強度近視とは?

強度近視とは?

眼のことを教えて

先生、「最強度近視」って、どのくらい目が悪い状態なんですか?

眼の研究家

良い質問だね。「最強度近視」は、近視の中でも特に度合いが強い状態を指すんだ。具体的には、-10.25D以上の近視のことを言うんだよ。

眼のことを教えて

-10.25D以上って、どれくらい見えにくいんですか?

眼の研究家

「最強度近視」の人は、裸眼だと視力が0.02未満になってしまうんだ。これは、目の前にいる人もぼやけてしまうくらい、視力が低い状態なんだよ。

最強度近視とは。

「最強度近視」は、視力がとても悪い近視の状態を指す言葉です。 具体的には、視力を測る単位で「-10.25D」以上の度数の場合で、メガネやコンタクトレンズを使わずに見る力は0.02よりも弱いです。

強度近視の定義

強度近視の定義

目は私たちが外界を見るための重要な器官であり、その機能が損なわれると日常生活に大きな影響が出ます。ものを見るときに、遠くのものも近くの物もはっきりと認識できるのが正常な状態ですが、遠くのものを見るときに焦点が網膜の手前で合ってしまう状態を近視といいます。そして、近視の中でも特に度合いが強く、日常生活に支障が出るレベルのものを強度近視と呼びます。

では、強度近視はどのように定義されているのでしょうか?それは、眼科で視力を測る際に用いられるレンズの度数を表す単位であるジオプターという値を用いて判断されます。ジオプターはレンズの屈折力を表し、数値が大きければ大きいほど、近視の度合いは強いことを示します。一般的には、-10.25ジオプター以上で、矯正視力が0.02未満の場合に強度近視と診断されます。

強度近視は、単に見えにくいだけでなく、網膜剥離や黄斑変性症などの深刻な眼疾患のリスクを高める可能性も孕んでいます。そのため、強度近視と診断された場合は、医師の指示に従い、適切な治療や生活習慣の改善に取り組むことが重要です。

項目 説明
近視 遠くのものを見るときに焦点が網膜の手前で合ってしまう状態
強度近視 近視の中でも特に度合いが強く、日常生活に支障が出るレベルのもの。
-10.25ジオプター以上で、矯正視力が0.02未満の場合。
強度近視のリスク 網膜剥離や黄斑変性症などの深刻な眼疾患のリスクを高める可能性

強度近視の原因

強度近視の原因

目はものを映し出すカメラのような役割を果たしており、カメラのレンズに当たる水晶体と、フィルムに当たる網膜によって外界の景色を見ています。遠くのものを見るときは、水晶体の厚さを薄くすることで網膜にピントを合わせていますが、近くのものを見るときは水晶体を厚くすることでピントを合わせています。
強度近視は、この水晶体の厚さを調節する機能がうまく働かず、網膜よりも奥にピントが合ってしまい、遠くのものがぼやけて見える状態です。
強度近視の原因は、生まれつきの体質や生活環境など、様々な要因が考えられています。
両親が強度近視の場合、子供も強度近視になりやすいことが知られており、遺伝的な要素が大きく関わっていると考えられています。また、近年では、遺伝子の研究が進み、強度近視に関連する特定の遺伝子も発見されています。これらの遺伝子に変異があると、強度近視のリスクが高まる可能性も指摘されています。
生活環境の面では、長時間の本やスマートフォンなどの使用により、目に負担がかかり続けることで強度近視が進行してしまうケースも少なくありません。特に、成長期における長時間の近業は、眼球の成長にも影響を及ぼし、強度近視のリスクを高めると言われています。

項目 詳細
目の仕組み – 水晶体(レンズ)と網膜(フィルム)で外界を映し出す
– 水晶体の厚さを調節してピントを合わせる
強度近視 – 水晶体の調節機能がうまく働かず、網膜より奥にピントが合う
– 遠くのものがぼやけて見える
強度近視の原因 – 遺伝的要因:両親が強度近視だと子供もなりやすい、特定の遺伝子変異との関連
– 環境要因:長時間の本・スマホ使用による眼への負担
生活環境の影響 – 特に成長期の近業は眼球の成長に影響し、強度近視リスクを高める

強度近視の症状

強度近視の症状

強度近視は、単に遠くのものが見えにくいだけでなく、日常生活に様々な影響を及ぼす可能性があります。最も一般的な症状は視力低下です。遠くの景色はもちろん、看板の文字や信号の色なども判別しづらくなります。さらに、近くのものを見ようとしてもピントが合わせづらく、かすんで見えたり、物が二重に見えたりすることもあります。
また、強度近視の人は、眼に負担がかかりやすいため、眼精疲労を感じやすくなります。これは、長時間読書やパソコン作業をした後などに、眼の痛みや疲れ、頭痛、肩こりなどを引き起こすことがあります。
さらに注意が必要なのは、強度近視が網膜剥離や緑内障、黄斑変性症といった深刻な眼疾患のリスクを高めることです。網膜剥離は、視界に黒い影が現れたり、光が走ったりするなどの症状が現れ、放置すると失明の可能性もあります。緑内障は、視野が狭くなる病気で、末期になるまで自覚症状が出にくいことが特徴です。黄斑変性症は、網膜の中心部である黄斑に異常が起こることで、視力が低下する病気です。
強度近視は、これらの眼疾患のリスク因子となるため、定期的な眼科検診を受け、早期発見・早期治療に努めることが大切です。

症状・影響 詳細
視力低下 遠くのものだけでなく、近くのものがかすんで見えたり、二重に見えたりすることもあります。
眼精疲労 眼の痛みや疲れ、頭痛、肩こりなどを引き起こします。
網膜剥離 視界に黒い影が現れたり、光が走ったりするなどの症状が現れ、放置すると失明の可能性もあります。
緑内障 視野が狭くなる病気で、末期になるまで自覚症状が出にくいことが特徴です。
黄斑変性症 網膜の中心部である黄斑に異常が起こることで、視力が低下する病気です。

強度近視の治療法

強度近視の治療法

視力が悪く遠くが見えにくい状態を近視といいますが、その度合いが強いものを強度近視と呼びます。強度近視の場合、視力矯正が必須となりますが、そのための方法として、一般的には眼鏡やコンタクトレンズが用いられます。眼鏡やコンタクトレンズは、レンズの屈折力によって光を屈折させ、網膜に正しく焦点を合わせることで視力を矯正するという仕組みです。
しかし、強度近視の場合、眼鏡やコンタクトレンズで視力矯正を行っても、十分な視力が得られないことがあります。また、眼鏡やコンタクトレンズは、あくまでも視力矯正を目的としたものであり、近視の進行を抑制する効果はありません
そこで近年注目されているのが、オルソケラトロジーレンズやアトロピン点眼薬を用いた治療法です。オルソケラトロジーレンズは、睡眠中に装着することで角膜の形状を変化させ、日中の裸眼視力を向上させる特殊なコンタクトレンズです。また、アトロピン点眼薬は、瞳孔を開く作用と毛様体筋の緊張を和らげる作用があり、近視の進行を抑制する効果が期待されています。
ただし、これらの治療法は、すべての人に効果があるわけではなく、場合によっては副作用が現れる可能性もあります。そのため、治療を受ける際には、必ず眼科医に相談し、自身の症状や体質に合った治療法を選択するようにしましょう。

分類 方法 効果 備考
一般的な視力矯正方法 眼鏡 レンズの屈折で網膜に焦点を合わせ、視力を矯正 ・視力矯正が目的
・近視の進行を抑制する効果はない
コンタクトレンズ
近視治療 オルソケラトロジーレンズ 睡眠中に装着し、角膜形状を変化させ日中裸眼視力向上
アトロピン点眼薬 瞳孔を開き、毛様体筋緊張を和らげ近視進行抑制

強度近視の予防

強度近視の予防

現代社会において、スマートフォンやパソコン、ゲーム機の普及に伴い、幼い頃から目に負担をかける機会が増えています。その結果、近視になる子どもが増加しており、深刻な問題となっています。
近視は、眼軸が伸びてしまうことで、網膜に光が正しく届かなくなることで起こります。そして、近視が強く進行した状態を強度近視と呼びます。強度近視は、放置すると網膜剥離や黄斑変性症などの深刻な目の病気を引き起こし、視力低下や失明のリスクを高める可能性があります。
強度近視を完全に防ぐことは難しいですが、日々の生活習慣を改善することで、近視の進行を遅らせることは可能です。特に、読書や勉強、ゲームなど、近くのものを見続ける作業をする場合は、30分に一度は10分ほど目を休ませることが大切です。また、部屋の照明を明るくしたり、正しい姿勢を保つことも効果的です。
さらに、スマートフォンやタブレット端末の使用時間を減らし、屋外で遊ぶ時間を増やすことも重要です。太陽の光を浴びることで、網膜を刺激し、近視の進行を抑える効果が期待できます。
特に、幼児期からの視力ケアは非常に重要です。幼い頃から目を大切にする習慣を身につけることで、将来の目の健康を守ることができます。定期的な眼科検診を受け、医師の指導に従うようにしましょう。

現代社会における子どもの視力問題 対策
スマートフォンやパソコン、ゲーム機の普及により、子どもたちの目は負担増加しており、近視の子どもが増加している。
  • 30分に一度は10分ほど目を休ませる
  • 部屋の照明を明るくする
  • 正しい姿勢を保つ
  • スマートフォンやタブレット端末の使用時間を減らし、屋外で遊ぶ時間を増やす
強度近視は、網膜剥離や黄斑変性症などの深刻な目の病気を引き起こし、視力低下や失明のリスクを高める。
  • 幼児期からの視力ケアが重要
  • 定期的な眼科検診