角膜ヘルペスとは?

角膜ヘルペスとは?

眼のことを教えて

先生、「角膜ヘルペス」って、どんな病気ですか?

眼の研究家

良い質問だね。「角膜ヘルペス」は、目の表面にある透明な膜、「角膜」に、ヘルペスウイルスが感染して炎症を起こす病気だよ。

眼のことを教えて

そうなんですね。どんな症状が出るんですか?

眼の研究家

目がゴロゴロしたり、涙が出たり、光が眩しく感じたりするよ。ひどくなると、視力が下がってしまうこともあるんだ。

角膜ヘルペスとは。

「角膜ヘルペス」っていう目の病気は、単純ヘルペスウイルスが原因で角膜に炎症が起こる病気です。目が痛い、涙が出る、光がまぶしい、ゴミが入った感じがする、視力が落ちるといった症状が出ます。

角膜ヘルペスの原因

角膜ヘルペスの原因

角膜ヘルペスは、「単純ヘルペスウイルス1型」というウイルスが原因で起こる、目の表面にある透明な膜である角膜に炎症が起きる病気です。
このウイルスは、口の周りに水ぶくれができる口唇ヘルペスの原因となるウイルスと同じものです。
多くの人は、幼い頃にこのウイルスに感染しますが、症状が出ないままウイルスは体の中に潜んでいます。

普段は眠っているウイルスですが、疲れやストレス、風邪、紫外線などを浴びるなど、体が弱ったり抵抗力が落ちたりすると、ウイルスが再び活動を始めます。
そして、神経を通って角膜に到達し、炎症を引き起こすのです。
これが角膜ヘルペスです。

項目 詳細
疾患名 角膜ヘルペス
原因 単純ヘルペスウイルス1型

  • 口唇ヘルペスと同じウイルス
潜伏感染 多くの人が幼い頃に感染し、症状が出ないままウイルスは体内に潜伏
再活性化 疲れ、ストレス、風邪、紫外線など
体が弱ったり、抵抗力が落ちるとウイルスが再び活動
発症機序 ウイルスが神経を通って角膜に到達し、炎症を引き起こす

角膜ヘルペスの症状

角膜ヘルペスの症状

角膜ヘルペスは、ヘルペスウイルスによって引き起こされる目の病気です。このウイルスに感染すると、目の表面にある透明な膜である角膜に炎症が起こります。症状は、炎症の程度や場所によってさまざまですが、初期には、目の痛み、涙目、まぶしさ、異物感などを感じることがあります。また、視界がぼやけたり、かすんだりすることもあります。

これらの症状は、風邪や結膜炎と似ているため、見過ごされてしまうことがあります。しかし、角膜ヘルペスは、適切な治療を行わないと、角膜に傷が残ったり、視力が低下したりする可能性があります。

角膜ヘルペスが重症化すると、角膜が大きく腫れたり、白く濁ったりすることがあります。さらに、視力が著しく低下したり、失明に至るケースもあります。そのため、早期発見・早期治療が非常に重要です。少しでも気になる症状があれば、早めに眼科を受診しましょう。

症状 重症化した場合
目の痛み 角膜が大きく腫れる
涙目 角膜が白く濁る
まぶしさ 視力が著しく低下
異物感 失明
視界がぼやける、かすむ

角膜ヘルペスの診断

角膜ヘルペスの診断

角膜ヘルペスは、ヘルペスウイルスによって引き起こされる目の病気です。この病気は、適切な治療を行わないと視力に影響を及ぼす可能性もあるため、早期の診断と治療が非常に重要となります。

角膜ヘルペスの診断は、主に眼科の医師による診察と検査によって行われます。

まず、医師は患者さんから症状や経過について詳しく話を聞きます。具体的には、いつからどのような症状が現れたのか、過去にヘルペスにかかったことがあるか、どのような治療を受けてきたのかなどを詳しく尋ねます。

次に、スリットランプと呼ばれる特殊な顕微鏡を使って、目の表面にある透明な膜である角膜の状態を詳しく観察します。スリットランプ検査では、角膜に傷や濁りがないか、炎症の程度はどのくらいかなどを調べます。

さらに、フルオレセインという色素を使って角膜を染め出す検査を行うこともあります。フルオレセインは、角膜に傷があるとそこに染み込んで緑色に光る性質があります。この検査によって、角膜の傷の有無や程度をより正確に把握することができます。

これらの検査結果に加えて、症状や経過なども考慮した上で、医師は角膜ヘルペスかどうかを総合的に判断します。

場合によっては、より正確な診断のために、ウイルスを培養して調べる検査や、ウイルスの遺伝子を増幅して検出する検査(PCR検査)などの精密検査を行うこともあります。

項目 詳細
病気 角膜ヘルペス
原因 ヘルペスウイルス
診断の重要性 視力への影響を防ぐため、早期の診断と治療が重要
診断方法
  • 医師による診察(問診:症状、経過、既往歴など)
  • スリットランプ検査:角膜の傷、濁り、炎症の程度などを観察
  • フルオレセイン染色検査:角膜の傷の有無や程度をより正確に把握
  • 場合によっては、ウイルス培養検査やPCR検査などの精密検査

角膜ヘルペスの治療

角膜ヘルペスの治療

目の角膜にヘルペスウイルスが感染すると、角膜ヘルペスを発症します。角膜ヘルペスの治療では、ウイルスの増殖を抑えることが重要になります。 そのため、抗ウイルス薬の目薬や飲み薬を使って治療を行います。 目薬は、感染した部分に直接作用させるため即効性が期待できます。一方、飲み薬は体全体に効果が行き渡るのが特徴です。
また、炎症を抑えるために、ステロイド薬の目薬を使うこともあります。しかし、ステロイド薬は使い方を間違えると、ウイルスの増殖を助長してしまう可能性があります。 自己判断で使用せず、必ず医師の指示に従って正しく使用してください。 角膜ヘルペスは再発しやすい病気です。症状が治まった後も、医師の指示に従って定期的な検査を受け、再発の予防に努めましょう。
さらに症状が重い場合には、入院して集中的な治療が必要となることもあります。 入院中は、医師や看護師の指示に従い、安静に過ごしながら治療に専念してください。

治療法 種類 効果と特徴 注意点
抗ウイルス薬 目薬 感染部位に直接作用し、即効性がある
飲み薬 体全体に効果が行き渡る
ステロイド薬 目薬 炎症を抑える効果がある
  • ウイルスの増殖を助長する可能性があるため、必ず医師の指示に従う
  • 自己判断で使用しない

角膜ヘルペスの予防

角膜ヘルペスの予防

角膜ヘルペスは、一度感染すると、ウイルスが体内に潜んでしまうため、何度も症状が繰り返し現れることがあります。再び症状が現れるのを防ぐためには、普段から健康的な生活を送り、体の抵抗力を高めておくことが重要です。十分な睡眠をとり、栄養バランスの整った食事を心がけ、適度な運動を行いましょう。また、過度なストレスをため込まないようにすることも大切です。
コンタクトレンズを使用している場合は、決められた使用方法をきちんと守り、常に清潔に保つように心掛けましょう。特に、角膜ヘルペスを発症している間はコンタクトレンズの使用は控え、医師の指示に従いましょう。症状が治まった後も、医師と相談の上、コンタクトレンズの使用を再開するかどうかを判断する必要があります。
目の疲れを感じた際は、目を休ませるようにし、違和感や異常を感じたら、自己判断せずに速やかに眼科を受診しましょう。

角膜ヘルペスの特徴 予防と対策
一度感染するとウイルスが体内に潜み、再発を繰り返す可能性がある
  • 健康的な生活習慣(十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動)
  • ストレスをため込まない
  • コンタクトレンズ使用時は清潔を保ち、医師の指示に従う
  • 目の疲れを感じたら目を休ませる
  • 違和感や異常を感じたら自己判断せずに眼科を受診する