視力回復の鍵!エキシマレーザーとは?

視力回復の鍵!エキシマレーザーとは?

眼のことを教えて

先生、「エキシマレーザー」ってよく聞くんですけど、どういうものですか?

眼の研究家

いい質問だね。「エキシマレーザー」は、簡単に言うと、目のかたちを整えることができるレーザー光のことだよ。

眼のことを教えて

目のかたちを変えることができるんですか?

眼の研究家

そうだよ。レーシックやPTKといった手術で、「エキシマレーザー」を使って角膜を削ることで、視力を矯正することができるんだ。

エキシマレーザーとは。

「エキシマレーザー」は、目に使う医療機器の名前です。特別な種類のガスを使って、レーザー光線を出します。この光線は、国の機関から認められていて、目の手術、例えばレーシックやPTKなどに使われています。

エキシマレーザーの概要

エキシマレーザーの概要

エキシマレーザーは、視力矯正手術に用いられる特殊なレーザー装置です。このレーザーは、アルゴンなどの希ガスとフッ素などのハロゲンガスを混合した気体を利用して、目には見えない紫外線の一種であるエキシマレーザー光を発生させます。 エキシマレーザー光は、物質の表面に照射すると、その部分を熱の影響なく、ごくわずかな厚さだけ蒸発させるという性質を持っています。この性質を利用して、角膜の厚みを調整することで視力を矯正するのが、エキシマレーザーによる視力矯正手術です。従来の視力矯正手術では、メスを用いて角膜を切開していましたが、エキシマレーザーの登場により、切開を伴わない、より安全で正確な視力矯正が可能となりました。 さらに、エキシマレーザーは、コンピューター制御によって、照射するレーザー光の量や範囲を精密に調整することができます。そのため、患者さん一人ひとりの角膜の状態に合わせて、最適な治療を行うことが可能です。

項目 内容
装置名 エキシマレーザー
用途 視力矯正手術
原理 アルゴンなどの希ガスとフッ素などのハロゲンガスを混合した気体から発生するエキシマレーザー光を角膜に照射し、その表面を蒸発させることで角膜の厚みを調整する。
特徴 – 熱の影響を与えずに物質を蒸発
– コンピューター制御による精密な照射が可能
メリット – 切開を伴わないため、従来の手術より安全
– 正確な視力矯正が可能
– 患者ごとに最適な治療を提供可能

エキシマレーザーの安全性

エキシマレーザーの安全性

エキシマレーザーは、視力を矯正する手術に用いられる医療機器です。その安全性は世界各国の規制当局によって認められており、日本においても厚生労働省の承認を受けています。
エキシマレーザーが安全とされる理由は、その精密な照射範囲にあります。レーザー光は眼球の表面にある角膜だけに照射され、その深さもミクロン単位で厳密に制御されているため、眼球内部の組織に影響を及ぼす心配はありません。
手術時間も短く、痛みもほとんどありません。点眼麻酔を行うため、手術中の痛みはほとんど感じません。また、手術時間は片目で10分程度と短時間で終了するため、患者さんの身体的な負担も軽減されています。
このように、エキシマレーザーは安全性が高く、患者さんの負担も少ない視力矯正手術と言えるでしょう。

項目 内容
安全性 – 世界各国の規制当局、日本の厚生労働省の承認
– 角膜だけに照射、深さもミクロン単位で制御
– 眼球内部の組織への影響なし
手術時間 – 片目で約10分程度
痛み – 点眼麻酔を行うため、ほとんど痛みを感じない
その他 – 患者さんの身体的な負担が少ない

レーシック手術への応用

レーシック手術への応用

エキシマレーザーは、レーシック手術という視力矯正手術で欠かせない役割を担っています。レーシック手術は、近視や遠視、乱視といった屈折異常を矯正し、視力を向上させるための外科的手法です。

手術ではまず、角膜にフラップと呼ばれる非常に薄い蓋を作ります。このフラップは、顕微鏡手術用の特殊な器具や、フェムトセカンドレーザーと呼ばれる非常に短いパルス光を放つレーザーを用いて作られます。

フラップを作成した後、眼科医はフラップを慎重にめくり、エキシマレーザーを照射します。エキシマレーザーは、組織を蒸発させることができるため、角膜実質と呼ばれる角膜の中央部分を正確に削り、屈折異常を矯正します。

エキシマレーザー照射後、フラップは元の位置に戻されます。フラップは自然に癒合し、角膜の表面を滑らかに保ちます。

レーシック手術は、眼鏡やコンタクトレンズに頼ることなく、快適な視界を取り戻したいと願う多くの人にとって、有効な選択肢となっています。

手術手順 説明
1. フラップ作成 角膜に薄い蓋(フラップ)を作成。顕微鏡手術用の器具やフェムトセカンドレーザーを使用。
2. エキシマレーザー照射 フラップをめくり、エキシマレーザーで角膜実質を削り、屈折異常を矯正。
3. フラップを戻す エキシマレーザー照射後、フラップを元の位置に戻す。フラップは自然に癒合。

その他の治療への応用

その他の治療への応用

エキシマレーザーは、近視や乱視を矯正するレーシック手術でよく知られていますが、それだけにとどまらず、様々な眼科治療にも応用されています。

その一つに、PTK(光学的角膜層状切除術)と呼ばれる手術があります。PTKは、角膜の表面にできた凹凸や傷跡を、エキシマレーザーを用いて滑らかに整える治療法です。角膜は、眼球の前面を覆う透明な膜で、光を眼球内に透過させる役割を担っています。しかし、感染症や外傷、また先天的な要因などによって、角膜表面に凹凸や傷跡ができてしまうことがあります。このような状態になると、光が正しく眼球内に届かなくなり、視界がぼやけたり、光が乱散して見えたりするなどの症状が現れます。

PTKは、このような角膜表面の異常を、エキシマレーザーを用いて精密に削り取ることで、視覚機能の改善を図る治療法です。具体的には、角膜の混濁や角膜ジストロフィーなどの治療に効果があり、視力改善や、場合によっては角膜移植の必要性を減らす効果も期待できます。

このように、エキシマレーザーは、近視矯正だけでなく、幅広い眼科疾患の治療に貢献しており、多くの患者さんの視力回復や生活の質の向上に役立っています。

治療法 概要 対象 効果
PTK
(光学的角膜層状切除術)
エキシマレーザーを用いて、角膜表面の凹凸や傷跡を滑らかに整える 感染症、外傷、先天的な要因などによる角膜表面の異常
・角膜の混濁
・角膜ジストロフィーなど
・視力改善
・角膜移植の必要性を減らす