よくある目の症状：結膜浮腫とは？

よくある目の症状：結膜浮腫とは？

結膜浮腫の概要

– 結膜浮腫の概要結膜浮腫とは、眼球の表面を覆っている透明な膜である結膜に、通常よりも多くの水分が溜まってしまうことで、むくんでしまう状態を指します。まるで白目がゼリーのように腫れぼったく見えたり、常に涙ぐんでいるように見えたりするのが特徴です。多くの場合、目がゴロゴロするような異物感や、痛み、痒みなどの不快な症状を伴います。さらに症状が進むと、まぶたが重く感じて、目を開けておくことさえ辛くなることがあります。その結果、視界がぼやけて見えにくくなり、日常生活に大きな支障をきたす可能性も出てきます。結膜浮腫は、アレルギー性結膜炎や感染性結膜炎などの目の炎症、花粉症などのアレルギー反応、ドライアイ、コンタクトレンズの装用など、様々な要因によって引き起こされます。また、睡眠不足や過労、栄養バランスの乱れといった生活習慣の乱れも、結膜浮腫のリスクを高める要因となります。結膜浮腫は、適切な治療を行えば症状の改善が見込める疾患です。気になる症状がある場合は、自己判断せずに、眼科を受診して医師の診断を受けるようにしましょう。

主な原因

目の表面を覆う薄い膜である結膜が、様々な原因でむくんでしまう状態を結膜浮腫と言います。 結膜浮腫を引き起こす原因は多岐に渡りますが、その中でも特に多いのは、アレルギー反応です。 春先に多い花粉や、一年を通して悩みの種となるハウスダスト、ダニなどが原因となって引き起こされるアレルギー性結膜炎にかかると、目のかゆみや充血に加えて、結膜浮腫が見られることが多くあります。
アレルギー以外にも、ウイルスや細菌による感染症も結膜浮腫の原因となります。 また、コンタクトレンズの長時間装用や、目の乾燥を防ぐ涙の分泌量が減ってしまうドライアイも、結膜に負担をかけ、むくみを引き起こす要因となります。
さらに、睡眠不足や過労、栄養バランスの乱れなどによって体の調子が優れない場合にも、結膜浮腫は起こりやすくなります。 日頃から、十分な休養とバランスの取れた食事を心がけ、体の免疫力を高めることが大切です。

診断と治療

– 診断と治療結膜浮腫は、その特徴的な症状から、比較的診断しやすい病気です。眼科を受診すると、医師はまず患者さんの目の状態を視診します。まぶたの裏側や白目の部分などを注意深く観察し、腫れの程度や範囲、その他に異常がないかを確認します。さらに、患者さんから詳しく話を聞き取る問診を行います。いつから症状が出始めたのか、どのような時に症状が強くなるのか、かゆみなどの自覚症状はあるか、普段どのような環境で過ごしているか、アレルギー体質や持病はあるか、最近使用し始めた薬や化粧品はないかなど、様々な角度から質問し、原因を特定する手がかりを探します。結膜浮腫の治療法は、その原因によって大きく異なります。例えば、アレルギー性結膜炎が原因の場合は、抗アレルギー薬の点眼薬や内服薬が処方されます。細菌やウイルスによる感染症が原因の場合は、それぞれに効果のある抗菌薬や抗ウイルス薬を使用します。コンタクトレンズの不適切な使用が原因で起こっている場合は、レンズの使用を中止し、医師の指示に従って適切なケアを行います。また、ドライアイが原因で結膜が腫れている場合には、人工涙液などで目を保湿する必要があります。治療と並行して、日常生活におけるセルフケアも重要です。十分な睡眠をとり、目を休ませるように心がけましょう。また、バランスの取れた食事を摂り、免疫力を高めることも大切です。症状が改善しない場合や、視力に影響が出ている場合は、自己判断せずに、速やかに眼科を受診するようにしてください。

日常生活での注意点

まぶたが腫れてしまう結膜浮腫は、正しく治療を行い、普段の生活で気を付けることで、症状を軽くすることができます。特に、アレルギー性の結膜炎によって起こる場合は、花粉や家の中のチリダニなどの、アレルギーの原因となるものを避けることが重要です。
外出する時は、眼鏡やマスクを身に着け、家に帰ったら、手を洗い、うがいをし、顔を洗いましょう。また、目をこすったり、触ったりする行為は、症状を悪化させる可能性があるため、できるだけ控えるようにしましょう。
症状が長引いたり、悪化する場合は、自己判断せずに、速やかに眼科を受診してください。

まとめ

目の白い部分がむくんでしまう結膜浮腫は、多くの人が経験するありふれた目の症状です。しかし、その原因はアレルギーや炎症、ドライアイ、そして睡眠不足や使い過ぎによるものなど、実に様々です。さらに、症状も、目がゴロゴロする、涙が出る、光がまぶしく感じるといった軽いものから、視界がぼやける、まぶたが開きにくいといった深刻なものまで幅広く存在します。

自己判断でドラッグストアなどで購入した目薬を使用したり、症状を放置したりすることは大変危険です。原因を見誤ったまま自己流で対処すると、症状が悪化したり、思わぬ副作用を引き起こす可能性もあります。結膜浮腫の症状が見られた場合は、必ず眼科を受診し、医師の診察を受けてください。医師は、症状や検査結果に基づいて原因を特定し、適切な治療法を選択します。

日頃から結膜浮腫を予防することも大切です。例えば、アレルギーが原因となる場合は、アレルゲンとなる物質を避ける、炎症が原因となる場合は目を清潔に保つ、ドライアイが原因となる場合は人工涙液を使用するなどの対策が有効です。また、睡眠をしっかりとる、目を酷使しすぎないといったことにも気を配りましょう。少しでも異常を感じたら、自己判断せずに眼科医に相談するように心がけてください。