霰粒腫:まぶたのよくある病気

霰粒腫:まぶたのよくある病気

眼のことを教えて

先生、『霰粒腫』って、まぶたが腫れるんですよね? どうして腫れるのか、よく分かりません。

眼の研究家

そうだね、『霰粒腫』はまぶたが腫れる病気だね。まぶたの中には、油を出すところがあるんだけど、そこが詰まって腫れてしまうんだ。

眼のことを教えて

油を出すところ? 油は目に必要なのに、どうして詰まっちゃうんですか?

眼の研究家

油は、目の表面をなめらかにしたり、乾燥を防いだりするのに必要なんだ。でも、その油を出すところが、細菌や汚れで詰まってしまうことがあるんだね。そうすると、油が外に出られなくなって、まぶたの中で炎症を起こして腫れてしまうんだよ。

霰粒腫とは。

「霰粒腫」とは、まぶたにある言葉です。まぶたの裏側には、脂を出すところがあって、その出口が詰まってしまうことで炎症が起こります。この炎症を「霰粒腫」と呼びます。

霰粒腫とは?

霰粒腫とは?

– 霰粒腫とは?

霰粒腫は、まぶたにできる小さなできもので、一般的には良性とされています。まぶたには、マイボーム腺という小さな器官がたくさんあります。このマイボーム腺は、涙の表面に油の膜を作ることで、涙がすぐに蒸発しないようにする役割を担っています。

霰粒腫は、このマイボーム腺の出口が詰まってしまうことで起こります。出口が詰まると、マイボーム腺から分泌された油が外に出られず、まぶたの中に溜まってしまいます。そして、この溜まった油が周囲の組織を刺激し、炎症を引き起こすのです。その結果、まぶたが赤く腫れ上がったり、痛みを感じたりすることがあります。

霰粒腫は、子供から大人まで、幅広い年齢層でみられます。多くの場合、特に治療をしなくても自然に治ることが多いですが、症状が長引いたり、痛みが強い場合は、眼科を受診して適切な処置を受けるようにしましょう。

霰粒腫
まぶたにできる小さなできもの(一般的には良性)
マイボーム腺の出口が詰まり、分泌された油がまぶたの中に溜まることで起こる
症状:まぶたの赤み、腫れ、痛み
子供から大人まで、幅広い年齢層でみられる
多くの場合、自然に治るが、症状が長引いたり痛みが強い場合は眼科を受診

霰粒腫の原因

霰粒腫の原因

まぶたの中には、マイボーム腺という皮脂を分泌する小さな器官があります。このマイボーム腺が何らかの原因で詰まってしまうことで、霰粒腫は発生します。

霰粒腫の主な原因は、マイボーム腺の出口が、メイク残りや皮脂、空気中の汚れ、あるいは細菌などで塞がれてしまうことです。特に、アイメイクを落とす際にきちんとクレンジングできていなかったり、目をこする癖があったりすると、マイボーム腺の出口が詰まりやすくなるため注意が必要です。

また、脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎といった皮膚の病気も、霰粒腫の原因となることがあります。これらの病気は、皮膚の炎症によってマイボーム腺の働きを悪くしてしまうため、霰粒腫ができやすい状態になってしまうのです。

さらに、コンタクトレンズを使用している方も、霰粒腫のリスクが高まります。コンタクトレンズを装着することによって、まぶたへの刺激や摩擦が生じ、マイボーム腺の機能が低下しやすくなるためと考えられています。

霰粒腫は、基本的に自然に治ることが多い病気ですが、予防のためには、日頃からまぶたの清潔を保ち、目をこすらないようにすることが大切です。また、アイメイクは丁寧に落とし、コンタクトレンズを使用する場合は、正しい使用方法を守ることが重要です。

原因 詳細
マイボーム腺の詰まり メイク残り、皮脂、汚れ、細菌などにより発生
アイメイク クレンジング不足や目のこすりすぎは要注意
皮膚の病気 脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎でマイボーム腺の働きが低下
コンタクトレンズの使用 まぶたへの刺激や摩擦でマイボーム腺の機能が低下

霰粒腫の症状

霰粒腫の症状

– 霰粒腫の症状霰粒腫になると、まぶたに様々な症状が現れます。最も一般的な症状は、まぶたの腫れです。これは、まぶたの内部にあるマイボーム腺という器官の出口が詰まり、分泌物が溜まってしまうことで起こります。腫れの大きさは様々で、最初は米粒のように小さいこともあれば、時間の経過とともに徐々に大きくなり、豆粒のように目立つこともあります。腫れに伴い、まぶたに赤みや熱感を覚えることもあります。これは、霰粒腫が炎症を起こしているために起こる症状です。ただし、霰粒腫は細菌感染を伴わない場合が多いため、痛みはそれほど強くありません。しかし、霰粒腫が大きくなると、まぶたが重く感じたり、視界が狭くなったりすることがあります。また、まれに細菌感染を起こすと、強い痛みや発熱、まぶたが赤く腫れ上がるなどの症状が現れることがあります。このような場合は、速やかに眼科を受診する必要があります。霰粒腫は、基本的には自然に治癒することが多い疾患です。しかし、症状が長引いたり、悪化したりする場合は、自己判断せずに眼科医の診察を受けるようにしましょう。

症状 説明
まぶたの腫れ マイボーム腺の出口が詰まり、分泌物が溜まることで発生。米粒大から豆粒大まで様々。
まぶたの赤み、熱感 霰粒腫の炎症による症状。痛みは比較的弱い。
まぶたの重さ、視界狭窄 霰粒腫が大きくなった場合に発生。
強い痛み、発熱、まぶたの著しい腫れ 細菌感染時の症状。眼科への速やかな受診が必要。

霰粒腫の治療

霰粒腫の治療

– 霰粒腫の治療霰粒腫は、まぶたの裏にある脂を出す腺に脂肪が詰まってしまい、炎症を起こして腫れが生じる病気です。多くの場合、痛みはそれほど強くありません。治療の初期段階では、自宅でできるケアが有効です。 最も効果的なのは温罨法で、蒸しタオルなどをまぶたに当てて温めることで、詰まった脂肪を溶けやすくします。 40度くらいのお湯に浸したタオルを軽く絞り、1日数回、5分から10分程度まぶたに当てましょう。温罨法と併せて、詰まった部分を優しくマッサージするのも効果的です。 清潔な指で、詰まっている部分に向かって軽く押すようにマッサージすることで、脂肪の排出を促します。ただし、強くこすったり、痛みを感じたりする場合はすぐに中止してください。これらのセルフケアを行っても症状が改善しない場合や、腫れが強くなったり、赤みや痛みがひどくなったりする場合は、放置せずに眼科を受診しましょう。眼科では、症状に合わせて様々な治療法が選択されます。細菌感染が疑われる場合には、抗菌薬の目薬や軟膏が処方されます。炎症を抑えるためには、ステロイドの目薬や、まぶたの裏に直接注射する方法もあります。これらの治療で効果が得られない場合や、霰粒腫が大きく硬くなってしまった場合は、切開手術によって内容物を除去することがあります。霰粒腫は、適切な治療を行うことで、多くの場合、跡を残さずに治癒します。自己判断せずに、眼科医の指示に従って治療を進めることが大切です。

段階 治療法 詳細
初期段階 温罨法 40度のお湯に浸したタオルを1日数回、5分から10分程度まぶたに当てる。
初期段階 マッサージ 詰まっている部分に向かって優しくマッサージする。痛みがある場合は中止する。
症状が改善しない場合、悪化する場合は眼科へ 抗菌薬の目薬・軟膏 細菌感染が疑われる場合に処方。
症状が改善しない場合、悪化する場合は眼科へ ステロイドの目薬・注射 炎症を抑えるために使用。
症状が改善しない場合、悪化する場合は眼科へ 切開手術 霰粒腫が大きく硬くなってしまった場合に実施。

霰粒腫の予防

霰粒腫の予防

目のふちにできる、痛みのない小さな腫れ、霰粒腫。これは、まぶたの脂を出す腺に脂肪が詰まり、炎症を起こしている状態です。できてしまうと、見た目も気になりますし、なかなか治らずに悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。しかし、正しい知識と少しの心がけで、霰粒腫の発生リスクを抑えることは可能です。

霰粒腫予防のポイントは、何よりもまず清潔を保つことです。毎日の洗顔はもちろんのこと、アイメイクをしている方は、寝る前に必ずきちんと落とすようにしましょう。アイメイクが残ったまま眠ってしまうと、それが原因で脂腺が詰まりやすくなってしまいます。特に、まつ毛の生え際にアイライナーやマスカラが残りがちなため、丁寧に落とすように意識してください。

コンタクトレンズを使用している方は、レンズの清潔さを保つことと、正しい使用方法を心がけることが大切です。レンズの洗浄が不十分であったり、決められた交換時期を過ぎても使い続けていると、目に雑菌が入り込み、炎症を起こしやすくなります。また、疲れている時や寝る直前にコンタクトレンズをしたままにしないことも大切です。

規則正しい生活習慣を送り、体の内側から健康を保つことも、霰粒腫予防には効果的です。睡眠不足やストレス、偏った食生活は、体の免疫力を低下させ、霰粒腫だけでなく、様々な病気のリスクを高めてしまいます。バランスの取れた食事を心がけ、十分な睡眠時間を確保し、ストレスを溜め込まないように工夫してみましょう。

予防ポイント 具体的な方法
清潔を保つ ・毎日の洗顔
・アイメイクを落とす(特にまつ毛の生え際)
・コンタクトレンズの清潔、正しい使用方法を守る
規則正しい生活習慣 ・バランスの取れた食事
・十分な睡眠
・ストレスを溜め込まない