加齢黄斑変性症とは?

加齢黄斑変性症とは?

眼のことを教えて

先生、『加齢黄斑変性症』って、どういう病気ですか?

眼の研究家

良い質問だね。『加齢黄斑変性症』は、目の病気の一つで、歳をとるにつれて、ものを見るために大切な『黄斑』という部分が傷んでしまう病気なんだ。すると、視力が落ちて見えにくくなったり、視界の中心が黒く見えたり、ものがゆがんで見えたりするんだよ。

眼のことを教えて

じゃあ、お年寄りがなる病気ってことですか?

眼の研究家

そう、高齢になるほどかかりやすい病気だね。ただし、病気の進行はゆっくりだから、早期に発見して治療すれば、視力低下を抑えられる可能性もあるんだよ。

加齢黄斑変性症とは。

「加齢黄斑変性症」とは、歳をとるにつれて、目の奥にある黄斑という部分がダメージを受けてしまう病気です。この病気になると、視力が落ちて見えにくくなったり、視界の中心が黒くなってしまったり、ものがゆがんで見えたりします。これらの症状は、ゆっくりと進んでいきます。

加齢黄斑変性症の概要

加齢黄斑変性症の概要

– 加齢黄斑変性症の概要加齢黄斑変性症は、視界の中心部分がゆがんで見えたり、暗く見えたりする病気です。ものの形がわかりにくくなる、小さい文字が見えにくくなるなど、日常生活に支障をきたすこともあります。この病気は、カメラで例えるとフィルムの役割をする網膜の中心にある黄斑という部分が、加齢によって変化することで起こります。黄斑は、視力の中でも特に重要な、物の色や形を細かく識別する機能を担っています。加齢黄斑変性症は、日本の失明原因の第4位に位置付けられており、高齢者を中心に多くの患者さんがいます。高齢化が進む日本では、患者数はさらに増加していくと予想されています。加齢黄斑変性症は早期発見・早期治療が大切です。少しでも視覚に異常を感じたら、早めに眼科を受診しましょう。

項目 内容
疾患名 加齢黄斑変性症
症状 視界の中心部分がゆがんで見えたり、暗く見えたりする。
ものの形がわかりにくくなる、小さい文字が見えにくくなるなど。
原因 加齢によって網膜の中心にある黄斑という部分が変化する。
黄斑の役割 視力の中でも特に重要な、物の色や形を細かく識別する機能を担う。
罹患率 日本の失明原因の第4位。高齢者に多い。
今後の予測 高齢化が進む日本では、患者数はさらに増加すると予想される。
重要性 早期発見・早期治療が大切。視覚に異常を感じたら、早めに眼科を受診する。

症状:視界の中心がゆがむ、暗くなることも

症状:視界の中心がゆがむ、暗くなることも

目は、私たちが外界の情報を得るために非常に大切な役割を果たしています。しかし、年齢を重ねるにつれて、目の機能が低下し、様々な目の病気を引き起こすことがあります。その中でも、視界の中心がゆがんで見えたり、暗く見えたりする症状が現れる病気として、加齢黄斑変性症が挙げられます。

加齢黄斑変性症は、ものを見るために重要な役割を担う黄斑という部分が、加齢とともに変化することで起こります。初期には、視界の中心がゆがんで見える「歪視」や、視界の中心が暗く見える「中心暗点」が現れます。これらの症状は、片方の目にだけ現れる場合もあれば、両方の目に現れる場合もあります。

進行すると、視力が徐々に低下し、日常生活に支障をきたすこともあります。例えば、顔を見ても誰だかわかりにくくなったり、新聞や雑誌の文字が読みにくくなったり、テレビの内容が把握しにくくなったりすることがあります。

このような症状に心当たりがある場合は、早めに眼科を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。

病気 症状 進行すると
加齢黄斑変性症
  • 視界の中心がゆがんで見える「歪視」
  • 視界の中心が暗く見える「中心暗点」
  • 視力低下
  • 顔の識別が困難
  • 文字を読むのが困難
  • テレビの内容把握が困難

原因:加齢が主な要因

原因:加齢が主な要因

– 原因歳を重ねることが主な要因加齢黄斑変性は、その名前が示すように、主に歳を重ねることで引き起こされます。人間の身体は年齢を重ねるとともに、様々な変化が現れます。目も例外ではなく、目の奥にある、視力に重要な役割を果たす黄斑という組織も、老化の影響を受けます。加齢によって黄斑に何が起こるのでしょうか。一つは、細胞活動によって生じる老廃物が黄斑に溜まりやすくなることです。若い頃は、身体の機能が活発で、老廃物も効率よく排出されます。しかし、年齢を重ねると共に、この排出機能が衰え、老廃物が蓄積しやすくなります。黄斑に老廃物が溜まると、黄斑の細胞がダメージを受け、正常に機能しなくなる可能性があります。もう一つは、黄斑への血液の流れが悪くなることです。血液は、酸素や栄養を体の隅々まで運び、老廃物を回収する役割を担っています。加齢に伴い、血管も老化し、硬くなったり、細くなったりします。すると、血液の流れが悪くなり、黄斑にも十分な酸素や栄養が行き渡らなくなります。その結果、黄斑の細胞が栄養不足に陥り、機能が低下してしまうのです。このように、加齢黄斑変性は、主に加齢に伴う黄斑への老廃物の蓄積と血流の悪化が原因で起こると考えられています。ただ、加齢だけが原因ではなく、喫煙、遺伝的な要因、高血圧、紫外線などの影響も指摘されています。

原因 詳細
老廃物の蓄積 加齢により細胞活動で生じる老廃物の排出機能が低下し、黄斑に蓄積し細胞にダメージを与える。
血流の悪化 血管の老化により血液の流れが悪くなり、黄斑への酸素・栄養供給が不足し機能低下を引き起こす。
その他 喫煙、遺伝、高血圧、紫外線などの影響も指摘されている。

治療法:進行を遅らせ、視機能を維持する

治療法:進行を遅らせ、視機能を維持する

加齢黄斑変性は、目の老化に伴い網膜の中心部である黄斑に異常が生じる病気です。視力が低下したり、物がゆがんで見えたりするなど、日常生活に支障をきたすこともあります。しかし、早期発見と適切な治療によって病気の進行を遅らせ、視機能を維持することが可能です。

加齢黄斑変性の治療法は、病気の進行度合いとタイプによって異なります。初期段階では、生活習慣の改善とともに、抗酸化作用のあるビタミンやミネラルのサプリメントの摂取が有効な場合があります。これらの栄養素は、黄斑にダメージを与える活性酸素の働きを抑え、病気の進行を抑制する効果が期待できます。

病状が進行した場合には、レーザー治療や抗VEGF薬の注射といった治療法が選択肢となります。レーザー治療は、異常な血管を凝固させて破壊することで、黄斑へのさらなるダメージを防ぎます。抗VEGF薬は、血管新生を促すVEGFというタンパク質の働きを抑え、新生血管の発生を抑制したり、腫れを抑えたりする効果があります。これらの治療法は、視力の改善ではなく、病気の進行を抑制し、現状の視機能を維持することを目的としています。

加齢黄斑変性は完治が難しい病気ですが、適切な治療と日々の生活習慣の改善によって、病気とうまく付き合いながら、良好な視機能を長く保つことが期待できます。

段階 治療法 効果
初期段階 生活習慣の改善
抗酸化作用のあるビタミンやミネラルのサプリメント摂取
活性酸素の働きを抑え、病気の進行を抑制
進行した場合 レーザー治療
抗VEGF薬の注射
  • レーザー治療: 異常な血管を凝固・破壊することで、黄斑へのさらなるダメージを予防
  • 抗VEGF薬: 血管新生を促すVEGFというタンパク質の働きを抑え、新生血管の発生を抑制したり、腫れを抑える

早期発見と治療開始が重要

早期発見と治療開始が重要

年齢を重ねると、身体の様々な機能が低下するように、目の機能も低下していきます。その中でも、「加齢黄斑変性症」は、放置すると視力低下を引き起こし、日常生活に大きな支障をきたす病気です。

加齢黄斑変性症は、ものを見るために重要な役割を担う、目の奥にある網膜の中心部分である黄斑が、加齢とともに変化し、視機能が低下する病気です。初期には、物がゆがんで見えたり、視界の中心部が見えにくくなったりする症状が現れます。

早期に発見し、適切な治療を開始することが、視機能の低下を最小限に抑え、豊かな生活を長く続けるために非常に重要です。少しでも視界に異常を感じたら、すぐに眼科を受診しましょう。「アムスラーチャート」と呼ばれる格子状の図を用いた自己チェックも有効です。この病気は早期発見と適切な治療によって進行を遅らせたり、視力維持の可能性を高めることができます。定期的な眼科検診と、ご自身の目で健康状態を把握する習慣を心がけましょう。

項目 詳細
病気 加齢黄斑変性症
原因 加齢に伴う目の網膜の中心部分(黄斑)の変化
症状 物がゆがんで見える、視界の中心部が見えにくい
重要性 早期発見・治療で視機能低下抑制
自己チェック アムスラーチャート