眼科医が解説!恒常性斜視とは?
眼のことを教えて
先生、「恒常性斜視」ってどういう意味ですか?斜視の種類ですか?
眼の研究家
良い質問ですね!その通り、恒常性斜視は斜視の種類の一つです。では、斜視には他にどんな種類があるか知っていますか?
眼のことを教えて
うーんと、時々目がずれる斜視がありましたよね…?
眼の研究家
そう!それは「間歇性斜視」と言いますね。恒常性斜視はその反対で、常に目がずれている状態を指します。つまり、いつも斜視の状態が見られるのが恒常性斜視です。
恒常性斜視とは。
「恒常性斜視」とは、目の状態を表す言葉の一つです。これは、目がいつもどちらか一方の方向に寄ってしまっている斜視の状態を指します。この言葉は、「時々斜視が現れる状態」を表す「間歇性斜視」と対比されます。
斜視の種類
斜視は、両方の目が同じ方向を見ることができず、視線が定まらない状態を指します。通常、片方の目は対象物に正しく焦点を合わせていますが、もう片方の目は内側、外側、上、または下にずれてしまいます。この目のずれは、常に起こる場合もあれば、特定の状況下でのみ起こる場合もあります。
斜視は、大きく分けて二つの種類に分類されます。一つは恒常性斜視と呼ばれるもので、これは名前の通り、常に目のずれが見られる状態です。生まれたときから目のずれがある場合や、乳幼児期に発症することが多く、常に斜視の状態であるため、周囲からはっきりとわかります。もう一つは、間歇性斜視と呼ばれるもので、これは常にではなく、疲れている時や、ボーっとしている時など、特定の状況下でのみ目のずれが現れる状態です。乳幼児期に発症するケースもありますが、学童期以降に発症するケースも多く見られます。これらのことから、間歇性斜視は見過ごされやすく、注意深く観察する必要があります。
分類 | 説明 | 備考 |
---|---|---|
恒常性斜視 | 常に目のずれが見られる | ・生まれつきや乳幼児期に発症 ・周囲からわかりやすい |
間歇性斜視 | 疲れている時やボーっとしている時など、特定の状況下でのみ目のずれが現れる | ・乳幼児期または学童期以降に発症 ・見過ごされやすい |
恒常性斜視について
– 恒常性斜視について
恒常性斜視は、文字通り、常に斜視の状態が見られることを指します。これは、起きている間中、片方の目が正常な位置からずれている状態を意味します。
通常、私たちは無意識のうちに両方の目で対象物を見ていますが、恒常性斜視の場合、意識的に目をまっすぐに向けようとしても、それができません。これは、時折、斜視になる間歇性斜視とは大きく異なる点です。
恒常性斜視は、乳幼児期に発症することが多く、早期発見、早期治療が非常に重要となります。生まれて間もない時期に適切な治療を行わないと、視力の発達に影響を及ぼし、弱視や立体視の異常を引き起こす可能性があります。
治療法としては、メガネやコンタクトレンズの装用、視能訓練、手術などが挙げられます。早期に発見し、適切な治療を行うことで、斜視の改善だけでなく、視力や両眼視機能の発達を促すことができます。
特徴 | 説明 |
---|---|
定義 | 常に斜視の状態が見られる。意識的に目をまっすぐに向けることができない。 |
発症時期 | 乳幼児期に多い |
治療の重要性 | 早期発見、早期治療が重要。治療を行わない場合、弱視や立体視の異常を引き起こす可能性がある。 |
治療法 | メガネ、コンタクトレンズ、視能訓練、手術 |
恒常性斜視の原因
– 恒常性斜視の原因
恒常性斜視は、常に眼球の位置がずれている斜視の状態を指します。物が二重に見えたり、視力が発達しなかったりと、生活に支障をきたすこともあります。この恒常性斜視は、一体どのような原因で起こるのでしょうか。
恒常性斜視の原因は、一言でいうと、眼球の動きをコントロールするシステムに異常が生じることです。眼球運動は、脳からの指令を神経が伝え、筋肉が動くという複雑なプロセスを経て行われます。この過程のどこかに問題が生じると、眼球の動きが乱れ、斜視を引き起こす可能性があります。
原因としてまず挙げられるのは、眼球運動に関わる筋肉の異常です。筋肉の力が弱かったり、筋肉と眼球をつなぐ組織に異常があったりすると、眼球を正しく動かすことができず、斜視になることがあります。
次に、神経の異常も原因の一つです。脳からの指令を伝える神経に障害があると、眼球運動の信号が正しく伝わらなくなり、斜視が生じます。脳性麻痺など、脳に影響を及ぼす病気によって神経に異常が生じることもあります。
さらに、脳そのものの異常も考えられます。視覚情報を処理する脳の領域に問題があると、眼球運動の制御がうまくいかず、斜視になることがあります。
これらの原因に加え、遺伝的な要因も指摘されています。家族に斜視の人がいる場合、遺伝的に斜視になりやすい可能性があります。また、早産や出産時のトラブル、頭部の怪我などが原因で発症することもあります。
このように、恒常性斜視の原因は多岐にわたるため、原因を特定するためには、眼科医による詳細な検査が欠かせません。
分類 | 原因 | 詳細 |
---|---|---|
眼球運動に関わる筋肉の異常 | 筋肉の力の弱さ、筋肉と眼球をつなぐ組織の異常 | 眼球を正しく動かすことができず、斜視になる。 |
神経の異常 | 脳からの指令を伝える神経の障害 | 眼球運動の信号が正しく伝わらなくなり、斜視が生じる。脳性麻痺など、脳に影響を及ぼす病気によって神経に異常が生じることもある。 |
脳の異常 | 視覚情報を処理する脳の領域の問題 | 眼球運動の制御がうまくいかず、斜視になる。 |
遺伝的要因 | 家族歴 | 遺伝的に斜視になりやすい可能性がある。 |
その他の要因 | 早産、出産時のトラブル、頭部の怪我 | 発症の原因となることがある。 |
恒常性斜視の治療
– 恒常性斜視の治療恒常性斜視とは、生まれた時から常に斜視がある状態を指します。このタイプの斜視は、視線が常にずれているため、両目で立体的にものを見る能力(両眼視機能)が育ちにくいという特徴があります。恒常性斜視の治療法は、その子の年齢や斜視の程度、原因などによって異なってきます。そのため、眼科医による丁寧な検査と診断が非常に重要になります。主な治療法としては、まず、眼鏡やプリズムレンズの使用が挙げられます。これは、視線を矯正することで、両眼で物を見やすくする効果があります。軽度の斜視の場合や、視力の発達を促す目的で使用されることが多いです。また、弱視を伴っている場合には、アイパッチを用いた訓練を行うこともあります。これは、斜視になっていない方の目を遮蔽することで、斜視になっている方の目の視力発達を促す訓練です。さらに、眼鏡やプリズムレンズ、訓練では十分な効果が得られない場合には、手術が検討されることもあります。手術では、眼球の位置を調整する筋肉の長さを変えることで、視線を矯正します。恒常性斜視は、早期に発見し、適切な治療を行うことで、視力の発達を促し、両眼視機能を獲得できる可能性があります。そのため、お子様の目の様子がおかしいと感じたら、早めに眼科を受診することが大切です。
治療法 | 説明 | 適応 |
---|---|---|
眼鏡やプリズムレンズの使用 | 視線を矯正することで、両眼で物を見やすくする。 | 軽度の斜視、視力の発達を促す。 |
アイパッチを用いた訓練 | 斜視になっていない方の目を遮蔽することで、斜視になっている方の目の視力発達を促す。 | 弱視を伴っている場合。 |
手術 | 眼球の位置を調整する筋肉の長さを変えることで、視線を矯正する。 | 眼鏡やプリズムレンズ、訓練では十分な効果が得られない場合。 |
早期発見の重要性
目は心の窓と言われるように、世界を認識し、学び、成長していく上で、非常に重要な役割を担っています。特に乳幼児期は、視機能が著しく発達する時期であり、この時期に視覚に問題があると、その後の成長や発達に影響を及ぼす可能性があります。
恒常性斜視は、左右の目の視線が常にずれている状態を指しますが、この状態が乳幼児期に放置されると、両眼で立体的に物を見る能力(立体視)や、両眼を協調させて動かす能力(両眼視機能)が十分に発達しないことがあります。また、斜視によって片方の目ばかりを使うようになることで、視力の発達にも差が生じ、弱視になってしまうこともあります。
お子様の目の様子がおかしいと感じたら、例えば、いつも片方の目で物を見ていたり、頭を傾けて物を見たりする場合は、できるだけ早く眼科を受診することが大切です。早期に発見し、適切な治療を開始することで、視機能の発達を促し、健やかな成長をサポートすることができます。
乳幼児期の視覚の問題 | 詳細 | 影響 |
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恒常性斜視 | 左右の目の視線が常にずれている状態 |
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