眼圧が高いだけ?緑内障との関係は?
眼のことを教えて
先生、『高眼圧症』って、どういう病気ですか?
眼の研究家
良い質問だね。『高眼圧症』は、眼球内の圧力である眼圧が高い状態のことをいうんだけど、視神経に異常がなく、視野も正常な状態なんだ。
眼のことを教えて
視神経や視野に異常がないなら、大丈夫な病気なんですか?
眼の研究家
実は、放っておくと緑内障という病気に発展する可能性があるんだ。だから、定期的な検査と経過観察がとても大切なんだよ。
高眼圧症とは。
「高眼圧症」という目の病気があります。これは、眼球内の圧力である眼圧が、通常よりも高い状態を指します。しかし、視神経や視野には異常が見られません。ただし、将来的に緑内障に進行する可能性もある病気です。
眼圧とは
– 眼圧とは眼球は、丸い形を保つために、内部で一定の圧力がかかっています。この圧力を眼圧と呼び、眼の健康状態を調べる上で、とても重要なものです。眼球は、カメラのレンズのような役割を果たす水晶体と、その周囲を包むようにゼリー状の硝子体で満たされています。さらに、水晶体と角膜の間には、房水と呼ばれる栄養豊富な透明な液が常に循環しており、眼球に栄養を供給したり、不要なものを排出したりしています。この房水の圧力によって、眼球は一定の形を保ち、光を正確に網膜に届けることができるのです。眼圧は、眼球の硬さを測定することで評価されます。眼圧の正常範囲は、個人差がありますが、一般的には10~21mmHgとされています。眼圧がこの範囲を超えて高くなると、緑内障などの病気を発症するリスクが高まります。緑内障は、放置すると視神経を損傷し、視野が狭くなったり、視力低下を引き起こしたりする病気です。眼圧は、加齢や遺伝、生活習慣、近視などの影響を受けることがあります。定期的な眼科検診を受けることで、眼圧の変化を早期に発見し、適切な治療を受けることが大切です。
項目 | 説明 |
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眼圧とは | 眼球内部にかかる圧力。眼の健康状態を調べる上で重要。 |
眼球の構造 | 水晶体、硝子体、房水で構成。房水の圧力により眼球の形が保たれる。 |
眼圧の正常範囲 | 一般的に10~21mmHg。 |
眼圧が高いと… | 緑内障のリスクが高まる。 |
緑内障とは | 放置すると視神経を損傷し、視野狭窄や視力低下を引き起こす病気。 |
眼圧に影響を与える要因 | 加齢、遺伝、生活習慣、近視など。 |
定期的な眼科検診の重要性 | 眼圧の変化を早期に発見し、適切な治療を受けるため。 |
高眼圧症とは
– 高眼圧症とは目の硬さを示す眼圧は、一定の範囲内に保たれているのが正常です。しかし、眼圧が正常範囲を超えて高くなってしまう場合があり、これを高眼圧症と呼びます。高眼圧症は、眼圧が高い状態であっても、視神経に異常がなく、視野にも影響がない状態を指します。つまり、高眼圧症自体は、視力に直接的な影響を与えることはありません。では、高眼圧症は放置しても問題ないのでしょうか?答えは、いいえ、です。高眼圧症は、緑内障という病気を発症するリスクが高い状態だからです。緑内障は、視神経が障害されることで視野が狭くなったり、欠損したりする病気です。進行すると失明に至る可能性もあり、早期発見・治療が非常に重要になります。高眼圧症は自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行しているケースが少なくありません。そのため、定期的な眼科検診で眼圧を測定し、緑内障へと進行する兆候がないかを確認することが重要です。検診では、眼圧検査だけでなく、眼底検査や視野検査など、様々な検査が行われます。高眼圧症と診断された場合は、医師の指示に従って、適切な治療や経過観察を続けることが大切です。
項目 | 説明 |
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高眼圧症とは | 眼圧が正常範囲を超えて高くなっている状態。視神経に異常がなく、視野にも影響がない。 |
リスク | 緑内障という病気を発症するリスクが高い。 |
緑内障とは | 視神経が障害されることで視野が狭くなったり、欠損したりする病気。進行すると失明に至る可能性もある。 |
高眼圧症の発見 | 自覚症状がほとんどないため、定期的な眼科検診が重要。 |
検査内容 | 眼圧検査、眼底検査、視野検査など |
高眼圧症の原因
高眼圧症は、眼圧と呼ばれる眼球内の圧力が上昇した状態を指します。では、なぜ眼圧は高くなってしまうのでしょうか?残念ながら、その原因は完全には解明されていません。しかし、眼球内では、房水と呼ばれる栄養豊富な液体が常に産生と排出を繰り返しており、このバランスが崩れることが高眼圧症の主な要因と考えられています。
加齢に伴い、房水の排出経路である隅角と呼ばれる部分が狭くなることがあり、これが眼圧上昇の一因となることがあります。また、両親から受け継いだ遺伝的な体質も、高眼圧症のリスク要因となります。さらに、近視や糖尿病、ステロイド剤の使用なども、高眼圧症のリスクを高めることが知られています。
一方で、特定の病気や原因が見つからないにも関わらず、眼圧が高い場合もあります。このように原因がはっきりしない高眼圧症は、原発性開放隅角緑内障とも呼ばれます。高眼圧症は自覚症状が出にくい病気ですが、放置すると視神経に悪影響を及ぼし、視野障害を引き起こす可能性もあります。早期発見、早期治療が重要となるため、定期的な眼科検診を受けるようにしましょう。
項目 | 内容 |
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定義 | 眼球内の圧力(眼圧)が上昇した状態 |
原因 | 明確な原因は不明だが、眼房水の産生と排出のバランスが崩れることが要因と考えられている |
リスク要因 | – 加齢による隅角の狭窄 – 遺伝 – 近視 – 糖尿病 – ステロイド剤の使用 |
その他 | – 原因不明の高眼圧症は原発性開放隅角緑内障と呼ばれる – 自覚症状が出にくいため、定期的な眼科検診が重要 |
高眼圧症と緑内障の関係性
目の圧力が高くなる状態を高眼圧症と呼びますが、高眼圧症は緑内障へとつながる可能性があるため注意が必要です。緑内障は、視神経に障害が起こることで視野が狭くなる病気ですが、その原因の一つとして眼圧が挙げられます。
眼球内では、常に一定の圧力が保たれています。これを眼圧と呼びますが、この眼圧が高くなりすぎると、視神経に負担がかかります。視神経は、カメラで例えるとフィルムを送る役割を担っており、この神経が障害を受けると、脳に映像がうまく伝わらなくなり、物が歪んで見えたり、視野が狭くなったりします。
高眼圧症と診断された方の全員が緑内障になるわけではありませんが、高眼圧の状態が続くと、緑内障へと進行するリスクが高まります。高眼圧症と診断された方のうち、およそ10人に1人が、10年以内に緑内障に移行すると言われています。
緑内障は、一度失われた視力は回復が難しい病気です。しかし、早期に発見し、適切な治療を行うことで、進行を遅らせたり、視力維持することが期待できます。そのためにも、高眼圧症と診断された場合は、眼科で定期的な検査を受けることが非常に重要です。
項目 | 説明 |
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高眼圧症 | 眼圧が高い状態。緑内障になる可能性がある。 |
緑内障 | 視神経が障害され、視野が狭くなる病気。眼圧が原因の一つ。 |
高眼圧症と緑内障の関係 | 高眼圧症は緑内障のリスク因子。高眼圧の状態が続くと、緑内障に進行する可能性が高まる。 |
緑内障の予防 | 早期発見・治療が重要。高眼圧症と診断された場合は、定期的な眼科検査が必要。 |
高眼圧症の治療
– 高眼圧症の治療高眼圧症とは、眼球内の圧力である眼圧が正常範囲を超えて高くなる病気です。自覚症状がないまま進行することが多く、放置すると視神経が障害され、視野が狭くなる緑内障へと進行する可能性があります。高眼圧症と診断された場合は、たとえ現時点で自覚症状がなくても、緑内障への進行を抑制するために適切な治療を受けることが重要です。治療の必要性や方法は、眼圧の高さだけでなく、緑内障のリスク因子や年齢、目の状態などを総合的に考慮して判断されます。一般的に、眼圧が高いほど、また緑内障のリスク因子が多いほど、治療の必要性は高くなります。治療法としては、主に点眼薬による眼圧下降が用いられます。点眼薬には、眼球内の房水と呼ばれる液体の産生を抑えたり、排出を促進したりすることで、眼圧を下げる効果があります。点眼薬の種類や使用方法は患者さんそれぞれに異なるため、医師の指示に従って正しく使用することが大切です。点眼薬による治療で効果が不十分な場合や、点眼薬の使用が困難な場合には、レーザー治療によって眼圧を下げる方法もあります。レーザー治療は、比較的短時間で終わる治療であり、入院の必要もありません。治療と並行して、生活習慣の改善も重要です。禁煙は、視神経への血流を改善し、緑内障のリスクを低減するため、強く推奨されます。また、バランスの取れた食事や適度な運動も、健康な状態を維持するために大切です。高眼圧症は自覚症状がないまま進行することが多いため、定期的な眼科検診が重要です。40歳以上の方は、年に一度は眼科を受診し、眼圧測定などの検査を受けるようにしましょう。早期発見、早期治療によって、緑内障による視野障害のリスクを低減することができます。
項目 | 詳細 |
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定義 | 眼球内の圧力(眼圧)が正常範囲を超えて高くなる病気。自覚症状が少ないまま進行し、放置すると緑内障のリスクが高まる。 |
治療の必要性 | 眼圧の高さ、緑内障のリスク因子、年齢、目の状態を総合的に判断。眼圧が高いほど、緑内障のリスク因子が多いほど、治療の必要性は高まる。 |
治療法 | – 点眼薬:眼房水の産生抑制または排出促進により眼圧を下降させる。 – レーザー治療:点眼薬の効果が不十分な場合や点眼薬の使用が困難な場合に検討。 |
生活習慣の改善 | – 禁煙:視神経への血流改善、緑内障リスクの低減 – バランスの取れた食事、適度な運動 |
定期検診 | 40歳以上は年に一度、眼圧測定などの検査を受けることが推奨される。 |