虹彩切開術：眼圧を下げる手術

虹彩切開術：眼圧を下げる手術

虹彩切開術とは？

– 虹彩切開術とは？虹彩切開術は、眼球内にある「虹彩」という部分に、ごく小さな穴を開ける手術です。 虹彩は、瞳孔の大きさを調整する役割を担っており、私たちが外界の光をどの程度眼球に取り込むかを調整しています。また、虹彩は、その人の瞳の色、例えば茶色や青色など、目の色を決める部分でもあります。この虹彩に、レーザーなどを用いて小さな穴を開けることで、眼球内の房水と呼ばれる液体の流れを改善し、眼圧を下げる効果が期待できます。 虹彩切開術は、主に緑内障の治療法の一つとして行われます。 緑内障は、眼圧の上昇によって視神経が圧迫され、視野が狭くなったり、視力が低下したりする病気です。 虹彩切開術は、比較的安全性が高い手術とされていますが、まれに出血や感染症、眼圧の上昇などの合併症が起こる可能性もあります。 手術を受けるかどうかは、眼科医とよく相談し、ご自身の症状やリスク、 benefitなどを考慮した上で判断する必要があります。

手術の目的と効果

私たちの目は、カメラのレンズのように、常に一定の形を保つことで、はっきりと物を見ることができます。この形を維持し、目の組織に栄養を届けるために、「房水」と呼ばれる水が、常に目の中を循環しています。

この房水の排水が何らかの原因で滞ると、目の中の圧力（眼圧）が高くなってしまいます。この状態が続くと、まるで風船が膨らみすぎているように、目に負担がかかり、視神経が圧迫されてしまいます。視神経は、目で受け取った光の情報を脳に伝える役割を担っているので、傷ついてしまうと、視野が狭くなったり、視力が低下したりする緑内障という病気を引き起こす可能性があります。

虹彩切開術は、この房水の出口を新たに作ることで、スムーズな流れを促し、眼圧を正常な範囲に保つことを目的とした手術です。緑内障の治療や予防に効果があり、点眼薬だけでは眼圧が十分に下がらない場合や、点眼薬の使用が難しい場合などに検討されます。

閉塞隅角緑内障への効果

緑内障は、視神経が障害されることで視野が狭くなる病気です。緑内障の中でも、「閉塞隅角緑内障」というタイプに特に効果的な治療法があります。それは、「虹彩切開術」という手術です。閉塞隅角緑内障は、眼の中の水晶体と虹彩と呼ばれる部分が、加齢などの原因によって本来よりも近づいてしまうことで起こります。このことにより、眼の中の液体である房水の出口が塞がれてしまい、眼圧が上昇し、視神経を圧迫してしまうのです。虹彩切開術では、この虹彩に小さな穴を開けることで、房水の出口を確保します。その結果、眼圧を下げ、視神経への圧迫を軽減することが期待できます。この手術は、比較的簡単に行うことができ、合併症も少ないという利点があります。ただし、すべての閉塞隅角緑内障の患者さんに適応となるわけではありませんので、眼科専門医による診察と診断が必要です。もし、緑内障が疑われる場合には、早めに眼科を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。

その他の眼科手術との関連

虹彩切開術は、緑内障の治療以外にも、他の眼科手術と組み合わせて行われることがあります。
例えば、眼の中にレンズを入れる手術や、近視を矯正する手術の中には、術後に眼圧が上昇するリスクがあります。
眼圧が上がると、視神経に負担がかかり、最悪の場合、失明してしまう可能性もあります。
そこで、このような手術を受ける患者さんに対して、眼圧の上昇を抑えるために虹彩切開術を同時に行うことがあります。
虹彩切開術を行うことで、眼の中の房水の流れをスムーズにし、眼圧を適切な状態に保つことが期待できます。
つまり、虹彩切開術は、他の手術のリスクを軽減し、より安全に手術を行うために役立っていると言えるでしょう。

手術後の注意点

– 手術後の注意点虹彩切開術は、比較的安全に行える手術ではありますが、術後しばらくの間は、眼の圧力変化や炎症が起こりやすいため注意が必要です。
目に異常を感じなくても、医師の指示に従って定期的に検査を受け、処方された目薬をきちんと点眼することが大切です。

手術後は、眼にかかる負担をできる限り減らすように心がけましょう。
激しい運動や長時間の本やスマホの閲覧などは、眼に負担をかけるため、しばらくの間は控えるようにしてください。

また、手術後しばらくは、眼を強くこすったり、押したりする行為は控えてください。
目に痛みや違和感、視界の異常を感じた場合は、我慢せずにすぐに医師に相談しましょう。

医師の指示を守り、適切なケアを続けることで、合併症のリスクを減らし、スムーズな回復を目指しましょう。