牛眼:先天緑内障の兆候

牛眼:先天緑内障の兆候

眼のことを教えて

先生、「牛眼」ってどんな目の病気なんですか?

眼の研究家

良い質問だね。「牛眼」は、生まれつき目の黒目の入り口部分である角膜が濁っていて、さらにその黒目が大きくなってしまう病気なんだ。

眼のことを教えて

黒目が濁っていて、しかも大きくなるんですか?

眼の研究家

そうなんだ。だから、牛の目のような印象を与えるため「牛眼」と呼ばれているんだよ。ただし、病気の程度は人によって違うので、必ずしも牛の目と同じように見えるわけではないけどね。

牛眼とは。

「牛眼」とは、生まれつき目の隅にある排水口の形に異常があり、緑内障になっている状態のことを指します。この病気になると、目の表面にある透明な部分である角膜の大きさが大きくなってしまいます。

牛眼とは

牛眼とは

– 牛眼とは牛眼とは、生まれつき目のかっぱく(角膜)に高い圧力がかかってしまう病気、先天性緑内障の患者さんにみられる症状の一つです。この病気は、目の中を循環する水がうまく排出されずに、目に水が溜まってしまうことで起こります。その結果、目の中の圧力(眼圧)が異常に高くなってしまい、視神経に悪影響を及ぼします。牛眼は、この高い眼圧によって角膜がむくんでしまい、本来は透明である角膜が白っぽく濁って見える状態を指します。その見た目が牛の目に似ていることから、牛眼と呼ばれています。牛眼は、放置すると視力に悪影響を及ぼし、最悪の場合失明に至る可能性もあります。先天性緑内障は早期発見・早期治療が非常に重要となるため、赤ちゃんや小さいお子さんの目がいつもと違うと感じたら、早めに眼科を受診することが大切です。

項目 説明
疾患名 先天性緑内障
症状 牛眼:角膜がむくみ、白く濁って見える状態
原因 目の中の房水と呼ばれる液体がうまく排出されず、眼圧が異常に高くなるため
合併症 視力低下、失明
治療 早期発見・早期治療が重要

隅角の形成異常

隅角の形成異常

– 隅角の形成異常について牛眼は、眼球内の隅角と呼ばれる部分の形成異常が主な原因です。では、隅角とは一体どのようなものでしょうか。私たちの眼球は、カメラのレンズのように外界の光を集めて映像を映し出すことで視覚を認識しています。そのカメラのレンズに相当するのが角膜で、眼球の一番外側に位置しています。その奥には、光を調整する役割を持つ虹彩があります。虹彩は、瞳孔の大きさを変えることで眼球に入る光の量を調節しています。この角膜と虹彩の間にある狭い空間を隅角と呼びます。隅角は、眼球内を循環する栄養豊富な液体を排出するための重要な排水口としての役割を担っています。この液体を眼房水と呼びます。眼房水は、眼球内の組織に栄養を供給し、眼圧を一定に保つことで眼球の形を維持する役割を担っています。先天性緑内障の場合、生まれつきこの隅角が狭くなっていたり、閉塞していたりします。そのため、眼房水が排出されにくくなり、眼球内に溜まってしまうことで眼圧が上昇してしまいます。そして、この上昇した眼圧が視神経に影響を与えることで、視力障害を引き起こしてしまうのです。

部位 役割
角膜 眼球の一番外側に位置し、カメラのレンズのように外界の光を集めて映像を映し出す。
虹彩 角膜の奥に位置し、瞳孔の大きさを変えることで眼球に入る光の量を調節する。
隅角 角膜と虹彩の間にある狭い空間。眼房水を排出するための重要な排水口としての役割を担う。
眼房水 眼球内を循環する栄養豊富な液体。眼球内の組織に栄養を供給し、眼圧を一定に保つことで眼球の形を維持する。

角膜の直径拡大

角膜の直径拡大

目の表面にある透明な膜である角膜は、カメラのレンズのように光を集め、網膜に像を結ぶために重要な役割を担っています。生まれたばかりの赤ちゃんの角膜は、まだ発達段階にあり、柔らかく、弾力性に富んでいます。これは、成長に合わせて柔軟に形を変えることができるという利点がある一方で、眼圧の影響を受けやすいという側面も持ち合わせています。

眼球内には、眼球の形を保つために、房水と呼ばれる水が循環しています。この房水の圧力である眼圧が、何らかの原因で異常に高まると、周囲の組織、特に柔らかい赤ちゃんの角膜は圧迫を受けます。この状態が続くと、角膜は過剰に伸展し、直径が大きくなってしまうのです。これが、牛のように目が大きく見えることから「牛眼」と呼ばれる状態です。

健康な新生児の角膜直径は、一般的に9.5mmから10.5mm程度ですが、牛眼の場合、この範囲を大きく超え、12mmを超えることもあります。角膜の直径が大きくなることで、光を正しく屈折させることができなくなり、視力に影響を及ぼす可能性があります。また、見た目の問題だけでなく、角膜の混濁や眼圧のコントロールが困難になるなど、様々な合併症を引き起こす可能性も孕んでいます。

項目 詳細
角膜の役割 カメラのレンズのように光を集め、網膜に像を結ぶ
新生児の角膜の特徴 ・柔らかく弾力性がある
・眼圧の影響を受けやすい
牛眼とは 眼圧が異常に高まり、角膜が過剰に伸展し直径が大きくなった状態
牛眼の症状 ・角膜直径が12mmを超える
・光を正しく屈折できず視力に影響が出る可能性
・角膜の混濁
・眼圧のコントロールが困難になる
正常な新生児の角膜直径 9.5mm~10.5mm程度

早期発見と治療

早期発見と治療

生まれたばかりの赤ちゃんは、視機能が未発達なため、視覚を通して得られる情報が限られています。そのため、視覚に異常があっても、それを周囲に伝えることができません。しかし、視覚の異常を早期に発見し、適切な治療を行うことで、視機能の発達を促し、健やかな成長をサポートすることができます。赤ちゃんの目の健康を守る上で特に重要なのが、眼科検診による早期発見と早期治療です。

生まれたばかりの赤ちゃんの目の病気として代表的なものに、先天緑内障があります。先天緑内障は、眼圧が高くなることで視神経に障害が生じ、視力低下や視野狭窄を引き起こす病気です。先天緑内障の主な症状の一つに、「牛眼」があります。これは、眼圧の上昇により、黒目である角膜や白目である強膜が薄く引き伸ばされ、黒目が大きく見える状態です。

先天緑内障は、早期に発見し、適切な治療を開始することで、視力障害の進行を抑制できる可能性があります。そのため、新生児の頃から定期的な眼科検診を受け、眼の健康状態をチェックすることが大切です。特に、家族に緑内障の既往歴がある場合は、注意が必要です。早期発見、早期治療が、お子様の明るい未来を守ることにつながります。

項目 説明
赤ちゃんの視機能 未発達なため、視覚情報が限られ、異常を伝えることができない。早期発見・治療が重要。
先天緑内障
  • 眼圧上昇により視神経に障害が生じ、視力低下や視野狭窄を引き起こす。
  • 症状:牛眼(黒目が大きく見える)
  • 早期発見・治療で視力障害の進行抑制の可能性あり
  • 家族歴がある場合は特に注意が必要
眼科検診 新生児から定期的な受診が重要