眼瞼外反:裏返るまぶた
眼のことを教えて
先生、『眼瞼外反』ってどういう意味ですか?火傷や怪我と関係があるみたいなんですが…
眼の研究家
良い質問だね。『眼瞼』はまぶたのことだよ。つまり『眼瞼外反』は、まぶたが外側にひっくり返ってしまう状態を指すんだ。
眼のことを教えて
なるほど、まぶたが外側に…想像すると痛そうですね。どうして火傷や怪我でそうなってしまうんですか?
眼の研究家
そうだね。火傷や怪我でまぶたの皮膚が縮んでしまうと、まぶたが引っ張られて外側に反ってしまうんだ。こうなると、目を守るためのまぶたがうまく機能しなくなってしまうので、大変なんだよ。
眼瞼外反とは。
まぶたに関する言葉である「眼瞼外反」とは、やけどやけがが原因でまぶたの皮膚が引っ張られてしまい、まぶたが外側にひっくり返ってしまった状態のことを指します。
眼瞼外反とは
– 眼瞼外反とは眼瞼外反とは、まぶたの一部または全体が外側に向かって反り返ってしまう病気です。本来、まぶたは眼球にぴったりとくっついており、涙を目の表面に均一に行き渡らせる役割を担っています。しかし、眼瞼外反になると、まぶたの縁が外側に引っ張られてしまうため、この機能が十分に働かなくなってしまいます。眼瞼外反は、主に加齢に伴う変化が原因で起こります。年齢を重ねると、まぶたの皮膚や筋肉が緩んでしまうため、まぶたが反り返りやすくなってしまうのです。その他にも、顔面神経麻痺や外傷、手術後の合併症、炎症などが原因で発症することもあります。眼瞼外反になると、まぶたが眼球に正しく接触しなくなるため、様々な症状が現れます。代表的な症状としては、目やに、涙目、異物感、羞明(光過敏)、眼精疲労などがあります。また、重症になると、角膜に傷がつきやすくなり、角膜炎などを発症するリスクも高まります。眼瞼外反の治療法としては、軽症の場合は人工涙液や眼軟膏などを用いた点眼治療が行われます。これらの薬剤を使用することで、目の表面を保護し、症状を和らげることができます。しかし、症状が改善しない場合や重症の場合は、手術によってまぶたの位置を矯正する必要があります。手術には、まぶたの筋肉や腱を調整する方法や、皮膚を切除してまぶたの形状を整える方法など、様々な方法があります。
項目 | 説明 |
---|---|
定義 | まぶたの一部または全体が外側に向かって反り返ってしまう病気 |
原因 | 主に加齢に伴う変化、顔面神経麻痺、外傷、手術後の合併症、炎症など |
症状 | 目やに、涙目、異物感、羞明(光過敏)、眼精疲労、角膜の傷、角膜炎など |
治療法 | 軽症:人工涙液や眼軟膏などを用いた点眼治療 重症:手術によるまぶたの位置矯正 |
主な原因
– 主な原因
まぶたが外側へひっくり返ってしまう状態である眼瞼外反は、その多くが加齢にともなって発症すると考えられています。人は年齢を重ねると、肌のハリや弾力を保っていたコラーゲンやエラスチンといった成分が失われていきます。
これは、まぶたを構成する皮膚や筋肉にも起こる現象です。
これらの組織が老化によって衰えると、まぶたを支える力が弱まり、本来内側に向いているはずのまぶたが外側へひっくり返りやすくなってしまうのです。
また、加齢以外にも、顔面神経麻痺やベル麻痺といった神経の病気によって眼瞼外反が引き起こされるケースもあります。
これらの病気では、顔の表情筋を動かすための神経に障害が生じ、まぶたの筋肉も正常に機能しなくなってしまいます。
その結果、まぶたの動きが悪くなり、外反の状態を引き起こしてしまうのです。
原因 | 詳細 |
---|---|
加齢 | 肌のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンが失われることで、まぶたを支える力が弱まり、外反が起こる。 |
神経の病気 (顔面神経麻痺、ベル麻痺など) |
顔の表情筋を動かす神経に障害が生じ、まぶたの筋肉が正常に機能しなくなることで、まぶたの動きが悪くなり、外反が起こる。 |
やけどや怪我の影響
目の周りの皮膚は非常に薄く、デリケートです。そのため、やけどや怪我をした場合、まぶたに傷跡が残ってしまうことがあります。傷跡は、皮膚が収縮する性質を持っているため、まぶたを引っ張ってしまうことがあります。その結果、まぶたの縁が外側へ反り返ってしまう「眼瞼外反」という状態になることがあります。
特に、高温の物体に触れたり、熱湯を浴びたりすることによる熱傷や、薬品による化学薬品による損傷は、重度の眼瞼外反を引き起こす可能性があります。また、まぶたに腫瘍ができた場合、それを切除する手術が必要になりますが、その手術後にも、まれに眼瞼外反が生じることがあるため注意が必要です。
眼瞼外反になると、まぶたが目を保護する機能が低下するため、様々な目のトラブルを引き起こす可能性があります。具体的には、目が乾きやすくなったり、異物が入ったりしやすくなるため、ドライアイや結膜炎などのリスクが高まります。また、重症化すると、角膜に傷がつき、視力に影響が出ることもあります。
原因 | 症状・合併症 |
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熱傷 化学薬品による損傷 |
重度の眼瞼外反のリスク |
まぶたの腫瘍切除手術 | まれに眼瞼外反発生 |
眼瞼外反 | まぶたの保護機能低下 ドライアイ 結膜炎 角膜損傷 視力低下 |
症状と合併症
– 症状と合併症眼瞼外反は、まぶたの一部が外側に向いてしまう病気です。 主な症状としては、まぶたの変形以外にも、目が乾く、異物感、涙が出る、光がまぶしい、目ヤニが増えるなど、様々な症状が現れます。まぶたが外側にめくれてしまうと、涙の膜がうまく作られなくなり、涙が眼の表面に行き渡らなくなります。その結果、眼の表面が乾燥しやすくなり、ゴロゴロとした異物感を感じたり、目が乾いたりします。また、乾燥を防ごうとして涙が過剰に分泌され、涙が溢れ出てしまうこともあります。さらに、光を遮るものがなくなり、光が過剰に眼に入ってしまうため、まぶしさを感じやすくなります。 また、外側にめくれた部分が常に外気に触れているため、細菌やウイルスに感染しやすくなります。その結果、結膜炎などの眼の感染症を引き起こすリスクが高まります。眼瞼外反を放置すると、症状が悪化するだけでなく、角膜に傷がつきやすくなったり、視力にも影響が出る可能性があります。 少しでも症状が気になる場合は、早めに眼科を受診しましょう。
症状・合併症 | 説明 |
---|---|
まぶたの変形 | まぶたの一部が外側にめくれる |
目の乾燥 | 涙の膜がうまく作られず、眼の表面が乾燥する |
異物感 | 乾燥した眼の表面に異物を感じやすくなる |
涙が出る | 乾燥を防ぐため過剰に涙が分泌される |
光がまぶしい | 光を遮るものがなくなり、過剰に光が目に入る |
目ヤニが増える | 細菌やウイルスに感染しやすくなる |
結膜炎などの感染症 | 外気に触れることで細菌やウイルスに感染しやすくなる |
角膜の傷 | 放置すると角膜に傷がつきやすくなる |
視力への影響 | 放置すると視力に影響が出る可能性がある |
治療法
まぶたが眼球に反り込んでしまう症状である眼瞼外反。この症状に対する治療法は、症状の程度や原因によって大きく異なってきます。
症状が軽い場合は、点眼薬による治療が中心となります。点眼薬には、涙の代わりとなって目の表面を潤す人工涙液や、目の表面を保護する役割を持つ眼軟膏などがあります。これらの点眼薬を使用することで、眼の乾燥や異物感を軽減し、症状の悪化を防ぐ効果が期待できます。
しかし、まぶたの変形が進んでしまっている場合や、点眼薬による治療効果が不十分な場合は、手術が必要となるケースが多いです。手術では、まぶたのたるみやゆるみが生じている部分の皮膚や筋肉の一部を切除し、まぶたを引き上げることで、まぶたの位置を正常な状態に戻します。また、まぶたを支える組織を強化することで、まぶたが再び反り返ってしまうのを防ぐこともあります。
眼瞼外反の治療は、患者様一人ひとりの症状や状態に合わせて適切な方法を選択することが重要です。気になる症状がある場合は、自己判断せずに、眼科専門医を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
症状の程度 | 治療法 | 効果 |
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軽度 | 点眼薬(人工涙液、眼軟膏など) | 眼の乾燥や異物感を軽減し、症状の悪化を防ぐ |
重度(まぶたの変形が進行、点眼薬で効果がない場合) | 手術(皮膚や筋肉の切除、まぶたを引き上げ、組織の強化など) | まぶたの位置を正常な状態に戻す、まぶたが反り返るのを防ぐ |