眼球突出:その原因と症状
眼のことを教えて
先生、『眼球突出』ってどういう意味ですか?
眼の研究家
良い質問ですね。『眼球突出』は、文字通り眼球が外へ飛び出して見える状態を指します。誰でも目が大きい人はいるけど、病気でそうなってしまうこともあるんだよ。
眼のことを教えて
へえー、そうなんですね。病気でなってしまうこともあるんですか?
眼の研究家
そうなんです。例えば、バセドウ病という病気や、眼の奥に腫瘍ができた場合などに、眼球突出が見られることがあります。病気のサインとして現れることもあるので、注意深く観察することが大切ですよ。
眼球突出とは。
「眼球突出」っていうのは、目の奥の方からの圧力で、目が前に飛び出してきちゃう状態のこと。バセドウ病とか、目の病気、腫瘍なんかで見られるね。
眼球突出とは
– 眼球突出とは眼球突出とは、その名の通り眼球が本来の位置よりも前方に飛び出してしまっている状態を指します。私たちの目は、眼窩と呼ばれる頭蓋骨の一部である骨のくぼみに収まっています。この眼窩と眼球の間には、脂肪や筋肉が存在しており、クッションのような役割を果たしながら眼球を正常な位置に保っています。しかし、何らかの原因によってこの繊細なバランスが崩れてしまうと、眼球が前方に押し出されてしまい、眼球突出が起こるのです。眼球突出は、その程度によって見た目に影響を与えるだけでなく、様々な症状を引き起こす可能性があります。例えば、まぶたの開閉がうまくいかなくなったり、目が乾燥しやすくなったり、物が二重に見えたりするなどです。また、場合によっては、眼球を動かす筋肉や視神経が圧迫され、視力障害や眼球運動障害などの深刻な合併症を引き起こすこともあります。眼球突出の原因は、甲状腺眼症、眼窩腫瘍、炎症など様々です。そのため、眼球突出が認められた場合には、自己判断せずに、眼科を受診し、適切な検査と治療を受けることが重要です。
項目 | 説明 |
---|---|
定義 | 眼球が本来の位置よりも前方に飛び出している状態 |
原因 | – 甲状腺眼症 – 眼窩腫瘍 – 炎症 – その他 |
症状 | – 見た目の変化 – まぶたの開閉障害 – 眼乾燥 – 複視 – 視力障害 – 眼球運動障害 |
治療 | 原因に応じた治療が必要なため、眼科専門医の診察が必要 |
眼球突出の原因となる病気
眼球が通常より前に出ている状態を眼球突出と言います。眼球突出は、様々な原因で起こりますが、その中でも特に注意が必要なのがバセドウ病です。
バセドウ病は、体の代謝を調整する甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。過剰になった甲状腺ホルモンは、眼の奥にある眼窩という部分にも影響を及ぼし、眼窩の組織に炎症や腫れを引き起こします。その結果、眼球が前方に押し出され、眼球突出が起こると考えられています。バセドウ病による眼球突出は、片方の目だけに現れることもあれば、両方の目に現れることもあります。
バセドウ病以外にも、眼窩内に腫瘍ができたり、炎症が起こったりすることでも、眼球突出は起こります。これらの病気の場合、眼球突出以外にも、視力低下や眼の痛み、物が二重に見えるなどの症状が現れることがあります。
眼球突出は、見た目の問題だけでなく、視力や眼の健康にも影響を及ぼす可能性があります。そのため、眼球突出が気になる場合は、自己判断せずに、早めに眼科を受診することが大切です。
原因 | 詳細 | 備考 |
---|---|---|
バセドウ病 | 甲状腺ホルモンの過剰分泌により、眼窩に炎症や腫れが生じる | 片目または両目に現れる |
眼窩内腫瘍 | 眼窩内に腫瘍ができる | 視力低下、眼の痛み、物が二重に見えるなどの症状を伴うことがある |
眼窩内炎症 | 眼窩内に炎症が起こる | 視力低下、眼の痛み、物が二重に見えるなどの症状を伴うことがある |
眼球突出の症状
眼球突出とは、眼球が通常よりも前方に位置している状態を指します。この症状は、片方の目にのみ現れることもあれば、両目に現れることもあります。
眼球突出の程度は人によって異なり、軽度の場合は周囲の人にはほとんど気づかれないこともあります。しかし、症状が進行すると、眼球が大きく突出してくるため、外見上の変化が顕著になります。
眼球突出に伴い、様々な自覚症状が現れることがあります。代表的なものとしては、目が乾燥しやすくなったり、ゴロゴロとした異物感を感じたりすることが挙げられます。また、まぶたが完全に閉じにくくなるため、目が傷つきやすくなることも少なくありません。さらに、物が二重に見えたり、視界の一部が欠けてしまうなど、視覚に異常をきたすケースもあります。
眼球突出は、甲状腺眼症候群などの病気によって引き起こされることがあります。甲状腺眼症候群は、自己免疫疾患の一種であり、眼の奥にある組織に炎症が生じることで、眼球が前方へ押し出されてしまいます。その他にも、眼窩腫瘍や炎症性疾患など、様々な原因が考えられます。
眼球突出が疑われる場合は、自己判断せずに、眼科を受診して適切な検査を受けることが大切です。
症状 | 原因 | 詳細 |
---|---|---|
眼球突出 | 甲状腺眼症候群 眼窩腫瘍 炎症性疾患など |
自己免疫疾患の一種である甲状腺眼症候群では、眼の奥の組織に炎症が起こり、眼球が前方に押し出されます。 眼窩腫瘍や炎症性疾患も原因となります。 |
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眼球突出に伴う症状 | 眼球の突出により、様々な症状が現れることがあります。 |
眼球突出の診断
目の奥に位置する眼球が、何らかの原因で通常よりも前に出ている状態を眼球突出と言います。眼球突出が疑われる場合は、速やかに眼科専門医を受診することが重要です。眼科専門医は、まず患者さんの目を見て診察する視診や、実際に眼球に触れて診断する触診を行います。そして、眼球がどの程度突出しているかを正確に測るために、眼球突出度測定器という専用の器具を用いて測定します。さらに、血液検査を実施することで、甲状腺の病気など、眼球突出を引き起こす可能性のある全身的な病気がないかを調べます。加えて、状況に応じて、断層撮影と呼ばれるCT検査や、磁気を使って体の内部を詳しく調べるMRI検査などの画像検査を行います。これらの検査結果を総合的に判断することで、眼球突出の原因となっている病気を特定し、適切な治療方針を決定します。
検査 | 説明 |
---|---|
視診・触診 | 医師が目で見て、手で触れて診断します。 |
眼球突出度測定器 | 眼球がどの程度突出しているかを測定します。 |
血液検査 | 甲状腺の病気など、全身的な病気を調べます。 |
CT検査・MRI検査 | 状況に応じて、体の内部を詳しく調べます。 |
眼球突出の治療法
眼球突出は、様々な原因で目が通常よりも前方へ飛び出して見える状態を指し、その治療法は原因疾患や症状の程度によって大きく異なります。甲状腺の病気であるバセドウ病が原因の場合は、まずは甲状腺ホルモンの分泌を抑える治療が中心となります。具体的には、抗甲状腺薬の内服や、放射性ヨウ素を服用することで甲状腺の働きを抑える治療が行われます。これらの治療で効果が不十分な場合や、薬の副作用が強い場合には、甲状腺を手術で切除することもあります。
一方、眼窩内に腫瘍ができて眼球が押し出されている場合は、手術によって腫瘍を摘出する必要があります。腫瘍の種類や大きさ、位置によっては、手術が難しい場合もありますが、可能な限り眼球突出の改善を目指します。また、眼窩内の炎症が原因で眼球突出が起こることもあり、この場合はステロイド薬などの薬物療法が有効です。
眼球突出に伴い、目が乾燥したり、充血したりする症状が現れる場合は、人工涙液や点眼薬を使用して症状を和らげます。これらの治療と並行して、日常生活では目を強くこすったり、刺激を与えたりする行為は避け、目を保護することが大切です。
原因 | 治療法 | 具体的な方法 |
---|---|---|
バセドウ病 | 甲状腺ホルモンの分泌抑制 | 抗甲状腺薬内服、放射性ヨウ素服用、甲状腺手術 |
眼窩内腫瘍 | 腫瘍摘出手術 | – |
眼窩内炎症 | 薬物療法 | ステロイド薬など |
眼球突出に伴う症状(乾燥、充血) | 対症療法 | 人工涙液、点眼薬 |