視野が狭くなる緑内障

視野が狭くなる緑内障

眼のことを教えて

先生、『開放隅角緑内障』って、どういう病気ですか?

眼の研究家

目の排水口が詰まって、目の圧力が高くなってしまう病気だよ。視野が狭くなることもあるんだ。

眼のことを教えて

排水口が詰まる、ってどういうことですか?

眼の研究家

目の中を循環している水が、ちゃんと排出されずに溜まってしまう状態のことだよ。分かりやすく言うと、お風呂の排水溝にゴミが溜まって水が流れにくくなるイメージかな。そうすると、目に負担がかかってしまうんだ。

開放隅角緑内障とは。

「開放隅角緑内障」っていう目の病気は、目の中の水の出口は広いんだけど、その水の流れが悪くて目の圧力が高くなっちゃう緑内障のことなんだ。ゆっくりと進む病気で、時間が経つにつれて見える範囲が狭くなっていくんだ。

開放隅角緑内障とは

開放隅角緑内障とは

– 開放隅角緑内障とは

開放隅角緑内障は、眼球内の圧力(眼圧)が高くなることで、視神経に障害が生じ、徐々に視野が狭くなる病気です。

眼球内では、その形を保ったり、栄養を供給したりするために、房水と呼ばれる透明な液が常に循環し、新しい房水が作られ、古い房水は排出されています。この房水の排出がスムーズに行われなくなると、眼球内に房水が溜まり、眼圧が上昇します。

眼圧が高い状態が続くと、カメラでいうとフィルムの役割を果たす、網膜に繋がっている視神経が圧迫され、傷つきます。視神経は、目で受けた光の情報(視覚情報)を脳に伝える役割を担っているので、傷つくと視覚情報が正しく伝わらなくなり、物が歪んで見えたり、視野の一部が欠けて見えたりします。

開放隅角緑内障は、初期には自覚症状がほとんどなく、徐々に進行していくため、気づかないうちに病気が進行している場合が多くあります。そのため、早期発見・早期治療のためにも、定期的な眼科検診で、眼圧検査、眼底検査、視野検査を受けることが重要です。

項目 内容
疾患名 開放隅角緑内障
定義 眼圧上昇により視神経が障害され、徐々に視野が狭窄する病気
原因 眼球内の房水排出が滞り、眼圧が上昇するため
影響 視神経が圧迫され、視覚情報が脳に正しく伝わらなくなる
症状 初期は自覚症状が少ない。進行すると、物が歪んで見えたり、視野が欠けたりする。
早期発見 定期的な眼科検診(眼圧検査、眼底検査、視野検査)が重要

原因と症状

原因と症状

– 原因と症状開放隅角緑内障は、視神経に栄養を送る水がスムーズに排出されなくなることで発症すると考えられています。しかし、なぜこのような状態になるのか、その原因はまだ完全には解明されていません。考えられる要因としては、眼圧の上昇が挙げられます。眼球内には、眼の形を保つために房水という水が循環していますが、この水の排出が滞ると眼圧が上昇し、視神経を圧迫してしまうのです。また、遺伝的な要素も指摘されており、家族に緑内障の方がいる場合は、発症リスクが高まるとされています。さらに、加齢に伴い、眼の機能が低下することも原因の一つと考えられています。その他、近視、糖尿病、高血圧、ステロイド剤の長期間の使用なども、開放隅角緑内障の発症リスクを高める要因として知られています。初期の段階では、自覚症状がほとんど現れないことが多く、気づかないうちに病状が進行しているケースも少なくありません。そのため、定期的な眼科検診が非常に重要となります。病状が進行すると、視野に異常が現れ始めます。具体的には、視野が狭くなったり、一部分が見えにくくなったりします。また、夜間や暗い場所での視力低下、光の周りに虹のようなものが見える、頭痛、眼痛といった症状が現れることもあります。ただし、これらの症状は他の眼疾患でもみられるため、自己判断は危険です。少しでも気になる症状があれば、速やかに眼科を受診し、適切な検査を受けるようにしてください。

項目 詳細
原因 – 視神経への栄養供給不足 (水分の排出不良)
– 眼圧の上昇
– 遺伝的要素
– 加齢
– 近視、糖尿病、高血圧、ステロイド剤の長期間の使用
症状 – 初期段階では自覚症状はほとんどない
– 視野狭窄
– 視野の一部が見えにくい
– 夜間や暗い場所での視力低下
– 光の周りに虹のようなものが見える
– 頭痛、眼痛

治療法

治療法

– 治療法開放隅角緑内障の治療は、眼圧を下げることを目標に行われます。眼圧とは、眼球内の圧力のことで、この圧力が高くなると視神経が圧迫され、視野が狭くなったり、視力が低下したりする可能性があります。治療の第一選択は点眼薬です。点眼薬には、眼球内で作られる房水の量を減らす薬や、房水の排出を促す薬など、様々な種類があります。医師は、患者さんの症状や体質、他の病気などを考慮しながら、最適な点眼薬を選びます。多くの場合、複数種類の点眼薬を組み合わせて使用します。点眼薬である程度の効果が認められることもありますが、進行した緑内障や、点眼薬だけでは十分な効果が得られない場合には、レーザー治療や手術療法が検討されます。レーザー治療は、比較的短時間で終わり、入院の必要もないため、患者さんの負担が少ない治療法です。レーザーを照射することで、房水の産生を抑えたり、排出を促したりすることができます。手術療法は、点眼薬やレーザー治療で効果が不十分な場合、あるいはこれらの治療が適さない場合に選択されます。手術によって、房水の排出をスムーズにする新しい経路を作ります。手術は、眼圧を効果的に下げ、緑内障の進行を抑制する効果が期待できますが、合併症のリスクも伴うため、医師と患者さんでよく相談した上で、手術を受けるかどうかを決定します。いずれの治療法においても、早期発見・早期治療が重要です。緑内障は自覚症状が現れにくい病気であるため、定期的な眼科検診を受けるようにしましょう。

治療法 詳細 メリット デメリット
点眼薬 眼房水の産生を抑制したり、排出を促進する薬を点眼する。 – 第一選択として広く使用される
– 比較的低リスクで開始できる
– 多様な種類から選択可能
– 複数種類の点眼が必要な場合がある
– 点眼忘れのリスク
– 全ての患者に十分な効果があるわけではない
レーザー治療 レーザーを照射して、眼房水の産生を抑制したり、排出を促進する。 – 比較的短時間で終了
– 入院の必要がない場合が多い
– 点眼薬よりも効果が期待できる場合がある
– 点眼薬で効果がない場合にのみ検討される
– すべての人に適応があるわけではない
手術療法 眼房水の排出をスムーズにする新しい経路を手術で作る。 – 点眼薬やレーザー治療で効果がない場合に有効
– 眼圧を効果的に下げ、緑内障の進行を抑制する効果が期待できる
– 合併症のリスクがある
– 手術後の管理が必要

早期発見と治療が重要

早期発見と治療が重要

– 早期発見と治療が重要

緑内障は、放置すると視力が徐々に低下していく病気です。 中でも、開放隅角緑内障は初期段階では自覚症状が現れにくいため、気づかないうちに病気が進行している場合が多くあります。そのため、早期発見と適切な治療が非常に重要になります。

緑内障が進行すると視野が狭くなっていき、最終的には失明に至る可能性もあります。ただし、早期に発見し、適切な治療を行うことで、視力低下を遅らせたり、防いだりすることが可能です。

緑内障は40歳以上の年齢層で特に多く見られる病気です。そのため、40歳を過ぎたら、自覚症状がなくても、年に一度は眼科を受診し、検査を受けることをお勧めします。

また、緑内障の危険因子としては、家族に緑内障の方がいる、糖尿病や高血圧などの持病がある、強い近視である、ステロイド剤を長期に使用している、などが挙げられます。これらの危険因子に当てはまる方は、定期的に眼科を受診し、医師の指示に従って検査や治療を受けましょう。

ご自身の大切な目を守るために、日頃から眼の健康に気を配り、少しでも異常を感じたら、すぐに眼科を受診するようにしてください。

項目 詳細
緑内障の特徴 放置すると視力低下が進行する病気。特に開放隅角緑内障は初期症状が出にくいため注意が必要
早期発見・治療の重要性 早期発見と適切な治療により、視力低下を遅らせたり、防いだりすることが可能
緑内障の検査推奨 40歳以上の人は、自覚症状がなくても年1回の眼科検診が推奨
緑内障の危険因子
  • 家族歴(緑内障の家族がいる)
  • 持病(糖尿病、高血圧など)
  • 強い近視
  • ステロイド剤の長期使用
緑内障の予防 危険因子に当てはまる場合は、定期的な眼科受診と医師の指示に従うことが重要