視野が狭くなる病気?視野沈下について解説
眼のことを教えて
先生、『視野沈下』ってどういう意味ですか? 周辺視野が狭くなるんですよね?
眼の研究家
いい質問ですね。視野沈下は、周辺視野が狭くなる視野狭窄と似ていますが、少し違います。 最大限見える範囲は正常なのに、特定の明るさや大きさのものが見えにくくなる状態を指します。
眼のことを教えて
うーん、まだよくわからないです…。 例えばどんな時に起こるんですか?
眼の研究家
緑内障の初期に見られることが多いですね。視野全体が暗くなるのではなく、特定の条件で見えにくくなるのが特徴です。
視野沈下とは。
「視野沈下」っていう目の病気があるんだけど、これは視界の外側から見えなくなっていく病気なんだ。一番強い刺激ならちゃんと見える範囲は正常なのに、弱い刺激だと見える範囲が狭くなってしまう。視野の異常は、視野狭窄、視野沈下、暗点の三つに分けて考えるよ。
視野沈下とは?
– 視野が狭まる病気、視野沈下って?
視野沈下とは、見ているものの中心部分ははっきりと見えるのに、周りの部分が暗く見えにくくなってしまう病気です。例えるなら、ストローを覗き込んでいるような状態を想像してみてください。ストローの先は見えるけれど、周りの景色はよく見えませんよね?視野沈下もこれと同じように、視界の中心部は見えていても、周辺部分が欠けてしまっているように感じます。
視野が狭くなる病気としては、視野のほとんどが欠けてしまう視野欠損が広く知られていますが、視野沈下は視野欠損とは少し違います。視野欠損は、視界の一部または大部分が完全に失われてしまうのに対し、視野沈下は特定の範囲の視野が狭くなるのが特徴です。
視野沈下は緑内障などの目の病気によって引き起こされることがあります。緑内障は、眼圧と呼ばれる目の圧力のバランスが崩れることで視神経が傷つき、視力低下や視野異常を引き起こす病気です。初期の緑内障では自覚症状が現れにくいですが、病気が進行すると視野が狭まったり、欠けたりするなどの症状が現れます。
もし、視界の一部が見えにくい、暗く感じるなどの症状があれば、早めに眼科を受診して検査を受けるようにしましょう。
項目 | 説明 |
---|---|
視野沈下とは | 視界の中心部分は見えるが、周辺部分が暗く見えにくくなる病気 |
視野欠損との違い | 視野欠損は視界の一部が完全に失われるのに対し、視野沈下は特定の範囲の視野が狭くなる |
原因 | 緑内障などの目の病気によって引き起こされる |
緑内障とは | 眼圧のバランスが崩れることで視神経が傷つき、視力低下や視野異常を引き起こす病気 |
視野沈下の原因
私たちの視界は、まるでカメラのレンズを通して見ているように、ある一定の範囲が見えています。この見える範囲を視野と呼びますが、様々な病気によってこの視野が狭くなってしまうことを視野沈下と言います。視野沈下は、放置すると失明に繋がる可能性もあるため、原因となる病気を早期に発見し、適切な治療を受けることが非常に重要です。
視野沈下を引き起こす病気は数多く存在しますが、代表的なものとして緑内障、網膜色素変性症、視神経症、脳腫瘍などが挙げられます。
まず、緑内障は、眼球内の圧力(眼圧)が高くなることで視神経が圧迫され、視野が徐々に狭くなっていく病気です。初期には自覚症状が出にくい場合もありますが、進行すると視界の中心がぼやけたり、視野が欠けたりするなどの症状が現れます。
次に、網膜色素変性症は、光を感じる網膜という組織が徐々に萎縮していく病気で、夜盲や視野狭窄を引き起こします。初期症状として暗い場所で物が見えにくくなることが多く、進行すると視野が徐々に狭くなり、最終的には失明に至ることもあります。
また、視神経症は、視神経に炎症が起こることで視力低下や視野異常が生じる病気です。原因は様々で、ウイルス感染や自己免疫疾患などが考えられます。症状としては、視力低下、視野の真ん中が見えにくくなる、物がゆがんで見えるなどがあります。
最後に、脳腫瘍は、脳に腫瘍ができる病気ですが、腫瘍が視神経を圧迫することで視野沈下などの症状が現れることがあります。その他にも、頭痛、吐き気、嘔吐、麻痺などの症状が現れることもあります。
このように、視野沈下の原因は様々であり、それぞれの病気によって症状や進行度合いも異なります。そのため、少しでも視野の異常を感じたら、すぐに眼科を受診し、適切な検査を受けるようにしましょう。
病気名 | 原因 | 症状 |
---|---|---|
緑内障 | 眼圧の上昇による視神経の圧迫 | 視界の中心がぼやける、視野が欠ける |
網膜色素変性症 | 網膜の萎縮 | 夜盲、視野狭窄、失明 |
視神経症 | 視神経の炎症 | 視力低下、視野の真ん中が見えにくくなる、物がゆがんで見える |
脳腫瘍 | 脳腫瘍による視神経の圧迫 | 視野沈下、頭痛、吐き気、嘔吐、麻痺 |
視野沈下の症状
視野沈下とは、見える範囲が狭くなっていく状態を指します。初期の段階では自覚症状が現れにくく、視野が狭まっていることに気付かないケースも多いです。そのため、病状が進行するまで放置されてしまうことがあります。
視野沈下が進行すると、周囲の状況を把握することが困難になります。例えば、歩いている際に周りの人とぶつかりやすくなったり、段差につまずいて転倒するリスクが高まります。また、家の中でも家具にぶつかったり、扉の枠に頭をぶつけるといった危険性も考えられます。
日常生活においても、視野の狭まりは様々な場面で支障をきたします。車を運転する場合、周囲の車や歩行者を認識することが難しくなり、事故に繋がる可能性があります。スポーツにおいても、ボールや対戦相手の動きを捉えにくくなるため、安全にプレーすることが困難になります。さらに、読書やテレビ鑑賞など、視覚情報に頼る活動にも支障が出る場合があります。
このように、視野沈下は日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。早期発見・早期治療が重要となるため、少しでも異変を感じたら、眼科を受診するようにしましょう。
段階 | 症状 | 日常生活への影響 |
---|---|---|
初期 | 自覚症状が少ないため、視野が狭まっていることに気づかない場合が多い。 | – |
進行時 | – 周囲の状況把握が困難 – 歩行中に人とぶつかる、段差につまずく – 家具や扉にぶつかる |
– 車の運転:周囲の車や歩行者の認識が困難 – スポーツ:ボールや対戦相手の動きを捉えにくい – 読書やテレビ鑑賞:視覚情報に頼る活動に支障 |
視野沈下の診断
– 視野が狭くなる病気の診断についてものがぼやけて見える、視界の中に見えない部分があるなど、目の異常を感じたら、眼科を受診しましょう。眼科では、視界に異常がないか調べるために、視野検査を行います。視野検査とは、特別な機械を使って視界の広さを測定する検査です。検査を受ける人は、ドーム状の機械の中に入り、正面にある光を見つめます。そして、正面を見ながら、周辺に見える光の有無をボタンで答えることで、視界の範囲を測定します。視野検査では、視界の広さだけでなく、視界の中のどの部分が欠けているのか、どの程度欠けているのかを調べることができます。この検査結果は、緑内障などの目の病気を診断する上で、重要な情報となります。視野検査は、比較的簡単に行える検査です。検査時間は10分程度で、痛みもありません。目の異常を感じたら、早めに眼科を受診し、視野検査を受けるようにしましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
目的 | 視界に異常がないか調べる |
方法 | ドーム状の機械の中に入り、正面の光を見つめながら、周辺に見える光の有無をボタンで答える |
検査でわかること |
|
所要時間 | 約10分 |
その他 | 痛みなし |
視野沈下の治療法
– 視野沈下の治療法視野が狭くなる視野沈下は、その原因となる病気によって治療法が異なります。 緑内障が原因の場合は、眼の中の圧力(眼圧)を下げることで視野が悪くなるのを抑える治療を行います。 眼圧を下げる方法としては、主に点眼薬の使用や手術があります。網膜色素変性症は、網膜という光を感じる膜に異常が起こる病気で、現在のところ根本的な治療法は見つかっていません。 しかし、進行を遅らせるために、ビタミン剤を内服したり、網膜に電気的な刺激を与える治療などが行われています。視神経は、目から入った情報を脳に伝える神経ですが、視神経に炎症が起こる視神経症の場合には、炎症を抑えるためにステロイド薬を使用します。 ステロイド薬は、点滴で投与する場合と、内服薬として服用する場合があります。脳腫瘍が原因で視野が狭くなる場合は、腫瘍そのものを治療する必要があります。 治療法としては、腫瘍を手術で取り除く方法や、放射線を照射して腫瘍を小さくする方法などがあります。このように、視野沈下の治療法は原因となる病気によって大きく異なるため、まずは眼科を受診し、適切な検査を受けて原因を突き止めることが重要です。
原因となる病気 | 治療法 |
---|---|
緑内障 | 眼圧を下げる治療 ・点眼薬の使用 ・手術 |
網膜色素変性症 | 根本的な治療法なし ・進行を遅らせるためのビタミン剤内服 ・網膜への電気的な刺激 |
視神経症 | 炎症を抑える ・ステロイド薬の点滴 ・ステロイド薬の内服 |
脳腫瘍 | 腫瘍の治療 ・手術による腫瘍の除去 ・放射線照射による腫瘍の縮小 |
視野沈下と上手に付き合っていくために
視野沈下と上手に付き合っていくために
視野沈下とは、見える範囲が狭くなっていく病気です。まるで、筒の中をのぞいているように感じたり、視野の中心部は見えていても周辺が見えにくくなったりします。この病気は、緑内障や網膜色素変性症、脳の病気など、様々な原因で起こることがあります。視野が狭くなることで、日常生活で転倒や事故のリスクが高まるだけでなく、精神的なストレスを感じる方も少なくありません。
視野沈下と診断された場合は、まず医師から病気の説明や日常生活での注意点について詳しく聞くようにしましょう。日常生活では、周囲をよく確認してから歩く、明るい場所で活動する、段差に注意するなど、転倒や事故のリスクを減らすための工夫を心がけることが大切です。また、家の中を整理整頓し、家具の配置を工夫することで、より安全に過ごすことができます。見えにくい場所に反射材を貼るのも効果的です。
視野沈下は、病気の進行を遅らせるための治療法があります。そのためにも、定期的に眼科を受診し、医師の指示に従って治療を継続していくことが非常に重要です。視野沈下は、一人で抱え込まずに、医師や家族、周囲の人に相談しながら、上手に付き合っていくことが大切です。
視野沈下とは | 日常生活での注意点 | 治療とサポート |
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見える範囲が狭くなる病気。 原因:緑内障、網膜色素変性症、脳の病気など リスク:転倒、事故、精神的ストレス |
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