アルチザンレンズ:過去に主流だった眼内レンズ

アルチザンレンズ:過去に主流だった眼内レンズ

眼のことを教えて

先生、「アルチザン」っていう目に入れるレンズがあるって聞いたんですけど、どんなレンズなんですか?

眼の研究家

アルチザンはね、目の水晶体の代わりに入れる人工レンズの一種だよ。昔はよく使われていたんだけど、今はあまり使われていないんだ。

眼のことを教えて

なんで今は使われていないんですか?

眼の研究家

いい質問だね。アルチザンは、目の黒目のふちにある細胞が減ってしまうことがあるという報告があったんだ。それで、今は他の種類のレンズを使うことが多くなったんだよ。

アルチザンとは。

「アルチザン」は、目の手術に使われるレンズの一種です。1997年にヨーロッパで安全基準を満たしていると認められ、2004年にはアメリカでも使用が認められました。このレンズは、硬いプラスチックのような素材で作られており、目の黒目の部分に固定します。しかし、このレンズを使うと、目の細胞が減ってしまうことがあるという報告があり、現在ではほとんど使われていません。

アルチザンレンズとは

アルチザンレンズとは

– アルチザンレンズとはアルチザンレンズは、1997年にヨーロッパでCEマークを取得し、2004年にはアメリカ食品医薬品局の認可を受けた眼内レンズです。眼内レンズとは、白内障手術の際に、濁ってしまった水晶体の代わりに眼の中に入れる人工レンズのことです。一般的な眼内レンズは、水晶体が入っていた嚢と呼ばれる袋の中に固定されます。しかし、アルチザンレンズは、水晶体を取り出した後、その奥にある虹彩と呼ばれる部分に固定するという特徴があります。虹彩とは、眼の中で茶色や青色などに見えている部分で、瞳孔の大きさを調節する役割を担っています。アルチザンレンズのように、水晶体の嚢ではなく虹彩に固定するタイプの眼内レンズは、「有水晶体眼内レンズ」または「虹彩固定型眼内レンズ」と呼ばれます。水晶体の嚢が弱っていたり、すでにない場合でも使用できるという利点があります。アルチザンレンズは、多焦点眼内レンズなど、他のタイプの眼内レンズと組み合わせることも可能です。そのため、患者さんの目の状態やライフスタイルに合わせて、最適な治療法を選択することができます。

項目 内容
製品名 アルチザンレンズ
定義 白内障手術で用いられる眼内レンズのひとつ。虹彩固定型眼内レンズ。
濁った水晶体と入れ替える人工レンズ。
承認年 1997年 CEマーク取得(ヨーロッパ)
2004年 アメリカ食品医薬品局認可
特徴 ・虹彩に固定する
・水晶体の嚢が弱っていても使用可能
・多焦点眼内レンズとの併用も可能

素材と構造

素材と構造

眼鏡レンズに使われている素材はいくつかありますが、その中でもアルチザンレンズはポリメチルメタクリレートという素材から作られています。これはアクリル樹脂の一種で、透明度が非常に高く、ガラスレンズよりも曇りにくいという特徴があります。そのため、視界を常にクリアに保つことができ、快適な見え心地を提供します。また、ポリメチルメタクリレートは衝撃に強いという特性も持ち合わせています。万が一、眼鏡を落としてしまったり、ぶつけてしまったりしても、割れにくいので、安心して使うことができます。さらに、この素材は軽量であることも大きなメリットです。長時間眼鏡をかけていても、耳や鼻への負担が少なく、快適なかけ心地が持続します。アルチザンレンズは、こうした優れた素材を、光を眼の中に正しく届けるために精密な設計で仕上げられています。そのため、鮮明で歪みの少ない、自然な視界を得ることができます。

素材名 特徴 メリット
ポリメチルメタクリレート
(アクリル樹脂の一種)
・透明度が非常に高い
・衝撃に強い
・軽量
・視界をクリアに保つ
・曇りにくい
・割れにくい
・耳や鼻への負担が少ない

メリットとデメリット

メリットとデメリット

– メリットとデメリット

アルチザンレンズは、濁ってしまった水晶体を取り出す従来の手術とは異なり、水晶体はそのままで眼の中にレンズを挿入する手術方法です。

この方法のメリットは、眼への負担が少なく、術後の回復が早いという点です。 また、従来の眼内レンズよりも、より広範囲の距離にピントを合わせることができ、視力矯正効果が高いと言われていました。

しかし、アルチザンレンズは、眼の中の限られたスペースにレンズを挿入し、適切な位置に固定する必要があるため、高度な技術と経験を要する手術となります。そのため、熟練した医師でなければ手術が難しいというデメリットがあります。

さらに、アルチザンレンズの挿入により、角膜内皮細胞に負担がかかり、細胞が減少してしまうリスクが指摘されています。角膜内皮細胞は、角膜の透明性を維持するために重要な役割を担っており、細胞が減少すると視力低下を引き起こす可能性があります。

これらの合併症リスクを考慮し、現在ではアルチザンレンズはあまり使用されていません。

メリット デメリット
  • 眼への負担が少ない
  • 術後の回復が早い
  • 広範囲にピントを合わせることができ、視力矯正効果が高い
  • 高度な技術と経験を要する手術
  • 角膜内皮細胞に負担がかかり、細胞が減少してしまうリスク

現在の利用状況

現在の利用状況

現代の眼科医療において、白内障の手術は広く行われており、その際に用いられる人工レンズは、大きく分けて二つの方法で目に固定されます。

一つ目は、元々水晶体があった場所を包む薄い膜(水晶体嚢)の中に入れる方法です。この方法は、現在最も一般的な固定方法であり、安全性と安定性に優れています。もう一つは、眼の中の白目部分に直接固定する方法です。

これらの方法は、かつて用いられていた虹彩固定レンズと呼ばれる方法に比べて、格段に安全性と安定性が向上しており、世界中の多くの患者さんの視力回復に貢献しています。虹彩固定レンズは、現在では限られた医療機関において、特別な事情がある場合にのみ使用されるようになっています。

人工レンズの固定方法 説明
水晶体嚢内固定 – 水晶体があった場所を包む薄い膜(水晶体嚢)の中に入れる
– 現在最も一般的な方法
– 安全性と安定性に優れている
眼内レンズ縫着術 – 眼の中の白目部分に直接固定する

眼内レンズ選びの重要性

眼内レンズ選びの重要性

目の水晶体が濁ってしまう白内障という病気の治療には、手術が必要です。手術では、濁ってしまった水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズという人工のレンズを目に埋め込みます。
この眼内レンズは、一度目に埋め込んでしまうと、基本的には交換することができません。そのため、白内障の手術を受ける際には、自分に合った眼内レンズを選ぶことが非常に重要になります。
眼内レンズを選ぶ際には、まず、目の状態を考慮する必要があります。その他にも、仕事や趣味などの生活習慣や、どのような見え方を望むかといった希望も、眼内レンズ選びの大切な要素です。
眼内レンズには、費用や術後の見え方など、様々な種類があります。費用面では、健康保険が適用されるものと適用されないものがあります。術後の見え方に関しても、レンズによって、遠くが見えやすい、近くが見えやすいなど、それぞれ特徴があります。
後悔のない眼内レンズ選びのためには、経験豊富な医師とよく相談することが大切です。安全性や有効性はもちろんのこと、費用や術後の見え方の特徴など、様々な観点から、医師に相談し、自分に最適な眼内レンズを選びましょう。

白内障手術 ポイント
手術内容 濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを埋め込む
眼内レンズの選択 一度埋め込むと基本的に交換できないため、自分に合ったレンズを選ぶことが重要
レンズ選択の基準
  • 目の状態
  • 生活習慣(仕事、趣味など)
  • 希望する見え方
眼内レンズの種類 費用や術後の見え方など、様々な種類がある
レンズ選びのアドバイス 経験豊富な医師とよく相談し、安全性、有効性、費用、術後の見え方などを考慮して、最適なレンズを選ぶ