眼圧が低い!? 低眼圧について解説
眼のことを教えて
先生、「低眼圧」ってよく聞くんですけど、どういう意味ですか? 目の病気なんですよね?
眼の研究家
そうだね。「低眼圧」は目の病気の一つだ。眼球内の圧力(眼圧)が正常よりも低い状態のことを指すんだ。ちなみに、眼球の構造でいうと、角膜は5層構造になっていて、そのうち第4層はなんだっけ?
眼のことを教えて
えっと、角膜の5層構造… そういえば、授業でやりました! 第4層は… デスメ膜! です!
眼の研究家
正解! 実は低眼圧は、このデスメ膜が関係している場合があるんだ。デスメ膜が弱くなると、眼球内の水分が漏れてしまい、眼圧が低くなってしまうことがあるんだよ。
低眼圧とは。
「低眼圧」という言葉は、目の病気の症状を表す言葉として使われますが、角膜を構成する5つの層のうち、4番目の層の名前を指す言葉としては使われません。
眼圧とは?
私たちの眼球は、カメラのレンズのように光を集め、映像を脳に伝える重要な役割を担っています。この眼球は、内部を満たす液体によって一定の形と硬さを保っています。この液体を房水と呼び、この房水の圧力を眼圧と言います。
眼圧は、眼球の形を保つだけでなく、光を網膜に正しく届ける上でも重要な役割を担っています。ちょうど、風船に空気を入れると、風船がピンと張って形が整うのと似ています。眼球も、適切な眼圧が保たれていることで、光を網膜に正しく集め、鮮明な視界を得ることができます。
眼圧は、常に一定ではなく、時間帯や体調によって変動します。しかし、眼圧が異常に高くなると、視神経が圧迫され、視野が狭くなったり、視力が低下したりする緑内障という病気を引き起こす可能性があります。緑内障は、放置すると失明に至ることもある病気ですので、早期発見・早期治療が重要です。そのためにも、定期的な眼科検診で眼圧を測定することが大切です。
項目 | 詳細 |
---|---|
眼球の役割 | カメラのレンズのように光を集め、映像を脳に伝える |
眼圧の役割 | 1. 眼球の形を保つ 2. 光を網膜に正しく届ける |
眼圧と視力 | 適切な眼圧 → 光が網膜に正しく集まり、鮮明な視界を得られる |
眼圧異常による病気 | 緑内障:眼圧が異常に高くなると、視神経が圧迫され、視野が狭くなったり、視力が低下したりする。放置すると失明に至る可能性もある。 |
緑内障の対策 | 早期発見・早期治療のため、定期的な眼科検診で眼圧を測定することが大切 |
低眼圧とは
– 低眼圧とは眼の硬さを保つ圧力である眼圧は、健康な状態を維持するために重要な役割を担っています。眼圧の正常範囲は個人差がありますが、一般的には10mmHgから21mmHgの間とされています。この範囲よりも眼圧が低い状態を低眼圧と呼び、眼圧が6mmHg以下の場合に診断されることが多いです。眼圧が低くなると、眼球を正常な丸い形状に保つことができなくなり、眼球が縮んでしまうことがあります。その結果、眼球の内部構造に影響が及び、様々な視覚症状が現れることがあります。低眼圧の主な症状としては、視力低下、視野狭窄、物が歪んで見える変視症、光がまぶしく感じるなどが挙げられます。また、眼精疲労や頭痛、吐き気などを伴うこともあります。低眼圧の原因は様々ですが、加齢によるものや、糖尿病などの病気、眼の手術後、特定の薬の副作用などが考えられます。また、遺伝的な要因で発症することもあります。低眼圧は放置すると、視力低下が進行したり、失明に至る可能性もあります。そのため、眼圧が低いと感じたり、視覚症状が現れた場合には、早めに眼科を受診することが大切です。
項目 | 説明 |
---|---|
定義 | 眼圧が6mmHg以下の状態 |
症状 | 視力低下、視野狭窄、変視症、光過敏、眼精疲労、頭痛、吐き気など |
原因 | 加齢、糖尿病などの病気、眼の手術後、特定の薬の副作用、遺伝的要因など |
リスク | 放置すると視力低下が進行、失明の可能性もある |
対処法 | 眼圧が低いと感じたり、視覚症状が現れた場合は早めに眼科を受診 |
低眼圧の原因
眼圧が低くなる状態は、様々な要因によって引き起こされますが、大きくは目に直接的な原因がある場合と、身体全体の病気からくる場合があります。
目に原因がある場合、網膜剥離が挙げられます。これは、眼球の内側にある、カメラでいうとフィルムの役割を果たす網膜が、本来あるべき場所から剥がれてしまう病気です。また、ぶどう膜炎も原因の一つです。ぶどう膜は、眼球の中にある、栄養を運ぶ役割を担う組織ですが、ここに炎症が起こることで眼圧が低下することがあります。さらに、緑内障も原因の一つに挙げられます。緑内障は、視神経という、目から脳へ視覚情報を伝える神経が障害される病気ですが、その一部で眼圧が低くなるタイプのものが存在します。
一方、身体全体の病気として、糖尿病や高血圧などの生活習慣病が原因で眼圧が低下する場合があります。これらの病気は、血管に悪影響を及ぼすため、目の中の血管も傷つき、眼圧が低下しやすくなると考えられています。
その他、眼の手術後や、服用している薬の副作用として眼圧が低下するケースも知られています。特に、緑内障の治療薬の中には、眼圧を下げることを目的としたものもあるため注意が必要です。
原因 | 具体的な病気・状態 |
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目に直接的な原因 |
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身体全体の病気 |
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その他 |
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低眼圧の症状
– 低眼圧の症状について
眼球内の圧力が正常値よりも低い状態を低眼圧といいます。この状態になると、様々な症状が現れる可能性があります。
最も一般的な症状としては、視力が低下したり、物がぼやけて見える、かすんで見えるといった視覚の変化が挙げられます。また、視野が狭くなる視野狭窄も起こることがあります。これらの症状は、眼球内の圧力が低下することで、眼球が正常な形状を保てなくなり、光を正しく眼球に取り込むことができなくなるために起こると考えられます。
さらに、眼痛や頭痛、吐き気を伴うこともあります。これは、眼球内の圧力低下が、眼球周辺の神経を刺激することで起こると考えられます。
ただし、低眼圧は初期段階では自覚症状が現れない場合もあるため注意が必要です。そのため、定期的な眼科検診を受けて、眼圧を測定することが重要です。特に、緑内障の治療薬を使用している方や、糖尿病、低血圧などの基礎疾患がある方は、低眼圧のリスクが高いため、注意が必要です。
もし、視力低下や視野狭窄、眼痛などの症状が現れた場合は、すぐに眼科を受診するようにしましょう。
症状 | 原因 | 備考 |
---|---|---|
視力低下 物がぼやける 物がかすむ |
眼圧低下により眼球が変形し、光を正しく取り込めなくなるため | |
視野狭窄 | 同上 | |
眼痛 頭痛 吐き気 |
眼圧低下が眼球周辺の神経を刺激するため | |
自覚症状なし | 初期段階では症状が出ない場合もあるため、定期的な眼科検診が重要 |
低眼圧の治療法
眼圧が正常値よりも低い状態を低眼圧と言います。低眼圧は視力に影響を及ぼす可能性があり、適切な治療が必要となります。治療法は、低眼圧を引き起こしている原因や、症状の程度によって異なります。
もしも緑内障などの眼の病気が原因で眼圧が低くなっている場合は、その病気の治療を優先的に行います。例えば、緑内障の治療では、点眼薬を使用して眼圧を下げたり、レーザー治療や手術を行うことがあります。
一方で、糖尿病や低血圧症などの全身疾患が原因で眼圧が低くなっている場合は、その全身疾患の治療を行うことで、眼圧が改善されることがあります。例えば、糖尿病であれば食事療法や運動療法、薬物療法などを行い、血糖値をコントロールします。
眼圧を上昇させるための治療として、薬物療法が行われることもあります。具体的には、眼の中の房水と呼ばれる液体の産生を抑える薬や、眼圧を上げる薬などが用いられます。
薬物療法や全身疾患の治療で効果が見られない場合は、手術が必要となることもあります。手術では、眼の中に小さな器具を埋め込んで眼圧を調整したり、房水の排水量を調整する手術などがあります。
低眼圧の治療は、その原因や症状、そして患者さんの状態によって異なります。そのため、眼科医の指示に従って、適切な治療を受けることが大切です。
原因 | 治療法 | 具体例 |
---|---|---|
緑内障などの眼の病気 | 原因となる眼の病気の治療を優先 | 点眼薬、レーザー治療、手術など |
糖尿病や低血圧症などの全身疾患 | 原因となる全身疾患の治療 | 糖尿病の場合:食事療法、運動療法、薬物療法など |
上記以外 | 眼圧を上昇させるための治療 |
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日常生活での注意点
眼圧が低い状態は、日常生活においていくつかの注意点を守ることで、症状の悪化を防ぎ、眼の健康を保つことに繋がります。
まず、激しい運動は眼圧を急激に変動させる可能性があるため、控えるようにしましょう。激しい運動の代わりに、ウォーキングや軽いストレッチなど、眼に負担をかけにくい運動を取り入れると良いでしょう。
また、長時間のデスクワークも眼の疲労を招き、眼圧に影響を与える可能性があります。1時間に1回程度は、席を立って軽く体を動かしたり、遠くの景色を眺めたりするなど、こまめな休憩を挟むように心がけましょう。
十分な睡眠は、眼の疲労回復に欠かせません。睡眠不足は眼圧の上昇にも繋がる可能性があるため、質の高い睡眠を十分に取るように心がけましょう。
バランスの取れた食生活も、眼の健康維持に重要です。特に、緑黄色野菜に多く含まれるビタミンAは、眼の機能維持に役立ちます。
読書や作業を行う際は、照明を適切な明るさにすることも大切です。暗い場所で目を酷使すると、眼圧が上昇しやすくなるため、明るい場所で作業を行いましょう。
注意点 | 詳細 |
---|---|
激しい運動を控える | 眼圧の急激な変動を防ぐため、ウォーキングやストレッチなど負担の少ない運動を選ぶ |
長時間のデスクワークを避ける | 1時間に1回程度は休憩を取り、目を休ませる |
十分な睡眠を取る | 眼の疲労回復と眼圧の安定のため、質の高い睡眠を心がける |
バランスの取れた食生活を心がける | ビタミンAなど、眼の健康に良い栄養素を摂取する |
適切な照明で読書や作業を行う | 暗い場所での作業は眼圧上昇に繋がるため、明るい場所で作業する |