眼科医解説!はやり目の正体とは?

眼科医解説!はやり目の正体とは?

眼のことを教えて

先生、「EKC」ってなんですか? 目の病気の名前で見かけたんですけど、よくわかりません。

眼の研究家

良い質問だね。「EKC」は「流行性角結膜炎」っていう目の病気の略称だよ。結膜と角膜ってわかるかな?

眼のことを教えて

はい、結膜は白目の表面で、角膜は黒目の部分を覆っている透明な膜ですよね。

眼の研究家

その通り! 「EKC」は、その結膜と角膜が炎症を起こす病気で、 adenovirus(アデノウイルス)っていうウイルスによって感染して、とても流行しやすい病気なんだ。

EKCとは。

『EKC』は目の病気に関する言葉で、『流行性角結膜炎』を短くした言い方です。これは、結膜と角膜という目の部分が炎症を起こして、多くの人に広がる病気です。

流行性角結膜炎とは?

流行性角結膜炎とは?

– 流行性角結膜炎とは?流行性角結膜炎は、一般的に「はやり目」として広く知られている、人から人へとうつりやすい目の病気です。その名の通り、白目の表面を覆う薄い膜である結膜だけでなく、黒目である角膜にも炎症を引き起こすことが特徴です。この病気は、アデノウイルスというウイルスによって引き起こされ、感染した人の涙や目やにとの接触を介して感染が広がります。具体的には、感染者の涙や目やにが付着したタオルやドアノブ、おもちゃなどを介して、あるいはプールでの水泳などを通じて感染することがあります。流行性角結膜炎の主な症状としては、目の充血、かゆみ、異物感、涙が出る、まぶたの腫れ、目やになどが挙げられます。これらの症状は、通常、感染してから数日後に現れ、数日から2週間ほど続くことがあります。流行性角結膜炎は非常に感染力が強いため、感染拡大を防ぐためには、こまめな手洗いやうがい、タオルの共用を避ける、感染者の目やにに触れないなど、日頃から衛生面に気を配ることが重要です。また、症状が出た場合は、早めに眼科を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

項目 詳細
病気名 流行性角結膜炎(はやり目)
感染部位 結膜(白目の表面)、角膜(黒目)
原因 アデノウイルス
感染経路 感染者の涙や目やにとの接触感染(タオル、ドアノブ、おもちゃ、プールなど)
主な症状 目の充血、かゆみ、異物感、涙が出る、まぶたの腫れ、目やに
症状の期間 数日から2週間
予防策 こまめな手洗いうがい、タオルの共用を避ける、感染者の目やにに触れないなど
対応 症状が出たら早めに眼科を受診

原因はウイルス!

原因はウイルス!

「流行性角結膜炎」は、その名の通り、人から人へとうつりやすい目の病気です。主な原因は、アデノウイルスという種類のウイルスです。このウイルスは、感染した人の目やにや涙、唾液などに潜んでいて、そこから他の人に移っていきます。
例えば、感染者が目をこすった手で周りの物に触れ、その部分を別の人が触ると、ウイルスが手に付着します。その手で自分の目や鼻、口などを触ってしまうと、ウイルスが目に入ってしまい、感染してしまうことがあります。
このように、アデノウイルスは接触を介して感染するため、学校や職場、家庭など、人が集まる場所で集団感染を起こしやすい病気です。特に、小さなお子さんが集まる保育園や幼稚園などでは、流行してしまうことも少なくありません。流行性角結膜炎は、適切な予防と治療が重要となる病気です。

項目 内容
病気名 流行性角結膜炎
原因 アデノウイルス
感染経路 接触感染
– 感染者の目やにや涙、唾液からの接触
– 感染者が触れた物からの接触
特徴 人から人へとうつりやすい
集団感染しやすい
対策 適切な予防と治療

代表的な症状は?

代表的な症状は?

流行性角結膜炎にかかると、まず最初に目のかゆみを感じます。これはウイルスが結膜で増殖し始めるためで、個人差はありますが、感染してから1週間から2週間ほどで症状が現れます。かゆみの後には、目が赤くなる充血や、目やにも見られるようになります。さらに症状が進むと、まぶたが腫れて、目を開けるのもつらくなることがあります。また、目にゴミが入ったような異物感に悩まされることもあります。これらの症状に加えて、視界がぼやけたり、かすんだりするなど視力が低下することもあります。症状の重さには個人差があり、軽い人では数日で症状が治まることもありますが、重症化すると数週間から数ヶ月間も症状が続くことがあります。また、症状が治まった後も、視力低下や目の疲れやすさなどが残ってしまう場合もあります。

症状 説明
目のかゆみ ウイルスが結膜で増殖し始めるために起こる、初期症状。
目の充血 かゆみの後、目に見える形で現れる。
目やに 目やにが増える。
まぶたの腫れ 症状が進むと、目を開けるのもつらくなるほどの腫れが見られる。
異物感 目にゴミが入ったような感覚になる。
視力低下 視界がぼやけたり、かすんだりする。
症状の期間 数日から数ヶ月(個人差あり)
後遺症 視力低下、目の疲れやすさなど

治療法と予防策

治療法と予防策

流行性角結膜炎は、非常に伝染力が強いため、感染拡大を防ぐことが何よりも重要です。残念ながら、この病気を完全に治す薬はまだありません。そのため、治療は主に、つらい症状を和らげることを目的とした対症療法が中心となります。

目のかゆみや充血、痛みなどの症状を抑えるためには、目薬や軟膏を使用します。これらの薬には、炎症を抑える効果や、細菌による二次感染を防ぐ効果があります。症状が重い場合は、医師の判断により、ステロイドを含んだ目薬が処方されることもあります。

流行性角結膜炎は、ウイルスが原因で起こる病気です。そのため、こまめな手洗いが最も効果的な予防策となります。特に、外出先から帰宅した時や、食事の前、トイレの後などには、石鹸を使って流水で丁寧に手を洗いましょう。アルコール消毒液も有効です。

また、タオルや洗面器、化粧品などを家族と共有することも避けましょう。ウイルスは、これらの物に付着して、感染を広げる可能性があります。もし、感染してしまったら、症状が治まるまでは、学校や職場、人混みへの外出は控え、周囲の人にうつさないように配慮しましょう。

項目 詳細
病気の特徴 非常に感染力が強い
完治させる薬はまだない
治療法 対症療法が中心
目薬や軟膏で、かゆみ、充血、痛みなどの症状を抑える
症状が重い場合は、ステロイドを含んだ目薬を使用することもある
予防策 こまめな手洗い(外出先から帰宅時、食事前、トイレ後など)
タオル、洗面器、化粧品などの共有を避ける
感染した場合 症状が治まるまで、学校や職場、人混みへの外出を控える

合併症のリスクは?

合併症のリスクは?

流行性角結膜炎は、多くの方が経験するありふれた目の病気ですが、放置すると視力に影響を及ぼす可能性もゼロではありません。
ほとんどの場合、自然に治癒に向かいますが、まれに合併症を引き起こすことがあります。
例えば、目の表面にある透明な膜である角膜に濁りが生じることがあります。
角膜は、カメラのレンズのような役割を果たしており、濁りが生じると、視界がぼやけたり、視力が低下したりすることがあります。
また、免疫力が低下しているときなどには、細菌に感染しやすくなり、さらに症状が悪化することがあります。
さらに、症状が長引くと、慢性的な結膜炎に移行する可能性もあります。
慢性化すると、治療に時間がかかったり、完全に治癒することが難しくなったりすることもあります。
このような合併症のリスクを減らすためには、早期に眼科を受診し、適切な治療を受けることが重要です。
自己判断で市販の目薬を使用したり、放置したりすることは避けましょう。

合併症 症状・影響
角膜の濁り 視界がぼやける、視力低下
細菌感染症 症状の悪化
慢性結膜炎 治療に時間がかかる、完治が難しい