目の手術ガイドライン:安全のための最新情報

目の手術ガイドライン:安全のための最新情報

眼のことを教えて

先生、「屈折矯正手術ガイドライン」って、よく聞くんですけど、どんなものなんですか?

眼の研究家

そうだね。「屈折矯正手術ガイドライン」は、視力回復手術の安全と適切な実施のために、日本眼科学会が作ったものなんだ。手術の方法や患者さんの適応など、大切なことが細かく書かれているんだよ。

眼のことを教えて

へえー、そんなに重要なものなんですね!どんな手術にも関係あるんですか?

眼の研究家

レーシックやICLなど、視力回復手術は全てこのガイドラインに沿っておこなわれるんだよ。そして、医療技術の進歩に合わせて、ガイドラインも更新されていくんだ。2019年には最新の第7版が出たんだね。

屈折矯正手術ガイドラインとは。

「目の手術ガイドライン」は、日本の眼科の学会が決めた、視力回復手術のやり方の決まりごとです。レンズを入れる手術、レーシック、ピーアールケーなど、視力回復手術は全てこの決まりごとを守って行われています。そして、2019年2月には、最新の7回目の変更版が出されました。

屈折矯正手術とガイドライン

屈折矯正手術とガイドライン

屈折矯正手術は、近視、乱視、遠視といった視力の問題を手術によって治療する方法です。近年、レーザー技術の進歩により、安全性と効果が以前より高まり、眼鏡やコンタクトレンズに頼らない生活を望む多くの人にとって、魅力的な選択肢となっています。

この手術は、角膜にレーザーを照射して形を変えることで、光の屈折を調整し、網膜に正しく焦点を合わせるように設計されています。レーシック、PRK、ICLなど、様々な術式があり、それぞれに利点と欠点があります。

しかし、どんな手術にもリスクはつきものです。術後の感染症や視力の問題、あるいは、ごく稀ではありますが、視力低下などの深刻な合併症が起こる可能性もゼロではありません。

そのため、日本眼科学会は、「屈折矯正手術ガイドライン」を策定し、医療機関や医師に対して、手術前の適切な検査や患者への十分な説明、安全な手術の実施などを求めています。

患者自身も、手術を受けるかどうかを決める前に、メリットだけでなくリスクや合併症についても理解しておくことが大切です。信頼できる医療機関を選び、医師とよく相談し、納得した上で手術を受けるようにしましょう。

項目 内容
定義 近視、乱視、遠視といった視力の問題を手術によって治療する方法
メリット 眼鏡やコンタクトレンズに頼らない生活が可能になる
手術方法 角膜にレーザーを照射して形を変えることで、光の屈折を調整し、網膜に正しく焦点を合わせる
術式の種類 レーシック、PRK、ICLなど(それぞれ利点と欠点あり)
リスク・合併症 術後の感染症、視力の問題、視力低下など
日本眼科学会の対応 「屈折矯正手術ガイドライン」を策定し、医療機関や医師に対して、手術前の適切な検査や患者への十分な説明、安全な手術の実施などを求めている
患者へのアドバイス メリットだけでなくリスクや合併症についても理解し、信頼できる医療機関を選び、医師とよく相談し、納得した上で手術を受ける

ガイドラインの内容と改訂

ガイドラインの内容と改訂

このガイドラインは、視力回復手術を受ける患者さんにとって安全で効果的な手術を提供することを目的として、医療従事者向けに作成されています。
具体的には、手術前の検査から始まり、手術中の手順、術後のケアに至るまで、屈折矯正手術に関わる全ての側面を網羅しています。

ガイドラインでは、患者さん一人ひとりの目の状態、例えば近視や乱視の程度、角膜の厚さなどを把握することの重要性を説いています。
さらに、患者さんの生活習慣や手術に対する希望も考慮し、それぞれに最適な手術方法を決定する必要があることを強調しています。
例えば、患者さんが激しい運動をする場合や、極端に乾燥した環境にいることが多い場合は、手術方法の選択に影響を与える可能性があります。

また、手術前に医師は、患者さんに対して手術に伴うリスクや合併症の可能性について、十分に説明し、理解と同意を得ることが不可欠です。
手術は、万全の体制で臨むために、清潔で安全な手術環境を整備することが求められます。

医療技術は常に進歩しているため、このガイドラインも、最新の医学的知見や技術の進歩を反映して定期的に改訂されています。
2019年2月には、第7版が発行され、ICLなどの新しい手術方法に関する情報が追加されました。
さらに、術後の視力回復や合併症の発生状況などを長期的に観察し、患者さんの健康状態を継続的に把握することの重要性も追記されました。

項目 内容
目的 視力回復手術を受ける患者に対する安全で効果的な手術の提供
対象者 医療従事者
内容 – 手術前の検査
– 手術中の手順
– 術後のケア
– 患者ごとの目の状態、生活習慣、手術への希望を考慮した最適な手術方法の決定
– 手術のリスクと合併症に関する十分な説明と同意
– 清潔で安全な手術環境の整備
– 最新の医学的知見や技術の進歩を反映した定期的な改訂
改訂履歴 – 第7版 (2019年2月発行): ICLなどの新しい手術方法に関する情報追加、術後の長期的な観察の重要性追記

対象となる手術

対象となる手術

– 対象となる手術

このガイドラインは、広く行われている視力矯正手術の多くを網羅しています。
代表的なものとして、レーザーを用いて角膜の形状を変化させる手術と、眼内にレンズを挿入する手術が挙げられます。

レーザーを用いる手術には、LASIKとPRKがあります。
LASIKは、まず角膜に薄いフラップ(蓋)を作り、フラップをめくった上でレーザーを照射して角膜の形状を矯正します。
その後、フラップを元の位置に戻します。
一方、PRKは角膜の表面を直接レーザーで削り、形状を矯正する方法です。

眼内にレンズを挿入する手術は、ICL(有水晶体眼内レンズ挿入術)と呼ばれます。
この手術では、角膜を削ることなく、眼の中の水晶体と虹彩の間にレンズを挿入します。

それぞれの方法には、効果や安全性、術後の見え方、費用などが異なります。
例えば、LASIKは術後の回復が早く、視力回復も比較的早い一方、角膜が薄い場合には適応できないことがあります。
PRKは角膜が薄い場合でも適応できる可能性がありますが、LASIKに比べて術後の痛みや視力回復に時間がかかることがあります。
ICLは角膜に手を加えないため、角膜が薄い方や強度近視の方にも適応できる可能性がありますが、眼内に異物を入れるという点で、他の手術とは異なるリスクや合併症の可能性も考慮する必要があります。

どの手術が最適かは、患者様の目の状態やライフスタイル、希望などを総合的に判断して、眼科医と相談の上で決定します。

手術方法 概要 メリット デメリット
LASIK 角膜にフラップを作成し、レーザーで角膜の形状を矯正 術後の回復が早く、視力回復も早い 角膜が薄い場合は適応できないことがある
PRK 角膜の表面を直接レーザーで削り、形状を矯正 角膜が薄い場合でも適応できる可能性がある LASIKに比べて術後の痛みや視力回復に時間がかかることがある
ICL (有水晶体眼内レンズ挿入術) 角膜を削ることなく、眼の中の水晶体と虹彩の間にレンズを挿入 角膜が薄い方や強度近視の方にも適応できる可能性がある 眼内に異物を入れるため、他の手術とは異なるリスクや合併症の可能性がある

患者さんの安全のために

患者さんの安全のために

眼鏡やコンタクトレンズに頼ることなく、良好な視力を手に入れられる可能性を秘めている屈折矯正手術。しかし、手術には必ずリスクが伴うことを忘れてはなりません。患者さんが安心して手術を受け、その恩恵を最大限に享受するためには、医療現場における安全性の確保が何よりも重要です。

安全な屈折矯正手術を実現するには、日本眼科学会が定めるガイドラインに沿った適切な手術の実施が不可欠です。ガイドラインには、手術前の検査や手術方法、術後のケアなど、患者さんの安全を守るための基準が細かく定められています。医療機関はこれらの基準を遵守し、常に向上心を持って患者さんに最善の医療を提供するよう努めなければなりません。

一方、患者さん自身も積極的に行動を起こすことが大切です。手術を受ける医療機関が、日本眼科学会のガイドラインを遵守しているか、十分な説明を行っているかなどを事前に確認しましょう。気になることや不安なことがあれば、遠慮なく医師に相談し、納得した上で手術を受けることが重要です。

日本眼科学会は、患者さんが安心して屈折矯正手術を受けられるよう、ガイドラインの周知や啓発活動に積極的に取り組んでいます。患者さんと医療従事者が協力し、安全で効果的な医療を実現していくことが、目の健康を守ることに繋がります。

立場 安全な屈折矯正手術のために
医療現場
  • 日本眼科学会が定めるガイドラインに沿った適切な手術の実施
  • ガイドラインに準拠した、手術前の検査、手術方法、術後のケア
  • 常に向上心を持って患者さんに最善の医療を提供する
患者
  • 手術を受ける医療機関が、日本眼科学会のガイドラインを遵守しているか、十分な説明を行っているかなどを事前に確認する
  • 気になることや不安なことがあれば、遠慮なく医師に相談し、納得した上で手術を受ける
日本眼科学会
  • 患者さんが安心して屈折矯正手術を受けられるよう、ガイドラインの周知や啓発活動に積極的に取り組む