失明の恐れも?網膜剥離とは
眼のことを教えて
先生、『網膜剥離』って、どんな病気なんですか?
眼の研究家
網膜剥離は、眼球の奥にある、カメラでいうとフィルムの役割をする『網膜』が、本来くっついているべき場所から剥がれてしまう病気だよ。10層構造になっている網膜のうち、一番奥にある『色素上皮層』という部分から剥がれてしまうんだ。
眼のことを教えて
剥がれてしまうと、どうなるんですか?
眼の研究家
初期には、視界に虫が飛んでいるように見える『飛蚊症』や、剥がれた部分の視野が見えにくくなる症状が現れるよ。そして、網膜の中心まで剥がれてしまうと視力が低下し、最悪の場合、失明してしまうこともあるんだ。
網膜剥離とは。
目の奥にある、ものを見るために大切な膜である網膜は、いくつかの層が重なってできています。この層の一つが、剥がれてしまうことがあります。これが「網膜剥離」と呼ばれる病気です。初期には、視界に虫が飛んでいるように見える症状や、剥がれた部分の視野が悪くなる症状が現れます。そして、症状が進んで網膜の中心部まで剥がれてしまうと、視力が低下します。さらに、治療を受けずに放置すると、失明に至る危険性があります。
網膜剥離とはどんな病気?
私たちの目は、カメラにたとえると、レンズの役割をする水晶体とフィルムの役割をする網膜でできています。
網膜は、光を感じ取るために重要な組織であり、10層構造をしています。
網膜剥離とは、この10層構造のうち、最も外側にある色素上皮層と神経網膜という部分が剥がれてしまう病気です。
例えるなら、壁紙が剥がれ落ちてしまうような状態です。
網膜は、剥がれてしまうと、その部分で光を正常に感じ取ることができなくなります。
そのため、視野が欠けたり、視力が低下したりするなどの症状が現れます。
網膜剥離の原因は、加齢、強い近視、糖尿病などが挙げられます。
また、目をぶつけるなどの外傷がきっかけで発症することもあります。
網膜剥離は、放置すると失明する可能性もあるため、早期発見・早期治療が重要です。
視野の異常や視力低下を感じたら、すぐに眼科を受診しましょう。
項目 | 説明 |
---|---|
網膜剥離とは | 網膜(目のレンズの役割をする水晶体とフィルムの役割をする網膜でできている)の10層構造のうち、最も外側にある色素上皮層と神経網膜という部分が剥がれてしまう病気 |
症状 | 視野が欠けたり、視力が低下したりする |
原因 | 加齢、強い近視、糖尿病、目の外傷 |
治療 | 放置すると失明する可能性もあるため、早期発見・早期治療が重要 |
その他 | 視野の異常や視力低下を感じたら、すぐに眼科を受診 |
網膜剥離の初期症状
– 網膜剥離の初期症状
網膜剥離は、放置すると失明に至る可能性もある病気ですが、初期症状は比較的軽く、見過ごしてしまう場合も少なくありません。
網膜剥離の初期には、まるで虫が飛んでいるように見える「飛蚊症」や、視界に光が走ったり、チカチカと閃光が走ったりする「光視症」といった症状が現れることがあります。これらの症状は、網膜が薄くなったり、小さな裂け目ができたりすることで、網膜が刺激されるために起こると考えられています。
また、網膜が剥がれた部分に対応する視野が欠損することもあります。これは、剥がれた網膜が光を正常に感知できなくなるために起こります。視野欠損は、初期の段階では一部分のみの場合もありますが、網膜剥離が進行すると、視野全体に広がっていく可能性があります。
これらの症状を自覚した場合は、すぐに眼科を受診しましょう。早期発見・早期治療を行うことで、失明のリスクを大幅に減らすことができます。
症状 | 説明 |
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飛蚊症 | 虫が飛んでいるように見える。網膜が薄くなったり、小さな裂け目ができたりすることで、網膜が刺激されるために起こる。 |
光視症 | 視界に光が走ったり、チカチカと閃光が走ったりする。網膜が薄くなったり、小さな裂け目ができたりすることで、網膜が刺激されるために起こる。 |
視野欠損 | 剥がれた網膜が光を正常に感知できなくなるために起こる。初期は一部分のみの場合もあるが、網膜剥離が進行すると、視野全体に広がっていく可能性がある。 |
網膜剥離の原因
私たちの目は、カメラにたとえると、レンズを通った光をフィルムに相当する網膜に像として映し出しています。網膜剥離とは、この網膜が何らかの原因で目の奥の壁からはがれてしまう病気です。
網膜剥離は、年齢を重ねることで誰にでも起こる可能性があります。特に、加齢に伴い目の組織が萎縮しやすくなることが原因の一つと考えられています。また、生まれつき目が大きく眼球が奥行き方向に長い強度近視の方も網膜が薄く、剥離しやすい傾向にあります。
さらに、糖尿病も網膜剥離の大きなリスク要因です。高血糖状態が続くと、網膜の血管がもろくなり、出血や網膜の変形を引き起こしやすくなるためです。
その他にも、スポーツや事故などで目に強い衝撃を受けた場合や、網膜に炎症が起こるぶどう膜炎などが原因で網膜剥離が起こることがあります。
近年では、スマートフォンやパソコンの長時間使用による目の酷使も、網膜剥離のリスクを高める可能性が懸念されています。長時間画面を見続けることで、目の周りの筋肉が緊張し、網膜に負担がかかると考えられています。
網膜剥離の原因 | 詳細 |
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加齢 | 目の組織が萎縮し、網膜が剥がれやすくなる。 |
強度近視 | 生まれつき目が大きく、網膜が薄く剥がれやすい。 |
糖尿病 | 高血糖により網膜の血管がもろくなり、出血や変形のリスクが高まる。 |
目の強い衝撃 | スポーツや事故などが原因となる。 |
ぶどう膜炎 | 網膜に炎症が起こる病気。 |
目の酷使 | スマートフォンやパソコンの長時間使用により、網膜に負担がかかる。 |
網膜剥離の治療法
私たちの目は、カメラで例えると、レンズを通して入った光をフィルムに焼き付けることで映像を写しますが、網膜はちょうどフィルムの役割を担っています。この網膜が何らかの原因で剥がれてしまう病気を網膜剥離といいます。網膜剥離は放置すると失明の可能性もある病気ですが、早期発見、早期治療によって視力を取り戻せる可能性があります。
網膜剥離の治療法には、大きく分けてレーザー治療と手術の二つの方法があります。レーザー治療は、剥がれた網膜の周辺をレーザーで焼き固めることで、網膜を再びくっつける治療法です。比較的手軽に行える治療法ですが、網膜剥離の程度や範囲によっては適さない場合があります。
一方、手術は、眼球内に直接器具を挿入し、剥がれた網膜を元の位置に戻して特殊なガスやシリコンオイルで固定するという方法です。レーザー治療よりも確実性の高い治療法ですが、入院が必要となる場合や、術後にうつ伏せの姿勢をしばらくの間続ける必要があるなど、患者様の負担が大きくなってしまうという側面もあります。
このように、網膜剥離の治療法は患者様の症状や状態によって異なります。眼科専門医は、患者様にとって最適な治療法を選択し、視力の回復を目指します。網膜剥離は早期発見、早期治療が重要です。目の異常を感じたら、すぐに眼科を受診しましょう。
治療法 | 概要 | メリット | デメリット |
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レーザー治療 | 剥がれた網膜の周辺をレーザーで焼き固めることで、網膜を再びくっつける。 | 比較的、手軽に行える。 | 網膜剥離の程度や範囲によっては適さない場合がある。 |
手術 | 眼球内に直接器具を挿入し、剥がれた網膜を元の位置に戻して特殊なガスやシリコンオイルで固定する。 | レーザー治療よりも確実性が高い。 | 入院が必要となる場合や、術後にうつ伏せの姿勢をしばらくの間続ける必要があるなど、患者様の負担が大きくなってしまう。 |
網膜剥離を予防するために
目の奥にある、カメラでいうとフィルムの役割を果たす網膜は、いったん剥がれてしまうと自然に治ることが難しく、視力低下や視野欠損を引き起こす可能性があります。最悪の場合、失明に至るケースもあるため、早期発見と早期治療が非常に重要です。
網膜剥離は、加齢とともにリスクが高まるだけでなく、強い近視の方や、過去に眼の手術を受けたことがある方、家族に網膜剥離の経験がある方なども注意が必要です。
網膜剥離は自覚症状がない場合もありますので、日頃から目の健康に気を配り、定期的な眼科検診を受けるようにしましょう。特に、目の前に蚊が飛んでいるように見える「飛蚊症」や、光が走って見える「光視症」などの症状が現れた場合は、網膜剥離の初期症状である可能性がありますので、速やかに眼科を受診してください。
日常生活では、目に強い衝撃を与えないように注意し、糖尿病などの基礎疾患をお持ちの方は、適切な治療を受けるように心がけましょう。また、バランスの取れた食生活や十分な睡眠、適度な運動も、目の健康維持に繋がりますので、意識して生活習慣を改善していくことが大切です。
項目 | 説明 |
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網膜剥離とは | 目の奥にある網膜が剥がれる病気。自然治癒が難しく、放置すると視力低下や失明の可能性も。 |
リスク因子 | ・加齢 ・強い近視 ・眼の手術経験 ・網膜剥離の家族歴 ・糖尿病などの基礎疾患 |
自覚症状 | ・飛蚊症(蚊が飛んでいるように見える) ・光視症(光が走って見える) ※ 無症状の場合もある |
予防と対策 | ・定期的な眼科検診 ・目に強い衝撃を与えない ・基礎疾患の治療 ・バランスの取れた食事 ・十分な睡眠 ・適度な運動 |