時折現れる目のずれ – 間歇性斜視
眼のことを教えて
先生、「間歇性斜視」ってどういう意味ですか?普段は目の位置がずれていないのに、斜視って呼ばれるのはおかしい気がします。
眼の研究家
良い質問だね!確かに「間歇性斜視」は、普段は目の位置がずれていないように見えるので、不思議に思うのも無理はないよ。ポイントは「普段は」というところなんだ。
眼のことを教えて
「普段は」ですか?
眼の研究家
そう。「間歇性斜視」の人は、普段は自分の力で目の位置を正常に保っているんだ。だけど、疲れた時や、片方の目を隠した時などに、目の位置のずれが現れやすい状態なんだよ。だから「斜視」という言葉が使われているんだよ。
間歇性斜視とは。
「間歇性斜視」っていうのは、目が寄り目になる斜視っていう状態なんだけど、普段は自分で調整して、ちゃんと正面を見れる状態のことなんだ。いつもはまっすぐ見てるんだけど、疲れたり、片方の目を隠したりすると、寄り目になっちゃうことが多いんだ。いつも寄り目になっている「恒常性斜視」の反対の意味だね。
間歇性斜視とは?
– 間歇性斜視とは?間歇性斜視とは、普段は両目がまっすぐに保たれているものの、特定の状況下において、片方の目が内側や外側、あるいは上下にずれてしまう状態を指します。この目のずれは、医学的には「斜視」と呼ばれ、常に症状が現れる恒常性斜視とは異なり、間歇的に現れる点が特徴です。では、どのような時に目のずれが生じるのでしょうか。例えば、体が疲れている時や精神的にリラックスしている時、ボーッとしている時、眠い時などに症状が現れやすい傾向があります。また、片方の目を手で覆い隠すと、隠した側の目が内側や外側に動いてしまうこともあります。間歇性斜視は、多くが乳幼児期に発症します。幼い時期は視機能や両眼視機能が発展途上にあるため、放置してしまうと、視力の発達に悪影響を及ぼしたり、立体視や遠近感がうまく掴めないなどの両眼視機能障害を引き起こす可能性があります。そのため、お子様の目がいつもと違うと感じたり、少しでも気になる点があれば、早めに眼科を受診し、専門医の診断を受けるようにしましょう。早期発見・早期治療により、視機能への影響を最小限に抑えることが期待できます。
項目 | 説明 |
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定義 | 普段は両目がまっすぐだが、特定の状況下で片方の目が内側や外側、あるいは上下にずれる状態 |
症状が現れやすい状況 | 体が疲れている時、精神的にリラックスしている時、ボーッとしている時、眠い時、片方の目を手で覆い隠した時など |
発症時期 | 多くが乳幼児期 |
放置した場合のリスク | 視力の発達への悪影響、立体視や遠近感をつかみにくくなるなどの両眼視機能障害 |
普段は気づきにくいことも
普段は両目がきちんと揃っているため、周囲の人もなかなか気づかない間歇性斜視。しかし油断は禁物です。一見すると問題がないように見えても、視機能に様々な悪影響を及ぼす可能性を秘めているからです。
間歇性斜視は、常に斜視が起こっているわけではないため、発見が遅れてしまうケースも少なくありません。そのため保護者の方はお子様の普段の様子をよく観察することが大切です。例えば、片方の目で物を見ようとしたり、顔を傾けたり、顔を近づけたりするなど、少しでも目の動きに違和感を感じたら、早めに眼科医の診察を受けましょう。
早期に発見し、適切な治療を開始することで、視機能への影響を最小限に抑えられます。お子様の健やかな目の発達を守るためにも、普段からの注意深い観察と、専門医への相談を心がけましょう。
間歇性斜視とは | 特徴 | 保護者の方へ |
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普段は両目が揃っているため発見が遅れがちだが、視機能に悪影響を与える可能性がある斜視 | 常に斜視が起こるわけではないため、周囲も気づきにくい |
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間歇性斜視の原因
目の位置がずれる斜視の中でも、常にではなく時々現れるものを間歇性斜視と呼びます。この原因は、まだはっきりとは解明されていません。しかし、ものを立体的に見る両眼視機能の異常や、眼球の動きをコントロールする筋肉や神経の働きのアンバランスなどが関係していると考えられています。
また、遠くのものが見えにくい遠視や、近くのものがぼやけて見える近視といった屈折異常が原因となることもあります。遠視の場合、遠くの物を見る際に、より強い調節力が必要となるため、眼球運動に負担がかかり、眼の位置がずれることがあります。
さらに、日常生活での疲労や睡眠不足、精神的なストレスなどが誘因となって間歇性斜視が現れることもあります。これは、心身の状態が眼の周りの筋肉の緊張に影響を与え、眼球運動のバランスを崩すためと考えられています。
間歇性斜視は、症状が現れたり消えたりするため、発見が遅れることがあります。しかし、放置すると視力発達に影響を及ぼす可能性もあるため、早期発見・早期治療が重要です。
分類 | 説明 |
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原因 | – はっきりとは解明されていない – 両眼視機能の異常 – 眼球運動をコントロールする筋肉や神経の働きのアンバランス – 屈折異常(遠視、近視など) |
遠視の場合のメカニズム | 遠くを見るための調節力負担増加 → 眼球運動に負担 → 眼位ずれ |
誘因 | – 日常生活での疲労 – 睡眠不足 – 精神的なストレス |
誘因によるメカニズム | 心身の状態悪化 → 眼の周りの筋肉の緊張 → 眼球運動のバランス崩れ |
その他 | – 症状が現れたり消えたりするため、発見が遅れることも – 放置すると視力発達に影響を及ぼす可能性あり – 早期発見・早期治療が重要 |
治療法の選択肢
– 治療法の選択肢間歇性斜視の治療は、その症状の現れ方や程度、そして患者さんの年齢によって異なってきます。軽度の斜視の場合、日常生活に支障がなく、視力にも影響がない場合は、経過観察のみで様子を見ることもあります。定期的に眼科を受診し、斜視の状態や視力への影響についてチェックを行います。しかし、視機能への影響が懸念される場合は、積極的な治療が必要となります。治療法としては、メガネやコンタクトレンズを用いた屈折矯正が挙げられます。これは、遠視や近視などの屈折異常を矯正することで、眼の負担を軽減し、斜視の改善を促す方法です。また、プリズムレンズを用いる方法もあります。プリズムレンズは、光を屈折させることで、両眼で見た時に物が二重に見える現象(複視)を改善する効果があります。さらに、眼の筋肉を鍛え、両眼の協調運動を改善する斜視訓練を行うこともあります。眼球運動や立体視訓練など、患者さんの状態に合わせた訓練プログラムが組まれます。これらの治療法でも効果が不十分な場合や、斜視の程度が強い場合には、手術が検討されることもあります。手術は、眼球の位置を調整したり、眼球を動かす筋肉の長さを調整することで、斜視を矯正します。どの治療法が適切かは、患者さんの状態や症状によって異なります。眼科専門医の診察を受け、適切な治療法を選択することが重要です。
治療法 | 説明 |
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経過観察 | 軽度の斜視で、日常生活に支障がなく、視力にも影響がない場合に選択されます。定期的な眼科受診が必要です。 |
屈折矯正(メガネ・コンタクトレンズ) | 遠視や近視などの屈折異常を矯正することで、眼の負担を軽減し、斜視の改善を促します。 |
プリズムレンズ | 光を屈折させることで、両眼で見た時に物が二重に見える現象(複視)を改善する効果があります。 |
斜視訓練 | 眼の筋肉を鍛え、両眼の協調運動を改善します。眼球運動や立体視訓練など、患者さんの状態に合わせた訓練プログラムが組まれます。 |
手術 | 眼球の位置を調整したり、眼球を動かす筋肉の長さを調整することで、斜視を矯正します。治療法でも効果が不十分な場合や、斜視の程度が強い場合に検討されます。 |
早期発見・早期治療が重要
目の状態がいつもと同じとは限らず、ときどき違ってみえる状態を間歇性斜視といいます。
間歇性斜視は、早期に発見して適切な治療を受ければ、視力の発達を促し、健やかな目の状態を保つことが期待できます。
しかし、発見が遅れてしまうと、視力の発達に影響が出たり、弱視や立体視の異常といった問題が生じたりする可能性があります。
お子様の目の様子で気になる点がある場合は、ご自身で判断せず、速やかに眼科専門医を受診しましょう。
専門医は、お子様の目の状態を詳しく検査し、適切な治療法を提案してくれます。
治療法には、メガネやアイパッチの装用、視能訓練などがあり、お子様の状態に合わせて選択されます。
お子様の健やかな未来のためにも、目の健康には日頃から気を配り、少しでも気になることがあれば、ためらわずに専門医に相談することが大切です。
間歇性斜視とは | 特徴 | 治療法 |
---|---|---|
時々目がずれる状態 | 早期発見・治療で視力発達、健やかな目の状態維持が可能 発見が遅れると、視力発達への影響、弱視、立体視異常の可能性あり |
メガネ、アイパッチ、視能訓練など |