晶体を薄く、素早く調節することができます。

しかし、年齢を重ねるにつれて、毛様体筋は弾力性を失い、硬くなってしまいます。これは、身体の他の部位と同じように、毛様体筋も老化していくためです。

毛様体筋が硬くなると、水晶体の厚さを調節する力が弱くなり、近くのものがぼやけて見えるようになります。これが老眼です。老眼は、個人差はありますが、一般的には40歳頃から自覚症状が現れ始めます。

老眼は、誰にでも起こる目の老化現象の一つであり、病気ではありません。しかし、老眼が進むと、日常生活で不便を感じることが多くなります。そのため、老眼の症状に気づいたら、早めに眼科を受診し、適切な対処をすることが大切です。

項目 詳細
水晶体の厚さ調節 カメラのレンズのように、毛様体筋が水晶体の厚さを調節することで、近くや遠くを見ることができる。
若い頃 毛様体筋は弾力性に富み、水晶体の厚さを素早く調節できる。
老化に伴う変化 毛様体筋が硬くなり、水晶体の厚さを調節する力が弱くなる。
老眼 毛様体筋の老化により、近くのものがぼやけて見えるようになる。40歳頃から自覚症状が現れ始めることが多い。老化現象の一つであり、病気ではない。
対処法 老眼の症状に気づいたら、眼科を受診し、適切な対処をする。

老眼の症状

老眼の症状

– 老眼の症状

年齢を重ねると、誰もが経験する可能性のある目の老化現象である老眼。
その代表的な症状は、近くのものが見えにくくなることです。
例えば、新聞や雑誌を読もうとしたときに、文字がぼやけてはっきり見えなくなったり、スマートフォンを操作する際に、画面に顔を近づけなければ文字が認識できなくなったりすることがあります。

老眼は、単に近くが見えにくいだけでなく、日常生活にも様々な影響を及ぼします。
これまで問題なく行えていた読書や裁縫、模型作りなどの細かい作業に時間がかかったり、集中するのが難しくなったりすることがあります。
また、近くのものにピントを合わせようと目を酷使することで、眼精疲労や頭痛、肩こりなどの症状が現れることもあります。

さらに、老眼が進行すると、遠くのものが見えにくくなることもあります。
老眼は、加齢とともに進行していくため、早期に適切な対策を講じることが大切です。

症状 詳細
近くが見えにくい 新聞や雑誌の文字がぼやける、スマホの画面を顔に近づける必要があるなど
日常生活への影響 読書や裁縫、模型作りなどの細かい作業が困難になる、眼精疲労、頭痛、肩こりなど
進行すると遠くが見えにくい 老眼は加齢とともに進行するため、早期に対策が必要

毛様体筋を鍛える方法

毛様体筋を鍛える方法

年齢を重ねると、誰もが経験する目の老化現象である老眼。これは、水晶体の柔軟性が低下し、ピント調節機能が衰えるために起こります。このピント調節を担っているのが、水晶体の厚さを変える役割を担う毛様体筋です。
毛様体筋の機能低下を完全に防ぐことはできませんが、日頃から毛様体筋を鍛えることで、老眼の進行を遅らせる効果が期待できます。
毛様体筋を鍛えるには、遠くのものと近くのものを交互に見るトレーニングが効果的です。具体的には、5メートル以上離れた場所と、手元の書類など30センチメートル程度を見比べてみましょう。遠くを見た後、近くに視線を移し、再び遠くを見るという動作を繰り返します。
また、眼球を上下左右に動かす運動も毛様体筋のトレーニングになります。目を大きく見開き、ゆっくりと上下左右に視線を動かしてみましょう。
これらのトレーニングに加えて、十分な睡眠栄養バランスの取れた食事を心がけることも、目の健康維持には大切です。バランスの取れた食生活は、毛様体筋だけでなく、目の健康全体に良い影響を与えます。

老眼の原因 老眼対策 対策の効果
水晶体の柔軟性が低下し、ピント調節機能が衰える。これは、水晶体の厚さを変える役割を担う毛様体筋の機能低下が原因。
  • 遠くのものと近くのものを交互に見るトレーニング(例:5メートル以上先と30センチメートル程度先を交互に見る)
  • 眼球を上下左右に動かす運動
  • 十分な睡眠
  • 栄養バランスの取れた食事
毛様体筋を鍛え、老眼の進行を遅らせる効果が期待できる。
バランスの取れた食生活は、毛様体筋だけでなく、目の健康全体に良い影響を与える。