眼の病気:閉塞隅角緑内障
眼のことを教えて
先生、『閉塞隅角緑内障』って、どんな病気ですか?
眼の研究家
いい質問ですね。『閉塞隅角緑内障』は、目の排水口が詰まってしまう病気です。分かりやすく例えると、お風呂場の排水口にゴミが詰まって水が流れにくくなるのと同じような状態です。
眼のことを教えて
排水口が詰まるんですか? なんで詰まるんですか?
眼の研究家
目の構造で言うと、『隅角』と呼ばれる部分が狭くなることで、水の流れが悪くなってしまうんです。特に、中年以降の女性に多く見られる病気です。さらに、何かのきっかけで急に症状が出ることもあるので注意が必要です。
閉塞隅角緑内障とは。
「閉塞隅角緑内障」というのは、目の病気である緑内障の一種です。この病気は、目の中の排水口にあたる部分が狭くなることで起こります。特に、中年以降の女性に多く見られます。そして、あるきっかけで瞳孔が塞がると、急に症状が現れることがあります。
閉塞隅角緑内障とは
– 閉塞隅角緑内障とは
閉塞隅角緑内障は、緑内障の一種で、眼圧の上昇によって視神経が障害され、視野が狭くなったり、視力が低下したりする病気です。
私たちの目は、カメラのレンズのように、水晶体で光を集めて網膜に像を映し、それを視神経が脳に伝えています。この時、眼球内には、カメラでいうとフィルムの役割を果たす網膜を正常に機能させるために、房水という栄養豊富な水が常に循環しています。
この房水の通り道である隅角と呼ばれる部分が、何らかの原因で狭くなってしまうのが閉塞隅角緑内障です。隅角が狭くなることで、房水の排出がスムーズに行われなくなり、眼圧が上昇しやすくなります。眼圧が上昇すると、視神経が圧迫され、視神経の働きが徐々に悪くなってしまいます。
初期には自覚症状が現れにくい病気ですが、放置すると視力が徐々に低下し、最悪の場合失明に至ることもあります。そのため、早期発見・早期治療が非常に重要です。定期的な眼科検診を受けるようにしましょう。
項目 | 説明 |
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病気名 | 閉塞隅角緑内障 |
定義 | 眼圧上昇により視神経が障害され、視野狭窄や視力低下を引き起こす緑内障の一種 |
原因 | 眼球内の房水(栄養豊富な水)の通り道である隅角が狭くなり、房水排出が滞るため |
メカニズム | 隅角閉塞 -> 房水排出不良 -> 眼圧上昇 -> 視神経圧迫 -> 視神経障害 -> 視野狭窄・視力低下 |
特徴 | 初期自覚症状に乏しい |
リスク | 放置すると視力低下、最悪の場合失明に至る |
対策 | 早期発見・早期治療のため、定期的な眼科検診が重要 |
原因とリスク
閉塞隅角緑内障は、眼球内の圧力バランスが崩れることで視神経が損傷し、視野が狭くなる病気です。では、なぜ眼圧が上がってしまうのでしょうか?
主な原因は、眼球内の構造的な問題です。私たちの目は、カメラのレンズのような役割を果たす水晶体と、その周辺を満たす房水と呼ばれる液体によって、形を保ち、光を調整しています。
加齢に伴い、水晶体は少しずつ厚みを増していきます。すると、水晶体の後ろにある後房と呼ばれる空間が狭くなり、その影響で前房と呼ばれる、角膜と水晶体の間の空間も狭くなってしまうのです。
この前房が狭くなることで、房水の出口である隅角が閉塞しやすくなります。隅角が閉塞すると、房水が排出されにくくなり、眼圧が上昇してしまうのです。これが閉塞隅角緑内障のメカニズムです。
特に、生まれつき遠視の方は、眼球の構造上、前房が狭く隅角が狭い傾向があるため、閉塞隅角緑内障のリスクが高いと言えます。
項目 | 説明 |
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疾患名 | 閉塞隅角緑内障 |
症状 | 視神経損傷による視野狭窄 |
原因 | 眼球内の構造的問題(加齢による水晶体の肥厚、先天的な遠視など) |
メカニズム | 1. 水晶体の肥厚により後房が狭くなる 2. 前房も狭くなり、房水の出口である隅角が閉塞しやすくなる 3. 房水排出が阻害され、眼圧が上昇 |
リスク因子 | 遠視 |
症状:急激な変化に注意
閉塞隅角緑内障は、ゆっくりと症状が進む場合と、ある日突然発症する場合があります。ゆっくりと症状が進む場合は、初期には自覚症状がないことがほとんどです。そのため、定期的な眼科検診が非常に重要になります。一方、急激に発症する場合は、強烈な眼の痛みに襲われます。この痛みは、目の奥に針を刺されたような激しい痛みと表現されることもあります。また、頭痛や吐き気を伴うこともあり、症状が重篤になるにつれて視力が著しく低下していきます。さらに、光を見るとその周りに虹色の輪が見えるのも特徴的な症状の一つです。このような症状が現れた場合は、一刻を争う事態です。すぐに眼科を受診し、適切な治療を受ける必要があります。放置すると失明の危険性もあるため、決して自己判断せずに、専門医の診断と治療を受けてください。
症状のタイプ | 初期症状 | 典型的な症状 | その他の症状 | 緊急性 |
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ゆっくりと進行するタイプ | ほとんど自覚症状がない | – | – | 定期的な眼科検診が必要 |
急激に発症するタイプ | – | * 強烈な眼の痛み * 頭痛 * 吐き気 * 光の周りに虹色の輪が見える |
視力の低下 | 一刻を争うため、すぐに眼科を受診 |
診断と治療
– 診断と治療閉塞隅角緑内障は、早期発見と適切な治療が非常に重要です。早期に治療を開始することで、視野欠損などの重い合併症を防ぐ可能性が高まります。-# 診断閉塞隅角緑内障の診断には、いくつかの検査を組み合わせて行います。まず、眼圧検査を行います。眼圧とは、眼球内の圧力のことで、閉塞隅角緑内障ではこの眼圧が上昇していることが多いです。次に、隅角検査を行います。これは、眼球内の房水という液体が流れる排水口である隅角の状態を調べる検査です。閉塞隅角緑内障では、この隅角が狭くなっている、あるいは閉塞していることがあります。さらに、眼底検査を行い、視神経の状態を確認します。視神経は、物を見るために重要な神経であり、緑内障によって障害されると視野欠損が起こります。-# 治療閉塞隅角緑内障の治療は、眼圧を下げることを目的として行われます。初期治療では、点眼薬を使用します。点眼薬には、房水の産生を抑える効果や、房水の排出を促進する効果があります。点眼薬だけで眼圧が十分に下がらない場合は、レーザー治療を検討します。レーザー治療では、隅角にレーザーを照射することで、房水の排出をスムーズにします。これらの治療を行っても症状が改善しない場合や、症状が進行している場合は、手術が必要になることもあります。手術には、房水の排出を改善する手術や、眼球内に人工的に排水路を作る手術など、様々な方法があります。閉塞隅角緑内障は、放置すると失明に至る可能性もある病気です。目の違和感や視界の異常を感じたら、早めに眼科を受診しましょう。
分類 | 詳細 |
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診断 |
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治療 |
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予防と早期発見
緑内障は、視神経が傷つくことで視野(見える範囲)が狭くなる病気です。中でも閉塞隅角緑内障は、眼圧が急上昇し、放置すると短期間で失明に至る危険性もあるため、早期発見と早期治療が非常に重要です。
緑内障は初期段階では自覚症状が現れにくいため、定期的な眼科検診が大切です。特に40歳を過ぎたら、自覚症状がなくても眼科を受診する習慣をつけましょう。
遠視の方は、眼球の構造上、閉塞隅角緑内障を発症するリスクが高いと言われています。また、緑内障は遺伝的要因も関与するため、家族に緑内障の方がいる場合も注意が必要です。
緑内障は早期発見・早期治療によって進行を遅らせたり、視力維持が期待できます。少しでも気になる症状があれば、すぐに眼科医に相談しましょう。
項目 | 内容 |
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病気名 | 緑内障(特に閉塞隅角緑内障) |
症状 | 視野が狭くなる。初期は自覚症状が現れにくい。 |
危険性 | 放置すると失明する可能性もある。 |
予防と対策 | ・早期発見・早期治療が重要。 ・40歳を過ぎたら定期的な眼科検診を受ける。 ・遠視や家族歴がある場合は特に注意が必要。 |