網膜の電気信号を読み解くERG検査

網膜の電気信号を読み解くERG検査

眼のことを教えて

先生、「ERG」ってどういう意味ですか? 目の病気の検査で聞いたことがあるんですけど。

眼の研究家

ERGは「網膜電位図」の略で、簡単に言うと、光の刺激に対して網膜がどのように反応するかを電気信号で記録するものだよ。

眼のことを教えて

網膜の反応を電気信号で…? どうやって測るんですか?

眼の研究家

目に光を当てて、その時に発生する微弱な電気を、角膜につけた電極でキャッチして記録するんだ。痛みはほとんどないよ。

ERGとは。

「ERG」は目のことを表す言葉で、「網膜電位図」のそれぞれの文字を抜き出して短くしたものです。これは、網膜に光が当たったときに起きる電気信号を図にしたものです。

網膜電図検査とは

網膜電図検査とは

– 網膜電図検査とは網膜電図検査(ERG検査)は、眼科で広く行われている検査の一つで、網膜の健康状態を詳しく調べるために用いられます。 カメラに例えると、網膜は眼の奥に位置するフィルムのような役割を担っており、光を感知して脳に伝えることで、私たちがものを見ることができるようにしています。ERG検査では、網膜に光刺激を与え、その際に発生する微弱な電気信号を記録し、波形として分析します。 この波形は、網膜を構成する細胞(視細胞や錐体細胞など)の活動状態を反映しており、網膜の機能を客観的に評価することができます。網膜の病気には、網膜色素変性症、加齢黄斑変性症、糖尿病網膜症など、さまざまなものがあります。これらの病気では、初期段階では自覚症状が現れない場合もありますが、ERG検査では、自覚症状が現れる前から網膜の異常を検出できることがあります。そのため、ERG検査は、網膜疾患の早期発見・早期治療に大きく貢献しています。 また、ERG検査は、網膜疾患の診断だけでなく、治療の効果判定や経過観察にも用いられます。

項目 内容
検査名 網膜電図検査(ERG検査)
目的 網膜の健康状態を調べる
原理 網膜に光刺激を与え、発生する電気信号を波形として分析
評価対象 網膜の細胞(視細胞、錐体細胞など)の活動状態
意義 網膜疾患の早期発見・早期治療、治療効果判定、経過観察
対象疾患 網膜色素変性症、加齢黄斑変性症、糖尿病網膜症など

検査方法と目的

検査方法と目的

– 検査方法と目的

ERG検査は、網膜の働きを調べる検査です。

検査は比較的簡単に行われ、痛みもありません。まず、診察台に楽な姿勢で座っていただきます。そして、瞳孔を広げる目薬を点眼します。その後、少し暗い部屋に移動し、測定を開始します。

測定では、ごく薄いコンタクトレンズのような電極を目に装着するか、額に電極を貼り付けます。そして、様々な模様や明るさの光を目に当て、網膜に生じる電気信号の変化を記録していきます。

この検査によって、網膜全体や、網膜を構成する細胞の一つ一つの働きを調べることができます。得られた情報は、網膜色素変性症や加齢黄斑変性症など、網膜の病気を診断したり、病気の進行具合を把握するのに役立ちます。

項目 内容
検査方法 – 診察台に座り、瞳孔を開く目薬を点眼
– 薄いコンタクトレンズ状の電極を目に装着、または額に電極を貼り付け
– 様々な模様や明るさの光を目に当てる
– 網膜に生じる電気信号の変化を記録
目的 – 網膜全体の働きを調べる
– 網膜を構成する細胞一つ一つの働きを調べる
– 網膜色素変性症や加齢黄斑変性症など、網膜の病気を診断する
– 病気の進行具合を把握する
対象疾患例 – 網膜色素変性症
– 加齢黄斑変性症

ERG検査でわかること

ERG検査でわかること

– ERG検査でわかること

ERG検査は、目に光を当てたときに網膜に生じる電気信号を捉え、その活動を波形で記録する検査です。この検査では、波形の形や大きさ、現れるまでの時間などを詳しく分析することで、網膜の様々な機能を評価することができます。

例えば、波形の高さが低い場合は、網膜の細胞が光に対して十分な反応を示していない可能性があり、網膜の機能低下が疑われます。これは、網膜色素変性症などの病気の初期症状を捉える上で重要な指標となります。

また、波形が現れるまでの時間が遅くなっている場合は、網膜から脳へ視覚情報を伝える神経経路に何らかの障害が発生している可能性を示唆します。これは、視神経炎や視神経萎縮などの病気が疑われる際に重要な手がかりとなります。

ERG検査で得られたこれらの情報は、病気の早期発見や診断、治療効果の判定に大きく役立ちます。さらに、網膜のどの部分が、どのように障害されているのかを詳しく知ることで、適切な治療法の選択にも繋がります。

項目 詳細 示唆する可能性
波形の高さ 低い場合は、網膜の細胞が光に対して十分な反応を示していない可能性 網膜の機能低下、網膜色素変性症などの病気の初期症状
波形が現れるまでの時間 遅くなっている場合は、網膜から脳へ視覚情報を伝える神経経路に何らかの障害が発生している可能性 視神経炎や視神経萎縮などの病気

ERG検査の安全性

ERG検査の安全性

– ERG検査の安全性についてERG検査は、網膜の機能を調べる検査方法で、多くの場合において安全に実施できると考えられています。

検査では、瞳孔を開くために点眼薬を使用します。この薬の影響で、検査後しばらくの間は、光をまぶしく感じたり、視界がぼやけたりすることがあります。これらの症状は一時的なもので、時間の経過とともに自然に回復していきます。

検査では、角膜と呼ばれる眼球の表面に電極を装着します。この電極により、網膜の活動を記録します。ごくまれに、電極を装着した部分に軽い痛みやかゆみを感じる方がいらっしゃいますが、これらの症状も一時的なものであり、通常は時間の経過とともに消失します。

ERG検査を受ける際には、事前に医師から検査内容や注意点についてしっかりと説明を受けるようにしましょう。検査に関する不安や疑問点があれば、遠慮なく医師に相談してください。

検査項目 安全性 副作用 備考
ERG検査 安全な検査だと考えられています。
  • 光をまぶしく感じる
  • 視界がぼやける
  • 電極装着部位の痛みやかゆみ
  • 副作用は一時的なもので、時間の経過とともに回復します。
  • 検査前に医師から説明を受け、不安や疑問があれば相談しましょう。

まとめ

まとめ

眼の奥にある網膜は、カメラでいうとフィルムの役割を果たす重要な組織です。網膜には、光を感じ取る視細胞が存在し、視細胞が受け取った光の信号は、電気信号に変換されて脳に伝えられることで、私たちはものを見ることができるのです。

網膜電位図検査(ERG検査)は、この網膜の働きを調べる検査です。視細胞に光を当てたときの電気信号を測定することで、網膜が正常に機能しているかを客観的に評価することができます。

ERG検査は、網膜色素変性症や糖尿病網膜症、網膜剥離など、様々な網膜疾患の診断に役立ちます。また、治療の効果判定や病気の進行状況を把握するためにも重要な検査です。

ERG検査は、痛みや不快感を伴わない安全な検査です。検査時間も比較的短く、特別な準備も必要ありません。目の健康が気になる方や、網膜疾患が疑われる方は、眼科医に相談し、ERG検査を受けることを検討してみてください。

項目 内容
網膜の役割 カメラのフィルムに相当し、光を感じる視細胞が存在する。視細胞が光を受け取ると電気信号に変換され、脳に伝わることで視覚が得られる。
網膜電位図検査(ERG検査)とは 網膜の働きを調べる検査。視細胞に光を当てたときの電気信号を測定し、網膜が正常に機能しているかを客観的に評価する。
ERG検査の目的 – 網膜疾患(網膜色素変性症、糖尿病網膜症、網膜剥離など)の診断
– 治療効果の判定
– 病気の進行状況の把握
ERG検査の特徴 痛みや不快感を伴わない安全な検査。検査時間も比較的短く、特別な準備も必要ない。