ファインビジョントーリック:乱視も老眼も矯正

ファインビジョントーリック:乱視も老眼も矯正

眼のことを教えて

先生、「ファインビジョントーリック」って、どんなものですか?

眼の研究家

良い質問だね。「ファインビジョントーリック」は、目の手術に使うレンズの一種だよ。遠くも近くも見えるようにするレンズなんだ。

眼のことを教えて

へえー。どんな人が使うんですか?

眼の研究家

乱視があって、遠くも近くも見づらい人に使われることが多いんだよ。このレンズを使うことで、眼鏡やコンタクトレンズに頼らず生活できるようになる可能性があるんだ。

ファインビジョントーリックとは。

「ファインビジョントーリック」は、眼に使われる言葉の一つで、複数の場所に焦点を合わせることができる眼内レンズの一種です。これは、ファインビジョンという眼内レンズの乱視に対応したレンズです。ベルギーのフィジオール社が製造しており、遠く、中間、近くの三箇所に焦点を合わせることができるレンズです。

多焦点眼内レンズとは

多焦点眼内レンズとは

– 多焦点眼内レンズとは白内障の手術では、濁ってしまった水晶体を取り除き、代わりに人工のレンズである眼内レンズを挿入します。この眼内レンズには、大きく分けて単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの二つの種類があります。単焦点眼内レンズは、その名の通り、一点にのみ焦点が合うように設計されています。そのため、遠くのものにピントを合わせた場合は、近くを見る時には老眼鏡が必要になります。逆に、近くのものにピントを合わせた場合は、遠くを見る時に眼鏡が必要になります。一方、多焦点眼内レンズは、レンズの中に複数の焦点を持つ特殊な構造をしています。そのため、遠く、中間、近くの異なる距離にピントを合わせることが可能です。つまり、多焦点眼内レンズを挿入することで、眼鏡への依存度を大幅に減らし、日常生活をより快適に送ることができる可能性があります。ただし、多焦点眼内レンズは、単焦点眼内レンズに比べて、光が分散しやすく、見え方に慣れるまで時間がかかる場合や、ハロー・グレアといった現象が起こりやすいなどの特徴があります。最適な眼内レンズの選択には、患者様一人ひとりの目の状態やライフスタイルなどを考慮する必要がありますので、医師とよく相談することが重要です。

眼内レンズの種類 特徴 メリット デメリット
単焦点眼内レンズ 一点にのみ焦点が合う 遠近どちらかで見え方に応じて眼鏡が必要
多焦点眼内レンズ レンズの中に複数の焦点を持つ構造
遠く、中間、近くの異なる距離にピントを合わせることが可能
眼鏡への依存度が減る
日常生活をより快適に送ることができる可能性がある
光が分散しやすく、見え方に慣れるまで時間がかかる場合がある
ハロー・グレアといった現象が起こりやすい

ファインビジョントーリックの特徴

ファインビジョントーリックの特徴

ファインビジョントーリックは、ベルギーのフィジオール社によって開発された多焦点眼内レンズです。眼内レンズとは、眼の中の水晶体という部分の代わりに、外科手術によって埋め込む人工レンズのことです。
このレンズは、遠くを見る時、中間距離を見る時、そして近くを見る時、それぞれの距離に合わせて焦点を変えることができるため、三重焦点眼内レンズと呼ばれています。
従来の多焦点眼内レンズでは、乱視と呼ばれる、ものが歪んで見える症状を矯正することができませんでした。そのため、乱視のある方は、多焦点眼内レンズを挿入した後も、眼鏡やコンタクトレンズを使用する必要がありました。
しかし、ファインビジョントーリックは、乱視矯正機能も備えているため、乱視のある方でも、このレンズを挿入することで、眼鏡やコンタクトレンズを使用せずに、はっきりとものを見ることができるようになる可能性があります。つまり、ファインビジョントーリックは、1つのレンズで老眼と乱視の両方を矯正することができる画期的な眼内レンズと言えるでしょう。

特徴 説明
レンズの種類 多焦点眼内レンズ
(三重焦点眼内レンズ)
開発元 フィジオール社(ベルギー)
機能 ・遠近両用
・乱視矯正
利点 老眼と乱視を1つのレンズで矯正できる可能性がある

優れた光利用率

優れた光利用率

ファインビジョントーリックは、独自の光学設計により、光を効率的に利用し、クリアで鮮明な視界を提供します。従来の乱視用コンタクトレンズでは、レンズを通過する光の一部が散乱してしまうため、光が有効に活用されていませんでした。しかし、ファインビジョントーリックは、レンズ素材の改良とレンズ形状の最適化により、光を無駄なく網膜に集めることを実現しました。

高い光利用率は、様々な明るさの環境下で、より鮮明でクリアな視界を実現します。日中の明るい場所はもちろんのこと、夜間や薄暗い場所でも、従来のレンズよりも高い視認性を発揮します。例えば、信号や標識、対向車のライトなども、よりくっきりと認識できるため、夜間の運転も安心です。ファインビジョントーリックは、日々の生活を快適に過ごすために、クリアで鮮明な視界を提供します。

特徴 説明 メリット
独自の光学設計 光を効率的に利用 クリアで鮮明な視界
レンズ素材の改良とレンズ形状の最適化 光を無駄なく網膜に集める 高い光利用率
様々な明るさの環境下での視認性向上

自然な見え方

自然な見え方

– 自然な見え方私たちが普段見ている景色は、脳が両目から送られてくる情報を処理して奥行きや立体感を加えることで成り立っています。しかし、白内障などの理由で眼内に濁りが生じると、光が正しく通過できなくなり、視界がかすんでしまいます。白内障手術では濁った水晶体を取り除き、代わりに人工レンズである眼内レンズを挿入します。この眼内レンズには、焦点が一つだけの単焦点レンズと、遠近など複数の焦点を持つ多焦点レンズがあります。単焦点レンズは遠くか近くのどちらかに焦点を合わせることができ、多焦点レンズは遠近両方に焦点を合わせることができます。ファインビジョントーリックは、遠近両方に焦点が合う多焦点眼内レンズでありながら、従来の多焦点眼内レンズで課題となっていた光の輪やぼやけといった現象を抑制する設計がされています。これは、レンズの構造を工夫することで、光が眼内に入る際に生じる光の散乱を抑え、より多くの光を網膜に届けることができるためです。その結果、ファインビジョントーリックは、遠くも近くもより鮮明に見え、夜間や暗い場所でも快適な視界を実現します。自然な見え方を追求することで、患者さんの生活の質向上に貢献します。

レンズの種類 特徴 メリット デメリット
単焦点レンズ 一点にのみ焦点が合う – 手術費用が安い
– 光の輪やぼやけが少ない
– 遠くか近くのどちらかにしかピントが合わない
多焦点レンズ 複数の焦点を持つ – 遠近両方にピントを合わせることができる – 光の輪やぼやけが生じることがある
– 手術費用が高い
ファインビジョントーリック 遠近両方に焦点が合う多焦点眼内レンズ – 遠近両方にピントが合う
– 光の輪やぼやけを抑制
– 夜間や暗い場所でも見やすい
– 手術費用が高い

手術と適応

手術と適応

眼内レンズを用いた濁った水晶体の置き換え手術は、現在広く行われている一般的な手術です。ファインビジョントーリックと呼ばれる眼内レンズを用いた手術も、基本的な流れは従来の手術と変わりません。

まず、手術を受ける方の負担を軽減するために、点眼薬を使用して目を麻痺させます。そして、眼の表面に非常に小さな切開を加えます。そこから、特殊な器具を用いて濁ってしまった水晶体を取り除き、ファインビジョントーリックを挿入します。その後、切開部を縫合しますが、ごく小さな切開のため、通常は自然に閉じていきます。

手術にかかる時間は、およそ30分程度と比較的短時間で、日帰りでの手術も可能です。ただし、ファインビジョントーリックによる治療は、すべての方に適応されるわけではありません。患者様それぞれの目の状態、年齢、生活習慣などを総合的に判断した上で、医師が治療の可否を判断します。

老眼や乱視といった目の症状でお悩みの方は、自己判断せずに、まずは眼科を受診し、医師に相談することをおすすめします。

手術 詳細
手術名 眼内レンズを用いた濁った水晶体の置き換え手術
(ファインビジョントーリック)
効果 濁った水晶体を眼内レンズに置き換え、視力回復を目指す
手術の流れ 1. 点眼麻酔
2. 眼の表面に小さな切開
3.濁った水晶体を取り出し、眼内レンズを挿入
4. 切開部の縫合(多くの場合、自然に閉鎖)
手術時間 約30分程度
入院 日帰り手術可能
その他 – 全ての方に適応されるわけではない
– 医師が目の状態、年齢、生活習慣などを総合的に判断し、治療の可否を決定