生まれたときから視界がぼやける?先天性白内障について

生まれたときから視界がぼやける?先天性白内障について

眼のことを教えて

先生、『先天性白内障』って、どういう病気のことですか?

眼の研究家

いい質問ですね。『先天性白内障』は、生まれつき目に濁りがある病気です。

眼のことを教えて

目に濁りがある、ということは、ものが見えにくいということですか?

眼の研究家

その通りです。濁りの程度によって見えにくさも違います。ひどい場合は、生まれたときからほとんど見えていないこともあります。

先天性白内障とは。

「先天性白内障」とは、生まれつき目に備わっているレンズである水晶体が濁っている状態のことです。これは、白内障の種類の一つです。

先天性白内障とは

先天性白内障とは

– 先天性白内障とは

生まれたばかりの赤ちゃんの目には、本来であれば、外界からの光を捉え、鮮明な視界を映し出すための重要な役割を担う、水晶体という透明な組織が存在します。

しかしながら、先天性白内障の場合、この水晶体に濁りが生じてしまいます。

カメラのレンズに例えるならば、レンズの一部が曇ってしまっている状態であり、光が十分に通過することができません。

その結果、網膜と呼ばれる、視覚情報を脳に伝えるための重要な部分に、光が正しく届かなくなってしまいます。

網膜に届く光が少なくなってしまうと、視力が低下し、外界の風景がぼやけて見えてしまうのです。

先天性白内障は、程度の差こそあれ、赤ちゃんの視力発達に影響を及ぼす可能性があります。

状態 影響
水晶体に濁りが生じる 光が十分に通過できない
網膜に光が正しく届かない 視力が低下し、外界の風景がぼやけて見える

先天性白内障の原因

先天性白内障の原因

先天性白内障は、生まれたときから眼の水晶体が濁っている病気です。その原因は実に様々で、一つの要因で発症する場合もあれば、複数の要因が複雑に絡み合って発症する場合もあります。

まず、遺伝子が関係しているケースが挙げられます。両親から受け継いだ遺伝子の異常によって、眼の発達に影響が生じ、白内障を引き起こしてしまうのです。

次に、お母さんのお腹の中にいる間に、ある種の感染症にかかってしまうことが原因となるケースがあります。風疹やサイトメガロウイルス感染症などがその代表的な例です。これらの感染症は、胎児の成長に様々な影響を及ぼし、白内障の原因となることもあります。

さらに、身体の代謝機能に異常がある場合も、先天性白内障のリスクが高まります。代謝とは、身体の中で栄養素を取り込み、エネルギーに変換したり、不要なものを排出したりする働きです。この代謝機能が正常に行われないと、様々な病気を引き起こす可能性があり、その一つとして白内障も挙げられます。

残念ながら、先天性白内障の原因を特定することは容易ではありません。多くの場合、様々な検査を行っても、はっきりとした原因がわからないままというケースも少なくありません。また、症状の出方も様々で、片方の目にだけ症状が現れることもあれば、両目に現れることもあります。さらに、濁り具合も人によって異なり、視力への影響も軽度なものから重度なものまで様々です。

原因分類 具体的な原因
遺伝要因 両親から受け継いだ遺伝子の異常
感染症 風疹、サイトメガロウイルス感染症など
代謝異常 身体の代謝機能の異常
原因不明 様々な検査を行っても原因が特定できないケースも多い

先天性白内障の症状

先天性白内障の症状

先天性白内障は、生まれつき水晶体が濁っている病気です。水晶体とは、目のレンズの役割を果たし、光を網膜に集めることで、ものを見ることができるようにする重要な器官です。この水晶体が濁ることで、光が網膜に届きにくくなり、視力低下を引き起こします。

先天性白内障で最も一般的な症状は、視力の低下です。乳児の場合、視力が低下していても、それを言葉で伝えることができません。そのため、保護者は、お子様に視力低下の兆候がないか、注意深く観察する必要があります。例えば、目がキョロキョロと動き回る、物を見ようとしない、黒目の部分が白く濁っているなどは、先天性白内障の可能性を示唆する症状です。

先天性白内障は、早期に発見し、適切な治療を行うことが非常に重要です。早期に治療を開始することで、視力の発達を促し、弱視を防ぐことが期待できます。少しでもお子様の目の様子に異常を感じたら、早めに眼科を受診し、専門医の診察を受けるようにしましょう。

項目 詳細
定義 生まれつき水晶体が濁っている病気
水晶体の役割 目のレンズの役割を果たし、光を網膜に集めることで、ものを見ることができるようにする重要な器官
主な症状 視力低下
乳児の症状例 目がキョロキョロと動き回る、物を見ようとしない、黒目の部分が白く濁っている
重要性 早期発見・治療により、視力の発達を促し、弱視を防ぐことが期待できる

先天性白内障の治療法

先天性白内障の治療法

生まれたときから水晶体が濁っている状態である先天性白内障。その治療法は、濁り具合や視力への影響、お子様の年齢などを総合的に判断して決定されます。

もし濁りが軽く、視力への影響も少ない場合は、経過観察をしながら視力の発達を促すために点眼薬を使用することがあります。点眼薬は、目の筋肉の緊張を和らげたり、水晶体の濁りの進行を抑えたりする効果が期待できます。

しかし、濁りが強かったり、視力に影響が出ている場合は、手術が必要となるケースが多いです。手術では、濁ってしまった水晶体を取り除き、代わりに人工のレンズを挿入します。

近年では、医療技術の進歩により、手術の安全性や効果は格段に向上しています。そのため、比較的安全かつ効果的に白内障を取り除くことが可能となっています。ただし、手術には合併症のリスクもゼロではありません。そのため、手術を受けるかどうかは、医師から得られるメリットとデメリットの説明をよく理解した上で、ご家族とよく相談して決めることが重要です。

先天性白内障の治療法 内容
経過観察・点眼薬 濁りが軽く、視力への影響が少ない場合に選択
目の筋肉の緊張緩和、水晶体の濁り進行抑制の効果期待
手術 濁りが強い場合や視力に影響が出ている場合に選択
濁った水晶体を取り除き、人工レンズを挿入
安全性・効果は向上しているが、合併症リスクはゼロではないため医師と相談の上決定

早期発見と適切な治療が大切

早期発見と適切な治療が大切

生まれたときから目の中に濁りがある状態を先天性白内障といいます。先天性白内障は、早期に発見し適切な治療を行うことで、視力の発達を促し、良好な視機能を獲得できる可能性があります。
乳幼児期は視覚の発達が著しい大切な時期です。そのため、この時期に適切な治療を行わないと、視力が十分に発達せず、弱視や斜視などの問題が残ってしまう可能性があります。早期発見・早期治療が極めて重要です。
生まれたばかりの赤ちゃんは、視力検査ができません。そのため、保護者の方が、赤ちゃんの目つきや目の動きをよく観察することが大切です。具体的には、以下のような点に注意して観察しましょう。
* 瞳孔の中に白い点や濁りがないか
* 明るいところでまぶしがり過ぎないか
* 物の動きを目で追っているか
* 左右の目の動きがずれていないか
これらの症状に気づいたら、すぐに眼科を受診しましょう。
乳幼児期は、体の発達に合わせて定期的に乳幼児健診が行われます。乳幼児健診では、視力や目の状態についても検査が行われます。定期的な乳幼児健診を受けることは、先天性白内障の早期発見・早期治療につながります。少しでも目の異常を感じたら、ためらわずに眼科専門医を受診しましょう。

先天性白内障とは 早期発見・治療の重要性 乳幼児の観察ポイント
生まれたときから目の中に濁りがある状態
  • 視力の発達を促し、良好な視機能を獲得できる可能性
  • 適切な治療を行わないと、弱視や斜視などの問題が残る可能性
  • 瞳孔の中に白い点や濁りがないか
  • 明るいところでまぶしがり過ぎないか
  • 物の動きを目で追っているか
  • 左右の目の動きがずれていないか